白銀の烏と異世界母港【再演】   作:夜叉烏

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 こんばんは。夜叉烏です。

 今回はミリタリー関連薄いですね。

 作者のYouTube
 (https://www.youtube.com/channel/UCUn4CBwIg1kM4rdr-AkW3Cg/videos)



緊急派遣

 

 

 「いやぁ~~…でっかいなぁ」

 

 遣ロ使節団に選ばれた戦術士官のラッサン・デヴリンが、駐機してある四式輸送機を遠巻きに眺め、感嘆の声を上げた。

 

 「あんなので驚いてたら身が持たないぞ、覚悟しとけ?」

 

 同じく遣ロ視察団の一員となったマイラスが、どこか楽観的な口調で話すラッサンに対し、戒めるようにそう言った。

 先進的な飛行機械ではなく、常識から外れた存在であるKAN-SENを直で見ているマイラスからすれば、ラ・カオス以上に洗練されている飛行機械で驚くようでは、これから先やっていけないと確信していた。

 

 「ホントか?優れた技術を持ってるのは分かるが、所詮は文明圏外国家だろ?」

 

 「…お前の目は節穴か?目の前にある飛行機械が見えてないのか?」

 

 一応、マイラスが徹夜で仕上げたレポートは、ムー国政府の要人の他、ラッサンにも共有されているのだが、ムーよりも優れた飛行機械なら兎も角、人1人が軍艦を召喚したという事実を真面に受け取る者は少なく、ラッサンもその内の1人だった。

 

 「飛行機械ならまだわかる。だが、人が軍艦を召喚しただって?俺の目が節穴だって言う前に、お前の頭がぶっ壊れたんじゃないか?」

 

 それに、如何に技術力の優れた国家だとしても、所詮は文明圏外国家だ――そんなことを思っているようだ。

 穏やかで謙虚な国民性のムーだが、同時に列強第2位のプライドも持ち合わせている。侮蔑しているわけではないが、無意識に文明圏外国に対する差別意識が出てしまうこともあるのだ。

 

 それに、実際にKAN-SENを見たマイラスと違い、書面越しに情報が伝えられただけのラッサンでは、信じられないのも無理はない。

 

 「文明圏外ってだけで全部片付けるなよ。良いか、これだけは言っておく。『ムーの常識は全て忘れろ』だ!」

 

 鋭い口調で言い放ったマイラスに、先ほどまで暢気そうに話していたラッサンも、流石に怯んだ。

 

 「お、おう…。しかし、ラ・トゲフ級以上の大きさと性能を持った戦艦か…あの偉そうな中将の顔色といったらもう…」

 

 この中将というのは、ラ・トゲフ級の建造を後押ししていた海軍の一派の構成員だ。

 かなり無理をして、やっとのことでラ・トゲフ級の建造にこぎ着けたにも拘わらず、遥かに強力な戦艦の存在が知らされた。

 

 ロ連への使節団派遣に関する緊急会議が開かれ、招かれていた中将は、ラ・トゲフ級以上の大戦艦の写真を見せつけられた格好になったわけだが、この時の消沈ぶりは彼をよく思っていない者ですら同情するほどだったという。

 

 なお、会議に同席していたマイラスは、建造計画に口を出し、技術的難易度など無視して強引にラ・トゲフ級の建造を推進させ、技術陣に多大な負担を強いた彼らに、少なからず恨みを抱いていたため、彼の消沈した様子を見てスカッとした気分になっていた。

 

 「そもそも、国交を結んで直ぐ…しかも、相手の外交官の帰還に同行してだなんて、前代未聞だ」

 

 「上も、形振り構っていられないってことだろ。俺としては、珍しく賢明な判断だと思う。お前だって、グラ・バルカス帝国の蛮行は知ってるだろう?」

 

 その言葉に、ラッサンも黙らずを得なかった。

 パガンダ、レイフォルと、2つの国を短期間で滅ぼしたグラ・バルカス帝国は、その勢力を見る見るうちに拡大させ、占領地民に対する暴行、略奪、圧政、強制労働など、非道の限りを尽くしている。

 ムー国の諜報員からは、そんな占領下にある旧パガンダ・レイフォルの様子を映したものの他、『グレードアトラスター』と呼ばれる巨大戦艦、近代的な単葉機の写真等、ムー軍と同等かそれ以上の装備を有している証拠が次々と送られており、軍関係者は神経を尖らせているところだ。

 

 思想と技術・軍事力の両面で、ムーが現在最も危険視している国である。

 

 「グラ・バルカス帝国の兵器がどれ程の性能を持っているのかは知らない。だが、技術力は少なくとも我が国と同等かそれ以上なのは確実だ。仮に戦争になったら、どう転ぶか分からない。最悪、ムーが滅ぶ可能性だってあるんだ」

 

 「だから、優れた科学技術を持つロ連との協調路線、か…」

 

 話しながら、四式輸送機の元まで歩いてゆく2人。近づくにつれ、改めてその大きさに驚愕してしまう。

 

 (あの4発機…いや、『双子機』だったか。先に上がったのかな?こいつにも実機を見せてやりたいが…)

 

 マイラスがそんなことを思っていると、四式の搭乗口が開き、中の人物が顔を覗かせた。

 長い銀髪に黒づくめの美女…黒烏だ。

 

 「マイラスさん、先日はご案内感謝いたします。ラッサンさん、初めまして。ロデ二ウス連邦の外交官、FATO軍の総指揮官を務めます。白銀黒烏と申します」

 

 「はい、その節はお世話になりました。KAN-SENの皆様の見学許可をいただけるとは…お陰で、色々と勉強になりました」

 

 技術者の端くれであるマイラスとしては、ムーの技術水準を大幅に上回る軍艦を見学する機会をくれた黒烏に対し、頭が上がらなかった。

 黒烏も、祖国の発展のために身を捧げるマイラスには好感を持っている。

 

 「…いやはや、お美しい御方ですな。これほどの美女のお世話になれる機会が巡ってくるとは、誠に光栄…」

 

 「え、え…?」

 

 唐突に、王子風の口調に代わったラッサンが、黒烏に対し恭しさ満載にそう言った。

 急に異性から話しかけられた黒烏はどう応えたらいいのか分からず、若干顔を赤くして戸惑うばかり。

 

 ラッサンは、ムー統括軍の若き戦術士官として期待されている軍人だが、女癖が悪いことが同期の間で有名だった。

 士官学校の講義を、進路に問題ない程度にちょくちょくサボっては街へ女性を引っ掛けに行ったり、休み時間は同期の男学生と色恋や下ネタの話題で盛り上がったりしていた。

 

 また、彼は過去にその女癖の悪さが祟り、危うく左遷させられそうになったことがある。

 士官学校を卒業して間もなく、ラッサンは休暇中に偶々街で若い女性を引っ掛けたのだが、彼女はムー統括海軍機動艦隊司令長官レイダー・ミレールの腹心と言われる有力な参謀の娘だった。

 その参謀は、いずれ娘を国王ラ・ムーの血縁に連なる一族に縁づけて、出世の引きにしようと考えていた。

 

 大事な娘――"出世の道具"として大事にしているだけである――を傷物にされ、激怒した参謀は人事部を招集し軍法会議を開催。

 戦術士官という花形からの転落人生…と思いきや、天運はラッサンに味方した。

 

 軍法会議が開かれるにあたって、参謀とラッサンの経歴が詳しく調べられたのだが、女癖が悪くとも、基本真面目に努力を重ね、座学や訓練に参加して優秀な成績を収め――偶にサボりはしたが――、戦術士官の地位を戴いたラッサンとは違い、参謀の経歴は真っ黒だった。

 

 街で泥酔した上、酔った勢いで市民に対する恐喝行為、横領した金で娼館通い、そして参謀としての地位を金と権限で買ったこと…。

 

 なぜそんな奴が機動艦隊の参謀なんてやってるのか――と思うだろうが、この参謀は口だけは達者であり、また彼の息がかかった者も多い。

 金と権力と取り巻きの情報操作によって、彼の悪事はなかったことにされ、『祖国のために尽力している模範的な軍人』という偽りの姿だけを表に見せていたのである。

 

 それが明るみに出た結果、参謀の上司であるレイダーや参謀長、そしてラ・ムーまでもが激怒。

 特にラ・ムーは、歴史あるムー王族の血筋を…それだけでなく、自分の娘までをも出世の道具にしようと画策していた参謀への怒りが人一倍強かった。

 国王自らが討ち首にしてやると、代々伝わる国宝の剣を持ち出し、1人車で軍部に突っ込もうとしたほどだ。

 

 上司のみならず、国のトップすら怒らせた参謀と、彼の息がかかった将校たちはその後、出世の見込みなど無いに等しい"海軍の左遷組"が集まる僻地警備部隊に飛ばされた。

 今頃は、漁船に毛が生えた程度の大きさしかない小型砲艇の上で、船酔いと虐めに苦しんでいることだろう。

 一歩間違えたら自分があそこへ行くことになってたのか…と、ラッサンは経歴を詳細に調べ、適切な判断を下してくれた人事部に、これ以降頭が上がらなくなっていた。

 

 そしてラッサンだが、女性を引っ掛けたことについては特に問題はなかったとされ、不問となっている。

 性的暴行や恐喝は一切していないため、それ以上追求されることはなかった。まぁ、デートのお誘いをしただけであるし、当然の帰結とも言えよう。

 

 とはいえ、危ない目に遭いかけたのは事実であり、これで女遊びも少しは控えるようになるだろう…と思いきや、暇さえあれば街へ繰り出し、女性に声を掛け続ける日々を送っている。

 

 そして、目の前にいる黒烏は、今まで声を掛けてきたどんな女性よりも美しかった。彼女を前にしてしまったラッサンに、口説かないという選択肢はなかった。

 

 (こ、こういう時…どう返せばいいのかしら…!?)

 

 「お暇がありましたら、一緒に食事でも…」

 

 「いい加減にしろッ!!」

 

 異性からのお誘いに慣れていない黒烏が対応に困っている中、ラッサンが更なる追撃をかけてきたが、マイラスの怒声によりこのやり取りは終了した。

 

 彼らは、ムーの代表としてここに来、黒烏たちに同行するのだ。これ以上恥を晒すなどあってはならない…女癖が悪いだけで一応真人間であるラッサンはそう思い直し、口説くのを止めたのだった。

 

 





チーフテン「結局貴方はどれを採用するんですか?」
T-62「勿論アタシだよなぁ?」
T-72「姉様は黙っていてください。私に決まっています」
センチュリオンMk.10「改造してくれればもっと頑張れますッ」
MBT-70「…(^^)ニコニコ」
AMX-30「あら、私をお忘れでして?」
レオパルド1「小官では不足でしょうか?」
M60「T-72が居るならオレだって!」
74式「私だって意外とやれるんですよ?」
M1エイブラムス初期型「よろしくニキーwwww」

(色々な戦車から主砲を向けられてる)

――――――

ワイ「…うわぁぁぁぁぁッ!?…夢か」
※当初はセンチュリオンの改良型を採用することにしてたけど、チーフテンにしようかなと思ってる。だけどT-72も捨てがたい…。
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