白銀の烏と異世界母港【再演】   作:夜叉烏

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 こんばんは。夜叉烏です。

 マイラス君にムーKAN-SEN建造させようか迷うなぁ…。

作者のYouTube
 (https://www.youtube.com/channel/UCUn4CBwIg1kM4rdr-AkW3Cg/videos)



軍艦が変形するとか常識ですよね?

 

 《黒毛和牛ノすてーき赤味噌そーす添エト、茹デ野菜ノさらだデゴザイマスっぴ!》

 

 「あ、あぁ…ありがとうございます…」

 

 キャビンアテンダントの制服を着た巨大なヒヨコ――饅頭が、機械的な声音と共に差し出した機内食を、マイラスが戸惑いながらも受け取る。

 あれも一応機械なのだと説明を受けた彼だったが、どう見ても不思議な生き物にしか見えない。

 

 (う、美味い…何なんだこの機内食は!?ムーの高級ホテル並みじゃないか!!機上でこんなメニューが楽しめるなんて…!!まさか、機内に本格的な厨房があるのか!?)

 

 湯気の立った、作り立ての言わんばかりの食事。

 黒毛和牛はナイフを添えるだけで簡単に切り分けられ、主食のパンはふわふわ、野菜も新鮮だ。無論不味いわけがなく、ついマナーを気にせずにバクバクとがっついてしまう。

 

 ラ・カオスも旅客機である以上、機内食を乗客へ提供するサービスや設備はあるが、メニューと言えば缶詰やサンドウィッチが精々だ。

 

 (それに…)

 

 機内食の美味しさに感動しつつ、機内を見回す。旅客輸送に配慮された、明るく清潔な客室もそうだが、それ以上に不思議に思っていることがあった。

 

 (今は確か…上空10000メートルだろう?なのになぜ、こんなに快適なんだ?)

 

 驚きの連続で忘れてしまっていたのだが、上空10000メートルにいるにも拘わらず、地上と同じような感覚で呼吸や食事ができ、高空の冷気を一切感じないことに、今更ながら気付いたのだ。

 というより、上空1万メートルまで昇れる爆撃機の存在自体、驚愕そのものなのだが。ムーにとって、天にも等しい空域である。

 

 向かい側の通路に座る黒烏に向け、この絡繰りについて質問した。

 

 「黒烏さん。現在は高度10000メートルを飛行中とのことですが、なぜこのように地上と変わらない状態で過ごせているのでしょうか?」

 

 質問された黒烏は、機内食を口にする手を止め、その疑問に答えた。

 

 「本機は与圧キャビンを採用していますから。気圧が低く、空気の薄い高高度でも、その気になればシャツ1枚で過ごせます」

 

 「与圧キャビン…?」

 

 初耳の単語に、思わず聞き返す。最新鋭機の"アナクス"でさえ、酸素マスクと電熱服の併用で高空での飛行を可能にしている現在のムーでは、知らなくても無理はない。

 

 「簡潔に説明しますと、機内の気圧を地上と同等に保つ『与圧・空気調和装置』を搭載しているんです。機外は気圧が低く、機内は気圧が高い…つまり、内側からの膨張圧力に耐えられるような機体構造が求められます。旅客機だけでなく、高高度を飛行する戦略爆撃機や、それを迎撃するための戦闘機にも装備されていますね」

 

 「なるほど…」

 

 搭乗員を配慮した装備に、思わず感嘆の声が漏れてしまう。航空機の飛行性能がいくら良かろうが、操縦するのは人間である以上、パイロットの体調にも配慮しなければならないのは自明だ。

 一応、ムーも酸素マスクや電熱服を開発し、高空で搭乗員が酸素不足や寒さに苦しむことがないよう配慮しているが、両者は狭い機内で嵩張り、"アナクス"の搭乗員は『小さい箱に無理やり押し込まれたようだ』と苦言を呈していた場面を見たことがある。

 また、"ラ・カオス"の銃手も、酸素マスクと電熱服、そして分厚い手袋を装着したまま機銃を操るのは至難であり、防御火器の稼働率は不活発であると、報告が上げられていた。

 

 もし、与圧装置の技術供与が受けられれば、搭乗員の負担がより軽減され、更に効果的な迎撃が可能になるだろう。

 

 会話が終わり、マイラスは暇潰しにとロ連側から貸与されたタブレット端末の画面を見る。操作方法は、黒烏から一通り教わっていた。

 検索機能を用い、最近開設されたロ連軍の公式サイト、その兵器の欄をタップして情報を閲覧する。

 

 (この機体のエンジン…出力2300馬力だとッ!?そりゃあ、"アナクス"が追い付けないわけだ…こんな大出力のエンジン、今の我が国じゃ造れ…ないよなぁ…。それに、過給機も当たり前みたいに実用化してるし…)

 

 ロ連との技術格差の広がりを感じ、敗北感に打ちひしがれるマイラス。因みに、過給機の構想自体はムーにも意外と古くからあった。

 同時に、高性能な機体やエンジンを開発・製造する技術を持つロ連の協力を得られれば、ムーの航空技術も大きく進歩するだろう…と確信していた。

 

 後は、プライドの高い上層部がロ連からの技術供与を受け入れるかだ。

 

 (いきなり2000馬力級のエンジンを開発するのは、難易度も高いし時間がかかりすぎる。ロ連から1000馬力級のエンジンを輸入できないか?できればそいつをライセンス生産して、"アナクス"に搭載してみよう。設計的余裕もあるはずだ。グラディア主任にも意見書を書かなくちゃな…)

 

 やるべきことを纏め、持ってきたメモ帳へ書き出す。

 『主力戦闘機はあくまで純国産であるべきだ』…そう主張する軍高官の姿が目に浮かび、内心で溜息をつく。頑迷な彼らを説得しなければならないと思うと、憂鬱になる。

 

 戦闘機の国産化は確かに必要だ。実戦では必ず損失が出るものであり、仮にロ連から輸入した機体ばかりで揃えてしまうと、修理用部品や予備機体の補充が面倒になる。

 その観点に照らせば、全ての戦闘機を自国製にすることにこだわる上層部の考えは間違ってはないのだが…彼らのことだ。それだけが理由ではないのだろう。

 

 「うお、やべぇ…超可愛いな」

 

 (こいつ…)

 

 隣でタブレットに目が釘付けになっているラッサンを、冷めた横目で見つめる。

 彼の持つ液晶には、水着を纏った美女が何人も映った画像が表示されており、鼻の下を伸ばしていた。

 

 黒烏からは『自由に色々見ていい』と伝えられているものの、外交の場で堂々と水着女性の画像を見ているラッサンの欲望に対する忠実さに、マイラスは呆れていた。

 

 ――この時、ラッサンが見ていたものは、FATO陸軍大将栗林忠泰が開設した()()()()()()陸軍入隊推奨のための宣伝用サイトであり、KAN-SEN並みに容姿とプロポーションが整った側近たちに際どい水着を着せ――繰り返すが、極めて健全なサイトである――、撮影を行い、サイトに掲載していたのだった。

 

 なお、キャッチコピーは『入隊すれば彼女たちに会える!』だったりする。

 

 

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 「「…」」

 

 数時間後、間もなくロデ二ウス大陸が見えてくるといった頃合い。

 マイラスとラッサンはガラスに顔を押し付け、機外に映る()()()()を驚愕の眼差しで眺めていた。

 

 あるもの――四式輸送機など比較にならないサイズを持った漆黒のメカメカしい巨鳥が、機体の右正横1キロ地点を飛んでいるその様を。

 何なんだあれは、ロ連は神龍を従えているのか…そんな疑問が心中で渦巻く。

 

 「おいマイラス!何だ、何なんだあれはッ!?!?」

 

 「知らないって!!こっちが聞きてぇよ!?」

 

 軽く全長200メートル超え、翼幅に至っては400メートルはあるだろう。

 落ち着いて――全く落ち着けていないが――観察すると、無数の機械の集合体だということが辛うじて分かった。巨大な翼が羽ばたく度に、胴体のあちこちが金属音を上げ、火花を散らす。

 胴体や翼のあちこちには駆逐艦の主砲クラスと思われる連装砲や、大口径の機銃、そして何の役に立つのかよく分からない機器が取り付けられていた。

 

 「あれは空母『グラーフ・ツェッペリン』。彼女の艤装が変形した姿になります。我々の出迎えですね」

 

 「え…く、空母が変形…?してあれに…!?」

 

 「お、おい!!左、左ッ!!」

 

 彼らの乗る四式とその護衛機の左側にも、空母が変形した同型の巨竜が飛んでいた。

 

 「左側のは姉妹艦の『ペーター・シュトラッサー』です。鉄血陣営はああいう技術に関しては他よりも1日…いや、5日程の長がありますから」

 

 「「…」」

 

 そんな大したものじゃない…言外にそんな意思が込められた黒烏の言葉。

 しかし、軍艦を獣を模した機械に変形させるなど、ムーにはその技術どころか発想すらない。もしかして、あのような軍艦が何十隻もあるのか?と、2人はそんな考えに至る。

 

 貴女方にとってはそうでもないものなのかもしれませんが、こっちからすればそれで済むようなことじゃないんですよ――マイラスとラッサンは、内心でそう訴えていた。

 

 当の黒烏は、2人の抗議染みた視線を他所に、巨竜の眉間に座る2人の鉄血空母KAN-SENに向けて、笑顔で手を振っていた。

 





 64式『結局貴方はどれを採用するのですか?』
 G3『小官ではご不満ですか?』
 AKM『勿論アタシだろ?』
 FAL『私だって頑張れますからッ』
 EM-2『この私に決まっていますわよね?』
 ストーナー62『ピザとコーラうめぇwww』


――――

 ワイ『はっ…(起床)!?あれ、デジャブ…?』

 因みにグラーフ・ツェッペリン級の艤装の装甲獣型は始祖鳥みたいな感じです。
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