白銀の烏と異世界母港【再演】   作:夜叉烏

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 こんにちは。夜叉烏です。

 最近他作品に浮気してたので、こっちも流石に更新しませんと…。
 
 作者のYouTube
 (https://www.youtube.com/channel/UCUn4CBwIg1kM4rdr-AkW3Cg/videos)



母港の日常その①

 

 「…きかん。指揮官」

 

 「ん…」

 

 微睡む意識の中、誰かに呼び掛けられながら身体をゆすられ、段々と意識が覚醒してくる。

 

 「起きてください、指揮官」

 

 「う…にゃ…」

 

 窓から差し込まれる朝日を鬱陶しく思いながら、猫を思わせる声と共に、その意識を覚醒させた。

 

 「おはよ…綾波…」

 

 「指揮官、相変わらず寝坊助さんです」

 

 水色と白の横縞が描かれた下着姿の綾波が、黒烏の目を覗き込まんばかりの近距離で微笑む。

 

 「…私の下着は?」

 

 「洗濯中です。新しいのは出してあるです」

 

 未成熟ながら、見た目にそぐわないプロポーションの綾波は、薄着とはいえ一応布を纏っていたが、一方の黒烏はニーソックスを穿いただけ。いつものノースリーブと片スリットのロングスカートは広いベッドの上に投げ出されており、ベッド脇のサイドテーブルへ綺麗に畳まれた下着が置いてあった。

 

 「可愛かったですよ、指揮官…❤」

 

 「…///」

 

 昨夜の夜伽は、終始綾波がリード。ベッドの上では、年上の美女を少女が弄るロリおねシチュが展開されていた。

 この泊地の綾波、世の指揮官勢が思っている以上に肉食である。

 

 可愛い発言に顔を赤くする黒烏の頭を、綾波は只管に撫でていた。

 

 

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 起床後の軽いイチャイチャと朝食を済ませた黒烏は、明石や夕張以下、各陣営から派遣されている技術者の根城へと足を運んでいた。

 そう遠くない内に訪れる戦乱へ備え、データベースに保管されている情報を基に、新兵器開発は休みなく続けられている。

 

 ――十四年式拳銃など比較にならない、巨大な銃声が射撃場に轟く。

 黒烏が両手に抱える、漆黒に塗装された大型の自動拳銃が火を噴き終わり、スライドが後退して弾切れを報せた。

 

 「あ~五月蠅かったニャ…どうだったかニャ、指揮官?」

 

 「良い感じよ。貴女も偶にはいいことしてくれるじゃない」

 

 「偶には余計だニャ!」

 

 外観は十四年式に類似しているが、それよりも遥かに大きい。

 常人が2丁拳銃で扱うなど思いも寄らないが、オブザーバーによって造られた黒烏にとっては児戯も同然だ。

 

 .44オートマグナム。

 44マグナム弾を用いる自動拳銃であり、黒烏が以前愛用していたS&W モデル3リボルバーと比べ、装弾数や反動の低減、発射ガスの利用効率、速射性能で勝っている。

 なお、黒烏の希望により本来7発の装弾数が9発になっており、オリジナルよりもグリップ長が長くなった。

 

 「早撃ちできるのが良いわね。忙しい中無理に応えてくれてありがと、明石」

 

 「まぁ、弾倉とグリップの設計を少し弄る位だったからそれほどでもないニャ。…にしても、相変わらず指揮官の腕前は凄まじいニャ」

 

 「はいはい。あぁ、データベース解析の進捗状況は?」

 

 頭部がマグナム弾の直撃によって悉く消し飛ばされたマンターゲットの大群を見、身震いする明石に向けて質問する黒烏。

 

 「あ~…超音速機、各種誘導弾、新式の加農砲、回転翼機、自動小銃、新型戦車と兵員輸送車…色々やってるニャ」

 

 明石や夕張と共にデータベースを解析し、それを元に新兵器開発へ励む技術者たちは総じてキャラが濃い(というより《烏の巣》にいる者は皆そうである)。言ってしまえば変態集団。

 セイレーンの技術を分捕り、更なる知見を深めた彼らの前進は、最早誰にも止められない。

 

 しかし、いくら全陣営の技術者が総力を結集して事に当たっているとはいえ、やることが多すぎる。

 

 「…後で休暇をあげるわ」

 

 「明石と夕張だけニャ。皆は働いている時が一番好きみたいニャ…」

 

 休暇を欲するKAN-SEN2人とは違い、技術者たちは仕事に打ち込んでいる時間が最も幸せらしく、流石に働き過ぎだからと労働改革を提案した明石に対し、総出で『私たちの至福の時間を奪うなこのクソ猫がぁッッッ!!』などと怒鳴り散らしたことがあった。

 あまりの怒りようにガチ泣きしてしまった明石は、それ以来休暇を促すのはやめている。

 

 「仕事への熱意がベルファスト以上ね…まぁ、休暇が苦痛っていうなら寧ろ働いてくれた方がいいかしら。一応、徹夜したり食事を抜いてまで仕事するのは禁止だって伝えておいてちょうだい。これは命令だってね」

 

 「分かったニャ…」

 

 

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 「うちのリットリオったらねぇ!何度も何度も何度も何度も何度も何度もぉ…ッ!私に無断であんな鋏オタクと一緒にいるのよぉッ!?」

 

 「確かに、あまり褒められたことじゃないわね。怒るのも無理はないわ」

 

 がちゃんっ…と、テーブル席のソファーで完全に酔っぱらっている黒烏は、カクテルを飲み干し空になったグラスを叩きつけるようにテーブルへ置き、隣へ座るKAN-SENへ凄むように身を乗り出す。

 たまたま居合わせたそのKAN-SEN…第4の専属艦であるフリードリヒ・デア・グローセがなんとか彼女を宥めており、その光景はまるで、会社や上司の愚痴を洗いざらい吐き出すサラリーマンの御機嫌を取るキャバ嬢だ。

 

 しかし、地中海の伊達女ことリットリオの女癖の悪さを、酒の勢いに任せて叫びまくる黒烏を止められる者は、ここにはいなかった。

 

 「あ~…後で栗林大将んとこにカチコミに行かないと…ローンと隼鷹…大鳳も…一緒に…ほらぁ、グローセも飲んでぇ…」

 

 「フフフ…はいはい」

 

 ここは母港内のカフェテリア。今は午後9時を過ぎ、客は酒を嗜む大人のKAN-SENばかりであり、人間でいう20歳以下の者はまったくいない。

 酔った黒烏が彼女たちに絡まない保障はないため、グローセをはじめ今飲んでいるKAN-SENたちにとっては行幸だった。

 

 カクテルには飽きたのか、店を切り盛りする饅頭にボトルのワインを頼んで持ってきてもらうと、コルクを抜いて自分とフリードリヒのグラスへ注ぐ。

 中身を一気に呷り、グラスを置いた黒烏は、酔いがさらに回ったのか、頬を染めて目を細め、メトロームのように上半身を揺らしている。

 

 「ん~~…///」

 

 「大丈夫、お嬢ちゃん?」

 

 フリードリヒが気遣うが、黒烏はそれに応えずユラユラと揺れている。

 

 『にゃす!』

 

 そのとき、テーブルの前を1匹のオフニャ(ヨシマル)が通り過ぎた。猫カフェの要素も持ち合わせる店なので、常時オフニャたちが歩き回っており、彼らが休憩するためのケージもあちこちに設置されている。

 

 「ん…!」

 

 『にゃすっ!?』

 

 オフニャが入ろうとしていたケージへ、黒烏が割り込むようにその身を中へ滑り込ませた。

 オフニャ専用のケージは、彼らの快適さを追求した作りとなっているため、一般的によく見るペットのケージに比べて遥かに大きい。

 しかし、それでも全長1メートルに満たないケージに、身長172センチの黒烏が入り切れるわけがなく、腰から下が外から出っぱなしだ。文字通り、『頭隠して尻隠さず』の状態である。

 

 「ほら、お嬢ちゃん。オフニャが困っているわ」

 

 『にゃす~~っ!!』

 

 「やだ!でにゃいっ!」

 

 フリードリヒが諭すように奇行を止めさせようとし、自分のケージを占領されたオフニャが黒烏のスカートを引っ張るが、黒烏はかなり強情であり、舌足らずに出るのを拒む。

 

 「あっはははははは!!何やってんだよ指揮官!?www」

 

 「あらあら~」

 

 (酔っぱらってケージに入っちゃう指揮官、可愛いぃぃぃ…っ!!❤❤)

 

 黒烏の突然の奇行に、店にいたKAN-SENたちは笑い、愛でるような眼差しを向け、スマホのカメラを向けていた。

 

 恐らく、明日の母港新聞(KAN-SEN『青葉』監修)にはこの出来事が掲載され、ほぼ間違いなく酔いから覚めた黒烏が恥ずかしさのあまり閉じ籠ることだろう。

 





 なお、この後フリードリヒと寝室で朝まで(ry

 次回よりパ皇戦です。
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