シュテル(偽)がいくリリなの   作:『ユタカ』

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海鳴温泉

 

 

 

 暗いです。

 

 すずかさんの家でお茶会をしてから、なのは姉さんの様子をもっとよく見るようにしていたんですが…

 

 暗い!めっちゃ暗い!

 

 話しかけたらちゃんと反応してくれますし、笑顔も見せてくれるんですが、どう見ても無理して笑っているようにしか見えません。

 

 何故こんなになるまで気づかなかったんだ私…。

 

 と思ったんですが、よく考えたらさすがにこの状態に気づかないとは思えません。どう考えてもお茶会前より暗くなってると思います。

 

 …まあ原因は原作通りフェイトさんでしょう。

 

 この時点ではまだ正体不明の少女でしたか?

 

 フェイトさんにジュエルシードを持っていかれたことをかなり引きずっていますね。

 

 それに以前シュテル()にも持っていかれてますから、原作よりも落ち込んでいるんじゃないですかね。

 

 えっ。そういうお前はどうなのかって?デバイスはどうなったのかって?

 

 ・・・使えましたよ。ブラストファイアー。

 

 魔力が全然込められなくてペンライトみたいになりましたけどねぇ!

 

 何ですかこれ。私が練習していたのは砲撃魔法じゃなくてライトの魔法だった?危ないので人の目には向けないようにしましょうですか、やかましいです。

 

 …失礼。取り乱しました。

 

 はい。察しの通り上手くいっていません。

 

 というか最近、砲撃魔法に関わらず魔法の練習の伸びが悪いです。

 

 今まで手探りで我流で練習してきましたがやはり教えてくれる人がいないというのに限界を感じてきています。

 

 かといってユーノに相談するという訳にもいかないですし、どうしましょう?

 

 

 

……

………

 

 

 

 なのは姉さんと魔法の練習で悶々とする日々。

 

 そんな日々を送っていると家族旅行で月村家とアリサさんと合同で海鳴温泉に行くという話をされました。

 

 そういえばそんな話がありましたね。…なのは姉さん断らないでしょうね?

 

 そう危惧しているとユーノとなのは姉さんが念話しているのが聞こえた。どうやらユーノがなのは姉さんを説得しているみたいです。

 

 ユーノ頑張れ超頑張れ。と心の中で応援していた甲斐があってか無事説得できたみたいです。よかったです。

 

 

 

……

………

 

 

 

 海鳴温泉に着きました。

 

 魔力を探してみたところ、原作通りフェイトさんとアルフさんの魔力を感知しました。

 

 本音を言えば一目見ておきたいですが今抜け出すことはできないのでスルーします。

 

 というわけでいざ温泉へ

 

 ん………?

 

 

 

「あの。」

 

「ん?どうしたのあかり?」

 

「ユーノっておと、…オスですよね?」

 

「うん。そうだけど?」

 

「何で女湯に?」

 

 

 

 ユーノがよくぞ言ってくれたという目で見てくる。

 

 いや別にあなたの為に言ってる訳じゃないですからね。

 

 

 

「えっ。いや別にユーノくんならこっちでも問題ないかなって」

 

「いや問題でしょう。父さんと恭也兄さんに渡しましょうよ。」

 

「えー。」

 

 

 

 ユーノが頑張れ!頑張れ!!という目で見てくる。

 

 いやだから別に(ry

 

 

 

「どうしたのよ?」

 

「あ、アリサちゃん。あのね…。」

 

 

 

 なかなか入ってこないなのは姉さんと私に気付き話しかけるアリサさん。

 

 そしてアリサさんになのは姉さんが説明する。

 

 

 

「…はあ。別にいいじゃないあかり。フェレットくらい」

 

「しかし…」

 

「しかしじゃない。ほら早く行くわよ。」

 

 

 

 そう言うとなのは姉さんと私の手を取り更衣室へと向かう。

 

 無論嫌がるユーノを連れて

 

 …いや私だって普通のフェレットなら反対しませんよ。でもそのフェレット動物じゃないじゃないですか!

 

 と言えたらどんなに楽か…。と思いながらアリサさんとなのは姉さんに引きずられる私。

 

 …何かお前も元々男だろうがという声が聞こえてきた気がしましたが気のせいでしょう。私にはもう前世の記憶は原作知識と特典しか残っていませんし。普通に男に裸を見られるのは嫌ですしね。

 

 せめてもの抵抗にユーノから離れ急いで服を脱ぎタオルを体に巻き付ける。

 

 

 

「…あかりちゃん。お風呂にタオルを浸けるのはマナー違反だよ?」

 

「…お風呂に入る前には取ります。」

 

「家ではいつも着けてないのに…?」

 

「温泉だと他の人に見られるかもしれないじゃないですか。」

 

「まだまだ子供のくせに気にしすぎよ。」

 

(そういうアリサさんだって子供じゃないですか。)

 

 

 

 しかしそれを言うと話が拗れそうなので黙っておきます。

 

 そして四人+一匹(一人)で風呂場へと移動する。

 

 温泉はよくある形で洗い場と湯船に別れており、洗い場の面には衝立が立っている。衝立の向こうは男湯なのだろう、父さんと恭也兄さんの声が聞こえてくる。

 

 まずはと洗い場の方に移動する。

 

 当然の事ですがタオルを取らないと洗う事は出来ません。

 

 よって

 

 

 

「あかり~?何でそんなに離れるの~?一緒に洗おうよ~?」

 

「気にしないでください。ちゃんと一人でも洗えますので」

 

 

 

 こうなるのは当然である。

 

 

 

「こちらは気にせずユーノを洗ってあげてください。」

 

「!?」

 

「?うん。わかった~。」

 

 

 

 このままではユーノを連れてこちらに来そうだと感じたためユーノを生け贄に捧げます。

 

 ユーノは元々赤かった顔が更に赤くなり、ものすごい速度で顔を横に振っている。

 

 なのは姉さんは気にせずユーノを洗い始める。

 

 それを遠目で確認した私は一人なんとかなったと安心し体を洗い始めました。

 

 

 

「あかり、どうしたんだろ?」

 

「家のお風呂でもあんな風に恥ずかしがるの?あかりちゃん。」

 

「ううん。時々一緒に入るけど、別に普通に入ってくれるよ。…何でだろ?」

 

「…これはあれね。」

 

「アリサちゃん?あれって?」

 

「私とすずかがいるから大人ぶって背伸びしているのよ!」

 

「えっ!?そうなの?」

 

「ええ、そうよ。かわいいところもあるものね。」

 

 

 

 うーん。そうなのかなぁ。って

 

 

 

「ちょ、ユーノくん暴れないでっ!?」

 

 

 

 抵抗が実ったのかなのはの手から離れることに成功するユーノ

 

 しかしその反動でポーンと宙を舞う。

 

 そして

 

 

 

「「「あっ・・・。」」」

 

 

 

 あかりの側頭部に直撃した。

 

 

 

「きゃあっ!?」

 

 

 

 完全な不意打ちにより勢いに負け横へと倒れるあかり。

 

 

 

「あ、あかり!?大丈夫っ!?」

 

 

 

 倒れた妹の心配をし駆け寄るなのは

 

 そこでなのはが見たものは

 

 

 

「痛たたた、はい大、丈…」

 

 

 

 倒れたあかりの上に乗り、その慎ましい胸部に前足がちょこんと置かれているフェレットの姿であった。

 

 

 

「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

 

 あかりは絶叫しながらユーノを掴み

 

 

 

「ユ、ユーノくーーーん!?」

 

 

 

 衝立の向こうへとぶん投げた。

 

 

 

……

………

 

 

 

 その後

 

 錯乱するあかりを桃子が何とか落ち着かせ

 

 ユーノは幸い湯船に落ちたため特に怪我もなかった。

 

 尚、あかりは涙目になったまま温泉から出るまで桃子から離れることはなかった。

 

 

 

「…なんか温泉入る前より疲れたんだけど」

 

「ははは…。」

 

「ご、ごめん…。」

 

 

 

 温泉から出てきた三人はくたびれた様子で話す。

 

 そこに

 

 

 

「はーい。おチビちゃん達」

 

 

 

 額に宝石をつけオレンジ色の長髪をした女性、アルフが話しかけてきた。

 

 突然話しかけてきた女性に対し不審に思うなのは達

 

 しかしそれを無視し、なのはに話しかける。

 

 

 

「キミかね。うちの子をアレしてくれちゃってる子は」

 

「ちょっと!いきなり何なのよ!?あんた!!」

 

 

 

 アリサが噛みつくなか、なのははあの金髪の魔導士の関係者なのではと思い至る。

 

 

 

「なのは姉さん?」

 

 

 

 とそこに今温泉から出てきたのかあかりがなのは達に声をかける。

 

 

 

「…あんたは?」

 

 

 

 突如現れた背は小さいがなのはにそっくりな姿に目を細めるアルフ。なのははその視線から庇うようにあかりを背にする。

 

 

 

「…私は」

 

「答えちゃダメ!」

 

 

 

 答えようとしたあかりをアリサが遮る。

 

 緊迫する空気

 

 

 

「…ごめん、ごめん。人違いだったわ。」

 

「え?」

 

 

 

 がその空気はすぐに霧散し、人違いだったと言い、去ろうとするアルフ。

 

 が、なのはとすれ違い様

 

 

 

「子供はいい子でお家で遊んでなさいね」

 

 

 

 と小声で言い去る。

 

 

 

「何だったんだろう…?」

 

「さあ?それよりもあかり!」

 

「は、はい?」

 

「あんな怪しい人に無闇に自分の事を教えちゃダメよ!まったく、無用心なんだから…。」

 

「す、すみません。」

 

 

 

 その後アリサはあかりに説教をし、すずかはそれを宥め、なのははさっきの女性について考えながら部屋へと移動するのであった。

 

 

 

……

………

 

 

 

 吃驚しました。

 

 正直に言いますと温泉での一連の出来事で原作知識が頭から吹っ飛んでいました。

 

 ですので、温泉での醜態を謝ろうとなのは姉さん達に近付いた時、アルフさんがいて吃驚しました。

 

 何か見定めるような目で見てきたので自己紹介しようとしたらアリサさんに怒られました。

 

 解せぬ。

 

 その後部屋に移動し、アリサさんが

 

 

 

「あかり、なのはから聞いたけどチェスが得意なんだってね。ちょっと一局打ちなさい。」

 

 

 

 と言い荷物からチェス盤を取り出した。

 

 一時間後

 

 

 

「チェック」

 

「…ま、負けました。」

 

「あかりちゃん…。本当に強かったんだね。」

 

「う~。もう一回!」

 

「…いえ、それより皆で遊べるトランプとかやりましょう。」

 

「何よ。勝ち逃げする気!?」

 

(なのは姉さんがさっきから悩みっぱなしです。なのは姉さんも参加できるものにしましょう。)

 

(ッ!?わ、わかったわよ。)

 

 

 

 そしてトランプで遊んで夜も更け、就寝した。

 

 深夜、皆が寝静まった頃

 

 

 

キイィィィィィィィィィィン!!

 

 

 

 ジュエルシードが発動した。

 

 なのは姉さんとユーノが部屋から出て行くのを寝たふりをしながら見届けた後、神威で異空間へ飛ぶ。

 

 今回も原作では被害らしい被害が出なかったはずなので介入しない方針でいきます。

 

 なら行く必要はないだろうと思うかもしれませんが

 

 その通りです。行く必要はありません。

 

 ただフェイトさんを一目見ておきたいがために行きます。

 

 思いきり野次馬根性です。

 

 そして私はバリアジャケットを展開しお面を被り、神威で異空間からなのは姉さんの所へ飛ぶ。

 

 

 

 飛ぶとちょうどなのは姉さんとフェイトさんが接触している所でした。

 

 なのは姉さんが話し合おうとしているのに対し、フェイトさんはそれに応じようとしない。

 

 しかしフェイトさんのバリアジャケット・・・何がとは言いませんが際どすぎませんか?私ならあれを着て人前に出る勇気はありませんよ。

 

 などと場違いなことを考えているとなのは姉さんとフェイトさんが戦い始めました。

 

 一応戦闘終了まで見ておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……

………

 

 

 才能を見せつけられた。

 

 戦闘が終わった時、そんな思いが渦巻いていた。

 

 フェイトさんは幼少から魔法の訓練をしていたのだからまだわかります。

 

 けどなのは姉さんは・・・

 

 まだ魔法を知って二週間くらいなのにあの動き

 

 

 

 あかりの最近の魔法の伸びの悪さもあり、なのはの魔法の成長度合いを目の当たりにし焦り、不安、嫉妬、そういった黒い感情に呑み込まれるあかり。

 

 

 

 そして部屋へと戻ったあかりは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ある決断をした。

 

 

 




続くの霊圧が…消えた?
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