シュテル(偽)がいくリリなの   作:『ユタカ』

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聖夜

 

 

 

「フェイト・テスタロッサだよ。よろしくね」

 

 

 

 知ってます。

 

 そう言いそうになるのを堪えます。

 

 ヴォルケンリッター達との戦闘から数日が経ちました。

 

 あれから襲撃はパタリと止みました。

 

 どうやら約束を守ってくれてるみたいです。

 

 なりふり構わなくなったら襲撃に再び来る可能性があるので楽観視はできませんが…

 

 残る懸念は仮面の男ですが、まあ基本的にグレアム提督の計画を遂行するためだけに動くでしょうから、こちらから蒐集の邪魔をしたりしない限りは襲撃には来ないでしょう。

 

 管理局は原作通り臨時作戦本部を海鳴市、もっと言えば家の近所のマンションに設置したみたいです。

 

 それで引っ越しの挨拶に来たみたいなのですが

 

 

 

「ほら、あかり挨拶は?」

 

「…妹の高町あかりです。よろしくお願いします」

 

 

 

 すごく…顔を合わせにくいです。

 

 ジュエルシード事件では、敵対し取引を行った相手

 

 フェイトさんからはバレていないと思いますが

 

 それでもフェイトさんの顔を見ていると、虐待されていた時を思い出して、なんて言いますか…気まずいです。

 

 

 

「えっ…と、私何かしちゃったかな?」

 

 

 

 いつも通り無表情で挨拶したのですが

 

 私の気まずさが伝わってしまったのか

 

 それとも、なのは姉さんと同じ顔で無表情なのが気になったのか

 

 何れにしても自分が知らない間に何かしてしまったのではないかとフェイトさんは不安な声で私に話しかけてきます。

 

 

 

「あはは…。ごめんねフェイトちゃん。

あかりは…その、そう。

ちょっと人見知りしやすい子なの。

別に怒ってるわけじゃないから気にしなくていいよ。

ねっ、あかり」

 

「…はい」

 

 

 

 …なんていいますか、いい加減人見知りを克服させないといけないとか思われてる気がします。

 

 いや違いますからね、なのは姉さん。ただ気まずいだけであって人見知りというわけではないですから

 

 

 

「そう…なの?」

 

「うん!…そうだ、あかり!」

 

「はい?」

 

「これからアリサちゃん達と翠屋でお茶する約束してるんだけど一緒に行かない?」

 

 

 

 この気まずい空気でよくそんな提案しますね。

 

 …いや、この空気だからこそですか

 

 というか行かないと言っても連行される気がします。

 

 唯一の懸念であるシグナムさん達は別世界に行ってるみたいですね。

 

 なら

 

 

 

「はい。特に用事はないので大丈夫ですよ」

 

「ホント?じゃあ行こう!」

 

 

 

 そう言うとなのは姉さんは私の手を取り、フェイトさんと話しながら翠屋へと向かうのでした。

 

 

 

……

………

 

 

 

「あかり、あんたは喋らなさすぎなのよ」

 

 

 

 翠屋にてアリサさん達と合流しお茶をしていた時でした。

 

 最初の話題はフェイトさんの転校についてだったのですが

 

 

 

 第一印象を良くするには?

  ↓

 自己紹介が重要

  ↓

 先のフェイトさんと私の自己紹介の様子を説明

  ↓

 今に至る

 

 

 

 …どうしていつの間にかフェイトさんへのアドバイスから私への忠告に変わってるんでしょうか?

 

 

 

「あのー。今は私のことよりフェイトさんに学校に馴染むためのアドバイスをした方がいいのでは?」

 

「だってあんた、学校馴染めてないじゃない」

 

「…ソンナコトナイデスヨー」

 

「こっちを見て言いなさい。こっちを」

 

「あかり…」

 

「えっと、あかりは学校に馴染めてないの…?」

 

 

 

 なのは姉さんが心配そうな目で見てきまして

 

 これから転校してくるからかフェイトさんが不安そうに訪ねます。

 

 

 

「あ、大丈夫だよフェイトちゃん。学校にはいい子ばかりだから。

あかりちゃんは、人見知りが…その」

 

 

 

 すずかさんがフェイトさんに学校に問題はないと断言するも、何で私のことになると言葉を詰まらせるのですか。

 

 

 

「…いや!別に私は人見知りっていうわけじゃないですから!」

 

「だってあんた、クラスに友達いないじゃない」

 

「ぐうっ!?」

 

 

 

 正論という名の刃が私を貫きます。

 

 

 

「いやでも、まだ一年生ですし。入学して間もないですし」

 

「入学して間もないってもう12月よ?8ヶ月も経ってるじゃない。

普通の子なら友達の一人や二人は作ってるわよ」

 

「うっ…」

 

 

 

 追い込まれていく私

 

 

 

「この時期でもボッチなのってあんたくらいじゃ」

 

「止めてください。それ以上言うなら私」

 

「…何よ」

 

「泣きますよ?」

 

 

 

 多大なダメージに私は涙目になりながら止めるように言います。

 

 というか脅します。

 

 

 

「大声で泣きわめきながらこのお姉さんにいじめられたと指差しますよ。

通行人に白い目で見られますよ」

 

「いや、いじめてないでしょ!?あーもうわかった。わかったから落ち着きなさい」

 

「にゃはは、でもあかり。アリサちゃんもあかりのことを思って言ってるんだよ?

それはわかってあげてね?」

 

「…はい」

 

「うーん。フェイトちゃんはどう思う?」

 

 

 

 すずかさんがフェイトさんに意見を求めます。

 

 多分話に入っていけるように気遣ったのでしょう。

 

 

 

「えっ私!?えー、と。学校の様子は知らないけど…」

 

「けど?」

 

「自己紹介の時もそうだけど小さいのに敬語を使ってるのに違和感が…」

 

「「「あー…」」」

 

 

 

 なのは姉さん、アリサさん、すずかさんが納得した声を出します。

 

 

 

「そういえば私達に出会った時にはもう敬語だったわね」

 

「今じゃもう慣れちゃったけどね」

 

「よし、あかり」

 

 

 

 …なにやら嫌な予感が

 

 

 

「ちょっと敬語なしで自己紹介してみなさい。ついでに年相応な感じで」

 

 

 

 む、無茶を仰る。

 

 

 

「い、いやしかしですね。学校の先輩なんですから敬語で間違いはないかと」

 

「小学校の低学年で先輩後輩なんて気にする子なんていないわよ。

いいからやりなさい」

 

「~っ。すずかさん!」

 

「私も一年生で敬語使ってるのは変だと思うなぁ」

 

「なのは姉さん!なのは姉さんは私の」

 

「ごめんあかり。私もあかりの年相応の姿みたいかも」

 

 

 

 敵しかいないです!と覚った私は

 

 

 

「すみません。少し用事を思い出し」

 

「逃がさないわよ」

 

 

 

 立ち上がろうとした私をアリサさんは腕を掴み座らせます。

 

 

 

「は、離してください!」

 

「ダーメ。ほら観念しなさい」

 

「うう…」

 

 

 

 こうなったらヤケです。

 

 こういうのは恥ずかしがるから余計恥ずかしいのです。

 

 

 

「…私、高町あかり!小学一年生!

好きなものは、なのはお姉ちゃん!よろしくね!」

 

((((………か、可愛い!!))))

 

 

 

 …………………………

 

 リアルで顔から火が出そうと感じたのは初めてです。

 

 私が顔を真っ赤にして俯いていると

 

 

 

「あ、あかりもう一回言って。なのはお姉ちゃんってもう一回。

むしろこれからずっとなのはお姉ちゃんに」

 

「…勘弁して下さい」

 

 

 

……

………

 

 

 

 シグナムさん達が襲撃に来ないまま日にちは流れて

 

 12月も中旬になりました。

 

 今私は病院に来ています。

 

 と言っても怪我したわけではありません。

 

 お見舞いです。

 

 そして目の前には

 

 

 

「私は八神はやて。すずかちゃんが言った通りすずかちゃんの友達や。よろしくな」

 

 

 

 ベッドに座るはやてさんの姿があります。

 

 すずかさんから友達のお見舞いに誘われたので、いつも通りなのは姉さんに連行されて来てみましたら

 

 まあ案の定と言いますか、はやてさんでした。

 

 というか病室のドアからシャマルさんが見ています。

 

 シャマルさん、そのサングラスと相まって不審者にしか見えませんよ。

 

 …幸い私に気づいているわけではなく、なのは姉さんとフェイトさんに気を張っているみたいですが

 

 そんなことを考えていたら自己紹介の順番が回ってきました。

 

 

 

「先程自己紹介しましたなのは姉さんの妹の高町あかりです。よろしくお願いします」

 

「…あかり?自己紹介なら前にやったやつの方が」

 

「あれは忘れてください。早急に」

 

 

 

 えー?となのは姉さんが口を尖らせますがスルーします。

 

 あんな恥ずかしい過去は粗大ゴミに出してなかったことにしてしまえばいいのです。

 

 

 

「?前にやったやつって」

 

「何でもありません。忘れてください」

 

「へ?いやでも」

 

「何でもありません。いいですね?」

 

「あ、はい」

 

 

 

 はやてさんが興味を持ちましたが抑え込んで事なきを得ます。

 

 

 

「えーと、あかりちゃんは年下やよね?いくつ?」

 

 

 

 妙な空気になってしまったからか、はやてさんが話題を変えて質問してきます。

 

 

 

「はい。7歳で今小学一年生です」

 

「7歳!?いやー小さいのにしっかりしてんなあ」

 

「というかやっぱり子供っぽくないわよね」

 

「あー確かになあ。あかりちゃん」

 

「?はい」

 

「しっかりしてるのはいいことやけど小さいうちは甘えておいた方がええで」

 

 

 

 甘える相手がいることは幸せなことなのだから

 

 そう言われてる気がしました。

 

 おそらく早いうちに肉親を失っているからこそ出た言葉なのでしょう。

 

 

 

「…はい」

 

「うん。いい子や」

 

 

 

 そう言い頭を撫でてきます。

 

 私は特に逆らわず撫でられています。

 

 その後しばらく話した後、私達は病室を後にしました。

 

 

 

……

………

 

 

 

 はやてさんと病室で出会いまた少し経ち

 

 今日は12月24日、クリスマスイブです。

 

 そして同時に学校は終業式です。

 

 そんなわけで学校がいつもより速く終わり

 

 

 

「あ、来た。あかりー!」

 

 

 

 校門前にてなのは姉さん達四人と合流します。

 

 はやてさんにサプライズプレゼントを贈るために

 

 数日前よりその話をされた私は断るわけにもいかず了承しました。

 

 そしてはやてさんの病室にたどり着き

 

 空気が、死にました。

 

 そこにはシグナムさん達がいました。

 

 見るからに険しい顔をしたシグナムさん達が

 

 原作で知っていたとはいえ酷い空気ですね。

 

 通信妨害で念話を防ぐシャマルさん

 

 私達をいつでも庇えるようにするなのは姉さんとフェイトさん

 

 そんな空気にはやてさんとアリサさん、すずかさんの三人は気づくことなくお見舞いは粛々と進み

 

 そのまま何事もなく進み、帰る時間になりました。

 

 その時

 

 

 

「ごめん。私とフェイトちゃんはちょっと用事があるから三人は先に帰っててくれる?」

 

 

 

 『お話し』ですね。わかります。

 

 …まあ冗談はこれくらいにしまして

 

 ここから闇の書事件のクライマックスとなるわけですが

 

 これに参戦するか否か?

 

 ここまで仮面の男やヴォルケンリッターとの戦いなど原作にない戦いをしてきましたが

 

 出来る限り原作通りにクライマックスが進むようにと誰も管理局に引き渡さないように立ち回ったつもりです。

 

 ですので原作通り進むと思うのですが

 

 進んだら進んだでなのは姉さんとリインフォースさんが一対一で戦うことになるんですよね

 

 あの闇の書として強大な魔力を持つリインフォースさんと…

 

 たった一人で

 

 …………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

「フェイトちゃん!?」

 

 

 

 私は結界内の海鳴市街の上空で闇の書の意志と名乗る女性と相対している。

 

 さっきまでフェイトちゃんも一緒に戦ってたんだけど

 

 フェイトちゃんがあの人にソニックフォームで斬りかかったと思ったら

 

 闇の書が開いてフェイトちゃんが消えちゃったの。

 

 まるで闇の書に吸収されたみたいに

 

 

 

「我が主もあの子も覚めること無い眠りのうちに終わりなき夢を見る」

 

「…」

 

「生と死の狭間の夢、それは永遠だ」

 

「永遠なんて…ないよ」

 

 

 

 フェイトちゃんと二人がかりでも押された闇の書の力

 

 そして今はフェイトちゃんは闇の書に捕らえられて私一人

 

 それでも諦めたくない。

 

 ううん。絶対諦めない!

 

 フェイトちゃんにはやてちゃん、それに目の前のこの人

 

 私は全員助けてみせる!

 

 そう決意した時だった。

 

 赤色の砲撃が闇の書を襲い

 

 闇の書はそれをシールドを展開し防ぐ。

 

 

 

「お前は…」

 

「今のって…!?」

 

 

 

 私とよく似た見慣れた砲撃だった。

 

 砲撃の出処を目で追う。

 

 

 

「お前も…私の邪魔をするか」

 

 

 

 そこには私の頭によぎった女の子がいた。

 

 

 

「…ええ。さすがにこの状況は見過ごせないので…邪魔させてもらいます」

 

 

 

 いつものようにキツネのお面をつけた女の子

 

 

 

「シュテルちゃん!」

 

 

 

 シュテルちゃんがそこにいた。

 

 シュテルちゃんがその赤い目でこっちを見る。

 

 

 

「なのはさん…。勝手で申し訳ありませんが手伝わせてもらいます。

…何を今さらと思うかもしれませんが」

 

「…ううん、そんなことないよ。…ありがとう」

 

 

 

 正直ありがたかった。

 

 あのヴィータちゃん達を一人で撃退してみせたシュテルちゃん

 

 心強いことこの上ない。

 

 それに

 

 

 

「嬉しいんだ」

 

「?」

 

「こうして協力するのはあの大樹の時以来だから」

 

 

 

 そう、あのサッカーの応援に行った日

 

 あのジュエルシードで町が滅茶苦茶になりそうだった時以降

 

 シュテルちゃんとは味方とは言いきれない関係になってしまった。

 

 だから

 

 だからこうして今隣で協力しあえるのがとても嬉しい。

 

 

 

「…あの時に比べると随分と強くなりましたね」

 

「えへへ、たくさん練習したからね…」

 

 

 

 そして私達は杖を構える。

 

 

 

「…私が前衛をやります。なのはさんは後衛を」

 

「…うん!」

 

「…話は終わったか?ならば…眠れ」

 

 

 

 そう言うと同時大量の黒い魔力弾が私達に襲いかかった。

 

 

 

「アクセルシューター!」

 

「パイロシューター!」

 

「「シュート!!」」

 

 

 

 私とシュテルちゃんはほとんど同時に魔力弾を出来る限り生成して相殺していく。

 

 そしてシュテルちゃんは相殺しながら前へと突貫する。

 

 相殺しきれなかった魔力弾がシュテルちゃんを襲う。

 

 だけどいつものようにその魔力弾はすり抜ける。

 

 そしてシュテルちゃんが相手の前にたどり着き

 

 

 

「ふっ!!」

 

 

 

 右手に炎を纏って相手に殴りかかる。

 

 でも相手のシールドで防がれる。

 

 

 

「騎士達の記憶で見たが…面妖な」

 

「シュテルちゃん!」

 

 

 

 私の声と同時にシュテルちゃんが横にずれる。

 

 そこに私は

 

 

 

「ディバインバスター!!」

 

 

 

 砲撃魔法を打ち込む。

 

 でもまたシールドを展開されて通らない。

 

 砲撃が止むとそこには無傷の闇の書がいた。

 

 もっと…もっと威力を!

 

 

 

「パイロシューター!シュート!」

 

 

 

 シュテルちゃんが再び射撃魔法を放ちながら突貫する。

 

 今なら…

 

 

 

「行こうか…レイジングハート」

 

「行きましょうマスター」

 

「レイジングハート、エクセリオンモード…ドライブ!!」

 

「イグニッション」

 

 

 

 装填されたカートリッジを消費してレイジングハートが変形する。

 

 より強く、より威力を叩き出せる形態に

 

 

 

「悲しみも悪い夢も終わらせてみせる!」

 

 

 

 私は自分を鼓舞してレイジングハートを構える。

 

 

 

「ブラストファイア!!」

 

 

 

 するとシュテルちゃんに私のやろうとしていることが伝わったのか先に砲撃魔法を放つ。

 

 当然あの人はシールドでそれを防ぐ。

 

 でも動きは止まる。

 

 

 

「そこ!」

 

 

 

 私はその隙を狙い再び砲撃魔法を放つ。

 

 さっきよりも数段威力を増した砲撃魔法。

 

 でも

 

 

 

「無駄だ」

 

 

 

 これでもダメなの!?

 

 またあのシールドを張られ、砲撃魔法を受け止められる。

 

 私が内心歯噛みしていると

 

 

 

「…!?」

 

 

 

 シールド周辺の空間が歪む。

 

 シュテルちゃんのレアスキルだ。

 

 空間が歪んで空間ごとシールドをかき消した。

 

 そして突き刺さる私の砲撃魔法

 

 

 

(すごい!これなら!)

 

「ぐうっ…はぁっ!」

 

 

 

 でも闇の書は腕を振り上げて砲撃魔法の軌道を力ずくで逸らした。

 

 …こうなったら

 

 

 

「何をしようと…お前達の砲撃は絶対に通らん」

 

「通す!」

 

《ACSスタンバイ》

 

「エクセリオンバスターACS!…ドライブ!!」

 

 

 

 レイジングハートにカートリッジを装填

 

 魔力が溢れる。

 

 砲塔は伸び、桃色の魔力は翼の形を取る。

 

 そして私は飛ぶ。

 

 あの人目掛けて一直線に

 

 闇の書はさっきの攻防からシールドは使えないと判断したのか

 

 手を伸ばして砲塔を掴もうとする。

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

 でも横からシュテルちゃんが放った射撃魔法がその手に当たり、闇の書の狙いを崩す。

 

 そして私は闇の書に密着して

 

 

 

「ブレイク…シュート!!!」

 

 

 

 最大威力で砲撃を放つ。

 

 ものすごい反動が私を襲う。

 

 

 

「なのはさん!」

 

 

 

 シュテルちゃんが心配して私に駆け寄ってくれる。

 

 

 

「…無茶しすぎですよ」

 

「えへへ…。ごめんね」

 

 

 

 煙が晴れる。

 

 そこには

 

 

 

「…でももう少し頑張らないとだね」

 

「…」

 

 

 

 防護服がボロボロになったものの未だ顕在の闇の書がいた。

 

 更なる戦いを覚悟する私達

 

 その時だった。

 

 

 

チャリン

 

 

 

 金属が擦れる音が聞こえた。

 

 音のする所を見ると腕に鎖が巻き付いていた。

 

 それを確認したのと同時にあの人が腕を振る。

 

 

 

「きゃっ!?」

 

 

 

 私の体は巻き付かれた鎖によって腕の動きに従い振り回される。

 

 

 

「なのはさん!?くっ」

 

 

 

 シュテルちゃんが杖を鎖に向ける。

 

 

 

「ブラストファイ」

 

「そこだ!」

 

「がっ!?」

 

 

 

 でも闇の書の魔力弾がシュテルちゃんの背後から襲う。

 

 攻撃の直前だったからかすり抜けずその魔力弾は当たる。

 

 そこから間髪いれず

 

 

 

「ブラッディダガー!!」

 

《protection》

 

「う…ああっ!?」

 

「シュテルちゃん!?」

 

 

 

 血のような色をした短剣が現れてシュテルちゃんを襲った。

 

 シールドが張られるのが見えたけど短剣が刺さった瞬間に短剣が爆発する。

 

 私のせいで…!

 

 そう思っている間にも鎖は私を振り回し最後には磔にする。

 

 そして頭上に現れる螺旋状に渦巻く刀身を持つ巨大な剣

 

 闇の書はそれを手に持ち

 

 

 

「もう…眠れ!!」

 

 

 

 私に向けてその剣を落とした。

 

 迫り来る剣

 

 その時

 

 金色の魔力光が光り

 

 螺旋の剣を一刀両断した。

 

 そして現れたのは

 

 

 

「フェイトちゃん!」

 

 

 

 フェイトちゃんだった。

 

 その後フェイトちゃんは私を拘束する鎖を断ち切ってくれた。

 

 

 

「…シュテルちゃんは!?」

 

「…シュテル?」

 

「無事ですよ…。なんとか」

 

 

 

 声のする方を見るとシュテルちゃんがいた。

 

 防護服がボロボロになっているけど大きな怪我はないみたい。

 

 

 

「シュテルちゃん!よかった…。ごめん。私のせいで…」

 

「別に貴女のせいではありませんよ」

 

 

 

 何でもないように言うシュテルちゃん

 

 フェイトちゃんはそんなシュテルちゃんを見つめていた。

 

 

 

「…」

 

「…」

 

 

 

 場が沈黙で支配される。

 

 フェイトちゃんが口を開いた。

 

 その時だった。

 

 

 

 闇の書がページがパラパラとめくられる。

 

 独りでに

 

 

 

「これは…」

 

 

 

 めくられるページが止まる。

 

 そしたら今度は闇の書が突然光り始める。

 

 赤、青、紫の三色の光

 

 光はどんどん強くなり周囲を光で満たす。

 

 

 

「なっ!?」

 

 

 

 驚いた声はシュテルちゃんの声だったと思う。

 

 思うというのは光が強すぎて誰の姿も見えないから

 

 そして

 

 ようやく光が弱まっていき

 

 完全に治まる。

 

 

 

「い、一体何が…?」

 

「あれ?」

 

 

 

 フェイトちゃんが困惑する中、私は

 

 

 

「シュテルちゃん?」

 

 

 

 この場にいなくなっていた女の子の名前を呼んだ。

 

 

 

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