シュテル(偽)がいくリリなの   作:『ユタカ』

2 / 24
生誕

 

 

 

 深夜、海鳴市上空にて一条の流れ星が流れる。

 

 その流れ星から赤い小さな光が生まれ、その小さな光は一つの一軒家に落ち、流れ星はまた別の家へと落ちた。

 

 小さな光が落ちた家の表札には「高町」と書かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・そして数年後

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 高町家の朝は早い。

 

 何故なら道場にて家主と長男と長女が古流武術「御神流」の武術の修練を行っているからだ。

 

 そんな夫と子供達を持つ妻高町桃子の朝が早くなるのは必然のことであった。

 

 しかしそんな桃子であったが、今朝の調子は少しおかしかった。

 

 

 

(…?体が少し重い?)

 

 

 

 しかし、朝の忙しい時間帯の為気にせずそのまま家事をこなしていく桃子。

 

 そして、朝食の準備が整い道場から帰ってくる夫士郎と子供達恭也と美由希。

 

 そして寝室に行きまだ幼いなのはを起こし朝食を摂る。

 そう。いつも通りの日常であった。

 

 ただ一つ

 

 

 

「・・・うっ!?」

 

 

 

 私がトイレにて吐いてしまったことを除いて

 

 

 

 しかし私は吐いた原因について心当たりがあった。

 

 何しろ二回目(・・・)なのだ。 

 

 私はその心当たりを話すため食卓へと戻った。

 

 

 

 食卓に戻ると家族達が心配した顔で出迎えてくれた。

 

 

 

「お母さん、どうしたの?大丈夫?」

 

「大丈夫よ、なのは。ありがとう。」

 

 

 

 そして私は心当たりについて話した。

 

 

 

「みんな、聞いて。・・・もしかしたらだけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「二人目、・・・できちゃったかも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 数ヶ月後。

 

 

 

 …声が聞こえる。

 

 

 

「うっ、うぅぅぅぅぅぅ。あぁ!!」

 

「頑張れ!!桃子頑張るんだ!!」

 

 

 

 女の人の苦しそうな声と男の人の励ます声が聞こえる。

 

 辺りは真っ暗で何も見えない。

 

 …?いやほんの僅かだけど小さな光が見えた。

 

 (オレ)はその光へと向かっていった。

 

 そして…

 

 

 

「う、産まれた。産まれたぞ。桃子!!」

 

「はぁっはあ。」

 

 

 

 (オレ)は必死に呼吸をしようとし

 

 

 

「おぎゃあっ!!おぎゃあ!!」

 

 

 

 産声を挙げることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 産声を挙げて数十分後。

 

 ようやく呼吸が安定してきた(オレ)に前世の記憶を思いだす余裕ができた。

 

 そして疑問が出てきた。

 

 

 

(…あれ?猫じゃ…なくて人間の親?)

 

 

 

 そう目の前には(オレ)を抱いて泣いて喜んでいる親?らしき男女。

 

 当たり前だが決して猫ではない。

 

 そして周囲を見るとどう見ても場所は病院である。

 

 (オレ)が頭を捻っているとドアからノックの音が鳴り響いた。

 

 

 

「どうぞ。」

 

 

 

 (オレ)の親が答えると入ってきたのは…

 

 

 

「お母さん!!産まれたって!?」

 

 

 

 興奮した様子で三人の子供が入ってきた。

 

 というか一番小さい子に凄く見覚えがある気が…?

 

 

 

「ええ。無事産まれたわよ。」

 

「よ、良かったぁ。」

 

「ほら、あなた達の妹…なのはにとっては初めての妹になるわね。こっちに来なさい。」

 

 

 

 そして三人の子供…とりわけ一番小さな子が近づく。

 

 

 

「・・・か、かわいい。あなたのお姉ちゃんになる高町なのはだよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・あるぇ??( ゚д゚)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 不安だった。

 

 お母さんが突然朝食を吐いたあの日、二人目…後から説明してもらったけど赤ちゃんがそのお腹に居ると知った日。

 

 お姉ちゃんやお兄ちゃんとお父さんは喜んでいたけど、私はちゃんとお姉ちゃんをやることができるのだろうか?とそんなことばかり考えてしまい不安で不安でしょうがなかった。

 

 お姉ちゃんやお兄ちゃんに聞いたけど、

 

 

 

「普段の優しいなのはでいれば大丈夫だよ。」

 

 

 

 と言ってくれたけどそれでも不安は取れません。

 

 

 

 そして数ヶ月後、私は今病院に居ます。

 

 産まれたという連絡があったから。

 

 私の手を引いて歩いているお姉ちゃんとお兄ちゃんに連れられて病院の廊下を歩いています。

 

 緊張しているせいか、お姉ちゃんもお兄ちゃんも早歩きになっています。

 

 それは私も同じで病室に近づくと共に緊張が増していっています。

 

 そして、病室の前に来てお兄ちゃんがノックをして、

 

 

 

「どうぞ。」

 

 

 

 緊張が最高潮に達する。

 

 そして、お兄ちゃんが扉を開けるとそこにはお母さんの腕に抱かれたとても小さなモノが目に入りました。

 

 

 

「お母さん!!産まれたって!?」

 

 

 

 お兄ちゃんが興奮しながらお母さんに訪ねます。

 

 その間私の目はその小さな存在に釘付けになりました。

 

 

 

「ええ。無事産まれたわよ。」

 

「よ、良かったぁ。」

 

「ほら、あなた達の妹…なのはにとっては初めての妹になるわね。こっちに来なさい。」

 

 

 

 私はその姿に釘付けになりつつも近づいていきます。

 

 そしてそれを見た瞬間、…感動しました。

 

 お母さんが見せてくれたのは、布にくるまった小さな赤ちゃん。

 

 お人形さんみたいにとても小さくかよわい存在なのに呼吸と同じタイミングでくるまっている布が上下してこの子は確かに生きているという実感を与えてきます。

 

 

 

「・・・か、かわいい。あなたのお姉ちゃんになる高町なのはだよ。」

 

 

 

 そう赤ちゃんに言っても当然返事は返ってきません。

 

 赤ちゃんはただポカンとした顔で私を見ています。

 

 その姿がおかしくてつい顔が微笑んでしまいます。

 

 

 

「・・・なのは。抱っこしてみる?」

 

 

 

 私の様子を見ていたお母さんがそう提案してきます。

 

 

 

「いいの!?」

 

「もちろんよ。だってこの子のお姉ちゃんでしょ?」

 

 

 

 お姉ちゃん・・・その言葉に引っ込んでいた不安に再び襲われます。

 

 お母さんはその様子を知ってか知らずか赤ちゃんを私に渡してきます。

 

 私はそれを落とさないように慎重に受け取り

 

 

 

「・・・え、えっと。」

 

 

 

 赤ちゃんは変わらずポカンとした顔で見てきます。

 

 周りのみんなも微笑ましいものを見るかのように私と赤ちゃんを見てきます。

 

 

 

「た、高い。高~い。」

 

 

 

 私は自分がやってもらって楽しかった記憶を頼りに精一杯赤ちゃんをあやす。

 

 傍目から見るとぎこちなく、一目で緊張していることがわかったと思います。

 

 それでも

 

 

 

「・・・きゃっきゃっ。」

 

「わ、笑った。笑ってくれた。」

 

 

 

 赤ちゃんの笑い声が聞こえ、私も幸せな気持ちになりました。

 

 

 

「うふふ。良かった。しっかりお姉ちゃんできてるじゃない。」

 

「あっ。」

 

 

 

 赤ちゃんと触れあっているうちに不安はすっかりなくなっていました。

 

 私はきっと「お姉ちゃん」になれる。

 

 この子の笑顔を見て、そう思うことができました。

 

 …そういえば

 

 

 

「そういえば、この子の名前は?」

 

「もう決まっているわよ。」

 

 

 

 この子…妹の名前を知らないことに今頃気付いた私はお母さんに聞いてみたら、もう決まっているみたい。

 

 

 

「この子の名前は・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「高町あかり」

 

 

 




続くといいなぁ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。