シュテル(偽)がいくリリなの   作:『ユタカ』

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Reflection&Detonation
マテリアル復活


 

 

 

 あのクリスマスイブの翌日

 

 どうやら原作通りリインフォースさんは消滅したみたいですね。

 

 リインフォースさんの魔力が消えるのを感知しましたので間違いないでしょう。

 

 ………少し胸がモヤモヤしますが無視します。

 

 その後、すずかさんの家でクリスマス会を行いました。

 

 原作通り昨夜の夜、結界内にアリサさんとすずかさんはいたらしくなのは姉さんとフェイトさんが魔法について説明しました。

 

 唯一の違いはこの場に私がいることでしょうか。

 

 アリサさんとすずかさんは秘密を受け入れました。

 

 正直驚いていたみたいですけど友達でい続けることを選んだみたいです。

 

 その数日後なのは姉さんが家族を集めて今までのことを全て打ち明けました。

 

 そしてこれからも管理局の下で働きたいということも

 

 …秘密を打ち明けているなのは姉さんがまぶしく見えました。

 

 

 

……

………

 

 

 

 あれから一年が経ちました。

 

 なのは姉さん達は正式に管理局に入局しました。

 

 …思うところはありますが今はそれどころではありません。

 

 原作通りなら半年後あのユーリさんと戦うことになるのですから

 

 フェイトさん達に誘われた時は断らず(というより強制)遊んだり旅行に行ったりしましたが

 

 大抵は異空間にて特訓して過ごしています。

 

 異空間へ行った時のシュテルさんの反応が面白かったです。

 

 そのシュテルさんですが

 

 ディアーチェさん達が動かす体について考えているみたいです。

 

 とはいえ夜天の書ははやてさんが持っている上そのはやてさんはかなりの頻度で管理局にいます。

 

 体の用意もそうですがなかなか機会がなくて行き詰まっているみたいです。

 

 一度、強行手段を取ろうと計画していたことがありましたが、なのは姉さんを見習って内部で『お話し』してもう少し待ってもらうことに成功しました。

 

 具体的には事態が動き出すであろう来年の夏休みまで

 

 シュテルさんには少し怪しまれましたが具体的な期限を申し出たためかそこまで反発はされませんでした。

 

 特訓は私がメインで行っています。

 

 シュテルさんは特訓中魔法のサポートに入っています。

 

 シュテルさんも力を付けること自体は賛成なのか私がディアーチェさん達の復活よりも特訓に力を入れていても特に何も言いません。

 

 なのは姉さん達の力を目の当たりにしているのが大きいのかもしれません。

 

 そして月日はさらに経ち

 

 特訓をしながらもディアーチェさん達が復活しないまま、とうとうあの夜から二回目の夏休みが来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

「シュテルがいない…?」

 

 

 

 キリエを騙してエルトリアから地球に来た私はキリエが強奪してきた闇の書からディアーチェ達を復活させようとしていた。

 

 全てはあの悪魔、ユーリに三人を殺させるために

 

 しかし闇の書を強奪して、内部を調べているうちにきづいた。

 

 三人のうちシュテルだけが闇の書の中から消えていることに

 

 

 

(まさか…あのお面の子が本当にシュテル?)

 

 

 

 地球で起きた魔法が関わっていた事件は事前に調べていた。

 

 その中にシュテルを名乗る正体不明の子供がいたことは把握していた。

 

 でも記録を見た限りでは、ディアーチェの指示で動いているようには見えなかったし、闇の書の中にいるであろうディアーチェ達を連れ出そうとした動きもなかった。

 

 だから偽物だと思っていたのだけれど…

 

 

 

「…イリス?どうかした?」

 

「!?ううん。何でもないよ」

 

 

 

 …理由はわからないけど、とりあえずディアーチェとレヴィを復活させよう。

 

 何ならディアーチェ達から聞き出せばいい。

 

 そう思い私は闇の書に魔力を注ぎ起動、同時にフェイト・テスタロッサと八神はやての因子を闇の書の中に入れる。

 

 忘れずに記憶も消去するけどシュテルの記憶は消さないように気をつけて…っと

 

 そして

 

 

 

「我らを復活させたのはお前か?」

 

 

 

 紫と青の魔力光と共にディアーチェとレヴィが復活した。

 

 

 

「ええ、そうよ。早速で悪いんだけどあなた達、シュテルはどうしたの?」

 

「…シュテルは」

 

《ここに、我が王》

 

 

 

 その言葉と共に空間が歪む。

 

 予期せぬ事態に身構える。

 

 そして歪んだ空間から現れたのはキツネのお面を着けた子供だった。

 

 

 

「あ、あなたは事件の資料にあった…!」

 

「落ち着いて、キリエ」

 

 

 

 キリエが当然現れた子供にくってかかろうとするが、私はそれを止める。

 

 

 

《申し訳ありません、我が王、レヴィ。私の手で復活させることが出来ず…》

 

「よい。それは我らにも言えることよ」

 

「そうだよシュテるん。気にしなくていいよ」

 

 

 

 これは…。

 

 言葉を交わしているはずなのに、あのお面の子の声は魔力を使ってやり取りしている。

 

 …なるほどね。大体わかってきたわ。

 

 

 

「まさかあなたがシュテルを宿していたとはね。宿したのは一年半前のあの夜かしら?」

 

「…」

 

《…あなたは》

 

 

 

 中にいるシュテルが驚いた声を出す。

 

 当然ね。

 

 闇の書の中にいなかったシュテルの記憶は消すことが出来なかったのだから

 

 

 

「シュテるん知ってる人?」

 

《レヴィ?》

 

「我の記憶にもないが…」

 

《王まで…。一体何を言って》

 

「単純に考えてこの人が記憶を消したのでしょう」

 

 

 

 お面の子がようやく口を開いた。

 

 でも

 

 

 

「あら、ようやく口を開いたかと思ったら第一声がそれ?」

 

「…」

 

「残念だけどそれは違うわ。あなた達の求める力と記憶は永遠結晶の中にある。あなた達を復活させたのはこれを起こすためのお手伝いをしてもらうため」

 

 

 

 まあ嘘だけどね。

 

 

 

「…我らに何を求める?」

 

「なんにも。あなた達が好き勝手暴れてくれれば後はこっちで起こす。それに伴って兵器も用意したから使ってくれて構わない。

まあシュテルにとっては記憶を失ってないみたいだから協力する理由はないかもしれないけどね」

 

《…正直聞きたいことはたくさんありますが、私達は王の指示に従うだけです》

 

「ボクは思いっきり暴れられれば何でもいい!」

 

「…いいだろう。一先ずは復活させたお前の言うとおりに動いておいてやろう」

 

「…そう。じゃあ好きなだけ暴れてちょうだい」

 

 

 

 私がそう言うとそれぞれが武器を持ち兵器を伴って飛び立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 緊急連絡を受けた時、耳を疑った。

 

 私達を襲ってはやてちゃんの夜天の書を持ち出したキリエさんとイリスさん

 

 そしてその後、突如現れた三つの魔力反応

 

 状況から見てその三人はキリエさん達と協力関係にあると連絡を受けた。

 

 そしてその三人のうちの一人が

 

 

 

「シュテルちゃん…」

 

 

 

 夜の闇に包まれた遊園地の上空

 

 そこにあの子はいた。

 

 一年半前と同じくキツネのお面を被り、静かに佇んでいた。

 

 

 

「…どうして?どうしてこんなことをしてるの!?」

 

 

 

 こんなこと、というのは私達が飛んでいる地上では黒い巨大ロボットが施設を破壊していっているの。

 

 巨大ロボットはヴィータちゃんをはじめとした管理局の魔導士達が相手をしている。

 

 それで私はそのロボットを連れてきたと思われるシュテルちゃんに向かっていった。

 

 

 

「…」

 

「…黙ってたらわからないよ!お願いだから話しを」

 

《落ち着きなさい。ナノハ》

 

 

 

 黙っているシュテルちゃんに私が叫ぶと、シュテルちゃんから声が聞こえた。

 

 でもその声はいつものシュテルちゃんの声じゃなくて魔力を帯びていてシュテルちゃんの内側から響いてくるように聞こえた。

 

 

 

「…あなたは誰なの?」

 

《…私の名はシュテルです》

 

「違う。あなたは私の知ってるシュテルちゃんじゃないよ」

 

《それは…》

 

「…いいですシュテルさん。私から話します」

 

 

 

 シュテルちゃんから聞こえる誰かの声が口ごもるとシュテルちゃんがようやく言葉を発する。

 

 でも

 

 

 

「…シュテルさん?どういうこと?シュテルちゃんはあなたじゃ…?」

 

「…簡単なことですよ。私の本当の名前はシュテルではありません」

 

 

 

 ガツンと鈍器で殴られたような気分だった。

 

 シュテルちゃんじゃ…ない?

 

 二年前、あのジュエルシードの事件の時に教えてもらった名前が

 

 偽物

 

 目の前の年下と思われる子供とは魔法を知った時からの付き合いである。

 

 それにも関わらず、まるで信用されていなかったという事実に心が軋む。

 

 

 

「私は今私の中にいる人…シュテルさんの名前を無断で借りていました。私のオリジナルの名前を」

 

「…オリジナル?」

 

 

 

 嫌な予感がした。

 

 それだとまるで…

 

 

 

「そうです。…私はシュテルさんのコピー。あなたにわかりやすく言うならクローンと呼んでもいいかもしれませんね」

 

「それって…」

 

 

 

 私の脳裏にフェイトちゃんが思い浮かぶ。

 

 フェイトちゃんが自分の産まれについて知ってしまったあの時のことを

 

 それならシュテルちゃん、いや目の前のこの子も…?

 

 

 

「…じゃああなたは自分の名前がなくて、それで…シュテルちゃんの名前を?」

 

「それは違います」

 

 

 

 しかしそんな私の考えは否定される。

 

 

 

「コピーとは言いましたがシュテルさんの因子を複製された後、それが母さんの身体に宿り私が産まれました」

 

 

 

 …あの子は出産という形で地球の家庭に産まれてきた、ということ?

 

 それはつまり

 

 

 

「お母さんからもらった名前が、ちゃんとある?」

 

「そうです」

 

「それなら!その名前を教えてよ!!」

 

 

 

 私は本心から叫ぶ。

 

 しかし

 

 

 

「それは出来ません」

 

「なんで!?」

 

「…以前も言ったでしょう?管理局に素性を明かすことはできない、と。

そして今となってはあなたは立派な管理局の人間。

…私を追う立場の人間です」

 

「…」

 

「呼び方に困るのであればコピーとでも偽物とでもクローンとでも好きに呼べばいいです」

 

「ふざけないで!!教えてくれないなら私はあなたと戦って勝ってその後にお話しを聞かせてもらう!」

 

 

 

 そして私はあの子に魔力弾を放った。

 

 

 

……

………

 

 

 

 数分後

 

 

 

「はあ、はあ…」

 

 

 

 私は肩で息をしていた。

 

 あれだけたくさんの魔力弾を放ったからだ。

 

 あの子のレアスキルに注意してカウンターを狙いつつ、ヴィータちゃん達を倒す要因となった幻術も視線を外すよう対処して

 

 でもそれらは全て無駄になった。

 

 何故なら

 

 

 

「なんで…なんで攻撃してこないの!?」

 

 

 

 そう。あの子は攻撃してこなかった。

 

 正確に言えば、魔力弾は打ってきている。

 

 でもそれは私の動きを阻害したり、私の魔力弾を相殺したりするだけで

 

 端から見ると戦っているように見えるけどその実、そもそも戦ってすらいない。

 

 そしてあの子に攻撃の意思がないなら、攻撃を当てることも捕らえることもできない。

 

 私は歯噛みしつつあの子に攻撃を促す。

 

 

 

「本気で来てよ!本気でぶつかり合わなきゃわかり合うことなんてできない!」

 

「…今のあなたがそれを言います?レイジングハートを連れてきていない今のあなたが」

 

 

 

 そう言葉を返され何も言えなくなる。

 

 あの子の言うとおり今の私はレイジングハートじゃない代わりのデバイスを使用して戦っている。

 

 レイジングハートは今キリエさんに対抗できるようにフォーミュラモードを取り付けてもらっている最中だから

 

 

 

「それに私のやることはあなたとわかり合うことではありません。私はシュテルさんの名前を借りた分、シュテルさん達の言うとおりに動く。

…ただそれだけです」

 

「シュテルちゃん達の言うとおりに?」

 

 

 

 それってつまり

 

 

 

「あなたの中にいるシュテルちゃんと他の場所で暴れている二人が建物の破壊を指示した…ということ?」

 

「…すみませんシュテルさん。少し喋りすぎました」

 

《…構いません。これくらいなら》

 

「やっぱりあなた達の考えなんだね?

事情を聞かせて。力になれることがあるかもしれない」

 

 

 

 しかしシュテルちゃんが返事をする前に

 

 ここから離れた海上で光の柱が立ち昇った。

 

 

 

《あの光は…まさか!?》

 

「あれはいったい…?」

 

《…あそこに向かってください。早急に》

 

「…わかりました」

 

 

 

 シュテルちゃんは焦った様子であの子に指示を出して

 

 あの子の返事と共に空間が歪み、あの子は消えた。

 

 

 

「私も早く…」

 

「なのはさん!」

 

 

 

 私も向かおうとした時、シャーリーさんの声に呼び止められた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 シュテルさんの指示で神威で飛んだ先は地獄絵図となっていました。

 

 海中から突き出した槍によりたくさんの管理局員が串刺しとなっていて各々苦悶の声を上げています。

 

 その中にはフェイトさんやシグナムさん、クロノさん達もいました。

 

 この惨状を作ってしまった金髪の少女、ユーリさんは光が消えた目から涙を流しており、その隣にいるイリスさんは邪悪な笑みを浮かべています。

 

 そしてそのイリスさんに対峙しているのはフローリアン姉妹

 

 いえ、正確にはアミティエさんのみですか。

 

 キリエさんは裏切られたショックで涙を流し、俯いています。

 

 

 

「お前達も来たか」

 

「はい。ディアーチェさんとレヴィさんも無事で…レヴィさん大丈夫ですか?」

 

 

 

 先に来ていたディアーチェさんが私とシュテルさんに話しかけてきました。

 

 それで隣にはボロボロになっているレヴィさんがいました。

 

 原作通りフェイトさんにバインドからのホーネットジャベリンをもらったみたいですね。

 

 

 

「これくらい大丈夫。…っていうかなんでシュテるん達はなんともないの?」

 

「私は…ほら、レアスキルがありますから」

 

「うー。ずーるーいー!」

 

 

 

 身を守るために選んだ能力なんですから役に立ってもらわないとむしろ困ります。

 

 

 

《あなた達…。ふざけてる場合じゃないでしょう》

 

「シュテルの言うとおりだ。もう少し緊張感を持て」

 

 

 

 別にふざけていたつもりはありませんでしたがディアーチェさんとシュテルさんに諌められてしまいました。

 

 そこでイリスさんがようやく私達の存在に気づいたのか

 

 

 

「来てたのね。あんた達」

 

「ああ、来たとも。貴様はその娘を…、貴様に操られ他者を傷つけ涙を流しているその娘をどうするつもりだ?」

 

「復讐するつもり。私から全てを奪ったこの子にね」

 

「その復讐に関係ない周囲の人間を巻き込むのか?」

 

「ええそうよ。この子自身の手で大切な命も無関係の人間も全てを殺させる。

それが私の、この子に対する復讐」

 

《イリス…あなたはユーリをそこまで》

 

 

 

 シュテルさんが悲しそうな声を出しています。

 

 

 

《聞いてくださいイリス!あの日ユーリは》

 

「そういえばシュテル、あんたの記憶は消去できていなかったっけ。まあ今となってはどうでもいいけど」

 

 

 

 そうシュテルさんの説得を遮り冷たく言い放つとその赤い瞳が光りユーリさんが私達目掛けて動き出します。

 

 その時でした。

 

 桃色の砲撃魔法がユーリさんに向かって放たれました。

 

 ユーリさんは周りに浮かべているユニットを盾にして防ぎましたが、桃色の魔力光は周囲に拡散しフェイトさん達を貫いている槍を消滅させます。

 

 

 

「この力…!?まさかアミティエのフォーミュラを!?」

 

 

 

 私達は砲撃魔法の出処を見てみますとそこには

 

 

 

「待っててください。今度は…必ず助けます!!」

 

 

 

 フォーミュラモードとなりストライクカノンをユーリさんに向けているなのは姉さんがいました。

 

 

 

……

………

 

 

 

「イリスさん!一緒に来てください!

困ってることがあるならきっと力になりますから!」

 

「困ってることも力になってほしいことも何もない。

ユーリ、危険度の高い順から排除して」

 

「命令受領、機鎧起動」

 

 

 ユーリさんの周りに浮かぶユニットが変形し二本の腕の形を取ります。

 

 イリスさんはユーリさんに指示を出すとその場から離脱しました。

 

 

 

「なのはさん!イリスは私が!」

 

 

 

 それをアミティエさんが追いかけていきます。

 

 

 

「準備完了、排除開始」

 

 

 

 それと同時にユーリさんの準備が終わりなのは姉さんの方へと向かっていきました。

 

 

 

「それでどうすればいいですか?」

 

 

 

 それを確認した私はシュテルさんに問いかけます。

 

 

 

《どうとは?》

 

「あのユーリさんはあなた達が言っていた大切な人なのでしょう?」

 

《…そう、です》

 

「しかしディアーチェさんとレヴィさんはイリスさんに記憶を消された影響で動こうとはしていません。

…まあユーリさんを見て違和感を感じ、どうするか迷っているみたいですが」

 

《…》

 

「それで唯一記憶が残っているシュテルさんに指示を仰いでいるというわけです。

…イリスさんの件がショックなのは、なんとなくわかりますが早めに決めてもらえると助かります」

 

《…私は》

 

 

 

 シュテルさんは少し逡巡した後

 

 

 

《私はユーリを助けたいです!確保してください!》

 

「…ディアーチェさんは?」

 

《王には私が説明します!》

 

「…了解!」

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 私は空中でユーリちゃんと何度も激突する。

 

 そんな中私は少し焦っていた。

 

 理由はフォーミュラモードにあった。

 

 正常に稼働はしているけど稼働限界があって三分しか持たない。

 

 

 

(ちょっとでいい!隙を作れれば…!)

 

 

 

 そう思っていた時だった。

 

 ユーリちゃんの横から赤い閃光が走った。

 

 

 

「っ!?」

 

「!?シュテ」

 

 

 

 思わずシュテルちゃんって叫びそうになったけど違うんだっけ。

 

 閃光の正体は高速で突っ込んで来たあの子だった。

 

 あの子が先端に構えた杖に当たりユーリちゃんはあの子の勢いに負け押し出される。

 

 そして

 

 

 

「ファイア!!」

 

 

 

 ゼロ距離で砲撃魔法を発射。

 

 ユーリちゃんは地面へと衝突する。

 

 

 

「あの…」

 

「…シュテルさんが」

 

「えっ」

 

「シュテルさんがあの人を救いたいと言っています。

どうやらあの人とシュテルさん達の間には深い縁があるみたいです。

だから…」

 

「うん。じゃあ一緒に助けよう!」

 

「…自分で言っておいてなんですがホントお人好しですね」

 

「あはは…」

 

 

 

 そう会話しているとユーリちゃんが衝突した辺りから無数の細い光線が放たれる。

 

 でもその光線は紫と青の魔力弾が飛来して相殺された。

 

 そしてあの子の隣にディアーチェちゃんとレヴィちゃんが飛んできた。

 

 

 

「シュテるん無事!?」

 

「シュテルよ。我に無断で出撃した無礼は不問にする。

それよりもお前が動いたということは…」

 

《…はい。そうです》

 

「…そうか。ならば奴を止めるぞ!」

 

 

 

 ディアーチェちゃんとレヴィちゃんも協力してくれるみたい!

 

 私が喜んでいると

 

 

 

「なのはさん!」

 

 

 

 あの子の声と共に目の前にユーリちゃんが接近していた。

 

 そしてその腕で叩きつけようとする。

 

 だけど間一髪でヴィータちゃんが私を抱え、その腕をかわす。

 

 

 

「ヴィータちゃん!」

 

「ボサッとしてんな!連携行くぞ!」

 

「うん!」

 

 

 

 ヴィータちゃんだけじゃない。

 

 フェイトちゃんやはやてちゃんもそこにはいた。

 

 そして私達は連携攻撃を始める。

 

 

 

「はあぁぁぁぁぁ!」

 

 

 

 フェイトちゃんがバルディッシュを素早い動きで振るい、砲撃魔法を繰り出す。

 

 ユーリちゃんはそれをユニットで受け止めるけど

 

 

 

「クラウソラス!」

 

 

 

 そこにはやてちゃんの無数の光線がユーリちゃんを襲う。

 

 はやてちゃんの魔法をもらったユーリちゃんはその影響でフェイトちゃんの砲撃も受け止めきれず、再び地面へと吹き飛ばされる。

 

 そこに

 

 

 

「合わせろお前達!アロンダイト!!」

 

「はい…!ディザスターヒート!!」

 

「りょーかい王様!雷神槌!!」

 

 

 

 シュテルちゃん達の紫、赤、青色の無数の砲撃がユーリちゃんをさらに押し付け完全に身動きを封じる。

 

 

 

(ここだ…!)

 

 

 

 私は飛び出しながら魔力を極限まで溜め

 

 

 

「エクシード…ブレイカーーーッ!!!」

 

 

 

 それを解き放った。

 

 

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 

 

 桜色の光の奔流に呑み込まれユーリちゃんが悲鳴を上げる。

 

 そしてブレイカーを打ちきるとそこには

 

 完全に気絶しているユーリちゃんの姿がそこにはあった。

 

 

 

……

………

 

 

 

「ユーリ。おい、ユーリ!」

 

「うぅ…」

 

「大丈夫か?」

 

 

 

 私達は気絶したユーリちゃんの下に駆け寄って声をかけていた。

 

 最初は呻き声を上げるだけだったけど

 

 次第にユーリちゃんはゆっくりと目を開ける。

 

 

 

「ま、まさか…ディアーチェ、シュテル、レヴィ!?」

 

 

 

 目を覚ましたユーリちゃんはシュテルちゃん達の方を見ると驚いた声を上げた。

 

 次にはやてちゃんの方を見ると

 

 

 

「それに…あなたは?」

 

「私は八神はやて。夜天の魔導書の主です」

 

「はやて!お願いがあります。ディアーチェ達をどうか…それにあの子、イリスを」

 

 

 

 そう痛みに耐えながらも一枚のページを作りだす。

 

 その時だった。

 

 ユーリちゃんの腹部から刃物が貫いた。

 

 

 

「喋らないで。もう嘘は聞きたくない」

 

 

 

 貫いたのはイリスさんだった。

 

 ユーリさんが渡そうとしたページが燃えていく。

 

 

 

「貴様ぁ!」

 

「予定が狂った。立て直さなきゃね」

 

 

 

 そう言いながら出したのは夜天の書

 

 ここから転移するようだった。

 

 

 

「イリス!」

 

 

 

 はやてちゃんがイリスさんに射撃魔法を放つけど夜天の書のシールドにより弾かれてしまう。

 

 

 

「便利な本よね。用済みになるまで」

 

 

 

 その時

 

 夜天の書の周りの空間が歪んで

 

 夜天の書は呑み込まれてしまった。

 

 当然それをやったのは

 

 

 

「その本は今のあなたが触れていいものではありません」

 

「あんた…っ!偽物の分際で…!」

 

 

 

 そうイリスさんは憎々しげにあの子を睨む。

 

 

 

「これで逃げることも出来ないのではないですか?」

 

 

 

 そうだ!

 

 あの子の行動には驚いたけど、これで…

 

 

 

「…それはどうかしら?」

 

 

 

 と思ったけど、イリスさんから予想外の返事が帰ってきた。

 

 

 

「…なんですって?」

 

「…念のためにバックアップは取ってあるのよ」

 

 

 

 そう苛立たしげに言うと同時にイリスさんの手の中には色違いの本が現れる。

 

 あの子もこれは予想していなかったのか目を見開き驚愕している。

 

 そして

 

 

 

「完全にとはいかなかったけど精々使い潰させてもらうわ」

 

 

 

 イリスさんはユーリちゃんを連れて消えた。

 

 後に残ったのはユーリちゃんが渡そうとしたページの僅かに残った断片だけだった。

 

 

 

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