初めまして処女作ですが頑張りたいと思います
始めは七日間毎日更新していきます。それ以降は週一更新ってことで
(1)
ㅤ時々昔の夢を見る。幼なじみが、とか再開の約束が、なんて、そんなものじゃない。小学生の頃にいじめられていた記憶が蘇って来るのだ。
そこは公園で俺と同年代の子供達が遊具を使って遊びまわっている。何故かSFみたいな服装をしているが……
「お…い……ん!」
しかし、そんな少しおかしいが平穏な風景は突如破壊される。子供達のそのSFチックな服が何かに侵食されるように腐食し、ボロボロと溶け落ちていっているのだ。そして服だけではなく、そのまだ幼い肌さえも焼け爛れていく。
「おに…ち…ん!お…て!」
「痛い!痛い痛い痛いぃぃ!」
「熱いよ!熱い!誰か、誰か助けてぇ!」
「なんでだよ!僕たちの防護服にはバリアがしてあるのに!」
子供達の絶叫が、悲鳴が、あちこちから聞こえてくる。その声を聞きながら俺は奴らにゆっくりと近づいていき声をかける。
「おいおい、知らなかったのか?……比企谷菌にバリアは効かないんだよ」
「お兄ちゃん!!」
「おう?」
「おう?じゃないでしょ!今何時だと思ってるの!学校遅刻しちゃうよ!」
朝から中々にハードな夢を見ていたようだ。夢とは自分の望む事などと言うがまさか俺にあんな願望あったとは、八幡びっくり!
「ほら!そんな朝からぬぼーっと、してないで早く起きてね!小町今日は日直なんだから先に出るからね!」
愛しのラブリー小町ちゃんは朝から中々に辛辣である。小町は俺の妹だ。今年で小学六年生、小学生も日直は色々仕事があるらしい。
「小町ちゃん、そんなに朝から怒鳴ってたら可愛い顔が台無しよ」
「……お兄ちゃん、そういうのキモイよ。っていうか本当にもう小町学校行くからね!朝ごはん用意してあるから、食べたら流しに置いてね!あとゴミだししておいてね!」
マイスイートエンジェル小町ちゃんはそう言うと慌ただしく出ていった。ってか最後にゴミだし押し付けられてない?
小町が出ていくとまた少し眠くなってくる。時計を見るとまだ少し余裕がありそうだ。もう少しだけ寝るかな……
結論を言うと完全に寝坊をした形になる。着替えて朝食を食べて、走ったらギリギリ間に合うかもしれないが。こんな時はもう開き直って普通に歩いていこう。
朝食はトーストとベーコンエッグだった。冷蔵庫の中から買い貯めしているマッカンを取り出し朝食のお供に。
家から出て鍵をかける。親は都心の方が色々と便利だとか言って俺たちとは別居中だ。別に放任とかでもなく結構な頻度で帰ってくる。
遅刻するかもなんて思っていたがこのまま行けば意外と間に合うかもしれない。そんなことを考えながら歩いていると後ろから誰かが走ってくる。
「遅刻!遅刻〜!」
俺の隣をマゼンタ色の髪の女子が走り去っていく。
……ちょっと髪型が特徴的すぎない?頭にチョココロネが二つくっついてるんですけど。っていうかいきなりスキップしだしたんだけど情緒不安定過ぎるだろ……
「………!……………!」
曲がり角に差し掛かった所で何やら騒ぎ声が聞こえてきた。変な事には巻き込まれたくはないのでそっと覗いて確認する。
「……えぇ」
先程のチョココロネ少女と見えちゃいけない妖精さん的な存在が話をしていた。ゆっくりと来た道を引き返し脇道に入る。
「……はぁ、朝からやばいもの見ちゃった気がするんだが、夢、だよな。あー、学校行こ」
見なかった事にした。
無事、危ないコロネに見つからずに七色ヶ丘中学校へ着いた。ギリギリで遅刻だが、俺のステルスヒッキーならばなんとかなるだろう。……いや、なんとかなったらそれはそれで寂しすぎるが……
二年二組の教室にたどり着き、そっと教室後ろ側のドアを開け、静かに席に着く。
何故か担任の佐々木先生がまだ来ていなかったため遅刻扱いにはならんだろう。
ばれないように席に着いたつもりだったが隣の席のやつは誤魔化せなかったようだ。
「比企谷君、遅刻ですよ。先生が来ていないからと言って遅刻してよい理由にはなりません」
「あー、すまん」
隣の席のこいつは青木れいか。才色兼備で文武両道、クラス委員であり、皆の憧れる生徒会副会長様だ。これだけ属性を盛ってるのにお高くとまっておらずマジでかなり良い奴。正直昔の俺だったら即行告ってフラれるレベル……いや、フラれちゃうのかよ……
「はい、次からは気をつけて下さいね」
とりあえず、先生が来るまでは読書でもして時間を潰そう。
ガラッ! 読書をしていると、少し慌て気味に佐々木先生が入ってくる。
「みんなおはよう、悪いわね遅れてしまって、でも今日は転校生がいるわよ。じゃあ、紹介するから入って来て」
転校生か、今朝見かけたコロネもあまり見ない顔だったな。あれ?でも俺からしたら大体の奴らはみんな見ない顔だわ。むしろみんなから俺が認識されて無いまである。
先生に呼ばれて入って来たのはやはりコロネだった。見るからに緊張してるんだが大丈夫かよ。
「それでは転校生を紹介します。さあ、星空さん自己紹介してください。」
「あ、はい!…………」
固まっちゃったよ。こういう時は適当に無難なこと言って終わらせた方が注目されずにすむんだがな……
「まだー?」
「へっ?」
「じこしょーかーい」
「はっ!はい!えっと、ほ、星空、みゆきです。あの、私えっと、と、とにかく、よろしくお願いします!」
「えっ?それで終わり!?」
めっちゃ煽るなこいつ
「アカン……オチないやん…」
「よっしゃ、ウチが代わりに自己紹介したる!」
そう言って前に出て来る赤い髪の関西弁の少女
「んー?せやなぁ、見た感じおっちょこちょいやけど…………」
こいつは日野あかね、去年大阪から引越して来た関西人だ。運動が得意ってのとやたら話にオチをつけたがるくらいしか知らないが、俺が少しは知っていると言うだけでその目立ち様は想像に難くないだろう。
「あかね、星空さん困ってるでしょ」
「そうですよ、それに挨拶は自分でしないと」
緑川と我らが副会長様から日野に注意が入る
「はいはい、ちょうどえぇからあの二人を紹介するわ!」
確かに件の二人はクラス内カーストでも上位に位置している。先に知っておいて損はない。
「あっちが緑川なお、スポーツ万能でおまけに義理堅くって情にもろい、女番長って感じやな!」
「ば、番長!?」
女番長と言われ、目を見開く緑川、……意外と的を射ているんじゃないか?
「ほんで、こっちのお嬢様が青木れいかクラス委員で生徒会副会長、勉強も出来ておまけに男子にモッテモテ!」
「もてもて……?!」
青木はモテている自覚が余りないらしい。そういう奴程、純情な男子を
「ほんでウチは日野あかね、去年大阪から引っ越してきたから転校生の気持ちはよーわかんねん」
「はーい、そこまで、日野さんありがと。さっ、席に戻って」
佐々木先生からストップが入る
「へへっ、おあとがよろしいようで」
佐々木先生に言われ、日野が自分の席までの奴にピースやハイタッチしながら戻っていく。……なんで君たちそんなすぐハイタッチなんてできるのん?あれって合わせるの難しくない?まぁハイタッチする機会なんてないから知らないけど……
「その子は黄瀬やよい、めっちゃ泣き虫でちょっとツッコんだだけですんぐに泣いてまうねーん」
星空に何か話していた黄瀬――今名前知ったわ――を目敏く見つけた日野が身振りもつけ揶揄う。
「よっ、余計なこと言わないでよ!泣いたのは、た、たったの三回だけだもん……」
もう既に三回は泣いているらしい、今も若干涙目だし、クラスの奴らは笑っているが黄瀬がもっと根暗だったらイジメになってるんじゃないかね。これだから陽キャ共のコミュニケーションは分からねーんだよ。
「みんなありがとう、皆さんのおかげで緊張が解けました。改めまして星空みゆきです。私は絵本が大好きで小さい頃から沢山読んでいます。絵本のお話って必ずハッピーエンドになるのが素敵だなって思ってて、私も毎日そんなハッピーを探してます!」
素敵だと言うが絵本がハッピーエンドになるのは子供向けだからではないだろうか?もし絵本で猟奇的な話があって子供がその影響を受けたら目も当てられないだろう。
「それってどんなん?」
日野が声を上げる
「星空さんにとってのハッピーってどんなんかなーって?」
「えーと、口では説明しにくいんですけど、ハッピーってなんかこう、この辺がキラキラして胸がワクワクして、んー、とにかくウルトラハッピー!って感じのことなんです!」
大きな身振り手振りですっごい漠然とした答えが帰ってきたな。
「なんやよーわからんけど」
「でも、なんだか分かります」
え?分かっちゃうの?!ギョッとして隣を見ると青木も此方に気付いたようで首を傾げた後……微笑んできた。……えっ?……照れる///
「そんな訳でよろしくお願いします!」
星空が頭を下げると拍手が起こる
「それでは星空さんの席は……」
「はいはーい!私の後ろ空いてまーす!」
「そうですね。星空さんの席はあそこです」
星空は日野の後ろの席になったようだ
「それではホームルームを始めます」
日野がああして、張り切っているので星空はうちのクラスにそうそうに馴染みそうだ。寧ろ俺なんかよりも既に馴染んでるまである。
「キャンディ!!キャンディだよ、ほら!」
ぼーっと佐々木先生の話を聞き流していると急に星空が立ち上がり窓の外を指さして騒ぎ出した。
「星空さん?」
「す、すみません」
佐々木先生に注意され席に腰を下ろす。
星空はやっぱりやばい奴だったようだ。
俺は出来れば絡まれないようにしようと心に誓い、また先生の話を聞き流す作業を再開するのだった。
比企谷菌ネタは入れたかっただけです
特に今後の展開に関わって来るものではありません。
こんなにアニメ沿いなのは最初だけだゾ