俺の青春にスマイルなどあるのだろうか?   作:紫睡

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今回はなかなか難産でしたが沢山のプリキュアや妖精が登場します!(シーンとしては少ないですが……)お楽しみに!




(11)

 なんかいっぱい居んなぁ……

 

 キャンディ、タルト、シフォン、さっき助けてくれた妖精、に似た妖精ピンク、妖精アオ………猫…………じゃなくて……

 

「俺にも力になれるのか?」

 

 俺には力が無い……確固たる事実だ。それは変わらない。

 

「モチロンや!八幡はん、あんさんだからワイは頼むんや!」

 

 だが、俺にれいかの……、プリキュアの手助けが出来るのなら、やらない手は無い!

 

「わかった。……俺はタルト達を手伝う!みんなは先に進んでくれ!」

 

 俺の方を振り返りながら、少し走る速さを落としてくれていたみんなへ、俺はここに残る事を伝える。

 

 みんなは頷くと走るスピードを戻し、フュージョンの元へと進んで行った。

 

「………それで?俺は何をすればいい?」

 

 聞けば、タルトは背負っていた唐草模様の風呂敷を俺に差し出してきた。

 

「あんさんにはコレを預ける」

 

 手渡されるままに受け取ると、ズシッとした重さが伝わってきた。

 

「コレ、何が入ってるんだ?かなり重いんだが……」

 

 え?タルトこんな重いの軽々と持ってたの?それとも俺が貧弱なだけか?

 

「入ってるんはコレや!」

 

 タルトが掲げるのは持ち手の先にリボンの形をした結晶が付いた小さなステッキだ。

 

「コレはなミラクルライトっちゅうてこのボタンでライトを()けながら振って相手を応援するとミラクルライトの力で奇跡が起こるんや!」

 

「…………………」

 

 そんな簡単に奇跡が起こるのか?

 

 そんなもんがあるならもっと早く使うべきじゃね?

 

 言いたいことは色々とあるが今は飲み込む。

 

「………なんやその目は……このミラクルライトはそう簡単に使えるもんやないんやで!?プリキュアはん達がピンチの時とか……!」

 

 ザバーン

 

『ヴァァォォオオオオオォォォォ!!!』

 

 タルトの後ろ、海の中からフュージョンの塊が顔を出し港に停めてあった大型の客船を持ち上げた。フュージョンは自分の欠片たちをまるでレールのように市街地にまで伸ばすとそこに客船を乗せたのだ。

 

「おいおいおいおいおい!?やべぇぞこれ!!」

 

 フュージョンの上を滑り落ちるように加速していく客船。

 

 フーちゃんの元へ向かっていたビューティ達やスイートな先輩達もフュージョンの上へ、滑走する船を止めるために集まるのが遠目からでも見える。

 

 ギギギィィィ!!!

 

 八人のプリキュアが力を合わせ受け止めた事で客船は一時的に止まる。

 

「何とか止まったクル……」

 

「……い、今がその時や!ライトの力で他のプリキュアを呼ぶで!八幡はん、しっかり見ときぃ!」

 

「お、おう……」

 

『せーの!』

 

『プリキュアー!こっちですー(クルー)(やでー)(ニャー)!!』

 

 妖精達の声と共にライトの光が強くなる……!

 

『プリキュアー!こっちですー(クルー)(やでー)(ニャー)!!』

 

 妖精達の途切れぬ声。その声によるものか、どんどんライトの輝きも強くなっていく。

 

『キャーっ!!』

 

「っ?!ビューティ!!」

 

 後ろからの悲鳴に振り返れば客船を受け止めていたプリキュア達が吹き飛ばされているところだった。

 

「場所が悪過ぎるだろ……!」

 

 客船が滑り落ちているのはフュージョンの上なのだ。それを受け止めるとなれば必然的にプリキュア達もフュージョンの上に立つ事になる。

 

 結果は目の前の通りだ。変幻自在のフュージョンが足元からプリキュア達を突き上げて吹き飛ばしてしまった……

 

 支えを失った客船は勢いを取り戻して……いや、さらに先程よりもフュージョンが傾斜をつけて勢いのました客船がどんどん市街地を目指して進んでいる。

 

「クソっ!なら俺も!」

 

 タルトから渡された風呂敷に手を突っ込みライトを引っ張り出す。スイッチを押してライトに光を灯すと力いっぱい振って叫ぶ。

 

「プリキュアー!!ここだぁ!」

 

『プリキュアー!こっちですー(クルー)(やでー)(ニャー)!!』

 

 

 俺と妖精たちの振る、ミラクルライトの放つ輝きは最高潮に達している………しかし……

 

 ……もうダメなのか?!

 

 無情にも客船は速度をまして市街地に向けて進む。

 

「っ!?来たでぇぇ!!」

 

 タルトの叫びに、俯きかけていた顔を上げる。そして客船の前には確かに新しいプリキュアが現れていた。……三人だけで……

 

「無茶だ!よせ!」

 

 八人でも、やっと受け止められた客船をその半分以下の人数で受け止めるなんて危険すぎる。

 

 俺達を守る為、横浜の街を守る為に集まったプリキュア達の傷つく所なんて見たくない。

 

 

 

 ドンッ!!

 

 

「…………えっ?」

 

 だが、目の前で起こったことは予想に反して、たった三人だけでフュージョンの上を物凄い勢いで滑り落ちてくる客船を受け止める姿だった。

 

「つよぉ……」

 

「ブラックとホワイトにルミナスニャ!」

 

 ……語彙力が無くなるくらい衝撃的だった。

 

「まだまだ来るでぇ!」

 

『ヴオオオォォォォ!!』

 

 客船を止められた事が不満なのか船の上空にフュージョンの欠片が集まり、諸共に破壊しようと降ってくる。

 

 しかし、船との間に割り込むように入ってきた新たな二人の初めて見るプリキュアにより防ぎ散らされてしまう。

 

「ブルームはんとイーグレットはんや!」

 

『ヴェェエァァァァァ!!』

 

 悪あがきかフュージョンは客船をここまで乗せてきた橋まで分解し、小さなフュージョンにして客船を受け止めている三人に向かって突撃させる。

 

「遅れたココ!」

 

「何とか間に合ったナツ!」

 

「ココ!ナッツ!……二人が来たってことは……」

 

 客船の方へ視線を移せばそこでは六人の新たなプリキュア達が客船の周りに現れたフュージョンを蹴散らしていた。

 

「あれが、のぞみさん達……」

 

 客船周囲のフュージョンが一掃された隙を突くように、パッションが客船へと手を翳す。

 

「はあああぁぁぁぉぁ!!」

 

 すると客船は赤い光に包まれて消えてしまった。

 

「船が……」

 

「パッションはんには自分や物を別の場所に移動させる力があるんや!」

 

「ほぉぉ……」

 

 もう驚きで口が開きっぱなしだ。

 

「八幡はん、あんさんにはこのミラクルライトをプリキュアを応援してくれる人達に渡して欲しいんや!このライトの力は本当はこんなもんやない!わいら妖精達だけやと少ない力やけど、八幡はんが人を集めてくれればもっと大きな力が出せるんや!」

 

「わかった、任せろ」

 

 自然と口が開いていた。俺に人が集められるのか、そもそも応援してくれる人達は何処にいるんだとか……ネガティブな考えが頭の中を回るが関係ない。やるんだ……ビューティの為にも、今此処にフュージョンを倒す為に集まったプリキュア達の為にも!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は今、とあるビルの屋上に立って居る。ミラクルライトをプリキュアを応援してくれる人を探して手渡して行くのでは時間が掛かりすぎると思ったからだ。

 

 ただ、だからといって何もしていなかった訳じゃない。現代社会の利器を使っただけだ。

 

 

 キィ……

 

 扉が開く音に振り返るとそこには一人の青年の姿が……

 

「……すいません、貴方がキュアビューティ大好き!×八万さんですか?」

 

 やっぱ名前もっと違うのにすれば良かったか?

 

「……はい、俺がキュアビューティ大好き!×八万です。長いので八万と呼んでください」

 

 読みは一緒だしな……

 

 キィ……

 

 青年と話している間にも人がどんどん集まってくる。女性もいればオネェもいる。マッチョもヒョロガリも関係なく人がどんどんと集まってくる。

 

 緊張からか異様に喉が渇く気がするが関係ない。屋上の少し高くなっている所へと立ち、唾液を嚥下し喉を湿らせ、大きく口を開く。

 

「……皆さん!俺の事は八万と呼んでください!皆さんは本当にプリキュアの事が大好きなんですね!出なければこんなに危険な所へ引き返して来るはずがない!」

 

 本来なら、今俺の居るこのビルがある区画は避難が完了している筈の場所だ。なのに、避難している筈の人が此処には集まっている。

 

「俺もプリキュアが大好きです!特にキュアビューティが好きだ!愛している!……すいません、興奮し過ぎました。……話を戻します。俺は今ある物を持っています!そして()()を使ってプリキュアを応援すれば本当にプリキュアの力になる事が出来るのです!」

 

 俺がした事は簡単だ。あらゆるSNS、掲示板にこう投稿しただけだ。

 〈プリキュアの力になりたい人大募集!あるアイテムを使って応援すれば本当にプリキュアの力になれる!プリキュア好きよ!今此処に集え!!〉住所◆◇▲□◆△▲ビル屋上 キュアビューティ大好き!×八万の元まで……※プリキュアの戦っている写真

 

 普通なら詐欺やイタズラだと思うだろう。しかし、此処にいる人達はそれでも、騙されたとしてもプリキュアの力になれる可能性があるのならと此処に集まって来て居るのだ。それも二桁じゃきかない程の人数がだ……

 

「それがこのミラクルライト!これに光を灯し、振ってプリキュアを応援するんです!前列の皆さん、どんどん後ろの人へ回していってください!」

 

 この風呂敷、バカ重いと思っていたら明らかに内容量を無視した量が入っていたので正直ビビった……ただ、そのおかげでこんなにも沢山の人達にミラクルライトが行き渡らせることが出来る。

 

「皆さん見えますか!あのマリンタワーへ向かうキュアエコー達の姿が!フュージョンを相手に戦うプリキュア達の姿が!」

 

 そう、此処でこの人達を待っている間にあゆみさんはキュアエコーへと変身を遂げたのだ……!

 

「今、俺達に出来ることはこのミラクルライトを使って応援すること!それこそがプリキュア達の力になるのです!」

 

 此処に集まって来た人達がどんどんミラクルライトへと光を灯していく。

 

「皆さん!!それではいきます!!プリキュア!!がんばれぇぇぇ!!

 

『プリキュア!!がんばれぇぇぇ!!』

 

 




今八幡くんとプリキュアを応援しているのは私であり、読者の皆さんです!!さぁ一緒にプリキュア達を応援しましょう!

頑張れプリキュア!!
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