ではどうぞ!
「……たでーまー」
自室から出て声をかけながら階段を降りていく。
とったったったっ!
「お兄ちゃんおかえりー!」 ポスッ
おおっ!小町が俺の胸の中に……!
「おう……ただいま、俺が居なくて寂しくなかったか?」
「いや別に……」
「……ええぇ」
じゃあさっきのはなんだったのよ……
「ところでさぁ……お兄ちゃんなんで玄関からじゃなくて部屋から帰ってきたの……?」
「…………………」
小町に不思議図書館のこと言うの忘れてたわ……ってかそもそも言っていいのか?……いやいいんだよなプリキュアの事も話してあるんだし……
「いや、実はな……」
「あ、なんか長くなりそうだし後で聞くね。小町今テレビ観てる途中だからさ」
ととととっ
そう言い残して小町は居間に戻ってしまった………
「小町ぇ………」
まぁ、どうせ今日中には話すだろうし後でいいか……今は切り替えて持って帰ってきた荷物の整理をしちまうか。
整理すると言ってもたいしたことは無い。持って帰ってきた着替えを洗濯機に叩き込み、持って行った旅行用の鞄をタンスの中に押し込むくらいだ。フュージョン探しに忙しくて特に買い物もしなかったし、先輩達みんなと集まった時も雑談したり、集合写真を撮ったくらいだし…………
「……………やばい………小町にお土産買ってきてない……」
どうすっかなぁ……絶対拗ねるよなぁ……でも小町に謝るのもなぁ――
「……お土産を買い忘れてしまいました!すいませんでしたァ!」
夕飯の支度を終えた小町に呼ばれたので、居間に入ると同時に両膝を床に着け頭も床に擦り付ける。
「…………いや、お兄ちゃん……流石に小町もそんな事で土下座までは求めないよ……」
見たか!これこそが初手土下座よ!相手はたじろぐ……!
「……くふっ」
「なーに笑ってんのさ……」 ムギュっ……
「ぐっ……頭を踏むんじゃねぇよ」
「……はいはい、まぁ……お土産無いのは正直イラッと来たけど理由は何となく分かるし今回は勘弁してあげるよ」
いや、先ずは足をどけろよ……って、なんで小町が理由を知ってんだ?
「……なぁ、横浜行く前に俺って小町に
「んにゃ?聞いてないよ。でもさっきお夕飯作ってる時に、横浜に怪物と沢山のプリキュアが集まってたってニュースでやってたんだよね」
「ああ……そういう……」
そりゃあんだけ人が居たんだからニュースにもなるわな……
「お兄ちゃんが急に横浜に行くなんて言い出した時は何事かと思ったけどコレが理由だったんでしょ?」
我が妹ながら察しの良いことで……
「……まぁ、正解だわな。お兄ちゃん花丸あげちゃう」
「あ、そういうのいいから……」
「……はい」
辛辣っ……あといい加減足をどかして欲しいな……
「まぁいいや……とりあえず携帯出して」
「……はい」
素直に携帯を差し出す。特に見られて困るものは無いが……
「さーてと、どれどれ……うぇぇぇええ?!!」
「とぉっ!危ねぇな……いきなりどうしたよ……」
何かに驚いたのか、踏んでいた俺の頭で足を滑らせた小町を慌てて支える。
「だって!」
「だって?」
「お、お兄ちゃんのアドレス帳に大量の女の人の名前が増えてたんだもん」
「あー……まぁ……ねぇ?」
「ねぇ?……っじゃないよ!説明!」
「……全員横浜に集まってたプリキュアの人達です」
自己紹介のあとは連絡先の交換大会みたいなもんだったしな。俺の携帯はラブさんにパスした後は先輩達みんなに回されて戻ってきた時にはこの状態だったんだよなぁ……
「あっ……そっちの……ほーん、へぇー……写真とかあったらよかったのになぁ……小町、正直お土産なんかよりもそっちの土産話の方が嬉しいし……」
お、これはチャンスか?
「写真ならあるぞ……まだ現像したものは貰ってないけど携帯でも撮ったやつが送られてきたか「見せてっ!」……ら?」
「……………」
「……………」
………………??
「……あのー、小町さん?……なんか言ってくれないかなぁ……なんて……」
えっ?なんか気に食わなかった……?無言が一番怖ぇんだけど……
「お兄ちゃん……」
「……なんだ?」
「……いやいや、男女比!!」
おん……まぁ、しゃーないじゃん?
「プリキュアだから女の子なんだろうけど!えっ?本当にお兄ちゃん?」
いや、確かにコレは昔の俺が見てもそう言うだろうけどさぁ……
「小町よく見ろって……ここに男の人も三人写ってるだろ?」
ココさんナッツさん、それにシロップ君だ……シロップ君とは喋った事無いけど……
「……うん、確かに男の人もいるけどさぁ。この三人は端の方に居るでしょ?」
「……ああ」
「お兄ちゃんは?」
「…………真ん中です」
違うのよ……最初は俺も端に行こうとしてたのをれいかとせつなさんに引っ張り込まれたのよ……
「お
「………せつなさんです……」
「名前呼び……お兄ちゃんとの関係は?」
これって俺、尋問されてね?
「……友達デス」
「お
「かなり仲良くなったみたいで親友って言い合ってたし……」
これは俺もマジで謎なんだよな……警戒心の強いあの鏡華が直ぐに親友なんて言ってたんだからな……俺の知らないところでかなり仲良くなったのは確かだろう…………ちょっとモヤッとした気分になったのは秘密だ。
「ええぇ……お義姉ちゃんって独占系の性格してると思ってたんだけど……」
「……小町ちゃーん?」
「でもきょうかお義姉ちゃんっていう例外も出来たしそれも影響してたり……」
「……お、お兄ちゃんお腹すいたなぁ……なんて」
「そもそもせつなさんも本当にお兄ちゃんを狙ってるのかもはっきりしてないし……」
「………………」
この手は使いたく無かったんだが……
「あ、そういえばそれとは別に送られてきた写真があるんだが……」
「見せて」
「はい……」
この写真は緑川達も知ってるから隠す事は出来ないけど、かなり恥ずいから他の写真が現像されてからしれっと紛れ込ませようと思ってたんだがなぁ……
「……ほら」
「おほっ!これ良い!お兄ちゃんなんで最初にこれを出さなかったのさ!」
「……そういう反応されるからだよ……」
コレは最初に撮った写真でれいかが……その、俺の頬にキスをしてる所が写ってるんだよな///
「これ含めて写真全部小町にも送ってね!そうすればお土産チャラどころか小町がなにかお兄ちゃんのお手伝いしてあげる!あっ!お母さんにも送って共有しておかなくちゃ!」
「……ああ、うん、送っとくわ。それより飯食わね?」
「……はぁ……うん、そだね。お兄ちゃんだもんね」
なんか露骨にがっかりされたんだが……理不尽じゃね?
「せつなさんかぁ……今度小町も会える?」
夕食の肉と野菜の炒め物をおかずにご飯を食べながら小町と先程の続きを話す。
「んー……次会うってなった時に聞いてみるわ」
「よろしくー」
まぁそんな直ぐに会うことは無ぇだろうけど……
「あ、それより小町には言ってなかったんだが、プリキュアって不思議図書館っていう、本棚を経由して何処にでも行ける文字通りの不思議な空間があるんだわ」
「ふーん」
「……あんま驚かねぇのな」
「驚くことには驚いてるけど今更かなぁって、だってあんな怪物と戦ってるんだもん。不思議な力の一つや二つそりゃあるでしょ?」
……確かに
「あっ、じゃあ今日もその不思議図書館っていうので帰ってきたんだ」
「ああ、そん時に小町に言ってなかったなぁって思って……」
「ほーい了解、あっそれって小町も入れたりする?」
「多分入れるとは思うぞ?はっきりとは言えねぇけど……」
プリキュアになる前の星空も入れてたし俺も入れたんだからいけそうだけどな……
「まぁ、今はそんな事よりも別のことで頭がいっぱいだから後でいいや……あっ、お母さんにも写真送っといたから。説明は小町がしておくけど、お母さんの事だしお兄ちゃんにも絡みにいくだろうから覚悟はしといてね……」
「…ええぇぇ………」
絶対ウザ絡みじゃん………
せっちゃんにも少し嫉妬してる八幡くん可愛い!……でも狙われてんの君なんだよなぁ……
ちなみに写真は全話の最後以外にも複数枚撮っています。
久しぶりに小町と二人、兄妹のダラダラ会話回でした!まぁあの人数の女性の連絡先が増えてたら普通に家族としてビビりますよね……