『いっただっきまーす!』
『いただきます』
みゆきとあかねのフライングはさておき、
今日は屋上の隅に腰掛け、そろぞれの弁当をつついている。
「あれ?そういえばれいかちゃんはお弁当食べないの?」
疑問の声を上げたのはやよいだ。
「ん?食べるてだろ?なぁ?」
ただ、俺はれいかの隣に座っているため、箸を使う時等の食事の音が聞こえていたから、つい、先に答えてしまった。
「ええ、皆さんと一緒にいただいていますよ。私と一緒に鞄の中のお弁当まで透明になってしまっているので、やよいさんは気が付かなかったのかも知れませんね」
「へぇーせやったら透明になったれいかにはその透明になったお弁当も見えてるんやな?」
「はい、でないと食べられませんもの」
「不思議だねぇ。透明になったものでも自分が透明人間なら見えるなんて」
「……確かに……考えて見れば不思議なもんだよな。透明になってる側から見ると自分も透明になったものも普通に見えるなんて……」
流石マジョリーナ産の不思議道具……
「鏡にも映らないんだから……機械のカメラにも映らないよね?って事は完全犯罪も出来ちゃったり?!」
「しませんよ?犯罪なんて」
「あははははっ!流石にやよいちゃんの冗談でしょ?」
「どーだろうな……」
やよいだし……七割くらいは本気だったんじゃね?
「よっし!れいかを元に戻すカメラを探すよ!」
『おー!』
放課後、帰りのHRが終わり次第、直ぐに教室を飛び出して集まったのは校門前だ。仕切るのは最近よく壊れてるのを目にする、自他ともに認めるれいか推しのなおだ。………前に自分で言っていたがあの時こいつは正気だったんだろうか……?
まぁそれはさておき早速カメラ探しの開始だ。マジョリーナの道具でなにか起こる度に何かを探し回っている気がするのだが……気の所為で合ってほしいものだ……
え?五、六時限目?二人とも「ちょっと物足りない気もするけど概ね満足したから平気」だそうだ……ちょっと期待してたのは内緒だぞ☆……まぁそう言う事だ///
「大変クルー!!」
カメラを探し始めて一時間経たないくらいだろうか、大声で叫びながらキャンディが駆け寄って来た。
「キャンディ!!」
「みゆきー!!」
キャンディは手を広げたみゆきの元へと一直線に飛び込んで行った。
「ぐふぅ……!」
……知ってた。
「マジョリーナが交番でカメラを貰ってたクル!」
『……………』
「なぁ?前にもマジョリーナが落し物を探してるとか何とかって事あらへんかった?」
「ありましたね……ペアリングで私と八幡君が入れ替わった時ですね」
「マジョリーナって……見た目がおばあちゃんだから結構普通に買い物とかしてるよね……」
落し物をしたら先ずは交番……馴染んでんなぁ……
「ねぇ、それってカメラはもうマジョリーナが持ってるってことだよね?」
『あっ……』
今度はカメラじゃなくてマジョリーナを探さなきゃ行けなくなっちまったのか……
「どうすっかなぁ」
「ふっふっふ……!」
「みゆき……どしたん?」
「わたしにいい考えが「クル?!バッドエンド空間クル!」ある……あれぇ?」
みゆきが勿体ぶっている間に辺りが重苦しい雰囲気に包まれ、至る所に蜘蛛の巣が出来ている。
「これって……」
「誰かがバッドエンドにされているので喜んではいけないのでしょうが……」
「ナイスタイミング!って言いたくはなるわな……」
「みんな!こっちクル!」
「あーん!キャンディ待ってよぉ!」
「……うし、俺達も追うぞ!」
「此処クル!」
キャンディとみゆきの後を追いかけて、辿り着いたのは近くの公園だった。
「いーっひっひっひっ!」
姿は見えねぇけどこの笑い声はマジョリーナだわ……
「うっわぁ……この声久々に聞いたよ」
「でも、好き好んで聞きたい声じゃないよね」
「せやなぁ……何かしら面倒事とセットやからなぁ」
ボロクソ言うじゃん?
「そこ!アタシが今、気分よく笑ってるのになんて言い草だわさ!」
『あら?あの老婆……もしかして……」
「いーっひっひっひっ!でもお前達にはアタシが見えてないだわさ!」
「見えとるで!」
「み、見えてるよ!」
此処に来る前に事前に見えてる振りをしようと打ち合わせていたのだが……
「何処向いてるだわ!そんなのハッタリだわさ!」
癪に障る笑い声は聞こえているのだが、如何せん何処に居るのか分からねぇから速攻でバレちまった……
「少し遊んでやるだわさ!」
「な、何するつもり?」
マジョリーナの声だけが近寄って来る。
「そーれこちょこちょだわさ!」
「きゃ?!あはははははっ!」
「お前もだわさ!」
「なっ!?あははははははっ!」
くすぐりかよ……
「完全に……おちょくられとんな……」
今のターゲットはなおとやよいの二人のようで交互にくすぐられ続けている。
「次は生意気なお前だわさ!」
すっ……
「あれっ?」
さっ……
「なんだわさ?!」
あっ……れいかには見えてるのか……
「むきー!生意気だわさ!」
しかし……なんかれいかの様子も変だよな……くすぐるのを
「はぁ……はぁ……お前、アタシが見えてるだわさ?さっきから目が合う気が……」
さんざんくすぐりを
そしてれいかが
「なっなんだわさ?!手を放すだわさ!?」
慌てたマジョリーナの声が響いた……えぇ……
『貴女……もしかしなくても、あの時のみすぼらしい老婆ですね?」
えっ?口調……
「えっ……老婆って……お前そんなに口悪かっただわさ?」
『ですから!貴女はあの憎たらしいジョーカーと一緒に居た!みすぼらしい老婆なのかと聞いているんです!」
「ジョーカーにみすぼらしい老婆って……なぁ?!何でここにあのイカれたクレイジービューティが居るだわさ!?」
マジョリーナからのきょうかの認識が酷すぎる……
『イカれたって……まぁいいでしょう。それより貴女、カメラを持ってますよね?」
「ジョーカーからお前は消えたって聞いただわさ!何でこんなヤバい奴が此処に居るだわさ!?」
『 質問に答えなさい!」
「ひぃ?!持ってるだわさ!ミエナクナールだわさ!」
『渡しなさい……」
「本気でイカれてるだわさ……幾らお前でも流石にそれは……」
『早く渡しなさいと!私は言っているんです!」
「わ、わかっただわさ!落ち着くだわさ!?揺らすなだわさ!?」
空中で握った腕を揺するきょうか……見えてねぇけど……これ完全にカツアゲ……
「これがミエナクナールだわさ……」
『やっぱりこのカメラでしたか……こうですね?」カシャ!
空中に突然現れたカメラを受け取ったきょうかが、目の前の空間を撮影すると……
「あ、マジョリーナ出てきた」
「はぁ……本当に透明になってたんやなぁ」
「………浮いてる」
「……アタシもくすぐってやろうかな……」
その空間から滲み出る様にマジョリーナの姿が現れたのだった……首元を支点に浮いた状態で……
「……きょうか?カメラも手に入ったし、流石にもう放してやったらどうだ?」
もうなんか……見ててマジョリーナがかわいそうになってきたわ……
『……そうですね。今回は八幡君がああ言っているので許しますが次は覚悟しておきなさい?」
その声とともに浮いていたマジョリーナの体が落下し、慌てて着地した。
「くっ!やっぱこいつイカれてるだわさ!覚えておくだわさ!」
着地したマジョリーナは直ぐさま踵を返すと、捨て台詞と共に一度もコチラを振り帰ることすらせず、逃げ出して行った……
カシャ!
カメラを内に向けてシャッターを切ると先程のマジョリーナと同じ様にれいかの姿が滲み出て来た。
「八幡君、どうですか?私の姿が見えますか?」
「ああ、見えてるぞ」
『やっぱりちゃんと見てもらえる方が良いですね。穏便な方法で済んで良かったです」
「……穏便?……いや、まぁきょうかのお陰で助かったよ。ありがとうな」
『ふふっ♪どういたしまして」
きょうかの笑顔。れいかとはほんの少しだけ違う笑い方なのが個性が出てきたのかと嬉しく感じる。
「でもきょうか?アレは少しはやりすぎでしたよ?お年寄りにあんな恐喝じみたことを……」
「ぶはっ!……マジョリーナをお年寄り扱い……っ」
あかねは変なとこでウケてるし……
『いーんです。私が生まれた時にジョーカーと一緒に居ましたし……きっと私に何かしたに違いありません!』
「確かに……そう考えるとバチが当たったのかもね」
ぎゅ〜
「ん?」
「ごめーん!今のわたし。安心したらお腹空いちゃって……」
「キャンディもお腹空いたクルゥ……」
「あ、ほんとだ……わたしもお腹空いてきたかも……」
確かにもういい時間だし腹減ってきたな……
「よっしゃ!なら今日はみんなでウチん家でご飯食べへん?ウチのコテが火を噴くで!」
「賛成さんせーい!あっ!お母さんにあかねちゃん家で食べるって連絡しなきゃ!」
「わぁ!わたしもママに連絡しよ!」
「アタシも!」
「なぁ、小町も呼んでいいか?」
「もちろんや!なおも
「ほんと?それじゃ遠慮なく呼ばせてもらうよ」
「ね?怖がられることなんてないでしょう?」
『……当然です。私の、友達ですもの……///」
「あらあら♪」
きょかちゃんがマジョ先生ボコってやりましたよ!
ほら……一応バトル回ってことで(変身してないけど……カツアゲしてたけど……)
まぁ最後にきょかちゃんがデレたから許して☆