花壇のお話はこの物語の始点と言っても過言ではないのでどうしても入れたかったのです!
幕間
先日の透明人間事件も無事?終わり、俺は今日も花壇の手入れをしています!……まぁ日課だわな……
暦も七月に入り日差しの強さが増してきているのを日々肌で感じつつある今日この頃だ。
二日に一度のこの手入れもだいぶ慣れてきたため、前はあれほど苦戦していた雑草抜きもコツをつかめ、今では片手間に出来る。
片手間で……なんて聞くと真面目にやれと言われてしまうかもしれないが仕方ないのだ。俺には他にきょうかを見守るという大事な使命があるのだから。
『れいか?この雑草、なかなか抜けないんですけど?」
「あらあら、あまり強引に引っ張ると土が自分に飛びますよ?見てて下さい……少し引っ張って軽く揺するんです。こうやって……ほら、抜けました。まぁコレで抜けなかったら道具を使って根っこごと掘り出してしまった方が楽なんですけどね」
『へえ……」
ほら素敵……
何か心境の変化があったのか、急遽今日からきょうかも一緒に作業する事になったのだ。今までは花壇の世話をしている時はあまり
「さあ、今日はこれくらいにしておきましょう」
れいかの声で俺も作業をやめて腰を上げる。習慣になっているからか、れいかは集中していても何時も同じくらいの時間帯で声を掛けてくれる。この時間なら今から片付けて教室に向かえば丁度いい頃合だろう。
『そうだ……気になって居たんですけど、この前れいかがもうすぐ花が咲くって言っていたから、今日はよく見ていたら咲いている花も少しありましたけど、殆どの花が蕾になっていたんです。普通、こんなに揃って蕾になるものなんですか?」
道具を片付けながらきょうか問いかけて来るが、その質問が一番されて嬉しい質問かもな……
「まあ……きょうか、よく聞いてくれました!」
れいかも気持ちは同じ用で嬉しそうに解説を始める。
「当たり前ですが、お花によって開花時期というのはそれぞれ異なるものなんです。ですが、花壇の中で所々に咲いていないお花があったり、数箇所だけ咲いているお花があるようでは綺麗に見えないでしょう?」
『そうですね……想像してみましたけど、少しバランスが悪いと思ってしまいますね」
「まぁ、そう思わせない為の工夫だな」
「ええ、そうですね。八幡くんと一緒にここに植えてあるお花の開花時期をそれぞれ調べて、出来るだけ開花するのが同時になる様に植える時期を調節したんです」
『はぁ……とっても手間が掛かっていたんですね……」
「……くふっ」
………れいかときょうかが入れ替わり表に出てくる度に表情がころころ変わる。慣れてはいるのだがつい笑みがこぼれてしまうのは仕方の無いことだろう。
「どうかしましたか?」
「……いや、れいかときょうかで表情がころころ変わるのがな……なんだか見てたらつい……な?」
『ふふっ、気になるのならずっと私達の事を見続けてくれてもいいんですよ?」
潤んだ瞳できょうかがこちらに手を伸ばして来る。
「きょうか、今は我慢しなさい。またHRに遅れそうになりますよ?」
しかし、その手を素早く抑えたのは反対から伸びてきた手だ。
「八幡君もあまりきょうかを焚き付けないで下さいね?」
そう言ってぱちりとウインクを飛ばすれいか。ただ……今はってどういうことですかねぇ……え?後ならいいの?
放課後、今日は弓道部も生徒会も無いのでみんなとは別にれいかと帰らせてもらっている。
「八幡君、突然で申し訳ないのですが、明日お時間をいただけますか?」
三人で他愛もない話をしながら歩いていると急に、少し緊張した
「ああ、勿論いいぞ。基本的に俺に予定は無いしれいかに誘ってもらえるなら大歓迎だ」
『ほら、だから言ったじゃないですか。八幡君なら私達と一緒に居てくれるんです」
「いいえ、きょうか。親しき仲にも礼儀あり、ですよ?幾ら八幡君が優しいとはいえ、それを当たり前だと思ってはいけません」
『あっ……そうですよね。ごめんなさい八幡君」
きょうかが少しバツが悪そうに謝る。
「ああ、大丈夫だ。これから気をつけような」
きょうかはれいかを元にしているとはいえ、生まれて間もないことには変わりない。そこで、こうしてれいかがきょうかを
「っと、そうだ。ところで明日は何をする予定なんだ?」
誘いを受けたはいいもののその理由を聞いていなかった。
「あっ、そうでした。実は今日の昼頃に少し花壇を見て回ったのですが、どうやら今日からお花が咲き始めたようなんです」
「おお!」
遂にか!
「ふふっ、日曜日までには殆どのお花が咲くと思うので、日曜日にみゆきさん達をお招きして綺麗に花が咲き揃った花壇を見て頂こうかと思いまして……実はもう皆さんには予定を抑えてもらってるんです」
俺達が一生懸命作った花壇をみんなにお披露目するわけだな。偶に花壇の近くをみんなと通ったりもするがまだ花は咲いてなかったしな。
「じゃあ明日はお披露目に向けての最終整備ってことか?」
「はい!どうせ見ていただくのなら、より綺麗な状態で見ていただきたいですもの」
「そっか……そうだな。よし、なら頑張って整備しないとな」
『ええ、私も頑張りますよ!」
明けて遂に日曜日、俺達はひと足早く集合場所の物置小屋の前に集まっていた。
「なんだか緊張するな……」
「ええ、ですがやれる事は昨日全てやりました。あとは皆さんに私達で整備した花壇を見てもらうだけです」
「おーい!」
そろそろ集合時間という事で他のメンバーを待っていると、校門の方から元気な声が聞こえてきた。
「お、来たみたいだな」
「ええ、それに皆さんお揃いですよ」
声の聞こえた方へ視線を向けると、まるで示し合わせたかの様に全員が揃ってやって来ていた。
「よーっす!来たでぇ!」
「二人ともおはよう!」
「呼んでくれてありがとう!」
「すっごく楽しみだったよ!」
「キャンディもクル!」
各々と挨拶を交わし、早速花壇の方へと案内する。
『わぁぁぁあああ!!』
校舎の先、陰になっていて見えていなかった花壇が見えてくると後ろから歓声が上がる。
「すっごーい!色んな色の花が咲いてるね!」
花壇には色とりどりのサルビアやダリア、マリーゴールドにグラジオラス等、俺とれいかで買ってきた花達を筆頭に沢山の花が植えられている。
「あれ?あそこにベンチなんて置いてあったっけ?」
なおはちょくちょく見に来ていたからか直ぐに気が付いたみたいだな。
「ふふっ、実は昨日、八幡君と学校に来て先生に許可をもらって一つだけ移動させたんです」
「まぁ、日が照ってる時はさすがに暑いかも知れねぇが、花壇を見ながら休むのもいいと思ってな」
昨日は雑草を抜くだけでなくベンチを移動させたりと少し張り切ってしまったのだ。
「いいなぁ!こういうのウチ結構好きやで!」
「ねぇねぇ!絵に描いていい?」
「ええ、どうぞ」
やよいはもっと来たノートに早速絵を描き始める。
「みんなー!見てクル!」
キャンディの声にみんなが振り向くと、キャンディは花壇の中で花に囲まれポーズをとっていた。
「キャンディお花の妖精さんクル!」
「あははははっ!キャンディは元から妖精さんでしょ!」
みんな近付いてよく見たり香りを嗅いでみたりとかなり好評な様だ。
「皆さん楽しそうですね」
「ああ、頑張った甲斐があったよ」
『最初はあまり関心が無かったですけど、こうして見ると良いものですねぇ」
「みんな!ちょっとこっちに来て!」
暫く見ていると、やよいがベンチの方で大きく手を振って呼んでいるのでみんなで集まる。
「ちょっと見てほしいんだけど……」
やよいが差し出したノートにはまだ色は塗られていないが、
花壇が綺麗に
「なぁなぁ、何で真ん中だけ真っ白なん?」
ただ、あかねの言う様にノートの中央だけがぽっかりと何も描かれていない空白になっているのだ。
「えっと実はね……」
「八幡くんは真ん中に座って!それでれいかちゃんはその直ぐ隣に……あ!反対側は空けておいて!」
どうやらやよいは空白の部分にベンチを中心に俺たちみんなを描き入れたいということだった。
「あかねちゃんとなおちゃんはベンチを両端に手を着いて立って!みゆきちゃんはキャンディを抱えてベンチの後ろに!」
やよいに指示されるままにポジションに着いていく。
「おっけー!じっとしててもらうのは大変だから写真に取るね行くよー!」
「あれ!?やよいちゃんは入らないの?」
「うん!わたしは後で描き入れるから大丈夫!それじゃあ撮るよー!はい、チーズ!」
カシャ!
後日
不思議図書館の秘密基地にやよいの絵は飾られる事になった。
「上手く描けてんなぁ」
「ええ、皆さんいい笑顔です」
絵には花壇を背景にベンチを囲んで、俺達は全員が笑顔で描かれていた。
『見てください八幡君!私も居ますよ!」
そう、俺を挟んでれいかの反対側にはきょうかも描かれているだ。
『やよい!ありがとう!」
「えへへ///どうせならみんな一緒がいいと思って」
きょうかにしては珍しくやよいに抱きついて飛び跳ねて喜んでいる。
結構大変だったが今日まで花壇を手入れしていて良かったと心から思える。そもそも俺がれいかとより親しくなったのもこの花壇がきっかけなのだ。
今日の秘密基地の中はこの絵をきっかけに、賑やかな雰囲気に包まれている。
だからだろうか?柄にもなく、この絵のようにみんなが笑顔でいられる関係がずっと続く事を願ってしまったのは……
最後の部分に深い意味は無いよ!
はいっ!お読みいただきありがとうございました!
ちょっと駆け足だったかもしれませんが花壇のお話はこれで一応の区切りとなります!これ以降もちょこちょこ出していく予定ですが大きく取り上げる事は無いと思います!
次回は七夕回!れかちゃんときょかちゃんは何を願うのか!?乞うご期待!!