俺の青春にスマイルなどあるのだろうか?   作:紫睡

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今章からまたストーリーが結構動き出しそうですね!

まあストーリーの根幹部分はオリジナルを挟みにくいのが難点ですよね。


第21話 比企谷八幡もまた、星に未来を願う
(1)


 七月七日。まぁ、七夕だな……

 

 七夕と言えば織姫と彦星の話が有名だろう。

 

 機織りの得意な働き者の織姫と、同じく働き者の牛飼い――諸説あり――の彦星が結婚した途端、仕事を疎かにして仲睦まじくキャッキャウフフとイチャついてたら織姫のパパんがキレてお前ら仕事しろよってな具合で天の川を隔てて引き離されたとか……やだ、童話の世界でも仕事は付きまとって来るのね……

 

「俺とれいかなら……」

 

「お義姉ちゃんがどうしたの?」

 

「…………」

 

 居間には俺一人だと思ってたんだけどな……

 

「ははーん、これは小町に気付いて無かったパティーンだね?」

 

 パティーンなんだよなぁ……

 

「いや、マジで何時から居たんだよ?」

 

「んー?今さっき入って来ただけだよ?そしたら丁度お兄ちゃんが自爆したんじゃん」

 

 タイミング悪ぃな……

 

「てゆーかエアコン付けたら?この部屋暑いよ?それに窓もドアも開けっ放しだから小町にも気付かないんでしょー」

 

 あぁー、確かに少し暑いな……最近電気代が上がって来てるから節電でもって感じで付けて無かったけど、それで熱中症にでもなったら馬鹿だよなぁ……

 

 そうだ、不思議図書館へ行こう!

 

 うん……このノリはダメだな……まぁ、あそこなら気候も気温も安定してるし、誰かしら居るだろ。

 

「まぁな、でもやっぱエアコンはいいわ。不思議図書館行ってくるし」

 

「ふーん、わかったー……あ、夕飯はどうする?戻ってくる?お義姉ちゃん達と食べてくる?」

 

「多分戻って来ると思う。……まぁ、予定が変わったら連絡するわ」

 

「否定がないにゃあ?」

 

「うっせ」

 

「にゃははは!行ってらっしゃい!」

 

「おう」

 

 

 

 

 

 

「おっす」

 

「あら、八幡君おはようございます!」

 

 挨拶しながら秘密基地に入るとれいかが部屋の中に笹を飾っているところだった。

 

「おお……本格的だな……」

 

「ええ、お母様がお友達から戴いたそうなのですが、私にお友達の皆さんと楽しんで来なさいと譲ってくれたんです!」

 

『飾りつけをしてから皆さんを呼ぼうと思ったのに、八幡君にはバレてしまいましたね」

 

「そうだったのか……ちょっと悪い事をしたな」

 

 嬉々としてれいかに提案するきょうかの姿が頭に浮かび、少しだけ罪悪感を感じる。

 

「ふふっ、気に病まないで下さい。例えどんな状況だろうと八幡君に会えて嬉しくないわけ無いんですから……ねぇ?」

 

『ええ、私達二人とも八幡君の事がだいだいだーい好きですもの!」

 

「お、おう///サンキュな///」

 

 きょうかのこの歯に衣着せぬ物言いにはなかなか慣れる気はしない……まぁ嬉しい事には変わりないがな///

 

「どうです?八幡君も一緒に飾りつけ、しませんか?」

 

『ええ、バレてしまったのなら、もうこの際一緒に飾り付けしましょうよ。三人の共同作業です!」

 

「ああ、じゃあちょっと手伝わせて貰うかな……」

 

 

 

 

 飾り付け……と言っても、もう飾りは用意してある様でそれを笹の葉に引っ掛けて飾り付けるようだ。

 

 

『出来ました!」

 

「ええ、綺麗に出来ましたね」

 

「お、おう……」

 

 満面の笑みを浮かべ、きょうかが最後の飾り付けを行なった。

 

 のはいいのだが……

 

「あとは皆さんを呼ぶだけですね」

 

『ええ、短冊も沢山用意しましたし、それも皆さんで書いてもらって飾りましょうね!」

 

「……ああ」

 

『…………………』

 

「八幡君?」

 

『何か気になる事でも?」

 

「いや、すまん実は……」

 

 笹の頂点で異彩を放つ、キラリと輝く一番星。……コイツのせいでつい、二人の言葉にから返事を返してしまっていたのだ。

 

「ああ、それでしたらどうやらクリスマスの飾りが一つだけ紛れていた様でして、きょうかがどうせなら……と」

 

『ええ、これぞ和洋折衷(わようせっちゅう)と言うやつですよね!』

 

 ……それは何か違わねぇか?

 

 

 

 

「わぁー!これ笹だよね!すっごーい!」

 

 後ろから聞こえた声に振り返ると目を輝かせたみゆき……と抱えられたキャンディとポップが入口の扉を開けっ放しにしたまま立ち尽くしていた。……ポップとかすげぇ久しぶりな気がするな……

 

 

 

 と、言うわけで笹のお披露目のつもりだったのだがポップが久しぶりにやって来たという事で直ぐに全員が集まった。

 

「皆の衆、元気そうでなによりでござる」

 

「ええ、本当に久しぶりですね」

 

 確か前に会ったのはれいかがプリキュアになって直ぐの頃だったか?

 

『私は初めてですけど、皆さんは何度か会ってるようですね?」

 

「れいか殿?」

 

 きょうかの言葉に戸惑う様子のポップ。ポップときょうかは面識無ぇんだったな……

 

「ポップときょうかは初めての顔合わせだよな」

 

 軽くきょうかの事をポップに説明する。

 

「なるほど……そういう事でござったか」

 

『れいか達の様子を見る限り、余り会う機会は無さそうですけどよろしくお願いしますね」

 

「うむ、よろしくお願いするでござる!」

 

 慣れた様子で正座をして頭を下げるポップ……あの短い妖精の足でよく正座出来るな……

 

「ポップ、相変わらず可愛いなぁ」

 

 バシっ!

 

()めるでござる!」

 

 頭を撫でたあかねの手をポップが払った。おん?地雷か?

 

「……拙者は男、可愛いなどとは……無礼でござる!」

 

 あっ……そういう……

 

「やっぱりかっこいい!」

 

「へあ?……そ、それほどでも、ある……あるで、あるでござおごっ?!」

 

 えぇ……前も確かこんなことあったよな……今回はテーブルから落ちてるし……

 

「なにやっとんねん……」

 

「ほんとにな……」

 

「あはは……んっ!そ、それで?今日は何か用が会って来たの?」

 

 なおが咳払いと共に話を仕切り直してくれた。

 

「おっと、そうでこざった。キャンディ、デコルデコールを」

 

「はいクル!」

 

 キャンディが取り出したデコルデコールを開けるとれいか達が取り戻したキュアデコルで一つの台座を残し、全て埋まっていた。

 

「よくぞここまでデコルを集めてくれたでござるな」

 

「十五個集まったんですね」

 

「うむ、あと一つでキュアデコルが全て揃うとキャンディから知らせを受け、急ぎ駆けつけたのでござる」

 

「もしもししたクル!」

 

 ああ、キャンディは電話デコルで連絡取れるんだったな……

 

「キュアデコルが十六個揃ったらメルヘンランドの女王様が復活するんやったな!」

 

「いかにも、女王様が復活すれば皇帝ピエーロからメルヘンランドを守ることが出来るのでござる」

 

「皇帝ピエーロなぁ……」

 

「世界をバットエンドにしようとしてるんだよね……」

 

『…………』

 

 一時、場が沈黙に包まれる。

 

「大丈夫!世界はバットエンドになんてならないよ!」

 

 声を上げたのはみゆきだった。

 

「ほら見て!このプリキュアの絵本はわたし達が主人公の絵本なんでしょ?だったらこれからの真っ白な未来はわたし達が作るって事だよね!スマイルでいーっぱいの、ウルトラハッピーな未来にしよう!……ね?」

 

 ……やっぱり、こういう時にみゆきの明るさに俺達は助けられてるよな……

 

「ウルトラハッピークル!」

 

「せやな!」

 

『うん!』

 

「それじゃあ!まずはお星様にお願いしちゃおう!」

 

 星空の指差す先……そこには笹の頂点、一番星が煌々と輝いていた……

 

「……え?ツリーなん?」

 

「なんか……混じってる」

 

『ええ!和洋折衷です!」

 

 あかねとなおからバシバシ視線を感じるが全部無視だ……

 

「それはなんでござるか?」

 

「きれいクル」

 

「七夕の笹だよ!れいかちゃんときょうかちゃんが用意してくれたんだ!」

 

「今日は七夕だからね」

 

「七夕ってそり何クル?」

 

 キャンディ達はこっちの文化の事はあんまり詳しく無いんだよな……

 

「七月七日の夜、一年に一度だけ織姫様と彦星様が天の川を渡って会うことが出来るの」

 

「この日に短冊に願い事を書いて笹に飾るとその願いが叶うと言われているのです」

 

「ほう……この世界にはそのような言い伝えがあるのでござるか……メルヘンランドのペガサスの日とよく似ているでござる」

 

 向こうにも似た文化があんのか……

 

「ペガサスってあの?」

 

 あかねが羽ばたく手振りをするが……それじゃあ完全に鳥だぞ……

 

「そう、あのペガサスでござる……ドロンでござる!」

 

 ポップが飛び上がり、何処からか取り出した巻物を咥え、印を結ぶと煙に包まれた。

 

 そして煙の中から現れたのは……

 

「ヒヒーンでござる」

 

 まるでペガサスの様な姿に変化したポップだった。

 

『わああぁ……』

 

「かっこいい!」

 

「……すげぇな」

 

「乗ってみたーい!」

 

 俺も含め、みんなポップの変化に驚きを隠せずにいる。

 

「ペガサスの日とは、メルヘンランドで一年に一度沢山の星が流れる夜にキャンドルを灯し、夜空を翔けるペガサスにお願いをする日でござる。さすればペガサスがお願いを叶えてくれると言う、言い伝えでござる」

 

「確かに、少し七夕と似ていますね」

 

「へぇ、じゃあポップ良い日に来たね」

 

 なんかあったっけ?

 

「今日の夜は百年に一度の流れ星が沢山見られる日なんだよ!」

 

 ああ、そう言えばニュースでやってた気がするなぁ……

 

「じゃあ今日は七夕とペガサスの日、どっちもやろう!」

 

 うお、いつの間にかポップにみゆきが跨ってるし……

 

「わぁ!わたしも乗りたい!」

 

「キャンディもクル!」

 

「ぬおおおおぉ!!」

 

 ぼふんっ

 

 あ、わちゃわちゃしてたらポップの変化解けたわ……

 

「ご、ごめんポップ」

 

「大丈夫クル?」

 

「ちと……重かったでござる……」

 

「……は?」

 

「なんでもないでござるよ!?」

 

 怖っわ……やよいの目が一瞬マジだったわ……やっぱ女子に重いは禁句なんだな……

 

「えへへ、ごめんね?」

 

「う、うむ」

 

 ポップ……地味にやよいから距離取ってるわ………

 

 




ちょっとそのまんまの台詞が多かったかな?

なので普段よりは少し多めです。

きょうかちゃんのストレートな好き好き光線は効果抜群ですよね!




ところで女性に重いは禁句ってマジなんですか?
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