今回はのんびり回ですね。私もこんな青春をおくってみたかったですねぇ
みんなで水を掛け合ったり、なおとあかねに強制参加させられたビーチフラッグスでハンデをもらっておきながら二人に速攻で抜き去られたりしているうちにだいぶ良い時間になった。
時計なんて誰も持ってきていなかったが「ぐぅぅぅ〜」と鳴り響いたみゆきのお腹の音が合図だ。
みんなでシートの所まで戻る。まぁ波打ち際からも見えるくらいなので大した距離ではないのだが……
「ここかぁ、シートとかパラソルの準備、全部任せちゃってごめんね」
「まぁな。気にすんな」
着いた時になおに声をかけられる。特に気にしてなかったのだがこうして一言でもお礼を言われるのは気分がいいもんだ。
「お待ちどー!ウチの店の鉄板借りて焼いてきたでー!」
「わー!あかねちゃんのお好み焼きだー!美味しそぉ」
先程のことだ。昼食、という事で各自持ってきた物を広げ始めた時、待ったをかけたのがあかねだったのだ。
『ウチのお好み焼き、今焼いてくるからもうちょっと待っててくれへん?なっ?頼むで!』
それだけ言い残しダッシュであかねが駆けて行ったあかねををみんなで待っていたのだ。
そのあかねも、今ようやく焼けたようでお好み焼きを持ちながらも器用に走って戻って来た。
あかねが戻って来たので、俺達も一旦止めていた昼食の準備を再開する。砂埃を警戒してしまっておいたのだ。
「はいこれ!アタシおにぎりいっぱい作って来たんだ!」
なおは箱いっぱいに詰まったおにぎりを。
「おいしそー!」
「俺はって言うよりも小町からだな、小町は予定があって来れないからその代わりにーって」
バスケット……なんてオシャレなものは家にはないので大きめのタッパーに詰まったたくさんのサンドイッチ。
「小町ちゃんに後でお礼言おっと」
「私はこれを、昨日お母様と一緒に作ったんです。喜んでいただければ嬉しいのですが」
そう言ってれいかが取り出したのは重箱だった。
「重箱!?」
「れいかちゃんすごーい!!」
れいかが蓋を開けていくと全三段の色鮮やかなオカズだ。一段目は揚げ物類、二段目に煮物類、三段目はデザートだ。
「あと、こちらにサラダがありますのでそれも召し上がって下さいね。今回は
野菜が少し少ないかなと実は思っていたのだが、それも別の入れ物に入って登場してしまった。栄養価もばっちしで向かうところ敵無しだ!
閑話休題。
「あう、ごめんね。わたし普通のお弁当しか持って来てなくて……」
「わたしも……」
ごく普通の弁当を持って来ていたみゆきとやよいが、自分達だけと少し落ち込んでしまった。
「いいのいいの!みゆきちゃん達は気にしないで」
「せや!ウチらが勝手にみんなの分も用意しただけやしな」
「ええ、気になるようでしたら、美味しく食べていただけることが一番です」
「まっ、俺とか作ってすらいないしな……これ作ったの小町だし、小町に弁当渡されるまで俺は現地で買えばいいとか思ってたしな」
「みんな……ありがとう。八幡くんは……やっぱり八幡くんだね」
え?俺これディスられてね?
「はい、あーん」
「あー……ん」
食事を始めてから未だに自分で飯を食ってません八幡です。
『次はレンコンなんてどうですか?あーん♡」
「……あむ」
「んぐんぐ……二人は相変わらずやなぁ」
「ね〜仲良しだよね」
「はぁ///はぁ///も、もっとえっちな感じにならないかな?///」
「……なおちゃん、自重しよ?」
『食べて直ぐに寝ると牛になると聞きましたけど……本当ですか?」
現在、俺は絶賛きょうかの膝枕中だ。昼食も終わり、欠伸をかみ殺していたら、急に頭を掴まれて体を倒されたと思ったらそこにはれいかの太ももが……まじさいこう。
「いや、行儀が悪いからうんたらってうろ覚えだがなにかの本で読んだような……」
「そうですね……私も行儀が悪いためにそれを戒めるための言葉だと……聞いたんでしたっけ?すいませんかなり昔の事なので」
『へぇ……まぁ行儀が悪くても私は楽しいのでいいんですけどね」
そう言いながらゆっくりと俺の頭を撫でるきょうか。そういえば準備をしていた時に、今日は膝枕をするとか言ってたなぁなんて思い出しながらきょうかの膝枕を満喫する。……関係ないけど膝枕って膝じゃないよな。
「みゆきー!右!右!そこそこそこ!あああぁぁ!!惜しい!」
「え?!本当だぁぁ!後ちょっとだったのに!じゃあ次あかねちゃんね!」
「おっしゃ!任せとき!」
のんびりしている俺とれいかときょうかを除くみんなが何をしてるかと言えば、先程から聞こえる声で分かる様にスイカ割りだ。
あんだけ食ったのにまだ食えるのか……なんて野暮な事は聞かなかったし、聞けなかった。まぁ、女子には別腹って言う架空臓器が存在するらしいからそこに入るのだろう。
「やよいちゃーん!まっすぐまっすぐ!」
「そこ右や!ああ!行き過ぎ行き過ぎ!」
「えぇ?!前?右?」
やよいめちゃくちゃ混乱してんなぁ……
「そうそう!そこそこ!」
「いいの!?叩くよ!」
「よし!」
「いけー!」
ぽこんっ……
『……………』
『割れてないみたいですねぇ」
「きっとなおが次に割りますよ。昔から何故か上手かったですから」
「へぇ何度も一緒に来てたのか」
「ええ、長い付き合いですから……」
…………
「……その、これから……俺達もそんな風に言えるようになりたいな……なんて///」
「……へう?///」
『まぁ!嬉しいです!末永く三人で幸せに過ごしましょう!ね?れいか!」
「え……ええ///いつか私達もなおとはまた違った……素敵な関係を築きましょうね///」
「……おう///」
それから少しの間、会話が途切れていたが、その
「甘ーい!美味しい!」
「甘くて美味しいクル!」
結局れいかの言った通り、スイカはなおが割った。しかもどんな力加減で叩いたのか綺麗に真っ二つだ。そこからは普通に包丁を使って切った。
『ほんとに甘い……」
「ほんとにって……なんか騙されたのか?」
妙な感想を漏らしたのはきょうかだ。
「あはは……あまりこう言う事を言うのは良くないとは思うのですが、実はこの前ご近所さんにいただいたスイカを食べたのですが綺麗な色の割に甘さが全然無くて……」
『初めてのスイカで、甘いと聞いていたので楽しみにしてたんのに裏切られたんです!」
「そういう事か……まぁ偶にあるよな出来が悪かったのか甘くないスイカ」
たまたまそれが初めて食べるスイカで当たるってのは運が悪かったとは思うが……
「……ご馳走様」
「よし!やよいも食べ終わったみたいやし、なおわかっとるな?」
「もちろん!腹ごなしの遠泳でしょ!」
「しゃあ!あっこの奥の方に見える岩をぐるって回って先に戻ってきた方の勝ちな!よーいドン!」
「ちょ?!あかねズルい!待てぇ!」
食ったばっかでよくあんな動けんな……
「行っちゃった……」
「二人はさて置き私達も何かします?」
「砂遊びなんて何年ぶりだろう……」
「さてなぁ小学校でも半ばになってくるとやらなくなってくるしなぁ」
遠泳中の二人はさて置いて、俺達が始めたのは砂の城作りだ。
今の留守番はみゆきとキャンディ。珍しいと思うかもしれないがスイカを食べ終わったらキャンディが寝てしまったので付き添いでみゆきも休憩にするらしい。何時でもあんなに元気なのに珍しい事だ。
「ここの窓は慎重に作らないと崩れそうかな?」
『こうして煉瓦の形に線を延々と削るのもなんだか楽しくなってきました」
ある程度時間も経ち、砂の城も結構仕上がってきた。そんな時……
「あっ!見て、二人とも帰って来たみたい」
「お、ほんとだ……にしてもこんなに長時間泳いでられるなんて二人とも体力あんなぁ……」
「……あら、なんだかお二人の後ろにも何か……」
『……………』
『アカオーニ?!』
そう、綺麗なクロールで戻って来ている二人の後を追うようにアカオーニがサーフボードに乗って此方へと向かって来ているのだった……
はい!ということでアカオーニの登場です!
あ、マジでスイカって偶に全然甘くないのありますよね!人から貰ったのならまだしも買ったやつだったらブチ切れ案件ですよ!
と言う訳で次回はバトル回ですね!それでは次回もお楽しみに!