俺の青春にスマイルなどあるのだろうか?   作:紫睡

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今回の旅行先の描写は想像上の事で適当です。実際の場所の名前は使っておりますが大して調べて無いのでご了承ください。


(2)

「おにーちゃーん!はよっ!」

 

「はよ……じゃねーよ。一瞬で行けるんだからそんな焦ることねぇだろ?」

 

 今日は待ちに待った――決まったのは昨日だが……――みんなとの旅行の日だ。色々荷物を鞄に詰めているのだが、小町がめっちゃ急かしてくる。

 

「海外旅行だよ!?お兄ちゃん達のヤラかしで、前は一泊二日のうちほぼ一日しか遊べなかったから、今度こそはいっぱい楽しむんだから!」

 

「……はい、急ぎます」

 

 それを言われちまったら俺はもうなんも言い返せねぇよ……

 

 

 

 

 

 

「ひょーっ?!!」

 

「……っと」

 

 変な体勢で着地した小町の横へいつも通りに着する。

 

「……お兄ちゃん……もーちょっとちゃんと伝えて欲しかったんだけど?」

 

「いや、なんかいつも通り過ぎて忘れてたわ……うん、すまん」

 

 起き上がった小町にガチで睨まれた。うん、ごめんよ。今のは完全に俺の伝達ミスだわ。

 

「まあいいよ。でもここがふしぎ図書館かぁ……」

 

 そうか、そう言えばここに小町を連れてくるのは初めてだったかもな。

 

 

 

 

「おーい!小町ちゃーん!」

 

 小町と話していると後ろからみゆきの声が響く。

 

「あっ!みなさーん!」

 

 小町は速攻でみゆき達の元へと走って行った。

 

 

 

 珍しい事に全員既に集まって居て、俺達が最後のようだった。

 

「おはようございます。八幡君」

 

「ああ、おはよう。思ったよりもみんな早かったな」

 

 まだ集合時間には余裕があるし、みゆきやあかね、なお辺りはギリギリになるかと思っていたのだが……

 

「ええ、どうやらそうとう楽しみだった様で、私が来た時には既にみゆきさんもあかねさんも待っていたんですよ」

 

「マジか……」

 

「はい、私も少しびっくりしてしまいました」

 

 

 

「はちまーん、みんな集まったんやし少し早いけどもう行かへん?」

 

「んーそうだな。全員それでいいか?」

 

『はーい!』

 

 

 

 

「……ほい到着」

 

 最初に訪れたのみゆきの希望であるノイシュバンシュタイン城だ。

 

「……うわあ」

 

「すごい……」

 

 本の扉を抜けた先、俺達が出たのは見た感じ執務室のような場所だった。

 

 だが、それもそんな感じ……と言うだけで、壁には絵画が掛けられており、部屋の隅には高そうな壺や置物が置かれている。ただ……

 

「意外と埃っぽいな……」

 

 机は埃を被って白くなっているし、窓から差す光の中にも俺達が動いた時に舞ったのか、キラキラと輝くものが見える。

 

「もしかしたら、ここは見学のコースから外れていて余り人の出入りがないのかもしれませんね」

 

「へぇーじゃあ見学コースの方に行けばもっと凄いのが見れるんだよね!小町ちゃん行こ!」

 

「わっ!?みゆきさん待ってくださいよぉ」

 

 みゆきが希望しただけあって凄いはしゃぎようだな。

 

 

 

 

「すっごーい!!」

 

「わぁ綺麗ですね……」

 

 ずんずんと進んで行くみゆきに先導され、遂に開けた所に出た。

 

「おお……」

 

「すてき……」

 

 そこはダンスホールのようで、流石にシャンデリアに(あか)りは(とも)されていないものの窓から入った陽の光がシャンデリアに反射して輝いている。

 

 そして天井には天使達だろうか大きな絵が描かれていて、映画のワンシーンに使われていても可笑しくは無いフロアだった。

 

「〜〜♪〜〜たたーん♪」

 

 みゆきなんて目をつぶって踊り出してるしな……

 

 

 

 しばらくノイシュバンシュタイン城を見学した俺達。

 

「満足したか?」

 

『うん!』

 

「そんじゃ、次に行くか」

 

 

 

「ここで良さそうだな」

 

 本の扉を出た先にあったのはまた本棚。どうやら上手く大草原近くの町の本屋に出れたようだ。

 

「モラヴィアの大草原はこの町から少し歩いた所にあるらしいな」

 

「くぅーっ!楽しみだなぁ!」

 

 なおが言葉と共に足踏みを始める。

 

「なお、まだ目的地に着いた訳では無いのですから一人で走り出さないで下さいね?」

 

「うっ……わかってるよぉ」

 

「これは絶対にやろうとしてた顔やな」

 

「聞いてるとなおさんって意外な一面が多いですよねぇ」

 

「え〜?そうかなぁ?」

 

「いや、そうだろ……最初の頃はお前は俺の中で常識人枠だったのに、今は問題児枠だからな?」

 

「うそっ?!」

 

 あたりめぇだろ……

 

「ねぇ、そろそろ出勤しないの?」

 

「あっ、すまんな。じゃあ行くか」

 

 れいかを先頭にぞろぞろと本屋を出て行く。店のおっちゃんがなんか凄い目でこっち見てたけど気付かなかった振りをした。そうだよな……いきなり店の奥から見覚えのない外人がぞろぞろ出てきたらビビるよな……まぁ帰る時にもう一回会うけどそれ以降は一生会う事は無いだろうからセーフって事で……

 

 

 

「だーいそーうげーん!!」

 

「なおー!余り遠くに行かないでくださいねー!」

 

「わかったー!」

 

 町から徒歩で十分程歩いただろうか。畑や何か作業をしている人々が見えなくなり、街道の左右が見渡す限りの大草原になった所でなおが叫びながら走り出した。

 

 ……我慢のきかない小学生かな?

 

「ううぅ……」

 

「みゆきどしたん?」

 

「ん?なんかあっ「わたしも走ってくるー!」た……」

 

 心配するだけ損だったわ……

 

「……ウチらもなんかしよか……」

 

「……だな」

 

 

 

『八幡くーん!」

 

「おーう!」

 

 今きょうかとやっているのはフリスビーだ。一応持ってきてたがこれが意外と楽しい。

 

 他の奴らはと言えば、あかねと小町はその場に寝転がって昼寝をしている。やよいは楽しそうに何かの絵を書いてるな。

 

 みゆきとなおは……………まーだ走ってんな。

 

 あの二人が帰って来たら昼飯食いに台湾に行くかね……

 

『八幡君!今は私との時間ですよ!」

 

「ああ、すまん!」

 

 まぁ、二人が帰ってくるまではここできょうかと遊ぼうかね。

 

 

 

 

「ごめーん!楽しくなって少し遅くなっちゃったかも!」

 

「ひぃ……ひぃ……ぜぇ……ゲホッゲホッ」

 

 帰って来た二人の差よ……

 

「お、おう、そうか……楽しめたなら良かったが……みゆきは大丈夫なのか?」

 

「あはは……」

 

「ゼヒューゼヒュー……だ、大丈夫……多分」

 

 それ多分大丈夫じゃない時の呼吸だわ……

 

「はしゃいでいる時のなおに着いていけていただけでも凄いですよ……」

 

「じゃあ……とりあえず帰りはゆっくり歩くな?」

 

「うん……ありがと」

 

「みゆきちゃん、少し支えるから頑張って」

 

「あっ、小町も支えますね!」

 

「二人ともありがと……」

 

 

 そうして帰り道はみゆきのペースに合わせて歩き、また本屋のおっちゃんの目をスルーしながら本の扉で戻って来た。

 

 次は台湾だな!

 

 

 

 

「到着っと……よし、問題ないな」

 

 ただ台湾の屋台通りを想像してもその近くの民家の本棚に出たらやばいので、屋台通り近くの本屋を狙って想像したが上手くいったようだ。

 

「あ〜やばい!ここからでもめっちゃええ匂いするわ」

 

 本屋の紙等の本の匂いに混じって外から香って来る刺激的な香辛料の香り……うん、風情もへったくれもねぇな……

 

「皆さん、絶対に迷子にならないで下さいね?日本と違って海外の人混みではスリ等もあります。それに危険な人達だっているかもしれません」

 

「まぁそんな訳だ。もしはぐれて一人になっちまったら迷わず何処でもいいから本の扉を使って帰れ。観光よりも自分の安全第一だからな?」

 

『はーい!』

 

「では出発しましょう。私もこの香りでお腹が空いてきました」

 

 屋台で目について気になったものを各自話し合って、全員で買いに行く。まぁ絶対にはぐれないためだ。

 

「んー!めっちゃ美味い!」

 

「あかねちゃん一口頂戴!」

 

「はぁ?!全員同じもん買っとるんやから一口も何もないやろ!」

 

『ほう……」

 

「八幡君、一口ずつ交換しませんか?」

 

「え?」

 

 それってなんの意味が……

 

「こ・う・か・ん……しましょ♡」

 

「……はい」

 

『うわぁ……』

 

 うわぁじゃないんよ……

 

「やばい///推しで食が進む!」

 

 うわぁ……

 

 




今回プリキュア達以外が初めて本の扉を潜りましたね!

次回は多分戦闘にギリ入るか入らないかくらいだと思います!

という訳で次回もお楽しみに!
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