俺の青春にスマイルなどあるのだろうか?   作:紫睡

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今私が一番行きたい旅行先が北海道です!だって魚介類が安くて美味しそうじゃないですか!

まぁ、旅行なんて修学旅行以来行ったことないですけどね……


(4)

 

「スーパーアカンベェ!あの生意気な小娘達を掃き散らしてさっさとデコルを奪うんだよ!」

 

『スーパーアカンベェ!!』

 

 マジョリーナの指示でスーパーアカンベェが突っ込んで来る。

 

「みんな!」

 

『うん!』

 

 プリキュア達も散開してスーパーアカンベェの攻撃を避ける。

 

「それ!今だわさ!」

 

「きゃー?!」

 

 マジョリーナの声と共に、突如、ピースの背後に蜘蛛の巣が現れ、ピースを絡めとってしまった。

 

『ピース!?』

 

 悲鳴を上げたピースは蜘蛛の糸で簀巻きにされ転がされてしまう。

 

『スーパーアカンベェ!』

 

「ちょっと!?きゃー!!」

 

 そこをすかさずスーパーアカンベェが簀巻きにされたピースを掃いて吹っ飛ばしてしまった。

 

「まじかっ?!」

 

 普段は余り言うことを聞いていないように見受けられるスーパーアカンベェだったが、今回元になったのがマジョリーナの愛用の箒だったからかかなり連携がとれている。

 

 戦闘の中、一瞬、近くにビューティが降り立った。

 

「八幡君!ピースをお願いします!」

 

 そう言うと直ぐに戦いへと戻っていく。

 

 ピースの二の舞にならないように、スーパーアカンベェだけでなくマジョリーナにも気を配っているせいでピースの救出にまで手が回らないようだ。

 

「任せろ!」

 

 そう、一声だけかけ直ぐにピースが飛ばされて行った方へと駆ける。

 

 

 

 

 

「こっちの方だったよな……」

 

 ピースを探してやってきたのは路地裏の方だ。

 少し薄暗い道を歩いているとどこからか声が聞こえてくる。

 

「誰か助けてー!」

 

 ……こっちか!

 

 声のする方へ、走って行くと……

 

「えぇ……」

 

 もぞもぞ……と、こちらへと這い寄って来る謎の物体……というかピース……

 

「助けてぇ……!誰かぁ……!」

 

 ちょっと……いや薄暗いこんな場所にいるのだから普通にコズミックホラーだわ……

 

 ざりっ……

 

 いやマジ怖いわ……ちょっと後退(あとずさ)っちゃったもん……

 

「えっ?……あっ!八幡くん!助けてぇ」

 

 ずり……ずり……

 

「うおっ?!近付いて来んな!いや、助けるけど近付いは来るな」

 

「どうしてぇ……意地悪しないでよぉ……」

 

 ずりっ……ずりっ……

 

 お前なんでそんな状態でそんな器用に動けるんだよ!?

 

「わかったって!はっきり言ってその動きがキモイから止めろ!」

 

「えー!?酷い!一生懸命頑張ってただけなのに!」

 

 

 

 

 

 

 

「うしっ……これで解けるだろ」

 

 ピースに絡んでいた糸は何本も束ねるとピースも身動きが出来なくなる――芋虫式前進法(キモい動き)はしていたが――くらいの強度になるが一本ずつなら俺でも簡単に引きちぎれたのでピースの手が自由になるくらいは頑張ってちぎった。

 

「じゃ、他の部分は自分で頼むな」

 

「あっ……うん。ふんっ!あっホントだ千切れた」

 

 ……改めてプリキュアってマジですげぇな

 

「よし!ありがとう八幡くん!わたしは直ぐにみんなの所に戻るね!」

 

「あーっ……待て待て待てっ!」

 

「え?」

 

 ピースを止めようとして出した手が空ぶったので慌てて声をはって止める。

 

「吹っ飛ばされたとはいえ、アイツらの意識から完全に消えられたんだ。コレを使わない手はないだろ?」

 

 

 

 

 

 そうして余り大きな音を立てずにプリキュア達とマジョリーナとスーパーアカンベェの戦いの場の近くまでやってきた俺達。

 

「……ねぇ、本当にやるの?」

 

「ああ、こっからピースサンダーを最速で思いっきりマジョリーナに当ててやれ」

 

「えぇ……でも卑怯じゃないかな?」

 

「ピース、歴史の授業で習ったろ?勝った方が正しいんだ。つまり負けなければ何をしても許されるんだよ」

 

 勝った方が歴史を作るんだからな……

 

「そんな事授業で習ったかな……?」

 

「ほら、マーチも今一瞬危なかったぞ。マジョリーナも余裕そうにあんま動いてないし今がチャンスだぞ」

 

「……わかった。やるよ」

 

 よし、勝ったな

 

「声を抑えて……プリキュア・ピースサンダー!

 

 ピースの手から放たれた雷撃が余裕綽々で宙に浮いていたマジョリーナに直撃する。

 

「なんっ?!あばばばばばびびびびっ?!」

 

『アカンベェ?!』

 

 マジョリーナの突然の奇声にスーパーアカンベェも困惑した声で振り向く。

 

「ビューティ!チャンスだやってくれ!」

 

 一瞬他のプリキュア達も固まったが俺がビューティに声を掛けたことで直ぐに動き出す。

 

「……っ!はい!はあぁぁ!!」

 

 ビューティが足を叩きつけた所を起点として氷が地を這って行き、スーパーアカンベェの真下から突き出し、スーパーアカンベェを持ち上げる。

 

『スーパーアカンベェ?!』

 

 その氷はまるで刀掛けの様に中心部が大きく窪んでいた。

 

「サニー!マーチ!お願いします!」

 

「うぉっしゃー!!」

 

「鬱憤晴らさせてもらうよ!」

 

『アカン!アカン!』

 

 そして、高く高く飛び上がっていた二人が勢い良く、氷によって掲げられた箒型のアカンベェの中心部、一際脆い部分に踵落としを叩きこむ!

 

 

 

 バッキィ!!

 

『スーパーアカーン!?』

 

「あ、アタシの箒が……」

 

 スーパーアカンベェは踵落としの直撃を受けた部分から真っ二つになり地面へへたりこみ、マジョリーナも自分の箒の無惨な姿に痺れながらも呆然としている。

 

「ハッピー!」

 

「ピース!無事だったんだね!」

 

「うん!」

 

「よーし!このまま決めちゃうよ!みんな!」

 

『うん!』

 

 

『ペガサスよ!わたし達に力を!』

 

 

 その言葉と共にステッキから黄金の光が放たれ、プリキュア達を包み込む。

 

 

 そして黄金の光が弾けると装いを変えたプリキュア達が現れる。

 

『プリキュア!プリンセスフォーム!!』

 

 

「届け!希望の光!」

 

 

『羽ばたけ!未来へ!』

 

 

『プリキュア・レインボーバースト!!』

 

 

 五人の持つ蝋燭に見立てたステッキから溢れ出た光が合わさり、ペガサスの姿を模すとその角から、輝く虹色の光の奔流を解き放つ。

 

 

『アカーンべェ…』

 

 

 スーパーアカンベェは一瞬で光の奔流に呑み込まれ浄化された。

 

 

「輝け!」

 

 

『ハッピースマイル!』

 

 

 レインボーバーストによって浄化された絵の具玉から最後のデコルがキャンディの手元へと落ちてくる。

 

「やったk「よかっただわさぁぁぁ!!」……クル?」

 

 何事かとみんなが一斉にその声の元へと視線を向けると……

 

「よかっただわさ!治っただわさ!一時はどうなるかと思っただわさぁぁぁ!」

 

 一本の箒に頬擦りをして抱きしめているマジョリーナが居た……そういやアカンベェ状態から元に戻ると壊れてた部分も治るんだったな……

 

「さぁ、さっさと帰って今日はこの箒を手入れするだわさ」

 

 そんな言葉を残して消えるマジョリーナ。もう俺達のことは完全に眼中に無かったな……

 

「……なんかあれだけされると箒を折ったのは悪く感じちゃうね」

 

「……せやな」

 

「と、取り敢えずマジョリーナの事は置いておいて今はデコルが全部揃ったことを喜ぼう?」

 

「そうだね」

 

「うん」

 

「皆さん!デコルが揃ったという事はやる事は一つですよ!せーの!」

 

『観光だー!』

 

 ……ロイヤルクイーン様の復活じゃねぇのかよ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はいどうぞ、八幡君」

 

「ああ」

 

 結局、アカンベェのせいで時間も押してしまったのでスーパーで思い思いに、近所のスーパーよりも格段に安い魚介類を買って帰ってきて、家で鍋を囲んでいる。

 

「やー今日は楽しかったなぁ」

 

「ね、またみんなで行きたいね」

 

「小町も今日は皆さんとご一緒出来てとっても楽しかったです!」

 

「うん!今日はみんなで楽しかったし、デコルも全部集まったし、このお鍋も美味しいしでウルトラハッピー!」

 

 ん?あっ……

 

「そうだ……ロイヤルクイーン様の復活!」

 

『忘れてた……』

 

「キャンディ!残りのデコルをはめてみて!」

 

「わ、わかったクル」

 

 キャンディがデコルデコールに今日手に入れた二つのデコルはめ込むとデコルデコールが光を放ち出した。

 

 そしてその光が一箇所に集束すると……

 

「なんだコレ」

 

「ロイヤルクイーン様が復活するんじゃなかったの?」

 

 なんか……羽の生えた鏡?的なモノが出てきたんだが……

 

「……キャンディも分からないクル」

 

 一瞬気まずい空気がただよう。

 

「まぁ、コレはポップに丸投げだな」

 

 が、まぁ俺たちに何とかできる訳もないのでポップに投げるのが安牌。

 

「ふぅ……そうですね。分からないことで考え込んでしまってもただただ時間を浪費するだけですし、今はこの美味しいお鍋を堪能しましょう」

 

「せやな!今考えてもしゃーないもんな」

 

「あっ!ちょっとあかね!それアタシの取り皿!」

 

「そうだよね……ん、美味しい」

 

「お兄ちゃんならきっと何とかしてくれるクル」

 

「よーし!それじゃあ今度はこのイクラも食べよう!」

 

 俺達は難しい問題は取り敢えず置いておき、今はこの旅行で買ってきた食材達に舌鼓をうつのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 side小町

 

 部屋の隅によけられた謎の物体に視線を送りながら考える。

 

 ああ、ポップさんっていうキャンディのお兄さんはきっと苦労人なんだろうなぁ……

 

 まぁお兄ちゃんに頼りにされるっていう事はきっと能力は確かなんだろうけどね……

 

 近い将来、ポップに降りかかるであろう難題に、一人(あわ)れむのだった……

 

 

 

 




はい!と言う訳で世界旅行編完結です!

次章からまたみんな大好きジョーカーが登場しますね!きっとれかちゃん達からのヘイトを大いに買ってくれるのでしょう!

それでは次回もお楽しみに!
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