光が収まってくると五人の姿が現れる。
「キラキラ輝く、未来の光!キュアハッピー!」
「太陽サンサン、熱血パワー!キュアサニー!」
「ぴかぴかぴかりん♪じゃんけんぽん!キュアピース!」
「勇気凛々、直球勝負!キュアマーチ!」
「しんしんと降り積もる、清き心!キュアビューティ!」
『五つの心が導く未来!輝け!スマイルプリキュア!』
スマイルプリキュアの名乗りに続き、もう一人のプリキュアも声を上げる。
「真っ赤なハートは幸せの証!熟れたてフレッシュキュアパッション!」
「プリキュア!今日こそ……って一人増えてるオニ?!」
まぁ、その反応になるわな……
「ぐぬぬっ!こうなったら、いでよ!ハイパーアカンベェ!」
アカオーニが掲げた黒い絵の具玉が怪しい光を放ち、アカオーニの後ろに黒い鼻のアカンベェが現れる。
「オニ!」
巾着袋の様な姿をしたハイパーアカンベェが大きく口を開くと、その口の中へと後ろ飛びでアカオーニが飛び込む。
『ハイパーアカンベェ!!』
すると、ハイパーアカンベェの額に鬼を象った様なマークが現れ、その頭には角が生える。
『ハイパー!!』
ハイパーアカンベェは両手を巾着袋の様な体の頭にある開け口のような所へ突っ込むと白い団子の様なモノを取り出し見当違いな所へ放り投げる。
「つか、あの姿って……」
「お前がぐちゃぐちゃにするとか言っとった吉備団子になっとるやん!」
「自分で自分をぐちゃぐちゃにするのかな?」
「ちょっと!何か変よ、気を付けて!」
パッションの警告にスマイルプリキュア達が気を張った瞬間……
「きゃっ!?」
「うわっ!?」
ハッピーとマーチが咄嗟に何かを躱す。もしもパッションが警告をしていなかったら直撃していたかもしれない。
「あれは……犬?」
「あっちのは猿やで!」
「では、あの鳥は
襲いかかって来たのは白い何かで出来た、犬と猿と雉だった。
「鬼がその三匹をお供にしたらアカンやろ!?」
「でも吉備団子なんだし合ってるんじゃないの?」
「いや、そりゃそうやけど……」
サニーは何も攻撃を食らって居ないはずなのに別の意味で疲れているように見える……
「……お兄ちゃん、前に見た時よりも敵は強そうなのに……なんか緊張感無いね」
……うん、まぁ流石に今回はしょうがないと思うから許してね?
「……何時もは、もっとマシだから」
『ハイパーアカンベェ!!』
何か命令を下しているのか、ハイパーアカンベェの声に合わせてお供の三匹が連携して攻撃をしてくる。
「この子達、見た目は可愛いのにすっごい凶暴!」
「流石は桃太郎のお供として鬼達と戦った動物達っ、ということでしょう!」
「今コイツら鬼のお供としてして戦ってるんやけど!?」
ホントそれな……
「お兄ちゃん……またあのバケモノ何かしようとしてるよ」
「マジ?」
小町に言われてハイパーアカンベェの方を注視すると手を巾着袋の中へ突っ込んで何かを取り出そうとしている。
「おいおいおい……!まさかお供を増やそうとしてんじゃねぇだろうな?」
今の段階でも三匹のお供の動物達が攻撃を仕掛けているせいで、ハイパーアカンベェへの攻撃が届いて居ない状況なのに更にお供の数が増えればその均衡が崩れてしまう。
どうにかして奴の行動を止めて隙を作らせねぇと……………っ!
「パッション!ハイパーアカンベェが何かしようとしてる!近くからのハピネスハリケーンで体勢を崩させてくれっ!」
咄嗟に思いついた作戦だったが、無性に湧いてくる自信のままにすぐにパッションに向けて声を張る。
「っ!わかったわ!みんな、一旦抜けるわよ!」
その声と共にパッションの姿は一瞬で消える。
そして現れたのはハイパーアカンベェの真下だ。パッションの能力を知っていたからこそ、俺はおおよその検討を付けて探したから現れた場所がわかったが、その能力を知らない奴からすれば、ただ、一瞬にしてパッションが消えたようにしか見えないはずだ。
「吹き荒れよ!幸せの嵐!」
パッションハープを構え、回転する。
「プリキュア・ハピネスハリケーン!!」
『アカン?!アカーン!?』
不意打ちの様に真下から放たれたハピネスハリケーンにハイパーアカンベェも驚き、その衝撃によりひっくり返る。
そして袋から引き抜かれた手に握られていたのは整形途中の犬の形になりかけた餅の塊だった。やはりお供を増やす算段だったようだ。
「プリキュア・ハッピーシャワー!!」
「プリキュア・サニーファイヤー!!」
「プリキュア・ビューティブリザード!!」
パッションがハイパーアカンベェの体勢を崩した時、指示が無くなったからかお供達の動きも一気に鈍くなったのだ
そのチャンスを見逃さず、一気に各自の技で撃破したのだ。
ゆっくりと起き上がったハイパーアカンベェは周りを見て首を傾げている。
「キャンディ!今だ!」
「クルッ!みんなー!」
「キャンディ?あっ!わかった!みんな行くよ!」
『うん!』
『ペガサスよ!わたし達に力を!』
その言葉と共にステッキから黄金の光が放たれ、プリキュア達を包み込む。
そして黄金の光が弾けると装いを変えたプリキュア達が現れる。
『プリキュア!プリンセスフォーム!!』
そしてプリンセスフォームに返信したプリキュア達の前にロイヤルクロックが現れる。
「開け!ロイヤルクロック!」
ハッピーがロイヤルクロックに何かするとロイヤルクロックから吹き上がった黄金の光が弾け、不死鳥の様な姿をかたちどる。
「届け!希望の光!」
『羽ばたけ!光り輝く未来へ!』
『プリキュア・ロイヤルレインボーバースト!!』
五人の持つ蝋燭に見立てたステッキから溢れ出た光が合わさり、いつものペガサスでは無く先程の不死鳥の姿を模すとその口元から、輝く虹色の光の奔流を解き放つ。
『アカーンべェ…』
ハイパーアカンベェは光の奔流に呑み込まれ浄化される。
「すごい……」
小町は目をキリキリと輝かせている。
「……だろ?」
「いや、お兄ちゃんは誇るところでは無いよね?」
「え、いやぁ?……まぁな」
浄化されたハイパーアカンベェからはデコルだけでなく、アカオーニも出てくる。
「やっぱり桃太郎の子分なんて弱っちいオニ!ハァ……ハァ……それにしても黒っ鼻は何時もより疲れるオニ」
アカオーニは捨て台詞と意味深な言葉を残し消えた。
「疲れる?……ハイパーアカンベェの合体はかなり負担がかかるのか?」
「お兄ちゃーん?変なのも居なくなったし、早くお月見しよー」
……変なの……まぁ、考えるのは後で良いか。今は月見を楽しもう。
「おう」
『いただきまーす!』
早速団子に食らいついたのは、花より団子ならぬ月より団子な元気娘達。
コレを見越してのお使いだったのかかなりの量を買った筈なのだが正直足りるか怪しい勢いだ。
「凄い食べっぷりね」
「そうですね。あんなに急いで食べなくてもいいと思うのですが……」
『あっ、詰まったみたいですね」
「はっ?!……マジかあのバカっ!」
説教してきた……。
「はぁ……アイツら何歳だよ……」
なんで俺は同級生の奴らに「よく噛んで食べましょう」なんて小学生レベルの説教をせにゃならんのだ……
「ふふっ、ご苦労さまです」
「見てたわよ。あの子達も幸せね。普通、同級生にあんなにちゃんと怒ってくれる人なんて居ないわよ?」
「いや、俺も怒りたくて怒ったわけじゃないんだが……」
「そうね。でも、そのお陰か向こうは小町とやよいが見張っててくれるそうじゃない」
まぁ、そうなのだが、却ってゆっくりと月見が出来そうではある。
月を見ながら団子を一口……
「……うん、うまいな」
「ええ」
「ほんとうに」
俺を挟んで三人で並んで月を見上げ、団子を頬張る。
月を見ていると、ふと思い浮かんだ言葉があった。
「月が……綺麗ですね」
有名な文学的な愛の告白だ。ちょっとくさかっただろうか?言ってから段々と顔が熱を持って来るのを感じる。
「……そうね。でもそれはきっと八幡、貴方と見てるからでしょうね」
「……せつなそれは……天然なのでしょうね。でしたら私はこう返しましょうか。死んでもいいわ」
「え?何それ?ちょっと!私を抜きにして二人だけで通じ合わないでくれる?妬けちゃうわ」
「大丈夫って言うのもなんか違うが、せつなの返しも合ってたぞ」
「ええ、天然というのも恐ろしいですね」
「もう……なによそれ」
満月の下での告白。少し肌寒いくらいの中で行われたそれは、より一層の、俺達の心を強く結びつけた。
『ちょっと寒くなって来ましたねーもっとぎゅーってくっつきましょうよ!」
「ちょっ!?」
「きゃっ!?」
『んー!あったかいです!」
あと体も……
はいっ!という訳で月見回でした!
月が綺麗ですねは絶対入れたかったですし、今回のお話はコレをやりたいが為に月見にしたまであります!
今章これでおわりです
それで次回もお楽しみに!