「どっ、どういう事だよ!?」
「そうだよ八幡くん!昨日みんなで一緒にファッションショーが出来るように頑張ろうって言ったじゃん!」
「今、説明するからそんな焦んなって……」
クラス中の視線が突き刺さる。みんながみんな、俺の次の言葉を待っているのだ。……あっ、やばいなんか緊張して来たかも……
「あー、なんだ……ぶっちゃけて言うと、俺はファッションショーだけでこのクラスの出し物が成功するとは思えないんだわ……」
「どういうこと?」
「昨日帰ってから考えた見たんだが、文化祭で俺達は色んな服を作って、着て、全校生徒に見てもらう。……確かに楽しいだろうし思い出にも残ると思う」
「それならいいんじゃないの?」
まぁ、俺らはいいんだよ。
「ただな、見てる方はどうだ?ファッションが好きな奴は見てて楽しいかもしれん。だけどあんまり興味無い奴は?知らない奴らが衣装を着てポーズを決めて帰ってく。……俺はあんま楽しめる自信は無いな」
「あっ……」
みゆきも俺の言った事が腑に落ちたのか黙り込んでしまった……
「……だからバンド演奏もあれば面白くなると思わないか?」
「えっ?」
「どうせだったらダンスもすればいいと思うぞ」
「ダンスも!?」
「バンド演奏に合わせて色んな服を着た奴らが行進したり踊ったりする……どうだ?」
「面白そう……」
「うん、良いかも……」
「じゃあ劇は!?」
えぇ……劇は考えて来てなかったぞ?
「でしたら、その時に着ている衣装に合わせた
「すっごーい!それ、すっごく楽しそう!」
「豊島!これならおれ達もバンド演奏出来そうじゃん!」
「お、……おう!」
「わたし達もダンスが出来るのね!」
「よーし!めちゃくちゃわくわくしてきたな!」
「よっしゃ!ならこれから役割分担するで!」
「おれ達は後ろで演奏するから!かっこいい衣装にしてくれよな!」
「わたし裁縫得意なんだ!」
「俺ライオンキング!」
一度は不穏な空気になったが、今はそれを感じさせない程に、みんな楽しそうに準備に励み出した。
一日経った。昨日みんなで話し合って煮詰めた作業割に沿って本格的に動き出している。
「八幡君」
「ん?」
少し休憩がてら廊下に出ていると教室から出てきたれいかに声をかけられる。
「ありがとうございます。八幡君のお陰で皆さんとても楽しそうです」
「俺だけの力じゃねぇだろ」
「それでも……ですよ。始めはあんなに嫌がっていたのに、豊島君も今では中心になって動いてくれています」
「あれなぁ……」
まぁ、好きなことがやりたくてクラス全員に反抗してたんだ……そりゃ好きな事が出来るとなりゃ誰よりも励んでくれるだろうよ。
「多数決で決まっただけのファッションショーをやろうとしている時も確かに活気はありましたが、やはり一部の人はその雰囲気に乗りきれていない雰囲気も若干ありました」
「完全に割り切れねぇ奴らもいただろうしな」
「ええ、ですが今はどうでしょう。その一部の人達も積極的に意見を出して、クラスの出し物をより良いものにしようとして頑張っています。これは八幡君が居なかったらなし得なかった事です」
そう言われるとなんだか照れくさくなって来るな///
『あ!八幡君、照れてます?」
「そういうのは分かってても言わねぇでくれよ……」
「ふふっ、きょうかがすみません。でも照れてる八幡君も可愛くて素敵ですよ」
「……そうかよ///」
男が可愛いと言われるのアレなんだが……れいかに言われると嬉しく感じてしまうのがまたなぁ……///
ファッションショーの準備は順調に進み、文化祭を目前に控えた今日、俺達はクラス全員で中庭に集まっていた。
「みんな、今日は集まってくれて本当にありがとう!最初は自分勝手な理由でみんなに迷惑を掛けちまったけど、でもその分を取り返すくらい頑張って練習して来た!俺達の演奏がどんなものかみんなに聞いてほしい!」
今日は豊島たっての希望で実際にどんな風に演奏するのかをみんなに聞いてもらって、ファッションショーを寄り良くする為に意見を求めたいらしい。
「いいぞー!」
「楽しみにしてるからねー!」
「豊島かっこいいぞー!」
豊島がギターが上手いことはクラスでは結構有名な様でクラスのみんなも盛り上がっている。
「それじゃ始めるぞ!」
そして豊島がピックを握った手を振りあげた時だった。
「やっと見つけただわさー!」
嫌に聞き覚えのある声が降ってきた。
「まさか……」
頭上を見上げると箒に乗って飛んでいる奴の姿が……
『マジョリーナ?!』
みゆき達も気づいたのか悲鳴の様な声が上がる。
「ん〜?なんでプリキュア達も一緒に居るだわさ!?あっ、でもそれはそれで好都合だわさ」
「……なんだあれ?」
「魔女?」
「空飛んでるぞ……」
やばいなこんなとこで戦い始めたらクラスのみんなが巻き込まれるぞ!
「世界よ!最悪の結末、バッドエンドに染まるだわさ!」
マジョリーナはまるで見せつけるかの様に白紙の本を広げる。
「白紙の未来を黒く塗り潰すだわさ!」
そして黒い絵の具を握り潰し、白紙の本に叩き付けるように塗り付ける。
マジョリーナを中心にしてバッドエンド空間が展開され、みんなが俯き、座り込む。
「なんでこんな事を頑張ってたんだろう……」
「だりぃ……」
「バンド演奏何てつまんねぇ……」
「いーっひっひっひ!人間共の発したバットエナジーが悪の皇帝ピエーロ様を蘇らせていくだわさ!」
「そんな……皆さん」
文化祭に向けて一生懸命に頑張っていた姿を知っているだけに、今の無気力な姿にショックをうけるれいか……
「酷い!せっかく文化祭に向けてみんな頑張ってたのに!それを邪魔するなんて許せない!いくよ、みんな!」
『うん!』
みゆきの号令でスマイルパクトを構えた五人が光に包まれる。
そして俺はその間に座り込んでしまったクラスの奴らを引きずるように校舎の陰へと運ぶ。
「重っ……くないです……」
咄嗟に出た言葉に無気力に項垂れていた女子の目がキツくなった気がして慌てて取り繕う。こわっ……
そして光が収まってくると五人の姿が現れる。
「キラキラ輝く、未来の光!キュアハッピー!」
「太陽サンサン、熱血パワー!キュアサニー!」
「ぴかぴかぴかりん♪じゃんけんぽん!キュアピース!」
「勇気凛々、直球勝負!キュアマーチ!」
「しんしんと降り積もる、清き心!キュアビューティ!」
『五つの光が導く未来!輝け!スマイルプリキュア!』
「はーっはっはっはー!今日のアカンベェはやっと見つけたコイツだわさ!出てよハイパーアカンベェ!!」
マジョリーナが掲げた黒い絵の具玉が怪しい光を放ち、マジョリーナの後ろに黒い鼻のアカンベェが現れる。
「ひっひっひっ!」
ギターの様な姿をしたハイパーアカンベェが大きく口を開くと、その口の中へと後ろ飛びでマジョリーナが飛び込む。
『ハイパーアカンベェ!!』
ハイパーアカンベェの額には緑の帽子を象ったようなマークが現れ、その頭には何処からか現れた緑色の帽子が被さる。
「ちょっとそのギター!」
「それ豊島のやつやん!?」
そう、マジョリーナがアカンベェの元にしたものは豊島のギターだったのだ。
「酷い……」
「さっさと倒して豊島に返してあげよう!」
『うん』
マーチの声でプリキュア達は一斉にハイパーアカンベェに駆け寄って行く。
しかし、その瞬間、遠目からだったが確かにハイパーアカンベェが一瞬、頬を緩めた気がしたのだ。
そして……
ギュゥーーーーンンン!!
凄まじい音……と言うよりももはや衝撃波と言っても過言では無いものが響き渡った。
はい!という訳で案にあった全部の出し物をファッションショーを軸に混ぜる事になりました!
ただ、これはフィクション、物語だから可能な事であり、前書きでも書いたようにリアルでやろうとすると九割がた失敗すると思います。
今回はちょっとれかちゃんたちとのラブ成分が不足しているので次回にはもっとラブラブさせられたらと思います!
それでは次回もお楽しみに!