「はぁぁぁ!!」
まず一番に飛び出して行ったハッピーが二体の怪物に攻撃を仕掛ける。
「ぬぅ?!」
しかしその攻撃は怪物の持つ
「サニー!」
「まかしとき!」
だが、ここまでは作戦の内。
ハッピーが注意を引き付けた所でサニーが怪物の一体が抱えていた少女を奪取する。
「なっ!?……ああああああ!!」
跳ね返され、飛びずさったハッピーの元へみんなが集まり、一度態勢を整える。
「なんだお前らは!この金角、銀角様に逆らおうってのか?」
なに?金角に銀角だと?
「え?金角、銀角ってあの西遊記の?」
「そうだ!オレ達の邪魔するなら容赦しねぇぞ!」
金角銀角は、その体を誇示し、また少女を奪い取ろうとにじり寄る。
「っ!……それでも!わたしはその子を助ける!」
ハッピーは金角銀角の威勢に一瞬たじろいだものの、人差し指を少女に差し向け、毅然と言い放った。
「なら容赦しねぇぞ!!銀角!」
「おう!」
二体は動きを揃えて手に持っていた瓢箪を構える。……ってまずい!?
「っ!?いけません!皆さん、絶対に相手からの言葉に応えないでください!」
二体の行動の意味にビューティも気付いたのか、いち早く前に出て注意を呼びかける。
そしてタッチの差で……
「おい!お前ら!」
予想通り、金角がこちらからの返事を誘う様な声を出した。
「………」
ハッピーは返事をしないようにか両手を口に当てて物理的に塞いでいる……まぁハッピーだしな……
「ビューティ?返事しちゃあかんってどういうことなん?」
「……今彼らが構えている瓢箪。あれは
「溶かされっ?!」
「怖い……」
「え?そうだったのか?」
「いや……吸い込めるのは聞いてたけど、流石に溶かすのはちょっと……」
なんでお前らが知らねぇんだよ……
「なんでお前らがしらんねーん!!」
『むっ、なにか今、サニーにイラってきました……」
「なんで?!」
……なんか最近きょうかがエスパーじみてきたんだよなぁ……
「まぁ種が分かればこっちのもんだよ!」
そう、言うや否やマーチが金角銀角に向けて突っ込んでいく。
「直球勝負だよ!!」
「なっ?!速っ……ぐえぇっ!?」
「銀角ーっ!?」
マーチは走る勢いのそのままに銀角に飛び蹴りをかまし、銀角ごと金角の横を抜けていった。
金角はマーチと共に遠ざかって行く銀角に向けて手を伸ばすがもちろんその手は届かない。それどころか……
「金角さん?」
「なんだよ!!」
急に名を呼ばれイラつき混じりに振り向き応える金角。振り向いた先に居るのは……
「はい、これで王手ですね」
いつの間にやら金角の手から
「なっ?!えっ?え?あれぇ……?」
「貴方が単純な方で助かりました」
紅葫蘆を持ったビューティに応えた金角が辿る末路は一つ。
シュゴォォォォォ!!
「お、おまっ!おぼえてろぉぉぉぉ!?」
最後に絶叫を残し、瓢箪に吸い込まれていく金角。明らかに入口以上の大きさのモノを呑み込んだ瓢箪は一瞬身を震わせ、またただの瓢箪の様に動かなくなった。
「ビューティ、容赦無いな……」
ちょっと青ざめた顔のサニーにビューティはそのままニッコリと微笑む。
「ええ、敵でしたので」
……ちょっと一瞬俺も背筋が寒くなった気がしたが……まぁ、気の所為だろう……
「では、このまま銀角さんもこの中へとご招待しましょうか。二人一緒の方が寂しくも無いでしょうし」
……やっぱ気の所為じゃなかったかも……
その後サクッと銀角も瓢箪の中へと吸い込み、戦闘は終わった……終わったのだが……
「ひうっ!?」
れいかの暴挙?を目にした少女が怖がってみゆきの背中から出てこなくなった。
「ふふふっ、怖がられてしまいましたね?」
やべぇ……俺も若干圧を感じるんだが……
「ほ、ほら!れいかちゃんもあの人達が悪い人だったから
「せやでせやで!もう、お淑やか、清楚っ!って感じでな!なっ?」
「う、うん!八幡くんがかかわるとちょっとドスケベだとは思うけど普段はすっごい優しいんだから!」
『………………』
「あ、あれ?わたし、なにかやっちゃった?」
やよいぇ……
「え、えっと……助けてくれてありがとう。さっきは怖がっちゃってごめんなさい」
「ええ、大丈夫ですよ。私こそ怖がらせてしまって申し訳ありません。……ですがやよいさんは後でお話があります」
「ぴぃっ!?」
南無……
「それでじゃあ改めて、自己紹介がまだだったね。わたしはにこ!よろしくね」
「よろしく!」
『よろしく!』
「あれ?にこちゃんの持ってるその本……」
挨拶が済んだかと思えばみゆきが注目したのは少女……にこが抱えていた本である。
「どこかで見た事があるような……」
「え……」
「うーん……気の所為かなぁ?」
まぁ本なんて結構似た装丁のものとか多いしなぁ……
「なぁなぁ!そんなことより、にこちゃんやろ?びっくりしたでー?いきなりスクリーンから飛び出して来るし」
「うん、わたしもびっくり!気付いたらこっちの世界に来てるんだもん」
『こっちの世界?』
どういう事だ?
「うん!わたし、絵本の世界から来たの」
『へぇ……………って、絵本の世界?!』
マジか……
「それってアトラクションやなくて?!」
「う、うん」
「絵本の世界があるの?!」
やべぇ、好きな物の事だからかみゆきの圧が強ぇ……
「もし良ければお礼に招待するよ?なんて……」
『本当に!!?』
「も、もちろん」
圧が強すぎて反っちゃってるじゃん……あっ離れた。
「んっんん!そ、それでは絵本の世界へ!」
パチンッ!
にこはそう言い指を強く鳴らした。
そして感じる突然の浮遊感……ん?地面が無ぇ!?
『きゃぁぁぁ!!』
「レッツゴー!」
「八幡君!」
「れいか!」
咄嗟に握りしめた手を引き寄せ合い、抱き合った状態で落ちていく。
しかし風を切るような感覚は無い。近いのは本棚からふしぎ図書館に移動する時の感覚だろうか?
そう思うと落下の恐怖は半減し、試しに目を開けてみる。
「うお……」
周りは色とりどりの花の宇宙と言えばいいのだろうか?幻想的な光景が広がっていた。
「れいか?目を開けて見ろ」
「え?」
未だに目を固く閉じ、強くこちらを抱きしめるれいかに声をかけると、ゆっくりと目を開き、周りの美しさに目を見開く。
「きれい……」
「ああ……」
そのまま落下を続けていると今までは真っ暗だった下に見開かれた本が浮いていた。そしてその本は俺達の落下地点とも一致する。どうやら遂にゴールが見えてきた様だ。
そしてそのまま、本の上に着地……することも無く、透明な壁を通過する様な感覚と共に青空の元へと放り出される。
「きゃっ!?」
「痛てっ!?」
突然放り出され、落下地点もよく分からないまま着地に失敗し、俺とれいかは同時に尻餅を着く。大して痛くも無いのに痛いと言ってしまうのは条件反射だろうか……
「ようこそ!絵本の世界へ!」
にこの声に顔を上げ、周りを見ると俺達と同じ様にお尻をさすっているみんなの姿。そして……
「わぁぁぁ……」
「凄い……」
俺達が落ちてきた場所。ここは空に大きく掛かる虹の上だったのだ。
「凄い!あれってシンデレラのお城かなっ!?」
「え!?あっ!あれって鬼ヶ島!?」
みゆきとやよいは早速虹の橋から地上を見下ろしている。
「ここでは世界中の絵本の登場人物達が暮らしているの」
「へぇー」
「メルヘンランド以外にもこんな世界があったんだねぇ」
「キャンディも初めて知ったクル!」
「ふふっ!それだけじゃないの、自分が絵本の主人公になって物語を体験する事も出来るんだよ。そうだ!みんなも体験してみない?」
「はいはいはい!わたしシンデレラ!シンデレラになりたい!」
すげぇ地獄耳だな……こいつ一瞬で飛んできたぞ……
「そ、そっか……じゃあ、みゆきはシンデレラに決定ね」
「やったー!やったやったー!」
「はいはーい!ウチは小さくても勇気のある一寸法師!」
「わたしは
「竜宮城でご馳走が食べたいから……アタシは浦島太郎かな?」
そしてどんどんみんな好きなキャラクターに決まっていく。……つか、浦島太郎の理由が欲望に忠実過ぎるだろ……
「私達は出来るだけ一緒に居たいですし、ヘンゼルとグレーテルなんてどうでしょうか?」
「そうだな、それなら離れ離れにならなさそうだし……」
「ふふっ、みんな決まったみたいだね!それじゃあいくよ!」
パチンッ!
ここに落ちて来た時と同じ様ににこが指を鳴らす。
「きゃっ?!」
すると各々がみんな別の色の光の膜へと包まれる。……もちろん俺とれいかは二人で一つの膜だ。
その膜がシャボン玉の様に空へと舞い上がる。
「それじゃあ物語の世界を楽しんでー!」
にこの声が聞こえたと思ったら俺達の入った光の膜はすごい速さで何処かへと飛んで行くのだった。
はいっ!という訳で金角銀角ペアは我らのれかちゃんがサクッと倒してくれましたね!
あの瓢箪、原作映画だと呼び掛けるだけで吸い込める代わりに少し弱体補正掛かってるなぁと思ったので改変しました!おかげであっさり吸ーい吸い♪
そして次回は遂に絵本の登場人物に成り代わるプリキュア達!因みに桃太郎はれかちゃんと八幡君を一緒にする為にクビになりました