校舎の壁に叩き付けられたハイパーアカンベェ。その勢い故かもうもうと砂煙がたちこめ、うっすらとしかその姿を確認することは出来ない。
一瞬、砂煙が揺らめいたかと思った瞬間……
『ハイパァァァー!!』
砂煙の中からハイパーアカンベェが飛び出して来る。
もうマイクを使った衝撃波は通用しないと思っているのか、手に握っていた筈のマイクはコード部分の方を持ち、振り回しながらプリキュア達に向かって突撃をする。
「散開!」
ビューティの鋭い声にプリキュア達は一斉に別れる様にハイパーアカンベェを避ける。
「マーチ!あまり大振りな攻撃はしなくても良いので数秒引き付けてもらえますか!」
「了解!」
ビューティの声に直ぐに反応するマーチ。
「こっちこっち!当ててみな!」
持ち前の素早い動きでハイパーアカンベェを翻弄し、見事にハイパーアカンベェを引き付けている。
『ンべェェェ!!!』
マイクをモーニングスターの様に振り回し叩きつけていくハイパーアカンベェだが、マーチには掠りすらしない。
「皆さんはアカンベェを囲む様に道を塞いで下さい!」
『了解!』
ビューティの指示はまだ続き、今度はマーチが引き付けているハイパーアカンベェを囲む様に指示を出した。
ビューティは何をするつもりだ?
ビューティがどんな手を使おうとしているのか、俺にも予想がつかない。
「……………今です!」
指示を出してからずっと、マーチとハイパーアカンベェな近くでずっと隙を伺っていたビューティが遂に飛び出して行く。
「取りました!」
そうしてハイパーアカンベェの隙をついて奪ったのは先程まで振り回していたマイクだった。
「サニー!」
「よっしゃ!」
ビューティは奪ったマイクを直ぐさまマーチにパスする。
『ハイパーアカンベェ!!』
そしてマイクを奪われた事に気付いたハイパーアカンベェは、今まで追いかけ回していたマーチを無視してマイクをパスされたサニーに向かって突撃する。
「うおっ?!ハッピー!」
それをすんでのところで避けて今度はハッピーに向けてマイクを投げる。
「わっ!?わっわっわっ!」
『ハイパー!!』
「っ!?ピース!!」
ハッピーはキャッチしたマイクを慌てて落としそうになりながらもマイクを追って突撃してきたハイパーアカンベェを躱して直ぐにピースに向けて投げ渡した。
「うん!……え?え?どうすればいいの?」
「ピース!こっちに!」
「マーチ!」
またマイクが投げ返される…………ああ、そういう事か。
ようやく何がしたいのか……いや、ハイパーアカンベェをどうしてやろうとしているのかがわかった。
まぁ、もう目の前で
『ンベェ?!』
マイクのコードが複雑に絡みついたせいで身動きが取れなくなり、地面を転がる事しか出来なくなったハイパーアカンベェがプリキュア達の前で必死に転がっている。
そしてその抵抗も……
タンッ!
ビューティの足元から生じた氷壁に囲まれ遂には何も出来なくなった。
「皆さん!」
『うん!』
『ペガサスよ!わたし達に力を!』
その言葉と共にプリキュア達の構えたステッキから黄金の光が放たれ、プリキュア達を包み込む。
そして黄金の光が弾けると装いを変えたプリキュア達が現れる。
『プリキュア!プリンセスフォーム!!』
そしてプリンセスフォームに返信したプリキュア達の前にロイヤルクロックが現れる。
「開け!ロイヤルクロック!」
ハッピーがロイヤルクロックに何かするとロイヤルクロックから吹き上がった黄金の光が弾け、不死鳥の様な姿をかたちどる。
「届け!希望の光!」
『羽ばたけ!光り輝く未来へ!』
『プリキュア・ロイヤルレインボーバースト!!』
五人の持つ蝋燭に見立てたステッキから溢れ出た光が合わさり、不死鳥の姿を模すとその口元から、輝く虹色の光の奔流を解き放つ。
『アカーンべェ…』
今回のハイパーアカンベェは特にプリキュア達を苦戦させることなど一切なく呆気なく浄化されてしまったのだった。
「くそっ!覚えてやがれ!」
ウルフルンはそう捨て台詞を残すと逃げる様に消えていった。
「いや、マジで俺が言うことじゃねぇけど、なんか……どんまい?」
「皆さんの中には掃除が面倒くさいと思ったり、挨拶が煩わしいと感じる人がいるかもしれません。ですが一歩、踏み込んでみてください。掃除をして学校が綺麗になる事で気分が良くなる人もいるでしょう。また一緒に掃除をした事がきっかけで新たな友人が増えるかも知れません。挨拶をする事が会話のきっかけになるかもしれません」
れいかが演説台で全校生徒に語り掛ける姿を舞台の袖で見守る。
「学校の花壇のお花を見て綺麗だと思ってくれている人がこの中もいますでしょうか?あの花壇を管理しているのは私と今回の会長選挙で私の補佐をしてくださっている比企谷君です。綺麗なお花を見れば華やかな気持ちになれます。あの花壇の管理も私達が卒業しても続けられる様に専門の委員会やクラブを立ち上げようと考えています」
自信を持って己の考えを話し、それを多くの人に受け入れられる。それは普段から自分の事だけでなく相手の事まで考えて実際に行動に移している、れいかのような人間でないとなし得ない事なんだと感じる。
「私はこれから会長として清く、正しく皆さんの模範と慣れるように努めていきたいと思います。そしてその私の姿を見て、何か感じていただけたら幸いです。ご清聴ありがとうございました」
れいかが頭を下げると共にパチパチと疎らに拍手が始まり、直ぐに万雷の拍手へと変わった。
そしてれいかがスっと手を下げる動作をすると直ぐに拍手が収まる。そして生徒達へとにっこりと微笑むと再度、頭を下げゆっくりと俺の居る袖の方へとはけてくる。
れいかは俺の姿を見ると少し駆け足になりそのままの勢いで抱きついて来る。
もちろん俺も抱き締め返す。
「……お疲れ様」
「ええ、ちょっと緊張してしまったかも知れません」
「当然だろ?あんな人数の前で演説して緊張しねぇとか……どんな心臓だよ……」
「あら?私が緊張しないって言ってもその言葉は変わらないですか?」
「きっと緊張に負けない強い心の持ち主なんだなって思うんだわ……うん」
「ふふっ、そんな変わり身の早い所でも大好きですよ♡」
「……からかわないでくれ///」
開票結果はもちろんぶっちぎりの一位でれいかが生徒会長に就任した。
「れいかちゃんの会長就任を祝って〜かんぱーい!!」
『かんぱーい!!』
そして今はふしぎ図書館の秘密基地でれいかの会長就任のお祝いをしているところだ。
あかねがお好み焼きを焼いてきたり、料理を持ちよったり、お菓子やジュースを無差別に開封したせいでテーブルの上は凄まじい事になっている。
お好み焼きやピザなど何種類かを取り皿に盛って、少し離れた小テーブルにれいかと二人で座り一息つく。
「賑やかですね」
れいかは目を細めて、微笑ましいものを見るかの様な眼差しで大テーブルを眺める。
「ありゃ騒がしいの間違いだろ……」
「こらキャンディ!お菓子ばっかり食べないの!」
「あかねちゃん!そんなに盛らないでよぉ」
「いっぱい食べなきゃ大きくなれへんで?」
「はむっ!はむっ!はむっ!」
大テーブルの騒ぎを横目で見ながら盛り付けたお好み焼きを口に運ぶ。……あ、これうまっ
「ふふっ、確かにそうかも知れませんね」
れいかは口元に手を寄せてふふふっと笑う。
「あっ、そうです八幡君に伝えたい事があったんでした……耳を寄せてもらってもいいですか?」
「ん?なんだ?」
れいかの方へ耳を寄せると……
「大好きです」
「なっ///」
咄嗟にれいかから離れた反動で椅子からずり落ちる。
「ふふっ、大好きです。この言葉、何度だって言いたいんですよ?」
その艶めかしい微笑みに力が抜けて、俺はその場にへたりこんでしまうのだった……
という訳で無難に終わりましたね……私はふと思ったのです。イチャイチャが最近足りなくないか?えるぉさが足りなくないか?ときょかちゃんの無垢叡智が足りなくはないかと!
よっしゃ!次回から本気出すどー!(じぽ?知らないこですねぇ?)
それでは次回もお楽しみに!