……子育ては大変だと言うのはよく聞く話だ。一人の子供の世話をするのだって大変なのだ……それが三人、いや、五人だったらどうだろうか?
「お腹すいたぁー!」
「ウチおしっこー!」
「どんぐり落としちゃったぁ……どこぉ……」
「やよいちゃん、大丈夫ぅ?アタシが見つけてあげる!それっ!」
ガターン!
なおのひっくり返した椅子がお腹を抑えながらトテトテ歩いていたみゆきの目の前に倒れてみゆきが尻もちを着く。
「ひゃあ?!!!」
「どんぐりぃ!!」
「みゆきちゃんごめんね………」
『うぇぇぇぇぇん!!!』
そして始まる泣き声の大合唱。
「………勘弁してくれよ」
俺は安易に五人を家に泊める事を決めた事を速攻で後悔していた……
もう取り敢えず今は、三人に怪我とかは無さそうだから一旦放置だ。
トイレに行ったあかねは良しとしても、流石に俺一人じゃ手が回らん……
まぁれいかは……
「ちゅぷ……ちゅぷ♡八幡…く……ん」
なーぜか俺の指をしゃぶりながら眠ってるので騒ぐ様なことは無いのだが……
「動けん……」
あぐらをかいた俺の足の上で眠っているので下手に動けない状態なのだ。
「……つか、あかねが中々戻って来ないんだが?」
ドターン! うぇぇぇぇん!!
口に出した瞬間に廊下の奥から聞こえてきた何かが倒れる音とあかねの泣き声……
「はいはい今行きますよ……」
れいかの口から指を引き抜き、顔を歪め始めたれいかに慌てて抱き直し、安らいだ寝顔を確認して立ち上がる。
廊下に出るとトイレットペーパーを保管している棚の前で泣いているあかね。
「はちまぁーん!ウチなトイレットペーパー交換しようかと思ってんのに取れなくてジャンプしてたらコケたん!」
そう言いながらあかねが見せてくる膝には擦ったのか赤くなっていた。
「トイレットペーパー替えようとしてくれてありがとな、後でその膝も軟膏塗ってやるから一旦みんなのとこに戻っててくれ」
お礼を言って頭を撫でてやると涙もすぐに引っ込み、笑顔で頷いた。
「うん!」
とてとて居間に向かうあかね。……そういえばいつの間にか三人の泣き声も聞こえなくなっており、居間から聞こえるのは四人の楽しそうな声に変わっていた。
そして俺は……
「もう無理キッツ……」
トイレットペーパーをパパっと替えて
まぁ掛けたはいいが直ぐにまた泣き声が聞こえてきて、伝えたいことだけ伝えたら切ってしまったわけなんだが……
「それで?いきなり都合が良ければ今すぐ泊まりに来てくれ……だなんて、言うだけ言って直ぐに切るから何事かと思って来てみたら……一体これはどういう状況なの?」
「せつなちゃんだー!」
「ほんとやー!久しぶりやな!」
「せつなちゃんみてー!どんぐり!」
「せつな久しぶり!」
姿を見せてから速攻で幼女まみれになったせつなの呆れたような第一声であった……
せつなはキュアパッションとしての能力である瞬間移動を使って、電話から数十分で家の前に到着し、渡してある合鍵を使って家に入って来て、まず目にしたのが
「あら!直接会うのは久しぶりですね、せつな」
「もしかして……れいかかしら?」
「もしかしなくても私ですよ!」
「という事は、この子達も……」
「みゆき!わたしみゆきだよ!」
「ウチはあかねや!」
「わたしはやよい!」
「なおだよ!」
「……まぁ、みんな随分と可愛くなったものね」
何となく状況を理解したせつなに詳しい説明をする。
「あの時のお婆さん、そんなに色んなモノが作れるのね」
だいたい説明した所でせつなが一番食いついたのが結局はマジョリーナの不思議アイテムについてだったのは……まぁ、しょうがないよな……
「それで?改めて聞くけど八幡は私に何をして欲しいの?」
「今日一日こいつらを泊める事になってるので手伝って下さい。身が持たないです」
夕方の迷探偵が始まったのでテレビをつけて幼女達に見させて静かにさせたところでの一幕である。因みに渾身の土下座中だ。
「………はぁ、わかったわ。その代わりに貸し一よ」
「全力で借りさせていただきます」
「二人ともよかったですね!」
「ええ、……あっ、ところできょうかは起きてるの?私が来て以来一回もそれらしい言葉を聞かないのだけど?」
「あー、それなんだがな……」 クイッ
俺が話そうとするとれいかに手を引かれて止められる。
「私が自分で話しますね。きょうかは私がこの姿になってから一度も起きてこないんです。多分この姿の時には『あら!せつなじゃないですか!久しぶりですね〜あれ?なんだが大きくなりました?ん?んん??」……………きょうか?」
『ん?れいかどうかしましたか?」
「貴女……」
「……せつな」
「え、ええ」
ぷるぷると震えているれいかを置いてせつなと台所へ避難する。
「まぎらわしいじゃないですかぁぁぁ!!」
『私なんで怒られてるんですかぁぁ?!」
れいかの怒声ときょうかの困惑の悲鳴なんていう珍しいモノを背に聞きながらせつなと冷蔵庫を覗き込む。
「これくらいあれば買い物に行かなくても明日のお昼までは足りそうね」
「ああ、流石にみんなを引き連れて買い物なんてしたくなかったから助かったわ」
子供たちを引き連れての買い物とか、絶対カゴに必要無いもの入れてくるだろ……特にやよいとみゆき。
「まぁ、そうでしょうね」
せつなも想像出来たのか若干青い顔をしている気もする。
「取り敢えずこの材料で子供たちが喜びそうなものと言ったらやっぱりハンバーグかしら?」
「そうだな。あいつらも喜ぶだろ」
「ええ、それじゃああの子達をお風呂に入れたら一緒に作りましょうか」
「ああ、そうしよう」
「そうだ八幡、あの子達の着替えはあるの?」
「あっ……」
大急ぎで家族共用の方のクローゼットとタンスをあさり、小町が子供の頃のパジャマと下着を何とか人数分用意する事が出来た……
『八幡くーん!」
料理の準備をせつなに任せて全員分のタオル等を用意しているとれいか……いや、きょうかが抱きついて来た。
「どうしたきょうか?」
『れいかが酷いんですよ!いつもはあんなに怒ることなんてないのに!」
きょうかの目には涙が浮かんでいる。ああ、これは……
「それはきっとな、幼くなった事で感情の起伏も激しくなってるんだと思うんだわ。れいかも普段より怒るし、笑う……きょうかも怒られるだけで涙が出るなんて初めてだろう?」
れいかも心配で怒ったのは確かだったんだろうが背中越しに聞いている限り、普段よりもきょうかを責める言葉が多かったと思う。
「そうだよな、れいか?」
「……八幡君の言う通り……いつもより言い過ぎてました。ごめんなさいきょうか」
「……いえ、あの、私もごめんなさい」
「二人とも良く謝れたな、偉いぞ」
頭を撫でると嬉しそうに擦り寄ってくる。
「よし、それじゃあそろそろ迷探偵も終わる時間だし、みんなで風呂に入るか」
「ええ!八幡君の体は私が洗ってあげますね!」
「……え?」
「みんなー!テレビ見終わったらお風呂に入るわよー」
『はーい!』
せつなの呼び掛けに幼女達が元気の良い返事と共に集まって来る。
れいかなんて俺とせつな両方と手を繋いでご満悦だ。
「それじゃあ行くわよ」
せつな達が移動を始めるので俺はれいかと繋いでいる手を離そうとすると……ギュ!
「え?」
「……八幡君も一緒が良いです」
涙目+上目遣いでお願いに即、屈しそうになる。
「せつなは八幡君と一緒でも良いですよね」
「まぁ、私も
れいかの言葉にせつなはあっけらかんと言い放つ。
そしてそんな俺たちを見たみゆき達も……
「八幡くんも一緒に入るんじゃないの?」
「別にええやん!ウチらこんなやし」
「わたしも少し恥ずかしいけど、八幡くんなら別にいいよ?」
「アタシだって弟たちとお風呂に入ってたしね気にしないよ!」
退路を塞がれるどころか全方位から攻撃されたわけで……
「……あの、せめてせつなは水着だけでも着てください」
屈した。
そしてそれは全員で風呂に入って体を洗っている時に起きた……
「あっ……」
『わぁ……///』
「相変わらずすごいわね///」
「………ふぇ///」
尻もちを着くように座り込むれいか……の眼前にそそり立つ八幡の八幡……
あっ、事案だわコレ……
続く!!
という訳でまぁ次回が本番です……次回はお風呂初めから……寝るまで行けるか?まぁ多分そんな感じです。次回こそちゃんと勃ちます。もうビンビンですよビンビン!そうなるまでの話をみっちりと書く予定です。
それでは次回もお楽しみに!