俺の青春にスマイルなどあるのだろうか?   作:紫睡

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普段は押せ押せの子が逆に強気で来られると照れちゃうのって最高だと思うんです!


(4)

 脱衣所の扉を開けると冷えた廊下の温度に一瞬体が震える。

 

 れいかに目を向けると俺よりも幼くなった影響か、敏感に温度の変化を感じている様で腕の当たりをさすっている。

 

「……よっと」

 

「は、八幡君?!///」

 

 つい、れいかを抱き上げてしまった……あ、でもこれはこれでお互い暖かいし良いのか?

 

「……暖かいだろ?」

 

「……はい///」

 

 最近はれいかに照れさせられるばかりだったからか、れいかが照れる顔は久しぶりに見れて嬉しい……ってか可愛いわ。

 

 

 

 

「上がったぞー」

 

「お待たせしました」

 

 れいかを抱えたまま、リビングへ入る。

 

「暖まれたかしら?……あらっ、随分と楽しそうな事をしてるのね」

 

「あ、ああ……」

 

 何か料理をしていた手を止め、笑顔でこちらへ振り返るせつな……可愛いんだが………ぶっちゃけそれよりも気になり過ぎるモノがリビングの扉を開けて直ぐの所に居た。

 

「あかね……何してんだ?」

 

「……反省中や」

 

「いや見れば分かるが……」

 

 あかねは正座をさせられ顔に反省中と書かれた紙をテープで貼り付けられていた。

 

「……あかね」

 

「ひっ……さ、さっきはホンマにすまんかった!」

 

 せつなが一言名前を呼ぶとあかねは直ぐに頭を下げて謝って来た。……ああ、説教されたんか……

 

 せつなはキレるとマジで怖い……

 

 きょうかもせつなを怒らせた事思い出したのか震えが抱えている腕越しに伝わってくる。

 

「……きょうか?貴女も何かしたの?」

 

『今日は何もしてませんよ!?」

 

「……まぁいいでしょう。って、なんで貴女達まで固まってるのよ」

 

 その言葉でせつなの陰で見えなかった幼女達の姿が目に入った。どうやらせつなの手伝いをしていたようだが一瞬醸し出したせつなの恐ろしい雰囲気に三人仲良く目を見開いて固まっていた。 

 

「……はぁ、あかねももういいから手を洗って手伝って頂戴。貴方達は……本当は手伝って貰おうと思ってたけど今日は良いわ。れいか、今日はとことん甘えさせてあげるわ」

 

「せつな……!」

 

「そ・の・代・わ・り、今度は私の番よ?」

 

「ええ!もちろんです!」

 

 よくある小説みたいに二人がギスギスする様な関係じゃなくて良かったわぁ。好きな人達にはやっぱり仲良くしてもらいたいしな……

 

「……お゛ぉぉぉ……こむら返りが……」

 

 俺は笑顔で言葉を交わす二人の様子に集中して出来るだけ不憫な関西幼女から目を逸らしてやるのだった……

 

 

 

 

 

 

「すんすん……美味しそうな匂いですね」

 

「ああ、今日はハンバーグにしようって風呂の前に話してたからな」

 

 俺とれいかはせつなの好意で、夕食の用意を免除され、二人でソファに座ってみんなの調理風景を眺めている。

 

 幼女達がハンバーグのタネを捏ねてせつながそれを焼いているようだ。

 

「……私が元に戻れたらまた三人でお泊まりしましょうね」

 

「……ああ、そうだな」

 

 

 

『いただきまーす!!』

 

「見て見て!このハート型のやつ!わたしがつくったんだよ!」

 

「ウチのはこのデッカイやつな!」

 

「わたしはね!この星型のやつ!どんぐりの形と迷ったんだけど、星にしたの!」

 

「アタシはこの丸いの!サッカーボールをつくったんだ!」

 

「貴女達ねぇ……焼く方の身にもなってよね?みんな大きさもバラバラだし厚さも違うから焼くのが大変だったんだから……」

 

「まぁ、なんだ?ご苦労さん」

 

「でもとても美味しそうに焼けていますよ!」

 

「そう言ってもらえたのなら良かったわ」

 

 みんなの皿に乗っているハンバーグは色んな形でせつなが作ったらしいTheハンバーグというような、形のキレイなハンバーグは俺とれいか、そしてせつなの皿に乗っている。

 

 箸で肉を割ると中から肉汁が溢れてきて皿の中に広がる。

 

 一口サイズにした肉を口に運ぶと、かかっていたソースと肉の味がお互いを高め合い調和している……まぁ何が言いたいかといえば……

 

「……うんま」

 

 二口、三口と箸が止まらない。

 

「ふふっ、そんなに焦って食べなくても誰も盗ったりしないわよ」

 

「いやマジで美味い……絶対いい奥さんになるぞ」

 

「あら、ありがとう……でも私を(めと)るのは貴方よ?忘れてないでしょうね?」

 

「あっ、いや、その……喜んで迎えさせていただきます」

 

「私が正妻です!」

 

「私が側室ね」

 

『私も側室です!」

 

「……幸せに出来るように努力します」

 

 あれ?なんでこんな話になってんだ?

 

 

 

「すごいねー」

 

「アレはもうすごいとしか言えんわな」

 

「れいかもせつなもいい表情してるよねぇ」

 

「はーいキャンディはミルクねー」

 

「ばぶクル!」

 

 

 

 

「はい」

「おう」

 

 せつなから渡される洗い終わった食器を拭いて重ねていく。

 

 夕食の片付けは俺達、中学組で行う。幼女組は物理的に流しに手が届かないので今はソファでテレビを観ている。

 

「ねぇ、今の私達の後ろ姿ってきっと夫婦みたいよね」

 

「……そうだな」

 

「まぁ私達の場合、本当ならもう一人、れいかが私と一緒に洗い物をしているんでしょうけどね」

 

 せつなの言葉にその風景が思い浮かぶ。

 

「……いいな」

 

「ええ、きっと幸せよ」

 

「……ああ」

 

 いつかその風景を現実にしたいと強く想う。

 

 

 

 

 

「いけー!どんぐり仮面!正義のどんぐりライトニングで敵を倒せー!」

 

『Zzz…』

 

「はち…ま………すぅ……」

 

「勝ったぁぁ!!」

 

「……やよいは元気ね」

 

 夕食の片付けが終わった後にテレビにパソコンを繋いでやよいが強制的に決定した『劇場版 どんぐり仮面と賢者の時間』とか言う微妙に卑猥なタイトルの映画をみんなで観ていたんだが……映画が終わる頃にはやよい以外の幼女組は全員寝落ちしていた。

 

 内容?……個人的にはサメが出てくる様なB級映画の方が面白かったんじゃないかとは思う……マジで……つか、やよい……どんぐり推しが過ぎないか?

 

 

 

 

「子供達……私も付き添ってた方がいいかしら?」

 

 寝落ちしてしまった幼女組を母ちゃん達のベッドに寝かせているとポツリとせつなが呟いた。

 

「そうか、幼女だしな誰かしら付き添ってた方がいい……のか?」

 

 判断がつかず、つい疑問形で返してしまう。

 

「大丈夫だよ!わたしもこのくらいの時から一人で寝てたもん!それに何かあったらわたしが面倒見てあげるんだ!」

 

 俺達の会話が聞こえていたのか唯一起きていたやよいが自信満々に答える。

 

「本当に大丈夫なの?」

 

「へいき!ほらほらわたしに任せて!」

 

 俺とせつな……と俺に抱きついて寝てしまったまま離れないれいかは追い出される様に室内から廊下へ追いやられてしまった。

 

「………取り上げず俺の部屋に行くか」

 

「ええ、そうね」

 

 

 

 

 

「前に来た時よりも整頓されているようね」

 

「彼女に言われれば流石の俺でも片付けるぞ?」

 

「それは良かったわ」

 

 せつなは軽く伸びをすると俺よりも先にベットの中へと潜り込む。

 

「ほら、早く寝ましょう?」

 

「お、おう……」

 

 え?緊張してんの俺だけ?

 

「もう、何を緊張しているのよ……あの旅行ではこんなのじゃ済まないことをしてたじゃない」

 

「いやいや……そうだが……」

 

「もう!私だって照れてるのよ!察しなさい///」

 

「お、おう!」

 

 俺の腕に抱きついていて、離れないれいかを先ずはベットに腕ごと乗せて無理な姿勢になってないか確認しながら俺もベットに潜り込む。

 

 布団に入ると待ち構えていたかの様に脚に別の脚が絡みついてくる。

 

「ふふっ、役得ね」

 

 れいかの小さな頭越しに挑発的な笑みを浮かべるせつな。ちょっと何かやり返したくなってきたぞ……

 

「こうやって川の字で寝るなんて親子みたい……ねぇ?」

 

「……おやすみっ」

 

「ちょっ!?……んむっ?!」

 

 強引に顔を寄せ唇を奪って直ぐに目を閉じる。

 

「……もうっ!……おやすみっ!」

 

 せつなも俺の意思表示が理解出来たのか渋々おやすみと口にすると目を閉じた。

 

 ただ脚をすりすりと擦り付けて来るのだけはやめてくれない様だ。

 

 




はい、という訳で寝るまではいったな!うん!

今回はどちらかと言うとせっちゃんに焦点が当たってたかな?という感じになりました。子供は夜はお眠ですからねぇ

親子で寝る時は川の字なんてよく聞きますけど八幡君達の将来を表すとしたら州の字じゃないでしょうか!?これ上手くね!?

はい、とまぁそういうわけで次回はバトルで終わる所まで行けるかなぁ?あともう一話かかるかなぁ?どうだろ?みたいな感じです。

はい!という訳で次回もお楽しみに!
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