今回は書いててかなり懐かし気持ちになりました!
(1)
〜〜♪〜♪
目覚ましのアラームの音で目が覚める。
「ふぁっ……はふ……」
今日の朝は普段の休日よりも大分早く目覚ましをセットしてある。というのも、一昨日の夜にせつなから、今日の九時から駅前の広場で待ち合わせをしてデートをするという連絡が来たからだ。
因みに俺の予定については全て小町経由で流されてるので向こうが全部確認済みで連絡してくる事になっている。………なっちまってるんだよなぁ……
まぁそんな訳で、リビングに降りると用意されていた小町からの激励?付きの朝食を終え、あいも変わらずな小町に全部お任せなデート用の私服に着替える。因みにこの服の費用は半分は母ちゃん持ちになっている。ありがてぇ……
「行ってきまーす」
「行ってらっしゃーい!って、あれ?眼鏡は?」
「ん?いるか?せつなに前のれいかの時みたいに自分を良く見せる必要は無ぇだろ?」
あの時はれいかが俺の目も好きだって言ってくれたんだよな……
「ん?ああ、違う違う。お兄ちゃんの目って大分澄んで来たけど眼鏡掛けた方がイケメンなのは変わんないんだよねぇ、だから美人なせつなさんの隣をイケメンver.なお兄ちゃんが歩いてればさ?ナンパとかもでせっかくのデートの邪魔もされないでしょ」
……確かに
「じゃあ……掛けるわ」
「おけおけ!」
小町はトタタタッと眼鏡を取りに行き、直ぐに戻ってきた。
「はい、お兄ちゃん」
「おう、サンキュ」
小町から眼鏡を受け取ると直ぐに掛ける。
「……どうだ?」
「うんうん!イケメンイケメン!ばっちしだよ!」
お世辞も少しは入っているだろうが小町はダサかったらハッキリ言うので今日の俺は悪くないらしい。
「そか、じゃあ改めて行ってくるわ」
「はーい!行ってらっしゃーい!」
八時四十五分
少し余裕を持って待ち合わせ場所に着くことが出来たようだ。周りには今の俺と同じ様に待ち合わせをしているのか時計を気にしながらそわそわしている男女が目立つ。
俺もその先人達の端の方へお邪魔してせつなを待つ事にする。
「チッ……イケメンが……」
少し離れた所にいた高校生らしき男性に軽く睨まれる。
怖っ……でも、去年までは俺もあちら側の人間だったんだよなぁ……
東に陽キャあれば遠目から呪い、西にバカップルあれば呪詛を吐く……そういう陰キャでした……黒歴史だわな。
そんな事を考えながら、ふぅーと空に向かって息を吐く。
「あら、黄昏ちゃって……私を待つのはそんなに退屈だったかしら?」
空を見上げていた視線を下げればそこには不敵に微笑むせつなの姿が……
「……そ、そんなことぬいぞ……ないぞ」
「ふふっ、ぬいぞって……ふふっ!ごめんなさい……」
なんかめっちゃ笑われてんですけど……せつなって偶に変にツボるよな……
「ふーっ、ふふふっ……、ふぅー……やっと落ち着いたわ。おはよう、八幡。挨拶もさせてくれないなんて酷いわ」
「ああ、おはようせつな。え待って?今の俺悪くないよね?」
「はいはい、悪くないわよ。そんな事よりも何か言いたい事があるんじゃない?」
せつなはそう言いながら、その場でクルッと一度回ると被っていた帽子のつばに手をやり微笑む。
「……めっちゃ綺麗だ。せつなによく似合ってる」
せつなが着ているのは薄紫色のワンピースに白のカーディガンと白の帽子だ。俺にファッションの事は良くわかならないがせつなに似合っているという事だけはわかる。
「ふふっ、ありがとう。貴方の事だから本当にそう思っているのでしょうね」
「ま、まぁな」
何故か褒めた方の俺が照れそうなんだが……
「そういえば今日は眼鏡をしているのね。前に見せてもらった時は制服だったけれど、その服と合わさると何時もより大人っぽく見えるわ」
「ああ、これも小町がな」
「そう、なら小町ちゃんに感謝しなきゃね」
「今度褒めてやってくれ。っとまだ時間前だけど揃ったし行くか?」
集合時間まではまだ十分程あるがせつなも来たので尋ねると……
「ちょっと待って、実は今日は……っと丁度来たみたいね」
「来た?」
他にも誰か来るのか?せつなの視線を追うように振り向くと……
「お待たせ致しました。二人をお待たせしてしまったようで申し訳ありません」
「れいか?」
「ええ、おはようございます。八幡君、せつな」
『二人共、おはようございます!」
「おはよう、れいか、きょうか。待ってたわ」
「……あ、ああ、おはよう」
どういうことだ?今日はせつなとのデートって聞いてた気がしたんだが……
「驚いてるわね」
「……聞いてないんだが?」
「サプライズってやつよ。それに、本当はれいか達も一緒で嬉しいでしょ?」
「む、むぅ……」
事実だから何も言い返せん。
「せつな、本当に良かったんですか?」
「当たり前じゃない。私、八幡の事が好きなのは確かだけどれいかときょうか、皆で居るのが一番好きなのよ?」
『せつな……!」
「せつなさんかっけぇ……惚れるわぁ」
「ええ、不覚にも私もキュンと来てしまいました……」
「…………ん?」
声……出てた?
「……ん?あぁ、声に出てましたよ?でもああ言われると本当に嬉しいですね」
「そ、そうだな///」
声に出てたかぁ……
「二人共、聞こえてるわよ。でも、もっと私の事を好きになって良いわよ。私もあなた達二人の事は大好きだから」
「せつな!私も大好きです!」
そのせつなの言葉に飛びつく様に抱き着くれいか。俺?俺は現在進行形で赤面中だよ!
「きゃっ!もう危ないじゃない」
「嬉しいんですもの!」
「もう、これじゃあいつまで経ってもデートが始まらないわよ?」
「あっ!そうでしたね」
「忘れないでよ。それが今日の目的なんだから……はい、じゃあれいか達は右腕ね」
「ええ、わかりました」
『はーい!」
返事と共に俺の右腕を抱え込むように抱き締めるれいか。
「それじゃあデートスタートね」
そして反対の左腕に腕を絡ませるせつな。
両方の腕に感じる柔らかな感触……!これがπr²!!
「おおぉ……じゃない、ん゛んっ!よし、行くか」
「お願いします」
「楽しませてね?」
『もう幸せです!」
駅前の広場から美少女二人と腕を組んで抜け出す。背中にはとんでもない量の視線を感じるが……無視だ無視。こんな美少女を二人も侍らせていて注目を集めない訳が無いのだ。
「……なぁ、歩き出したは良いんだが何処に向かえばいいんだ?」
行くか…キリッ、みたいな感じで歩き出したは良いものの俺、今日の目的地、一切聞かされてないんだよな……と言うよりも何も知らないまである。
「それは勿論内緒よ。でもそのうち何かに気付くかもね?」
『私はすっごく楽しみです!」
「あっ、今のきょうかの反応もヒントになりますよ?」
「知らないのは俺だけかよ……」
どうやられいかときょうかは聞かされているらしい。
二人に先導されて歩いていると嫌でも大量の視線が突き刺さる。この視線の量だけでも昔の俺だったら気分が悪くなっていたかもしれない。だが、人とは案外慣れるものらしい。なんかもう気にならなくなってきた気がする……まぁ気がするだけだけどな……
「それでこの前も……あっ!そろそろですね」
四人でとりとめのない話をしながら歩いているとれいかが声を上げた。
「そうね、もうすぐ見えてくるわ」
「そうなのか」
『八幡君も知ってるお店ですよ!」
「俺も知ってる店?」
どこだ?でもなんかこの道見覚えがある気がするんだよなぁ……
「さあ、着いたわ。」
そうして、せつなが手で指した場所に建って居たのはとある園芸店。そこは俺も一度訪れた事のあるお店。
「一つ目の目的地はここ。園芸店【連理】よ!」
そう、ここはれいかとの初デートで訪れた場所だったのだ。
はい!ッというわけで上木さん、再登場決定です!わぁぁあ!!覚えてるでしょうか!?そう、あのおばちゃんです!
今回のデート回の趣旨、それはつまりれかちゃんとの初デートの追体験です!せっちゃんもきょかちゃんも、れかちゃんの初デートの話を何度も聞いていてとても羨ましがっているのです!
そして、その事を今回の貸し借りの際に思い出したれかちゃんが提案して更にせっちゃんがどうせだったら3ピー……三人でデートしましょうよ!独りだと抜け駆けみたいで嫌だわ…的な感じのノリで決まったデートになります!(裏話)
それでは次回もお楽しみに!