上木さんも、れかちゃんが幸せならそれで良し!って考えを持ってます。ええ人や……
園芸店【連理】れいかの行きつけの園芸店だ。店主のおば……上木さんはかなりパワフルで……なんというか、
れいかとの初デートで来た際には存分に揶揄割れたのはまだ記憶に残っている。
そういえばせつながそのうち何かに気付くかもなんて言ってたが、もしかして……
「初デートの……」
俺が店の前で立ち止まり、考え込みながら呟いた言葉にせつなが目を見開き、苦笑を浮かべた。
「流石ね……それじゃあここでタネ明かし……って言うのは少し違うかもしれないけど今日の趣旨の発表よ。ズバリ貴方とれいかの初デート……その追体験よ!」
「お、おお……」
ビシッと宣言と共に指を突き出し……そのまま一瞬迷った後に俺の頬にぐりぐりとしだすせつな。
『私もれいかに話を聞く度にすっごく羨ましかったんですぅ!」
何を思ったのかきょうかも言葉と共にせつなの真似をして逆の頬をぐりぐりとしだす。
「と、まぁ、どうやら私が自慢……では無いのですが何度も話しすぎてしまったようでして……」
れいかが、俺の頬をぐりぐりしていた指を反対の手でやんわりと辞めさせながら口にする。
「ひょうだったのか?」
話辛いなぁおい……
「ええ、私も何度も聞かされたわ……でも、羨ましいのについ、最後まで聞いちゃうのよねぇ」
せつなもぐりぐりとしていた手を戻しながら頷く。
『分かります!つい、れいかの部分を自分に置き換えちゃったりなんて妄想も聞きながらしてましたもん」
「もうっ///なんだか私が恥ずかしくなって来ました!お店の前に何時までも居座るのは迷惑ですし入りますよ!」
二人から俺との初デートの話をしまくっていると暴露されたれいかは顔を赤くし、珍しく強引に俺の腕を引きながら店の扉を開けて中に入る。
「こんにちわー!」
「……はーい!今行くからちょっと待っててねー!」
れいかが声をかけると店の奥から返事が返ってくる。
「なんか半年と少ししか経って無いのに、なんか懐かしく感じちまうな」
上木さんの声を聞くとあの豪快な笑い声が頭の中に蘇ってくるようだ。
「はーい、待たせたねって……青木さんとこのお嬢ちゃんじゃないか!それに……アンタはあの時のあんちゃんだね?見違えたじゃないかい!」
上木さんはバシバシと背中を叩きながら豪快に笑いだす。
「いやぁアンタは良い男になるとは思ってたけど、なんだいなんだい?両手に花じゃないか!あっはっはっ!」
「いたいいたい……ちょっ、結構力強いな……」
「それで、もう片方のお嬢ちゃんはなんて言うんだい?」
話に聞くのと見るのでは違うのか、上木さん勢いに押されて固まって居たせつながハッと動き出す。
「あ、初めまして、東せつなって言います。彼、八幡の二人目の彼女です」
「うぇ?!」
そしてせつなの自己紹介にギョッとする俺を置いて話は進んで行く。
「あっはっはっ!自分で二人目なんて言うとは面白いお嬢ちゃんじゃないか!それにお嬢ちゃん……紛らわしいかられいかの嬢ちゃんだね。水臭いねぇ!あんちゃんと恋人になってたんなら来た時に言ってくれれば良かったじゃないのさ!」
「それは……上木さんが前に散々揶揄うんですもの」
話を振られたれいかは口を尖らせながらそっぽを向いてしまう。可愛いかよ……
「あっはっはっ!そうだったっけ?そうだったかもねぇ!」
上木さんも相変わらずだなぁ……
「でも、上木さんのお陰であの時八幡君との距離が近づいた気もするので許します」
「そりゃありがとうね!でもちょっと揶揄っただけで真っ赤になってたれいかの嬢ちゃんが今ではそんなにあんちゃんにくっついて……揶揄いがいが無くなっちまったねぇ」
やっぱ面白がって揶揄ってたのかよ……
「大丈夫よ、上木さん。その分私達が八幡を真っ赤にしてあげるから」
「なぇっ?!」
その言葉に驚き、左腕を抱いているせつなの方を向けば気付いたせつなからパチンッとウインクを返される。……いや、そういう事じゃないんだがっ!?
「あっはっはっはっはっ!!あんちゃん、この子らはかなりの
「いやぁ……俺もそう思います……」
「あっはっはっはっはっはっ!!」
爆笑じゃん……
「面白い人ね」
「ええ、私もここまでとは思いませんでしたけど……」
「あっはっはっはっはっはっはっ……ゲホッゲホッ」
これ以上は上木さんが笑い過ぎて大変な事になるという事で店から追い出された俺達……大変な事ってどういう事だよ……
お店の入口から上木さんが顔を出し手を振ってくれる。
「嬢ちゃん達!今度来た時はお祝いも兼ねてたっぷりサービスするから楽しみにしてな!」
「はい!また伺いますね!」
「せつなの嬢ちゃんも遊びに来ていいかんね!あんたも今日から特別なお客様さ!」
「ええ!ありがとう!」
「あんちゃんはウチに逃げてくんじゃないよ!来ても直ぐに二人にチクってやるからね!」
「この扱いの差よ……」
一応手を挙げて応える。
「また来なよ!あっはっはっはっはっゲホゲホッ」
「コレまた来て本当に大丈夫なのかよ……」
『あはははは……』
二人の乾いた笑いがその答えを物語っていた。
「あっ、次の目的地はゲームセンターよ」
園芸店【連理】を背にして歩き始めて少し経った頃、話の合間にふと、思い出したようにせつなが言った。
「ん?ラーメン屋じゃねぇのか?」
今日の目的はれいかとの初デートの追体験だと言っていたので、てっきりあの時のようにラーメン屋に行くもんだと思っていたんだが……
「ええ、ラーメン屋さんには行くわよ?でもまだ十時にもなって無いのにお昼じゃあ早過ぎるわ」
「そうか……確かに」
そういえば初デートの時は先にホームセンターとかで花を買ったり、学校に買った荷物を置きに行ったりしてたから時間が全然違うんだよな。
「ですので、この後はゲームセンターで多めに時間を使ってからお昼ご飯にラーメン屋さん、という予定でいます」
『ゲームセンター!私は初めてなのでとっても楽しみです!」
「私も初めてね。八幡、手取り足取り丁寧に教えてくれるのでしょう?」
「え?ぜ、善処するます」
「ふふっ、期待してるわ」
……せつながなんか何時もより強いぞ?
「むむっ、私達も負けてられませんね!」
『はいっ!ぎゅー!」
「んん゛っ」
やわやわがっ!よりダイレクトに!?
『あっ!ここですよね!」
「や、やっとついたか?」
双乳の猛攻に何とか耐えながらも辿り着いたゲームセンター。
「やっと……とはまるで何かに耐えてたみたいな言い草じゃない?」
耐えてたんだがっ?!こちとら八幡の八幡君が完全体にならないか気が気じゃなかったんだが!?
「ふふっ♪せつな、こういうのは気付かれてないか心配でドキドキしてる顔を見るのが
それ、俺の腕を抱きながら言うことじゃ無くない?バリバリ聞こえてるんですけど?
『れいか……良い性格してますよねぇ」
「こういう面ではこちらが驚かされるくらいよね……」
「聞こえませーん♪」
ちくしょう可愛いなぁ!おい!
ピキューントゥルラッタッターデケデケデーン!!
ゲームセンターの自動ドアを抜けた瞬間、音の壁を突き抜けたような感覚に陥る。
「相変わらず凄まじい音量だな……」
「本当ね、扉を一枚抜けただけなのにこんなにも違うものなのね」
『アレがUFOキャッチャー……テレビで見ましたよ。お金がどんどん吸い取られるんですよね……」
いや、事実だけど言い方……
「そう言えばUFOキャッチャーは前に来た時はしてませんでしたね」
「……そうだったな」
「あら、そうなの?それじゃあ八幡にUFOキャッチャーのやり方を教えてもらいましょう?」
「ええ、そうしましょう」
『はい!楽しみです!」
「……俺、そんなに得意じゃ無いんだが?」
「ふふっ、期待してるわ♪」
「お手並み拝見ですね♪」
『取ってもらった人形にはちまん君って名前を付けて……」
そんな俺の言葉など、どこ吹く風か、楽しそうに両腕を引かれUFOキャッチャーの管体が連なるエリアへと連行されて行くのだった。
という訳で上木さんとゲームセンター導入部でした!
次回はもうみんな予想は出来てるね!?そう!PU☆RI☆KU☆RA☆回、DAZA☆
選ぶ項目は言うまでもありませんね!!
それでは次回もお楽しみに!