俺の青春にスマイルなどあるのだろうか?   作:紫睡

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祝 お気に入り400件記念更新

やっぱオリジナルのとこ書いてる方が筆が進むんすよね。
原作に合わせようとしてるとこだとアニメ確認しながらの作業なのでどうしても遅くなりがちに……

いつ二人を付き合わせようかなー


(5)

『アカーンベェ!』

 

「あぐぅっ!!」

 

 怪物に殴られ、舞台の方へ吹っ飛ばされる。かなりの痛みだがまだ骨が折れるような怪我はしていない。これでも手加減されているのだろう……

 

「比企谷!?」 「こんなの酷い……」

 

「アカン、もう見てられん……」「もう、やめてよ……」

 

「いーっひっひっひ!ざまぁないだわさ!生意気な事を言うからこうなるんだよ。アタシの気が済むまで痛めつけてやるだわさ!」

 

「……………え?……なんで……比企谷くん?比企谷君!!」

 

 青木?!気が着いたのか?早く逃がさねぇと……

 

「青木!お前だけでも早く逃げろ!!」

 

「そんな?!比企谷君は!?」

 

「俺の事なんかどうでもいい!早く!」

 

「比企谷君……」

 

「けっ!つまらんだわさ。そんなに死にたいならこれでトドメだわさ!アカンベェ!」

 

 タンッ! 音と同時に影が差す。

 

「……青木、なんで?」

 

 まるで俺を庇うかの様に、俺と怪物の間に青木は立ち塞がっていた。

 

「前にも言ったじゃないですか……比企谷君、貴方の事は私が何があっても守ってみせます。ですから……私の為に無理をしないで下さいね……」

 

 ああ、覚えてるさ、忘れるはずないだろ……でも、本当に守ろうとしてくれるなんて……なんだよ、卑怯だろ……それに、お前の為だから無理できるんじゃねーか……

 

「アタシを無視するんじゃないよ!お前も生意気だわさ!なんなのさお前は!」

 

「私は、この七色ヶ丘中学校生徒会副会長、青木れいか。あなた方の校内での乱暴な振る舞い生徒会副会長として見過ごせません。いえ、私の大切な人を傷つけた事、(わたくし)……青木れいかが許しません!」

 

ドンッ!!

 

「なぁ?!」

 

 青木を中心に青い光の柱が立ち上がる。

 

「最後のプリキュアだクル!」

 

 走り寄ってきたキャンディが光の柱の中へ飛び込んでいく。

 

 

「しんしんと降り積もる、清き心!キュアビューティ!」

 

 光の中から姿を表した青木……いや、ビューティは名前の通り、恐ろしく美しかった……

 

「プリキュア五人揃ったクル!」

 

「え?はっ?!なんですか、これ!」

 

 青木自身、自分の身に起こった変化に驚いているようで身体中を見回している。

 

「まだプリキュアが居たとは……アカンベェ!」

 

『アカン』『ベェ』『アカンベェ!』

 

 ビューティは瞬く間に怪物と分身達に囲まれてしまった。

 

「ビューティ戦うクル!」  「戦う?!」

 

『アッカン!』『ベェ!』

 

 俺の時とは違い本気で殴り掛かってくる怪物達を青木は高く跳んで避ける。

 

「なるほど、変身すると超人的な力が出せるんですね」

 

「飲み込みはや?!」

 

「チッ、だが分身した本物のアカンベェはわからないだわさ。アカンベェ!」

 

 怪物と分身達が青木を追って飛び上がって行く。

 

「青木!分身は鏡映しだ!」

 

「鏡映し?……はっ!?本物はあなたですね!」

 

 青木も分身との見分け方がわかった様で本物を蹴り飛ばす。蹴られた本物は、床に思いきり叩きつけられ、分身は消え去る。

 

「我ながら凄いパワーですね」

 

「なんで本物がわかったの?」

 

 青木も床に降り立ち。ハッピー達に説明をしてやっている。

 

「鏡は姿を反対に映します。つまりこの中でリボンの位置が違う方が本物です」

 

「なるほど!」 

 

「今回は比企谷君の助言のおかげで気付くことが出来ました」

 

「ふんっ!少しは出来るみたいだね。だがまだまだだよ!」

 

「ビューティブリザードクル!」

 

「え?」

 

「スマイルパクトに力を込めるクル!」

 

 見てて思ったがあいつ……直ぐに技を撃たせようとするな。今回は良いが、また初っ端から一斉に技を撃って全員ダウンとか勘弁して欲しいぞ……

 

「コレですね。わかりました」

 

「んんんん、はっ!」 「今クル!」

 

「プリキュア・ビューティブリザード!!」

 

 青木の右手から青白く輝く、冷気の奔流が放たれる。それは怪物に直撃し、怪物を浄化、消し去っていく。

 

「プリキュア……面白いだわさ」

 

 ババアも怪物がやられたからか、捨て台詞を残して居なくなる。

 

「はぁ、はぁ、凄く疲れますね、はぁ」

 

「青木さーん!」「え?はっ?!」

 

 青木が怪物倒したからか、それとも新しい仲間が増えたからかは分からないが、皆青木に飛びついて喜んでいる。

 

 普段なら青木に負担になりそうなら止めるが今回は青木自身も笑顔で嬉しそうだから許してやろう。まぁ、だが……

 

「おい、お前ら。そろそろ子供達が気が付く頃だろ。変身解いとけよ」

 

『あ……』

 

 皆、一斉に変身を解く。

 

「比企谷君、怪我などは大丈夫ですか?」

 

「まぁ、打ち身みたいなもんだ。湿布でも貼っとけば治るだろ……」

 

「ですが……」

 

「青木、俺なんかの事よりも読み聞かせの続きやろうぜ……アイツのせいで、めちゃくちゃになっちまったがまだ出来るだろ」

 

「それは……そうですね。ですが、後でちゃんと見させてもらいますからね」

 

「ああ、わかったよ。おい、そこの四人組お前らも手伝ってくれ、先ずは子供達を元の場所に戻すぞ」

 

『あ、うん』

 

 そこからは子供達を元の場所に戻し、倉田と寺田を起こして少しだけシーンを巻き戻して、読み聞かせを再スタートした。

 

 

 

「ああ白雪姫、貴女はなんて美しいのだろうか」

 

「王子様は白雪姫にはそっと触れるようなキスを落としました……」

 

 

 

「二人はすぐに結婚式を挙げ、いつまでも、いつまでも、仲良く幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし」

 

「皆さん、お聞きくださりありがとうございました。これにて生徒会主催、読み聞かせ会を終わりに致します」

 

 青木の挨拶が終わると子供達から拍手が巻き起こる。子供達からの拍手に青木も嬉しそうに微笑んでいる。

 

 

 

『中学生のお兄さん、お姉さん今日はありがとうございました!』

 

「はい、皆さんも帰り道では安全に気を付けて下さいね」

 

 子供達は隣の小学校に戻ってから解散らしい。倉田と寺田もこの後予定があるらしく、先に帰した。

 

 引率の先生に連れられ子供達が帰っていく中、小町だけ引き返してくる。

 

「お義姉(ねえ)ちゃーん!」

 

 青木に走りよって抱きつく。

 

「まぁ、小町さんどうしたんですか?」

 

「今日はすっごく楽しかったです!また家に来てくださいね!その時はいっぱいおもてなしするので!では!」

 

 小町め、言うだけ言って直ぐに列の中に戻って行きやがった……

 

 

「大成功だねー!」 「みんな喜んでくれたみたい」

 

 星空や緑川が言うようにトラブルもあったが今日は大成功と言えるだろう。

 

「皆さん、今日は本当にありがとうございました!」

 

「私、一度お断りしてしまったんですけど、よかったら皆さんのお仲間に、入れてもらえないでしょうか?」

 

 青木って一度は星空達の誘いを断ってたのか……まぁ怪しいよな。

 

『やったぁ!』

 

 おーおー、飛び上がってる、飛び上がってる。相当嬉しいらしいな……

 

「勿論だよ!青木さんしかいないもん!」

 

「私で……いいんですか?」 「青木さんがいいの!」

 

「だってあたし、青木さんの事……れいかちゃんの事、大好きなんだもん!」 「ウチもや」 「あたしも」 「アタシもだよ!」

 

 おん、緑川は知ってた……つか、コイツら俺の存在忘れてねーか?

 

「……みゆきさん、皆さん、よろしくお願いします!」

 

 なんかいい雰囲気だし先に帰るかね……

 

 校門の方に一歩踏み出した瞬間……ガシッ!

 

「比企谷〜、れいかとの事とか話すって、言ってたよね?」

 

「ア、ハイ……」

 

「そうでしたね。詳しい事は読み聞かせ会が終わってから話す予定でしたね。では生徒会室に戻って話しましょうか」

 

 

 

 生徒会室に到着し机と椅子を動かす。生徒会室奥の窓側に俺と青木が座り、反対の入口側に他のメンバーが座る。……おいこれ、完全に逃げ道塞ぎにかかってるだろ……

 

「それじゃー聞かせてもらおうかな。比企谷、れいかとはどんな関係なのかな?」

 

 緑川は某ゲン○ウポーズで質問してくる。……こいつ素でやってんのか……

 

「あー、友達だ……そうだよな」「ええ、でもその中でも親しく思っていてくれているんですよね?」

 

「……ふーん」

 

 緑川がすげー目でこっち見てやがる。青木の援護射撃が全部俺に当たってんだよな……

 

「で?二人で出掛けたきっかけは?」

 

「あ、それは私から誘ったんです」

 

「え、れいかから?」

 

「おい、こっちを疑いの目で見るんじゃねー。俺に青木を誘う度胸がある訳ねーだろ」

 

「堂々と言うことでもないと思うんやけど……」

 

「それは……確かに」 「納得しちゃうんやな……」

 

「夏に咲くお花を比企谷君と一緒に選ぼうと思ったんです。最近は何時も手伝って頂いているので」

 

「ああ!そういえば、この前もれいかちゃんと一緒に花壇のお世話してたよね!」

 

 お、星空ナイスフォローだ。頭キュアハッピーなのにやるじゃねーか。

 

「じゃあ最後、その日のアタシ達と会った時に手繋いでたよね……なんで?」

 

 その質問は来るよなー……でも俺も答えられないんだよな……

 

「そうですね……手を握ったのはこの髪留めを貰った後で、少し興奮していたのもあるんですが、なんと言えばいいのでしょう?小町さん、比企谷君の妹さんにも言ったのですが、比企谷君に触れていると安心すると言うか、落ち着くんです……」

 

「ちょ?!青木///」

 

 話しながら青木は俺の手に指を絡ませてくる?!……これって恋人繋ぎ///

 

「こうして比企谷君の手に触れていると、こう、胸の奥が暖かくなる様で、離すのがとても惜しく感じるんです……」

 

 言いながら青木は握った俺の手を頬に当て擦りつけてくる///

 

「れ、れいか///」 「わー///れいかちゃん大胆///」

 

「う、ウチら今とんでもないもの見せられとるんちゃう?……」

 

「比企谷君とれいかちゃんはすっごい仲良しだね!」

 

「はぁ〜、もうこの件はいいや、追求するだけこっちのダメージの方が大きくなる気がするよ……」

 

 俺のダメージもだいぶでかいからな……

 

「じゃあ次に、さっきはなんで動けたのかって答えられる?」

 

「あ、そういえば比企谷君はバッドエンドになってなかったよね」

 

「そうなんだよね、あのマジョリーナがバッドエンド空間を作った時、アタシが動くよりも先にれいかを心配して抱きとめてたんだよ……」

 

「そうなんですか?比企谷君、ありがとうございます……」

 

 緑川ァァァ!今それをいうんじゃねぇ!さっきよりも強く手が握られてるし、それに気の所為じゃなければ椅子どうしの距離も近づいている気がする……

 

「……おい」 「うん、なんかごめん……」

 

「まぁいい、仮説だがいいよな?」

 

「うん、お願い……」

 

「俺は、青木と会う前は普段から結構卑屈な事ばっか考えて生きてたんだよ……そのせいなのか分からないが、あのバッドエンド空間だったか?別にあの中にいても普段より少しネガティブになるだけで普段とさして変わらないから普通に動けるんだと思うんだわ」

 

「……ごめん、意外と重い話だったね。ちょっと軽率だった」

 

 気まずい空気になっちまったな、俺はもう平気なんだがな……

 

「いや、気にすんなよ。もう特になんとも思ってねーし」

 

「ありがと、比企谷ってやっぱ良い奴だね……」

 

「……でもさ、何時まで手を握ってるつもり?」

 

 いや、俺が聞きたいんだけど……

 

「だそうだぞ青木?」

 

「だめ、ですか?」

 

 その不安そうな顔は反則なんだよな……

 

「大丈夫!れいかは気にしないで良いよ!ずっと握ってていいから!」

 

 緑川……青木に弱過ぎだろ……

 

「もう聞くことないし解散しようかー」

 

 もうすげー投げやりじゃんよ……

 

「あ!そうです、最後に一つだけいいですか?」

 

「ん?大丈夫だけどどうしたの?」

 

「さっきみゆきさんと名前で呼びあった時に思ったんです。比企谷君……私も貴方の事を八幡君って呼んでもいいですか?」

 

「……ま、まぁ好きにしてくれ。青木の呼びたいように呼んでもらって構わん……」

 

「ありがとうございます。でしたら八幡君も私の事……れいかって呼んでください」

 

「……いや、さすがにそれは「八幡君……」れ、れいか……」

 

 頬を手で抑えられ、じっと目を合わせられながら言われたらもう従うしかなくない……?

 

「はい!よく出来ました。これからもそう呼んで下さいね……八幡君」

 

「はい……」

 

「ありゃ、将来れいかの尻に敷かれるで」 「うん、アタシもそう思うよ……」 「れいかちゃんって意外と大胆なんだね///」 

 

 アイツら……当事者じゃねーからって勝手な事言いやがって……

 

「じゃあ、あたしも八幡くんってよんでいい?」

 

「は?嫌だけど……」 「え?」

 

 星空は急に何言い出してんだ?

 

「俺が名前呼びを許したのは青木だけだ」

 

「八幡くん……?」 ひぇっ……

 

「んっ……れいかだけだ」

 

 なんか微妙な雰囲気になっちまったか?

 

「じゃ、じゃー今日はこれで解散にしよか!」

 

 日野が空気を読んで解散の号令を出してくれる。

 

「じゃあ俺は先に上がるぞ」

 

「あぁ、八幡君……」

 

 立ち上がったら未だに手を繋いでいた青……れいかも一緒に立たせてしまったようだ。

 

「れいかは比企谷の事頼むよ。こっちはアタシ達で何とかするから」

 

 今度は緑川がフォローしてくれるようだ。今度なにかあったらこの借りは返そう……

 

「ではお願いします。お先に失礼しますね」

 

 青木と生徒会室から出る。

 

「八幡君、この後はお家に伺っても大丈夫ですか?この前言ったお茶を持ってきたのですが……」

 

「おお、助かるわ。小町もれいかと、もっと話したそうにしてたしな」

 

「私も小町さんとはまた、もっとお話したいと思っていたので楽しみですね」

 

 少し歩いてたら、ちっと頭が冷えてきた……

 

「あー、なんだ……さっきは悪かったな。なんか変な空気になっちまって……」

 

「あ……いえ、大丈夫ですよ。八幡君がそう仰っていたと、私の方から皆さんには伝えておきますので……」

 

「それに……八幡君が名前を呼んで良いのは私だけって言ってくれた時……お恥ずかしながら、凄く嬉しく感じてしまっている私が居たのも……事実なので……」

 

 れいかもそんな風に思ってくれてたのか……

 

「……そのだな……これからも、よろしく頼むわ」

 

「……はい!」

 

 れいかと帰路を共にしながら、左手から伝わってくる温もりを感じ、改めて決意を固める。

 

 例え今日の様に護られる身であっても、れいかに危険が迫った時にはこの身を挺してでも必ず護ると……

 

 

 




頭キュアハッピーはなかなかのものじゃないかと自画自賛

ついに名前呼びになりましたね。

この辺りはニヤニヤ妄想を捗らせながら書いてました。
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