俺の青春にスマイルなどあるのだろうか?   作:紫睡

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正月休み……私には無いものっすねぇ

九連休とか夢のまた夢ッスよ……


(6)

カランコロンッ 「……いらっしゃい」

 

 店主の女性は今日は作業はしておらずカウンターに頬杖をついて店内をボーッと眺めていたが、来店のベルの音にこちらを向き、一瞬目を見開いたが、直ぐに元に戻り軽くこちらに声を掛けてまた店内を眺めだす。

 

「ではここでは各自で自由行動です。あっ、最初に言っておきますが私にプレゼントは要りませんよ?不公平ですからね」

 

 れいかはその言葉と共にウインクをし、店の奥へと進んで行った。そしてその後を追う様に歩き出したせつなだったが、あっ……と呟くと振り返り……

 

「八幡、れいかはああ言ったけど私達に無理にプレゼントを選ばなくてもいいからね?」

 

 せつなもそう言い残すと、店の奥へと進んで行った。

 

 せつなは無理しなくても良いと言ったが俺が贈りたいのだからプレゼントは送らせてもらおう。

 

 そうしていざ、なにか無いか探そうと後ろを振り返ると目の前には店主の女性が……

 

「ひっ?!」

 

「……なんだい、随分な反応だね?」

 

 急に真後ろに立たれてたら誰でも驚くわ……

 

「えっと、なんです?」

 

「……アンタ、前にも来たことをあるね?二人とはどんな関係なんだい?」

 

 っ?!この人あと時会っただけだったのに覚えてるのか?

 

「彼女っす」

 

「どっちが?」

 

「……………両方っす」

 

「……幸せに出来んのかい?」

 

 冷ややかな目で再度尋ねて来る店主についムキになってしまう。

 

「……絶対します!」

 

「…………はっ、いい度胸じゃないか。着いてきな」

 

 ニヤリと笑った店主に連れていかれたのはカウンターだった。

 

「……何を探してるんだい?」

 

「髪留めとネックレスです」

 

 漠然と二人に買おうと思っていたアクセサリーの種類を答える。

 

「……ふーん」

 

 店主はそれを聞くとカウンターの下から二種類の大きめの入れ物を取り出すと開けて中身をコチラに向けた。

 

「どうだい?良さそうなものはあるかい?」

 

 片方の箱の中には髪飾りが、もう片方にはネックレスが数種類、綺麗に収められていた。

 

「見せてもらいます」

 

 一声告げてまずは髪留めを物色する。

 

 翼をモチーフにしたような綺麗な髪留めから、眼球があしらわれた異色の髪留め、そして明らかに宝石が使われている様な物まで様々な種類がある……ってコレ……

 

「……すいません。予算的に五千円位なんですが……」

 

 流石にこんな高そうな宝石のは買えねぇぞ?

 

 店主の女性の目を見るとスイーっと逸らされた……っておい!

 

「…………試したんだよ」

 

 何を?!

 

「はぁ……冗談だ。って言うかガキって事を忘れてたよ」

 

 え?その言い方って事はこの髪飾りとかガチで高ぇ奴だったのかよ……

 

「アンタに買えるのは安くしてこの辺だね」

 

 店主は二つの箱の中から数点のアクセサリーを取り出すと俺の前に並べた。

 

「今回もアンタの漢気に免じてサービスだ。髪留めとネックレス、一つずつで五千円にしてやんよ」

 

 毎回安くしてくれんなこの店主……神かよ……

 

「……ありがとうございます」

 

「女の子は幸せになるべきなんだよ。……あの子ら泣かせたらアタシがアンタを泣かすから」

 

 いきなり怖ぇのよ……

 

「……うす」

 

「……じゃあ選びな」

 

「うっす!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日はありがとう。最高のデートだったわ」

 

『私もとっても楽しかったです!」

 

「ええ、私も最初は少しだけ遠慮していたはずなんですがいつの間にか沢山楽しんでしまいました」

 

 帰りの別れ道、なかなかこの時間が終わらせたくなくてつい、話し込んでしまった。

 

「俺こそ楽しかった。……こんな事言うのもアレだが……また会えるのに、なんか寂しいな」

 

「……ええ」

 

「…そうね」

 

『んー?でも、そしたら次もまたいっぱい楽しめばいいんですよ!」

 

「ふふっ、そうですね」

 

 きょうかの元気な言葉で場の雰囲気が少し和らぐ……と、渡すなら今だよな。

 

「せつなときょうか……二人に渡したい物があるんだ」

 

 【比翼の鳥】の店主にラッピングをしてもらったプレゼントを取り出す。

 

「これは……ふふっ、いいって言ったのにね」

 

『れいかじゃなくて私にですか!」

 

 

「ああ、二人にだ。嫌だって言っても受け取ってもらうぞ?」

 

 冗談めかして言いながら二人にラッピングされたプレゼントを渡す。

 

「ありがとう。ふふっ、嬉しい……ほんとに、凄く嬉しいわ」

 

『ふわぁぁ……!八幡君からのプレゼント!とっても嬉しいです!」

 

 二人の喜び様にこちらまで嬉しくなってくる。

 

「八幡君、ありがとうございます。きょうかの喜びようったら……ふふっ、ここ最近で一番喜んでいますよ」

 

「ああ、でもれいかは本当に良かったのか?」

 

「ええ、私には()()がありますから」

 

 れいかはそう言い、今もつけている片方の髪留めに手をやった。

 

 それは前回のデートの際に俺が送った雪の結晶があしらわれた髪留めだった。れいかは髪留めを贈ってからずっと付け続けてくれている。

 

 こうして目に見える形で大事にされているのが分かると、なんというかすげぇ嬉しい。

 

『八幡君八幡君!開けても良いですか!」

 

 ラッピングされたプレゼントを色々な角度から見ていたきょうかだったが、遂に我慢できなくなったのか、キラキラと目を輝かせて開封していいか聞いてきた。

 

「ああ、もちろん」

 

 本当は俺の許可なんて要らないのに聞いてくる、きょうかの愛らしさに笑顔で許可をだす。

 

「やった♪」

 

「それじゃあ私も開けさせてもらうわね」

 

 せつなもきょうかに便乗してプレゼントを開ける。

 

 

 

 

「これは……ネックレスかしら」

 

 せつなはネックレスを箱から摘み上げて見惚れている。

 

 せつなに贈ったのは、ハート型の紅い宝石を銀のハート型の二つの枠が囲んでいるネックレスだ。せつなの愛情深さとキュアパッションのイメージカラーである紅。そこからピッタリだと思って選んだ。

 

『ジャーン!私は髪留めです!れいかのと一緒に付けられます!」

 

 そう言って笑顔で見せてくれたのはきょうかだ。れいかが何時も付けている髪留めは二つあって、片方は俺が贈った物でもう片方が普通の髪留めだった。それが今は両方俺が贈った髪留めになっている。

 

 きょうかに贈ったのは花の髪留めだ。ただ、普通の花ではなく花弁の部分がガラスのように透き通っていて、磨きあげられた中部は鏡の様に周りの景色を反射する。鏡の花、まさに鏡華にピッタリだと思い直ぐに決まった髪留めだ。

 

「キラキラしててとっても綺麗です!」

 

「よかったですねきょうか」

 

「似合ってるわよ」

 

「ああ、綺麗だ」

 

「うふふ♪ありがとうございます!」

 

 きょうかのとびきりの笑顔は『嬉しい』という気持ちがこちらにも伝わってくるようだ。

 

「八幡、私もつけてみたのだけど、どうかしら?」

 

 せつなも贈ったネックレスを首にかけてお披露目してくれる。

 

「おお……俺の語彙力が無くて申し訳無いんだが、すげぇ綺麗だ」

 

「その言葉で十分よ///」

 

 照れているのか頬を少し染めながら言葉を返すせつな。

 

『せつなもとっても綺麗ですよ」

 

「ええ、良くお似合いです」

 

「二人ともありがとう」

 

 

「よし、日も落ちて来たしこれで解散するか」

 

 辺りの日も落ちてき今解散しないと真っ暗な中二人が帰ることになってしまう。

 

「何よ急に?照れちゃったの?」

 

「違う……ことも無いがあまり暗くなるとお前らが心配だしな」

 

「っ///いきなりね……まぁその通りだし名残惜しいけど解散ね」

 

「そうですね。ですが先程きょうかが言ったようにまたみんなで遊びましょうね」

 

「ええ」 「ああ」

 

「では、お先に失礼します」

 

『また遊びましょうねー!」

 

 れいかときょうかが手を振って歩き出す、が数歩進むと振り返った。

 

「……あ、忘れていました。八幡君『愛してます!』

 

 満面の笑顔で告げ、ウインクを残し、嬉しそうにスキップをしながら帰路に着いた。

 

「い、いきなりだな///」

 

 突然の愛の告白に手を当てた胸からバクバクと鼓動が伝わってくる。

 

「ふふっ、じゃあ私も帰るわね。八幡、愛してるわ」

 

 せつなはこちらに投げキッスをして帰って行った。

 

 

 

 

「くはぁ///ヤバい恥ずか死ぬ……」

 

 突然の二連続での愛の告白に俺はただ悶えるのだった。

 




という訳でデート回終了です!

書ききってから思いました。れかちゃんの頭、うるさくし過ぎたか?ヘアピン1個と少しゴテッとしたヘアピン1個から少しゴテッとしたヘアピン2個なんですけど……うーん、絵がある訳でもないしまぁいっか!

次回もお楽しみに!
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