「喜んで貰えて良かった!」
あかねの嬉しそうな表情に少しこそばゆい気持ちになる。
「こんなんめっちゃ嬉しいに決まってるやん!」
「みゆきちゃんがね、あかねちゃんの試合になにか御守りを作ろうって」
「みゆきが……」
あかねはやよいの言葉に嬉しそうにみゆきを見つめる。
「えへへ、でもわたしは言い出しっぺなだけでね。デザインはやよいちゃんがしてくれたんだよ」
「……あんまり上手くないけど///」
「それでれいかちゃんが綺麗な生地を買ってきてくれてね」
「ふふっ」
「なおちゃんがお裁縫を教えてくれて」
「にっ!」
「八幡くんも縫ってくれたんだよ!」
「……まっ、ちょっとだけな」
「それときょうかかちゃんも!」
『腕はれいかには劣りますけどね!」
みゆきも我が事の様に嬉しそうにみんなが御守り作りにどう関わったのか身振り手振りで紹介し始める。
「……みんな……っあ!見つかった……」
みゆきの止まらない話を遮るかのようにあかねが声を上げた。
「見つかったで!ウチの宝物!」
あかねはそう言って胸に抱いていた御守りを掲げる。
「この御守り、ウチの宝物にする!」
あかねは嬉しそうに宣言する。
自分が制作に関わった物が友達の宝物になるというのは案外嬉しいものだ。
「本当に?嬉しい!明日は頑張ってね!」
「勿論や!この御守りに誓うで!」
「あれ?」
「……?八幡君、どうかしましたか?」
先程解散してれいかの家まで送る為に二人で歩いていてふと、疑問が浮かんだのだ。
「明日って金曜だよな?」
「ええ、そうですが?」
「それってさ、あかねの応援に行けなくね?学校あるし……」
そう言葉にすると、先程まで優しかったれいかの目がジトーっとした視線に変わった。
あれ?俺またなんかやっちゃいました?
「……八幡君。またホームルームの時間に先生の話を聞かないでボーッとしてましたね?」
「う゛っ……」
『この反応は図星ですね」
「はぁ……やっぱり、佐々木先生が偶に八幡君が上の空で話を聞いてない時があるとおっしゃってましたよ?」
れいかにチクられていた件について……
「今度先生から報告があったられいかポイントが溜まりますよ」
『一緒にきょうかポイントも溜まりますよー!」
「……それは溜まると何が貰えるので?」
「私が八幡君を好きに出来ます」
『因みに両ポイント別々ですよ?」
「……拒否権は?」
『ありません♡』
ヤラれる?!話を変えよう
「んん゛……話を戻そう」
「私は続けてもいいと思いますけど?」
「………この話を聞いていなかったと反省の気持ちを持っている私になぜ明日は応援に行けるのか教えて下さい」
「今回は許します。それで理由なのですが、ウチのバレー部は今回かなり勝ち上がっている様でして
「急遽?」
「ええ、校長先生の発案だそうです」
「へえ」
結構生徒の事考えてるんだな。
「本当は
あ、違ったわ。これ校長の思いつきなだけだわ……
「……とっ、もう着いてしまいましたね」
れいかと話しているとあっという間に時間が過ぎていく、もうれいかの家に到着してしまった。
「名残惜しいですがここまで送っていただきありがとうございました」
「おう、また明日」
『ええ、また明日!』
朝の教室はバレー部の話一色だった。クラスの中では俺達以外にも半数ほどが応援団に参加したらしい。
「あかね達今頃出発してるのかな?」
俺達とあかねは出発時間が異なる。バレー部員達は試合の準備の為に一足早くバスで出勤し、俺達は二時限目の授業を終えてから集まって試合会場へと向かう事になっている。
「多分な、向こうに行っても開会式とかアップとか色々あるんだろうし」
「あ〜今からもう待ちきれないよ!」
「わたしも今すぐ行きたいよぉ〜」
「……みゆきちゃんは授業が嫌なだけなんじゃ……」
「そ、そんな事、な、にっぬいよ!」
「……動揺し過ぎだろ」
無事授業を終え、試合会場へ向かうバスの中。
「そろそろ着くと思うのですが、私が試合に出る訳でも無いのになんだか緊張してきた気がします」
隣に座ったれいかが俺の手を握りながら話しかけてくる。
「……ああ、俺もだ」
普段なら急に手を握られたら、少し照れ臭くなるのだが今はれいかと同じ気持ちで緊張している所為か安心する。
バスが赤信号で止まり遠目に目的地が見えてきた時それは起こった。
『っ!?』
一瞬違和感を覚えたと思った瞬間、辺りを重苦しい雰囲気が包み込む。
「バッドエンド空間クル!!」
「こんな時に!?」
「キャンディ!何処が発生元だ!」
不幸中の幸いか、バッドエンド空間の所為で周りの皆が項垂れているため、キャンディと普通に会話が出来る。
「んんと、あっちの方クル!」
キャンディの示した先は俺達の目的地、試合会場がある方向だった。
「……まさか、あかねさんを狙って?」
「そんな!早く行かなきゃ!」
あかね一人で戦うのは危険だ。直ぐに合流しなくちゃな。
「荷物は置いて走って行くぞ!」
『うん!』
プリキュアへの変身は道中で済ませ、遂に目的地に辿り着いた時俺達の目に飛び込んで来たのは空中でハイパーアカンベェの攻撃に晒されそうになっているサニーの姿だった。
「みんな!」
『うん!』
ハッピー達が一斉に飛び上がり、サニーと攻撃に割り込む様に各自の技をぶつけ、サニーを助け出す。
「サニー大丈夫!?」
「みんな……うん」
サニーは最初は驚いていたが、直ぐに安心した顔になり頷く。
「私達の大切な友達を……」
『これ以上傷付けさせない!』
『上等じゃねーか!!テメェら全員ぶっ壊してやる!!』
その宣言に触発されたのか額にウルフルンのマークが入ったハイパーアカンベェは無防備にこちらへ突っ込んで来た。
「みんな、力を貸してや!」
『うん!』
サニーの呼び掛けに応じ、プリキュア達がステッキを構える。
『ペガサスよ!わたし達に力を!』
その言葉と共にステッキから黄金の光が放たれ、プリキュア達を包み込む。
そして黄金の光が弾けると装いを変えたプリキュア達が現れた。
『プリキュア!プリンセスフォーム!!』
そしてプリンセスフォームに変身したプリキュア達の前にロイヤルクロックが現れる。
「開け!ロイヤルクロック!」
ハッピーがロイヤルクロックに何かするとロイヤルクロックから吹き上がった黄金の光が弾け、不死鳥の様な姿をかたちどる。
「届け!希望の光!」
『羽ばたけ!光り輝く未来へ!』
『プリキュア・ロイヤルレインボーバースト!!』
五人の持つ蝋燭に見立てたステッキから溢れ出た光が合わさり、不死鳥の姿を模すとその口元から、輝く虹色の光の奔流を解き放つ。
『ぐぁぁぁぁぁ!?』
ハイパーアカンベェはその光の奔流に呑み込まれ浄化される。
「輝け!」
『ハッピースマイル!』
浄化されたハイパーアカンベェからウルフルンが弾き出される。
何時もと違いボロボロのウルフルンはこちらを悔しげに睨みつけると何も言わずに消え去った。
「みんな……ごめんな。せっかく作ってくれたのに……」
あかねの手の中の御守りは何かに潰されたようにひしゃげ、中の綿も
「あかねちゃんが無事ならそれでいいんだよ!それに御守りならまた幾らでも直せるんだから」
「うん!これくらいなら綿を戻して縫い直せば元通りに出来るよ!」
なおが御守りを手に取りあちこち確認して答える。
「ほんまか!」
あかねは嬉しそうに拳を握る。
「あ、せや、遂に見つかったで」
「うん?何が?」
「ウチの本当に大切な宝物や!」
「あん?宝物は御守りってこないだ言ってなかったか?」
「もちろん御守りは宝物やで!でもな本当に大切な
あかねの俺達を見る視線に何となく本当に大切な
「えー!なになに?」
「それってなんなの?」
「内緒〜!」
気になって尋ねるみゆき達に背を向け、試合会場の体育館へと走り出すあかね。
「よーし!張り切って行くでー!」
「あー!誤魔化さないで教えてよぉ!」
あかねを追いかけるみゆきの姿を見送り、れいかの方を見ると丁度視線が合った。
おそらく俺達は同じ結論に達したのだろう。
「ははっ」
「ふふっ♪」
二人で微笑み合いまだ追いかけ合っているみゆき達を見送るのだった。
はい!という訳であかねちゃん回でしたね!ほぼ出てませんけど!
あかねちゃんが本当の宝物とは周りにいるみんなだと気付く、原作でも普通に好きなお話です!ただしブライアンのくだりは要らねぇ……
最近きょうかちゃんの出し方が雑になって来ている気がするので上手く違和感なく出せるように頑張りたいです!
という訳で次回はやよいちゃん回ですね。
次回もお楽しみに!