俺の青春にスマイルなどあるのだろうか?   作:紫睡

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自前のパソコンのスペックが低すぎてモンハンワイルズのベンチマークすら起動出来なかった作者です。

これでモンハンワイルズを見送ることが決定してしまいました。ワイルズの次のモンハンが出て来る頃までにはパソコンをスペックの良い新しいのに変えたいなぁ……


(2)

「やよいちゃーん!」

 

 通学路のイチョウ並木に差し掛かる頃、前方からみゆきの声が聞こえてきた。どうやら、やよいに追いついたらしい。

 

 直ぐに俺達にもこちらを振り返るやよいの姿が見えてきた。

 

「みんな、どうしたの?」

 

 追いかけて来た俺達に、やよいは不思議そうに首を傾げる。

 

「漫画描くの、わたし達も手伝うよ!」

 

「ええ?!」

 

 驚くやよいにみゆきに続いてみんな声をかける

 

「困った時はお互い様やろ?」

 

「プロの漫画家さんにだってアシスタントがいるもんね」

 

「なにか力になれる事があったらなんでも言って下さい」

 

『私も頑張りますよ!」

 

「……みんな」

 

「……その、最近学校でがボーッとしてることが増えてただろ?だから、まぁ、なんだ?みんな心配なんだわ」

 

 自分でもキャラじゃないとは思いながらもみんなの気持ち、自分の気持ちを伝える。

 

「……みんなありがとう。でもね、わたし一人でやってみようと思うの」

 

 だが、やよいは俺達が心配する程、弱くは無かったようだ。

 

「えっ……どうして?」

 

「みんなの言うとおり今はすっごく大変だよ。でもね……ミラクルピースなら、わたしの漫画のスーパーヒロインなら、きっとそう言うと思うの。だから大丈夫」

 

「やよいさんの漫画のあのキャラクターですか?」

 

「……うん。わたしね、小さい頃からずっと泣き虫だったから、強くて格好いいスーパーヒロインに憧れて絵を描いてたの」

 

「じゃあ、それがミラクルピース?」

 

「そう」

 

「ミラクルピースはやよいのなりたい自分……理想の自分なんだな」

 

「……うん。漫画は凄い大変だし、みんなの気持ちはすっごく嬉しい。でもね、だからこそミラクルピースはわたしが完成させたいの」

 

 だからこそ……か。

 

「……やよいちゃん」

 

「わかりました。時には見守る事も友情ですね。ただ、流石に今は無理をしているのが傍からもわかってしまうほどです」

 

『頑張り過ぎは程々に!ですよ?」

 

「ああ、無理をし過ぎればかえって効率は悪くなるからな」

 

 ただ、これくらいの言葉は許して欲しい。

 

「みんな、ありがとう!わたし頑張るね!あっ、程々に!」

 

 やよいは笑顔で手を振って気合いを入れ直す様に駆けて行った。……………あっ、コケた。

 

 

 

 

 

 

 そして数日が過ぎた。やよいは相変わらず学校でボーッとする事があったがそれも以前に比べれば少なくなり、最後の俺達の言葉を少しは聞いてくれた様だ。

 

「はちまーん?あとなんかある?」

 

「あ?」

 

 あかねの声に現実に引き戻される。俺達は今、みんなでやよいへの差し入れを買いにスーパーに来ているのだ。

 

「あ?……ってなんやねん。話聞いてなかったやろ?」

 

「あー、すまん」

 

「まぁいいわ。そんで、やよいへの差し入れでまだ必要そうなもんがあるかって聞いてんねん」

 

 言われて、あかねが差し出してきているカゴの中を確認する。

 

「んー、冷えピタとか?」

 

「え?やよい熱でも出たん?」

 

「知恵熱……とでも言うのでしょうか?漫画を描くのにも沢山頭を使うのでしょうし確かに必要かもしれませんね」

 

 あかねの疑問に答えてくれたのは、いつの間にか俺の後ろに忍び寄って来ていたれいかだ。つかぶっちゃけ、いきなり後ろに現れたからマジで心臓がバクバクいってるぞ……

 

「これだけあれば何が来ても大丈夫だね!」

 

 ……みゆき、お前はいったい何と戦うつもりなんだ?

 

 

 

 

 

 やよいの家がある団地に着くと丁度やよいが階段を降りて外に飛び出して来たところだった。

 

「あ!やよいちゃん!」

 

「差し入れもってきたでー」

 

「あっ、え?みんな……」

 

「やよいちゃん?どうしたの?」

 

「もしかして!漫画が完成したの!?」

 

 やよいはみゆきの言葉に反応し、手に抱えていた紙の束をギュッと強く握りしめる。

 

「……ごめん」

 

「え?」

 

 やよいは今にも泣きそうな真っ赤な目で、抱えていた紙の束……いや、漫画の原稿を強く抱え直すと叫ぶ様に言葉を吐き出した。

 

「ごめん!ごめんなさい!やっぱりわたし、無理だった!!」

 

 瞳から涙を零し、俺達の脇を駆け抜けて行く。

 

「やよいちゃん!」

 

「待って下さい!」

 

 直ぐにやよいを追いかけようとしたみゆきをれいかが腕を掴んで止める。

 

「でもやよいちゃんが!」

 

「今やよいさんは自分の中の壁を越えようとしているのです。やよいさんの進む道を私達が邪魔してはいけません」

 

「……うん、わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺達はやよいを信じてゆっくりとやよいが走って行った方へ道なりにを進んでいる。

 

「やよいちゃん……大丈夫かな?」

 

「大丈夫やって!ウチらが信じないでどないするん」

 

「うん、そうだよね」

 

『……っ!?』

 

 みゆきをあかねがなだめて居ると、急に辺りが重苦しい雰囲気に包まれる。

 

「これって!?」

 

「バッドエンド空間!?」

 

「やよいちゃん!」

 

 みゆきは即座に駆け出す。

 

「アタシ達も行こう!」

 

『うん!!』

 

 

 

 

 

 プリキュアへと変身を済ませ、四人は既に先行してやよいのもとへと向かった。俺がみんなの元に追いついた時には丁度決着が着く時だった。

 

 

 不死鳥がその口元から虹色に輝く光の奔流を撃ち出してハイパーアカンベェを浄化する。

 

『ひぎゃぁぁぁぁ!?』

 

 浄化されたハイパーアカンベェからボロボロのアカオーニが弾き出された。

 

「また、負けたオニ……オレ様これからどうなっちゃうオニ」

 

 アカオーニは一人呟くと直ぐに消え去ってしまった。

 

 

「……やよいちゃん!」

 

「わっ!?みゆきちゃん……」

 

 みゆきはやよいの無事を喜ぶ様に力強く抱きしめた。

 

「みんなも来てくれてありがたう!わたしね、頑張るよ!もう逃げない、投げ出さない。ちゃんとミラクルピースを完成させるんの!」

 

『やよいちゃん……』

 

『やよい……』

 

「……やよいさん、貴女なら大丈夫です」

 

『完成、待ってますね!」

 

「うん!絶対にやりきって見せるから!待っててね!」

 

 やよいは団地から出てきた時とは違い、強い足取りで来た道を引き返して行った。………あ、差し入れ渡してねぇぞ……

 

 

 

 

 

 

 

 遂にやよいの漫画が完成した。

 

「くらえ!ミラクルピースサンダーハリケーン!!」

 

「ぐわぁぁ!!おのれ、ミラクルピース!!」

 

 黒板の前では先に読み切った井上達が早速ミラクルピースごっこをしている……こいつら、一応中学二年だよな……

 

 

 結局、やよいは漫画コンクールには応募をしなかった。ミラクルピースは大勢の人でなく、自分の友達や周りの人だけに知って貰えればそれでいいらしい。……と言うのは建て前で、本当は自己投影しているスーパーヒロインを沢山の人の目に晒すのが急に恥ずかしくなったらしい。

 

 まぁ必殺技とか完全にキュアピースのピースサンダーから持ってきてるもんな……

 

「すっごい面白かったと思うよ!」

 

「うん!やよいちゃんらしさって言うのかな、そういうのが出ててアタシ感動しちゃった」

 

 俺もやよいの漫画は読んだが、素人が描いたにしては面白いと思ったし、少し感情移入出来る部分もあっていつの間にか読み終わっていた……なんて思えるくらいには夢中になって読んでしまっていた。

 

 

 黄瀬やよいの漫画家への道はここから始まったのだ。

 

 将来こんな感じの見出しで雑誌に載ったりしてな……

 

 そんな栓のない事を考えながら、みんなに囲まれて笑顔を浮かべるやよいの姿を眺めるのだった。

 

 

 




という訳でやよいちゃん回でした!いやぁ、書く事少ねぇぇ!!

なんか無理やり話し広げた感があるんですが……まぁ目をつむって下さい。

次回の主役はなおちゃん!まぁ何とかなるでしょう!

それでは次回もお楽しみに!
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