プロットとかなくてその場の勢いで書いてるんで、書きたいことがいっぱいあるし時間が上手く飛ばせないんですよね
キーン コーン カーン コーン
ようやく煩わしい授業が終わった。
俺含めクラスの奴らが帰り支度を始める。ここで重要なのがどのタイミングで教室を出るかだ。いち早く教室を出ようとするのは運動部や騒がしい男子共だ。こいつらが出た後、つまりは次のグループが出ていこうとする直前、このタイミングに滑り込むように気配を消して教室を出る。
このタイミングを見極めるまでははじめに出ようとして運動部に押されたり、最後まで残っていたら仕事を押し付けられたりと涙無しには語れないエピソードがある。
一年も続けていれば慣れたもので今では誰にも気付かれずに教室を出ることが出来るようになった。
この前なんて忘れ物を取りに一旦教室に戻ろうとドアに手をかけた所で、「この席の奴、いつもいつの間にかいなくなってるよなw」「それな!存在感無さすぎっていうか、こいつの名前なんて言うんだっけw?」なんて会話も聞こえて来たこともある。その時は我ながらステルスヒッキーの優秀さに涙が零れそうだったのを覚えている。
「……図書室にでも寄るか」
憂鬱な気分になってきたので気晴らしに図書室で本を借りる事にする。伊達に国語が得意だと自負しているわけではないのだよ。ラノベ系は書店等で買うが純文学系は図書室で借りられるので助かる。主に俺の財布的に。
そんな事を考えながら図書室のドアを開けるが中にはまだ誰も来て居ない様だ。貸し出しカウンターに生徒の姿はなく退席中の紙が置かれている。
ぼーっと本の背表紙を眺めながら興味の惹かれるタイトルはないか探しているがなかなか見つからない。
まぁ、このただただ本を眺めている時間も嫌いではないのでいいのだが。
ガラッ
「ここが図書室かー、誰も居ない図書室ってなんだか不思議〜」
入って来たのは星空だった。誰も居ないって、いや、俺がいるんだけどね?気づかないのかなー?不思議だな〜……
星空は全く俺に気付く様子もなく、本を右に左にと動かしている。
「よーし!えぇい!」
星空が何か気合いを入れて本を両脇に寄せると本棚の本が淡いピンク色に光出した。
「……なに?本が光って、うわぁぁ?!」
………うわぁ。
今の状況を端的に説明すると星空、本を弄る。本が光る。星空吸い込まれる。ナニコレ……
星空が吸い込まれて数瞬後本の光は収まっていた。近寄り触れてみるが特に変わった様子はない。
よし、帰ろう……不思議な奴には不思議な事が起こるんだよ。朝も妖精さんと話してたしな、いや、俺はそんな刺激は求めてないし、やっぱり星空は図書室になんて来なかったな!
早歩きで帰路につく。早く家に帰って愛しの布団に溺れたい。めんどくさい事は忘れてしまいたい。
「ふぇぇ、早く帰って小町ちゃんに会いたいよぉ」
……コレ自分でやってて結構キモイな。それに小町は先に家に居るとも限らないし。
小町の事を考えているともう商店街の所まで来て居たようだ。全くこんなにもお兄ちゃんの考えを独占するなんて、小町の可愛さも罪ね。
歩きながらニヤけそうになるのを抑えていると辺りが薄暗くなる。雲でも日にかかったのかと、ふと上を見上げると満月が出ていた。
「えぇ……ナニコレ」
今日はよく変な事が起こると思っていたが遂に俺も不思議体験をしてしまったようだ。周りを見渡すと商店街にいた人達が皆、顔を俯かせてぶつぶつと呟いている。
「……どういう状況なのかは分からんが取り敢えず逃げるか」
来た道を引き返し、たまたま目に着いた住宅の塀の裏に隠れる。
「お邪魔しますよっと」
腰を下ろして一息つく。多分この状況からして家に人が居てもさっきの人達の様に暗い雰囲気になっていて見つかりはしないだろう。見つかったら……謝りまくれば何とかなるはず……助け合いの心って大切だよね!
しかし、何故かみんなこんな異常事態なのにぶつぶつ言っているだけで逃げようとしていない。何かに変なところは無いかと自問自答しているが特におかしい事は感じられない。強いて言えば幾らか普段よりネガティブな気分だが何時もとさして変わりはない。……あれ?もしかしてこれか?俺は普段から卑屈な事ばかり考えているから耐性があるだけで、他の人は気分が落ち込み過ぎて動かないのか!?
「う、うれしくねぇ……」
こんな所で俺の卑屈さを証明されても全く嬉しくない。むしろへこむわ……
「どうすっかな?取り敢えずこの事態が収まるまでは隠れてるかなぁ」
ドンッ!!
「うぇ!?」
いきなり近くでデカい音がしたために驚いて変な声が出てしまった。辺りを見回し誰も見ていないか確かめる。塀の上から少し顔を出すと近くでピンク色の光の柱が昇っていた。近くにはワーウルフの様な外見の化け物も居る……異世界と繋がっちゃったのかな?
そして光の柱の中からフリっフリのピンクのコスチュームを来た少女が出てくる。
「キラキラ輝く、未来の光!キュアハッピー!」
振り付け付きで名乗りを上げる痛い少女。
「プリキュア見つけたクルー!」
近くには今朝の妖精がはしゃいでいる。
光の柱の中からキュアハッピーなる少女が現れる。事実は小説よりも奇なり、ふと、前にネット巡回中に見た一節を思い出す。もうっ!八幡今日は不思議な事はお腹いっぱいなの!……巫山戯た事でも考えないとやってられない。
「な、なんなのコレ!?か、かっわいぃぃ!!この服超可愛い」
「なんだアイツは?」
ワーウルフが俺の気持ちを代弁している。
「落ち着くクル!今ちみは伝説の戦士プリキュアになったクル!」
「伝説の戦士……プリキュア?」 「そうクル!」
「戦士って事はあのオオカミさんと?」 「戦うクル」
「えぇぇー!無理無理!だって怖いもん……」
「えぇぇー!プリキュアなのにクル!?」
なんか戦う、戦えないで騒いでいるがそんな事より早くどっかに行って欲しい。こんな近くで戦われたりしたら巻き込まれかねない。俺は他人か自分のどちらかしか助からない状況なら、迷いなく自分を選ぶ。そんな自己愛に溢れた優しき少年なのだ。だって愛に溢れている事には代わりないしな。
「あ!そうだ!オオカミと言えば!」
ハッピーがそう叫んだかと思うと俺が隠れている塀とは門を挟んだ反対側の塀に逃げ込んできやがった!
「三匹の子豚じゃオオカミさんは煉瓦のお家を吹き飛ばせなくってハッピーエンドよ!!」
「なるほどクルー!!」
なるほどじゃねぇぇ?!こいつら頭イカれてんのか?物語と
一瞬場が静まり返った。
「ウルッフッフ、バァーカめ!、オレ様はこんな事も出来るんだよ!」
ワーウルフが赤い玉を取り出すとそれを掲げる。
「いでよ!アカンベェ!!」
すると背を預けていた塀が妙なオーラを帯び始める。
「逃げるクルー!」
その声に従い急いで逃げ出す。
「えぇ?!アタシ達以外にも人がいたの!?」
その声に答える暇もなく、塀はピエロの様な顔をした化け物に変わる。
『アカンベェ!』
「な、なんかのオバケぇ!?」
「コイツの名はアカンベェ!ピエーロ様の力でキュアデコルのパワーをバッドエンドに変えて生み出した怪物だ」
コイツ説明すんのかよ……奴らが気を取られてる隙に逃げるか
「ほぉ?バッドエンドになってない人間が他にもいたのか」
げっ、見つかったわ。
「逃げるぞ!」
「えぇ!?」
声だけかけて先に走り出す。
「いけぇ!アカンベェ!」
『アッカン、ベェェ!!』
「きゃぁぁ!怖いぃ!」
ドンッ!
「きゃぁぁぁ」
後ろからデカい音がしたと思ったら上から悲鳴が聞こえてきた。
「うわぁぁ?なんじゃこりゃぁぁー?!」
上を見上げるとハッピーがいた。ちょっと意味がわかんないです。振り返るとワーウルフと怪物も驚いて居るようで上を向いたまま固まっている。……チャンス!気付かれない様に脇道に入り息を整え顔を出し様子を確認する。
「どうなってんだ!チッ、アカンベェ!」
『アッカンベェ!!』
幸いワーウルフはハッピーに気を取られていてもう俺の事は頭に無いようだ。
しかし本当にどうなってやがる、ハッピーが空に居ると思ったら怪物が飛び上がって、ハッピーに跳ね返されて落ちてきやがった。そしてハッピーも怪物の鼻の上に落ちる。
……やべぇ俺の頭もハッピーになってきてないか?
「いてて、なに!今のスーパーパワー!」
「プリキュアは世界を守る戦士クルー!」
「分かった!コレってテレビのスーパーヒーローね!」
「えぇぇー?!そんなんじゃないクルー!」
「任せて!アタシやってみる!で、つぎはー?ん?」
そこまで言ってから今の自分の状況に気付いた様だ。こいつら緊張感無さすぎるだろ……
「きゃぁぁ?!怖いよぉぉぉ!」
・・・ハッピーは、逃げ出した。
さっきまでの張り切りは何だったんだよ……
危険なのだろうが、それを感じ切れないこの状況につい、頭痛を感じた時の様に頭を抑えてしまった。
れかちゃんを早くもっと出したい
ヒッキーは一緒に戦いません