今回の話はこの物語を描き始めた当初から妄想してたのでやっと書けたーって感じです!
(1)
side:れいか
今日はプリキュアが全員揃った事をお祝いするらしく、皆さんと一緒にみゆきさんのお家にお呼ばれしています。
「せーの!」
「祝!」 『全・員・集・合!!』 「クールー!」
くす玉が割れて中から『㊗せいぞろい』と書かれた垂れ幕と紙吹雪、それにキャンディが飛び出してきました。
みゆきさんも嬉しかったのか、昨日の内にくす玉まで作っていたようですね。
「プリキュアが揃ったクル!嬉しいクルー!」
昨日は八幡君と一緒に先に帰ってしまったので詳しい事はまだわかっていないんですよね……良い機会なので皆さんに色々教えていただきましょうか。
「では、改めて質問です」 「クル!」
「プリキュアとは何なのですか?」
「伝説の戦士クル」
「なんであんなに凄い力があるの?」
なおもまだ詳しくはわかっていないようですね……
「伝説の戦士だからクル」
『………………』
「それじゃわからへんやん……」
「クル?」
「あの怖い人達は何者なの?」
「……クル?」
「目的は何なのかな?」
「クル……」
「ウチらは何したらええの?」
「……クル……伝説の戦士クル……」
『………………』
キャンディはくす玉の紐をよじ登ると、開いていたくす玉を閉じ、引きこもってしまいました……
「キャンディよくわからないクル……」
『……………』
「うぇぇぇえええええあああ!!……うん?……何あれ?」
みゆきさんの視線の先には何かが……羽ばたいていて、どんどん近づいて来ています。
「……本?……ぶっ?!」
本はみゆきさんの顔に激突すると何故か空中に留まり、みゆきさんは倒れてしまいました。
「おっと、すまんでござる」
本の方から声が聞こえたと思ったら本から何者かが飛び出してきました……
「うわ?!」 「なんかでた……」
「痛つつ……あなたは?」
起き上がった、みゆきさんが問いかけると……
「邪魔するでござる。拙者は「お兄ちゃーん!!」ごはっ?!」
名前を言おうとした瞬間に、くす玉から飛び出して来たキャンディに体当たりをされて目を回してしまいました。……ですが今キャンディはお兄ちゃんと……
「え?」 「キャンディの……」 『お兄ちゃーん?!!』
目を回していたキャンディのお兄さんも、暫くすると目を覚ましました。
「お兄ちゃん!会いたかったクル!」
あらあら、よっぽど寂しかったのですね。あんなに涙を流して……
「キャンディ、相変わらず泣き虫でござるな」
「……あのー」
「はっ、失礼致した。拙者はポップと申す。妹が世話になっているでござる」
「こ、こちらこそ……」
「お兄ちゃん、アレやってクル」
「よしよし、ターバン巻でござる!」
キャンディの耳をターバンの様に巻いてあげた様ですね。
「きゃは!嬉しいクルー!」
キャンディも嬉しそうにはしゃいでいます。
「へー、お兄ちゃんも可愛いやん」
パシッ「なっ?!なんや」
「……拙者は男、可愛いなどと……無礼でござる!」
ポップさんをあかねさんが撫でていると、先程の言葉が気に入らなかったようで耳で振り払われてしまいました。
「かっこいい!」
「カ、カッコイイ……?」
「うん!男らしくてかっこいい!」
どうやら黄瀬さんはかっこいいモノが好きなようですね……そういえば、黄瀬さんが書いた美化週間ポスターもヒーローの様な絵でしたね……
「おごっ?!」
考え事をしていたらポップさんがひっくり返っていました……黄瀬さんの言葉に照れてしまったようですね。
少し話が逸れていってしまっていますね。一旦仕切り直しましょうか……
「ポップさん、丁度よかったです。今プリキュアとは何なのかというお話をしていまして……」
「うむ、プリキュアについての話なら拙者が引き受けるでござる。キャンディ、伝説のプリキュアの絵本をここに……」
「クル?あれ?どこいったクル?」
「………まさか無くしたのでござるか……」
「ちょ、ちょっと待ってクル!えっと……みゆきとぶつかるまでは、確かにあったクル」
「思い出した!あの本、不思議図書館に置いたままだ!」
「図書館?!そなたもしやあの図書館に?」
「え?よくわかんないけど、おっっきな木の中だったよ!」
「なんと、彼処に人が迷い込むとは……」
お二人共……いったいどこの事を話しているんでしょう?他の方もよくわかってはいないようですけど……
「よし!皆の者、靴を持って来て欲しいでござる!」
「え?一体どういう事?」
「まぁ持って来ればわかるでござる!」
どういう事でしょうか?プリキュアの力と関係していたりするんでしょうか?
みんなで靴を持って来ると、ポップさんに本棚の前に集められました。
「実はあの図書館は本棚さえあれば何処からでも行けるのでござる」
「へー!じゃー絵本を取りに行こー!」
「……ここからそこに行けるの?」
「まぁ見てるでござる」
そう言いながらポップさんは本棚の本を右へ左へと寄せていきます。そして最後に本を左右に分ける様に寄せると本から光が溢れ出してきます……
「あの時と同じだ!」 「うぇええ?!」
「さぁ!行くでござる!」 「クールー!」
ポップさんとキャンディが光の中へ入っていくとだんだんと光の中へ吸い込まれそうになってしまいます……
「おわ?!」 「わ?わあ!?」 「わ!?ちょちょ!」
「うぇあ!?」 「きゃ?!」
そしてとうとう私まで吸い込まれてしまいました。
吸い込まれた先は虹色の空間のようでどこかに向かって落ちていっているようです。
そして目の前が一瞬強く光ったと思った瞬間に私は投げ出されていました。
「あうっ!」痛いです……
地面が柔らかいと思ったら、どうやらなお達を下敷きにしてしまっていたようです。
「すいません!?今どきますね!」
「すっごーい!ここだよ久しぶりー!」
みゆきさんは周りの景色に夢中で全く気にしていないようですね……でも、本当に綺麗です。
「不思議と、心が休まります」
「ホンマええ感じの場所やなー」
「……みゆき殿、あれはなんでござるか?」
「あ!ビーチパラソルだ!あれ?でも前来た時はなかったよ?」
「なんか少し場違い感が……」
皆さんの視線の先には大きな切り株があり、その向こう側に確かにビーチパラソルが見えます。
「……どういう事でござるか。行ってみるでござる」
「……これは」 「寝てるね……」 「寝とるな……」
「気持ち良さそうだね……」 「そういう問題じゃないよね……コレ」 「キャンディも眠くなってきたクル」
「八幡君……ですよね。どうしてここに?」
皆で切り株を回り込みビーチパラソルの元に行くと布団を敷いて八幡君が眠っていました。
「……とりあえず起こす?」 「そうやな」
「ま、待って下さい!こんなに気持ち良さそうに寝ているんですから起きるまで待ちましょう。それに、幸い此処にはこんなにもたくさんの本があるんですから、待つのもそれ程苦にはならないはずです」
「うーん、そうだね!あたしも、ちょっと本見たかったから見てくるね!」
「わかった。ウチはあんまり読書は得意じゃないからな、キャンディ連れてプリキュアの絵本でも探してるわ」
「ええ、お願いします。私はここで八幡君が起きるのを待っていますね」
あ、そうです!前から一度やってみたかった事が今なら出来るかも知れません。
八幡君の頭を少し浮かせ、そこに膝を差し込み、少し崩した様な正座をします。
「な?!れいか……それ、膝枕……」
「やっぱりれいかちゃん大胆///」
「ええ、膝枕です。一度やってみたかったんですよね」
八幡君の髪を撫でるように優しく髪をすきます。……思っていたよりもサラサラですね。なんだかずっと触っていたくなってしまいます。
「あ、アタシ達もあかねの方を手伝って来るよ、行こやよいちゃん!」
「う、うん!そうだねなおちゃん」
なお達も行ってしまいました。少し顔が赤かったですが大丈夫ですかね?
「んっ……!」
お腹がくすぐったくて声が漏れてしまいました。八幡君が体勢を変えようと動いた時に少し擦れてしまった様ですね。
「ふふっ、こうして寝顔を見る機会なんてありませんでしたけど、とても可愛いですね」
「………れぃ……か……」
「あら?今私の事を呼んでくれたんでしょうか?」
八幡君が夢の中でも私の事を見てくれていると思うと、胸の奥が暖かくなってきます……八幡君は……なんだか不思議な人ですね……
今現在の八幡から見たプリキュアメンバーの認識(偏見でしかない)
みゆき、幸せな思考回路【好感度】40%
あかね、ノリはついてけないが結構良い奴【好感度】55%
やよい、大人しくて絵が上手い【好感度】45%
なお、芯のある真面目な奴(れいかの親友)【好感度】70%
れいか、色々と気にかけてくれた良い奴(最近は意識しまくり)【好感度】95%
こんな今感じですかね【好感度】は八幡からの好感度で普通のクラスメイトは30%です
みゆきが少し上がっているのはプリキュアになったのを心配していたからです他のメンバーもプリキュアになった事を知った際に若干上がっています。
今回の章は膝枕したかっただけなので少しだけ駆け足になるかも?