俺の青春にスマイルなどあるのだろうか?   作:紫睡

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という訳でまだまだ続きます!マジョリーナは……うん、待ってて?


(2)

「それで、まずは何処から見て回るんだ?」

 

 こういう時デートなんだから男側がエスコートしてみろやとか言われるかも知れないが普通に無理だ。……何故かって?そもそも俺があんまり商店街に来ないからなんの店があるかなんて把握してねぇんだわ……

 

 まぁ、分かるのは思いっきり見た目で分かる八百屋と肉屋くらいだな……うん。

 

「そうですねぇ……あら?」

 

 ~♪~♪

 

 れいかが顎の下に指を添えながら(可愛い)少し考える様に色んなお店を見つめていると商店街に設置されたスピーカーから正午を報せる音楽が鳴り響いた。

 

「そういえばもうお昼ですね。丁度いいタイミングですし何かお腹に入れてから見て回りましょうか」

 

『八幡君は何か食べたいものはありますか?」

 

「食いたいものか……」

 

 呟きながら商店街のお店に目を向ければ丁度目に止まったのは肉屋だ。

 

「……ああいう肉屋で売ってる揚げ物って美味いって聞くよな」

 

 居間でよく小町が見ている番組で美味しそうに肉屋の揚げ物を食べている芸能人達の姿が思い出される。

 

「お肉屋さんの揚げ物ですか?家でも偶にお母様が買って来ることがありますけど、とっても美味しいですよ」

 

『私もこの前食べましたけどスーパーのコロッケより美味しかったです!」

 

「きょうか、あまり比べる様な事を外で大きな声で言わないで下さいね?」

 

『はーい」

 

「ははっ、二人がそんなに褒めるなら相当美味いんだろうな。よし、それじゃあ肉屋に寄っていいか?」

 

「ええ、勿論です」

 

『それじゃあお肉屋さんへ、しゅっぱ~つ!」

 

 

 目で見える範囲にある店なので肉屋へは直ぐに着いた。ショーケースに並んでいる揚げ物を選んでいると早速れいかが肉屋のおっちゃんに声をかけられる。

 

「おっ!青木さんとこのれいかちゃんじゃないか!久しぶりだねぇ」

 

「ええ、肉屋のおじ様もお久しぶりです」

 

 引っ越してきた俺と違い、れいかは昔からこの商店街に通って居るからか、ここら辺の人とは皆、顔見知りの様だ。

 

「こんなに可愛くなっちまってよぉ。ってーと、さしずめそのあんちゃんは彼氏って奴かい?」

 

 あっ……れいかにその話題は……

 

「おじ様もそう思いますか!?実はそうなんです!私の一番大切な人で結婚も子作りも約束してるんです!」

 

 ほら、すっごい食いついた……?待って?結婚も約束してたっけ?

 

「こづっ?!っておいあんちゃん!見ねえ顔だが、れいかちゃんを騙してるわけじゃねぇよなっ!」

 

 小さい頃から知ってる娘さんがぽっとでの男に結婚だとか子作りだとか言わされてたらそりゃキレますよね……だが俺はこういう時の対処法をアニメで学んだんだよ!

 

「あっ、申し遅れました。比企谷八幡と申します。れいかさんとは交際させていただいてます」

 

 必殺、ひたすら丁寧な対応をする!っだ!予想外な反応に相手もハシゴを外されて戸惑うっ!ってアニメで言ってたな。

 

「お、おう。ご丁寧にどうも……って比企谷?………ってあ!あんちゃんもしかしてこまっちゃんの兄ちゃんかい?!」

 

「え?あ、はい。何時も小町に色々サービスしていただいてありがとうございます」

 

「なんだよあんちゃん!最初からそう言ってくれりゃぁいいもんを」

 

 小町パワーすげぇー、このおっちゃん急にニッコニコなんだけど?

 

「……おじ様?」

 

 が、それでは納得しきれていないのがれいかだ。黒い笑みを浮かべ肉屋のおっちゃんへと迫る。

 

「げっ……れいかちゃんも悪かったな。おっちゃんれいかちゃんが変な奴に騙されたんじゃないかと心配になっちまってさ」

 

「誤解はとけましたか?」

 

「そりゃもちろん!れいかちゃんの彼氏でこまっちゃんの兄貴なんだからウチのお得意様みたいなもんだぜ!ほらっ!あんちゃんも!さっき見てたコロッケでもメンチカツでもサービスするかられいかちゃんを何とかしてくれ!」

 

 流石になんかおっちゃんが可哀想になって来たので止める。決してコロッケとかメンチカツに釣られた訳じゃないぞ!

 

「ほら、れいか。おっちゃんもこう言ってるし俺もこういうのは慣れてるからさ?なっ?」

 

 れいかの頬に手を添え、此方へと向かせて目を合わせて宥める。

 

「……すげぇ。まるで猛獣使いだな」

 

 余計な事を言ったおっちゃんは直ぐにれいかに睨まれていた。

 

「ヒッ!?」

 

 今のは自業自得だろ……

 

 

 

 

「ほい、コロッケとメンチカツ一つずつだ。熱いから気を付けて食べな!」

 

「ありがとうございます」

 

「いただきます」

 

 おっちゃんから二人合わせてコロッケとメンチカツを二つずつ、計四つの揚げ物を受け取りお礼を告げる。因みにこの四つの揚げ物は勿論おっちゃんからのサービスだ。れいかと俺の交際記念だと本人は言うが、明らかにれいかへのお詫びだった……だってまだれいかの事チラチラ見てるもん。

 

「八幡君が最初に食べて下さい。とっても美味しいですよ」

 

「そうか?それじゃあ」

 

 サクッ

 

 まずはコロッケを一齧り。

 

「おおっ……」

 

 コロッケを食べた筈なのにメンチカツを食べたんじゃないかと思う程に肉が沢山入っている。流石肉屋のコロッケ、市販品とは訳が違う。

 

「美味しいですか?」

 

「ああ、初めて食べたが思ってたよりも全然美味かった」

 

『良かったです!私も好きなので八幡君と同じ気持ちですね!」

 

 きょうかも周りに人が居るからか、あまり表に出ては来れないがちょくちょく顔を出していてそこがまた、いじらしく可愛らしい。

 

「……あれ?こまっちゃんにも兄貴の分って持たせたことあるけどそれも食ったことねえのか?」

 

「いや、小町がコロッケを持って帰ってきた事とか無いですよ?」

 

『…………』

 

「はっはっはっ!こまっちゃんに食われたな!」

 

「ふふっ、私にも小町さんが八幡君に内緒で食べちゃう姿が想像出来てしまいました」

 

 小町ぇ……帰ったら覚えてろよ……

 

 

 

 

「はぁー食ったぜ」

 

「ええ、とても美味しかったです」

 

 店の前で俺達が食ってたのが宣伝になったのか、コロッケとメンチカツがかなり売れたようで、喜んだ肉屋のおっちゃんが更に串カツまでサービスしてくれた。本当は軽くお腹に入れる程度のつもりだったのだが、蓋を開けてみれば結構満足するまで食べてしまっていた。

 

「そろそろ次に行こうか?」

 

「ええ、そうしましょうか」

 

 そうして、肉屋を後にしようとした時だった。

 

「おーい!肉屋の!緑川さんのとこ!生まれるんだってさ!」

 

「おっ!そりゃあめでたいな!」

 

「緑川?」

 

 聞き覚えのある名前に振り返ると肉屋の向かいに店を構える八百屋でなおとその弟妹達が買い物をしているところだった。

 

「なお!」

 

「あれ?れいか!八幡も!」

 

 話には聞いていたが本当に多いよなぁ。

 

「なお達も買い物か?」

 

「うん、今日はみんなが大好きな、お母ちゃんカレーをアタシが作るんだ」

 

「お兄ちゃんだれぇ?」

 

 一番小さいのが不思議そうに聞いてきたので無難に返す。

 

「お兄ちゃんはお姉ちゃんの友達だ」

 

「ともだち?」

 

「ああ」

 

「あー!手ぇ繋いでる!お兄ちゃんとお姉ちゃんラブラブじゃん!夫婦なんだろ!?」

 

「ちょっとけいた!れいか相手にその手の冗談は……」

 

「けいた君は見る目のある良い子ですね。おっしゃる通り私と八幡君は夫婦なんです!」

 

「スゲェ!マジで夫婦だった!」

 

「えぇ、えぇ!私も直ぐにあなた達のお母様の様に赤ちゃんを産むので仲良くしてあげて下さいね」

 

「すごーい!赤ちゃん産むの!?」

 

「わたし達もお世話する!」

 

「ええ、もうすぐですからその時はお願いしますね」

 

『うん!』

 

「ちょっと八幡!?子供ってどういう事!?シタの!?いつ!?………ゴクッ……ビデオとか残ってない?」

 

「……このっ……自重しろ変態っ!?」

 

 カサカサと寄ってきたので押し退けて距離をとる。

 

「あふんっ」

 

 こいつマジか……にじり寄り方が完全にキモイ虫だったぞ?

 

 こいつが長女で大丈夫か?緑川家……

 

 ちょっと本気で心配になってきたんだが?

 




はいっ!やっと緑川弟妹の登場ですね。

そういえばぁって気付いたんですが八幡君的には緑川弟妹達とは初対面なんですよね。作者が出会う様なシーンを全部カットしてオリジナル要素ぶち込んでたからなんですが……

実際れかちゃんに子供が出来たら丁度お兄ちゃん、お姉ちゃん的な年齢ですよね。

そんな感じな事を考えながらにやにやと書いていました。

次回はやっと迷子編ですかね、まぁデートの続きの方が先なんですけどね!デートが長引いたら迷子が更に後ろに押されます……

 それでは次回もお楽しみに!




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