俺の青春にスマイルなどあるのだろうか?   作:紫睡

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私事ですが最近めっちゃ仕事が忙しかったです……もうちょっと余裕を持って生きていきたいですねぇ……


(4)

「……お前達こそどうした?なおは一緒じゃないのか?」

 

 よっし、なんとか返せたぞぉ。あのまま固まってたら変な誤解を与えるかも知れなかったからな!

 

「あのね、りんごが欲しいの」

 

「りんご……ですか?」

 

 ……りんご?

 

「うん、なお姉ちゃんがりんごを忘れちゃったって」

 

「それでねわたし達が買いに来たの」

 

「ああ、おつかいか」

 

 どうやら二人は、はなおに頼まれてりんごを買いに来たようだ。

 

『二人とも偉いですね」

 

 きょうかもニコニコと二人の頭を撫でている。

 

「お姉ちゃん達はりんごがどこにあるかわかる?」

 

「なお姉ちゃんはいつも知らない人には着いていくなって言ってるけど、お姉ちゃん達なら知ってる人だから大丈夫!」

 

 この歳にしては結構しっかりしてるんじゃないか?これも姉弟が多い事のメリットなのだろうか。

 

「りんごなら八百屋さんに売っていた筈です。それでは一緒行きましょうか」

 

『うん!』

 

 差し出したれいかの手を二人は同時に取る。

 

「あれ?」

 

「これじゃあ動けないよ?ゆうたはこっち」

 

 姉の方――名前を忘れちまった――がれいかの手から弟――こっちはゆうただな。さっき呼んでたし――の手を解き自分と繋がせる。

 

「お兄ちゃんはゆうたとね」

 

「え?あ、おう」

 

 どうやら俺も数に入ってたらしい。

 

 

 

 商店街に四人で手を繋いで戻って行く。さっきまで俺とれいかを出汁に盛り上がっていたおっちゃん、おばちゃん達の視線先程と違いなんだか生暖かい気がする……

 

「こうしてるとなんだかお父ちゃんとお母ちゃんみたいだね!」

 

「うん!ぼくもそう思ってた!」

 

「ぶふっ!?」

 

 突然、真横から放たれた言葉のボディブローに吹き出してしまう。

 

「ふふっ、二人は良い子ですね」

 

「うん!」

 

「良い子!」

 

 れいかに褒められ二人は嬉しそうに声を上げる。

 

「そうだ!お姉ちゃんの赤ちゃんはいつ頃産まれるの?」

 

「産まれたらぼく達がお兄ちゃんとしてめんどう見てあげるね!」

 

「まぁまぁまぁ!本当にに良い子達ですね。……それで八幡君♡いつ頃産ませてくれるんですか?」

 

 この組み合わせは不味いね!非常に不味いよ!このままだと、なんかよく分からないうちに未来の予定がどんどん立てられてく気がするんですが?!

 

「えっと……もうちょっと待ってね?」

 

 そして俺は何言ってんだろうね……

 

「うん!楽しみにしてるね!」

 

 子供がこんなに恐ろしいと感じたのは初めてだよ……

 

「ですって、もうちょっと待っててくださいねぇ♡」

 

「いやぁ……やっぱもうちょっとよりはかかるかなぁ?」

 

 俺はれいかがゆっくりと下腹部を撫でながら送って来ている流し目から全力で目を逸らしながら答えるのだった。

 

 

 

 どうにかこうにかれいかの誘惑を振り払い、長い?道程を八百屋まで戻って来た。

 

「やすいよーって、あれ?どうしたんだい?なにか忘れ物かい?」

 

 直ぐに戻って来た俺達に客の呼び込みをしていたおっちゃんも不思議そうに声をかけてくる。

 

「いえ、用があるのはこの子達で」

 

 れいかは姉の方と繋いでいる手を軽く上げる

 

「おお!緑川さんとこの……ひなちゃんとゆうたくんだな!」

 

『うん!』

 

「はぇ……」

 

 すげぇ……よく覚えてんな。流石客商売……

 

 ん?なんだれいかがこっそりと顔を近付けて来る。

 

「八幡君……二人の名前忘れていたでしょう?」

 

「……なんでわかった?」

 

「八百屋のおじ様が二人の名前を出した時です。あんな感嘆の声を出さないで下さい。八幡君の事を見てたら直ぐに気が付きましたよ?」

 

「わりぃ……」

 

「帰ったらお勉強ですよ?」

 

「うす」

 

 

 

 

 

 

「カレー♪カレー♪」

 

「カレー♪カレー♪」

 

 りんごのお使いに来たなおの妹弟達だったが、お金を持ってきて居なかったらしい。だが、そこは流石のおっちゃん、緑川家の出産にれいかの彼氏である俺、めでたいこと続きだという事でサービスをしてくれた。……このおっちゃん、なおにもサービスしてたけど経営大丈夫か?

 

『……………』

 

 先程の事を思い返しながら歩いていると先程まで聴こえていた歌が急に止んだ。

 

「……どうした?」

 

「お兄ちゃんも歌って!」

 

「歌って!」

 

 俺にカレーの歌を歌えと?

 

「ふふっ、とっても微笑ましい八幡君が見られそうですね」

 

 今回はれいかの助けは期待出来なさそうだ、しかも歩いていた足も止まり、完全に俺が歌うのを待つ態勢になってやがる。

 

「ぐぬ………か、カレー、カレー!」

 

「カレー♪カレー♪」

 

「カレー♪カレー♪」

 

「ふふっ♪」

 

「……後で覚えてろよ」

 

「ええ、期待しています♡」

 

「お兄ちゃん!お姉ちゃん!」

 

「止まってる!」

 

「わ、わかったよ……カレー!カレー!」

 

「ふふっ、ごめんなさい。カレー♪カレー♪」

 

『カレー♪カレー♪カレー♪』

 

 

 

 

 四人で謎のカレーの歌を歌いながら緑川家を目指して歩いていると河川敷に不思議なモノが見えた……不思議なモノって言うか普通になお達なんだが……

 

「……なぁれいか、あそこにいるの、なお達だよな?」

 

「え?……本当ですね。この子達の話なら今頃家でカレーを作っている筈なんですけど」

 

「あっ!……なお姉ちゃんに言ってない」

 

「はっ?!マジか!」

 

 ってことはコイツらお使いとかじゃなかったってことか?!

 

「大変!それならきっとあそこになおが居るのもこの子達を探してるからに違いありません!直ぐに知らせないと、すぅ……なおーー!!

 

 珍しく声を張って呼びかけたれいかの声になお達が気付いた様だ……ん?なんかあのローブ、見覚えが……

 

「おい、なんかマジョリーナまでいねぇか!?」

 

「ええ!?なんでマジョリーナが?」

 

『あっ!なおがマーチに変身しました!」

 

 おいおいおい!いったいどうなってんだ?!

 

 おかしな状況に息つく間もなく辺りが重苦しい雰囲気に包まれる。

 

「バッドエンド空間か!」

 

 急に右手を引かれ反射的にそちらに目をやると、手を繋いでいたゆうたとひなが項垂れ座り込んでいた。

 

「私はマーチを!八幡君はなおの弟妹(きょうだい)の子達をよろしくお願いします!」

 

 れいかは直ぐに光に包まれ、キュアビューティに変身すると河川敷へと飛び出して行った。

 

「わかった!」

 

 答え、俺は二人を抱え上げ道の端まで移動させると、下ろし、直ぐさまとって返して河川敷へ坂を降りて行く。

 

『ハイパーアカンベェ!!』

 

 河川敷では既にマジョリーナはハイパーアカンベェと同化しており、マーチとビューティが必死になってなおの弟妹達をハイパーアカンベェの攻撃から守っていた。

 

「待たせた!」

 

「八幡!?」

 

「八幡君!お任せします!」

 

 声かけもそこそこに小さい方二人を右手で、でかい方一人を左手で抱え上げる。

 

「おっも゛い!!」

 

 改めてれいかとの特訓に感謝する。前までの非力な俺だったら三人同時に抱え上げる事など出来なかっただろう。

 

 なおの弟妹達を抱え上げると踵を返し、今度は河川敷の坂を駆け上がって行く。

 

『逃がさないだわさ!!』

 

 後ろからマジョリーナの声と共に気配が高速で近付いてくる。

 

「させない!!」

 

 近付いて来る気配に割り込むようにマーチの声が響いた。

 

「家族の事は絶対にアタシが守ってみせる!!」

 

 振り返っている暇もなく、後ろの様子はよく分からないがマーチがなんとかマジョリーナの攻撃を防いでくれた様だ。

 

 そのまま河川敷の坂を駆け上がり、平坦な道路に上がると道の端には先程下ろした二人が居る。

 

「はぁ…はぁ……お前達はここで待ってろよ」

 

 二人の隣に抱えていた三人を下ろす。

 

「いったいどうなってんだ……」

 

 三人を下ろし、漸く振り返る事が出来、見えたのは毒林檎の様な紫色のハイパーアカンベェとそれを相手に立ち回る。ビューティとマーチの姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけで次回のバトルで今章は終了ですね!

このお話は出産がテーマという事で非常に攻めたれかちゃんを書くことが出来ました!個人的に一番のお気に入りはお腹をさすさすして流し目を送っているれかちゃんです!個人的にAIイラストとかで作ってニヨニヨしようかなぁとか考えましたがよく分からなかったので諦めました!

 次回は上記した通りバトルで少しその後のことを書いて終わりになります!

 それでは次回もお楽しみに!
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