side:キュアビューティ
「ふざけやがって!なんで留学の話を断ってんだよ!」
ジョーカーは怒声を上げながら両手のマスケット銃を連射してきます。
「それは八幡君への愛故にです!っと言うか貴方!マスケット銃を模しているのにそんなに連射出来るとは何事ですか!」
弾丸を装填する様子など一切無く、引き金を引かれる度に延々と打ち出される鉛玉の雨を氷剣で切り払いながら言い返せば、返って来るのはやはり鉛玉。
「うるっせぇ!さっさとシネェェェへびゅ?!」
口角を吊り上げ狂ったように叫びながら銃を乱射して来ていたジョーカーの顎をかち上げるように、狙いすませた氷柱が下から伸びて来てジョーカーの口を無理矢理閉じさせました。
『うるっさいですねぇ……キャンキャン、キャンキャンと吠えないで下さい。普段の胡散臭い喋り方の方がまだ静かで良いですよ」
「きょうか?上品にとは言いませんがもう少し口調を整えましょう?」
最近は若干無邪気過ぎるくらいのきょうかでしたが、ジョーカーに対してだけはこうなってしまうのですね。
「ふぅー……ふぅー……ぺっ……テメェらァ……」
ジョーカーは血混じりの唾を吐き捨てるとこちらを睨み付けてきます。
「好き勝手しやがって、調子に乗ってられるのもここまでだぞ……ここは『ワタシの世界なんですから』
ジョーカーの声が突然折り重なって聞こえたかと思えば、いつぞやの様に撒き散らされたトランプから這い出す様に出てくる大量のジョーカー達。
『まったく……一匹見つけたら三十匹は居ると思え、とはよく言ったものですね」
「…………」
確かに動きが
『……挑発はもう聞きませんよ?』
落ち着いた声色のジョーカー達が得意げにニヤリと笑う。その中から代表する様に一人のジョーカーが歩み出して続けます。
「ここはワタシの世界、幾ら倒そうが果てはありません。
ここはジョーカーが世界の主、という事ですかね?それならきょうか出会った時の様に倒せば……いえ、今のジョーカーはハイパーアカンベェと一体化しています。ハイパーアカンベェを浄化するには皆さんの力が……
「何やら考えている様ですが全て無駄ですよォ?貴女達はこの世界にいる限り、ワタシに勝ち目はないんですから!さぁさぁさぁ!貴女達が再起出来なくなるまで、何時までも遊んでさしあげようじゃありませんかっ!」
「くっ……」
『この変態がっ……!」
「ん〜っ!遠吠えが心地良いですねぇ?それではイきますよォ!!」
最期まで抗い続けようと氷剣を構えた瞬間、何かが砕け散る様な音が響き渡りました。
ガシャーン!!
「はえ?」
そしてジョーカーの笑みが引き攣り……
「ビューティ!!」
『ビューティ!!』
私の最愛の人の声が聞こえてきたのです!
side:八幡
「ビューティ!!」
ビューティの無事な姿が確認出来た途端、口から自然と声が溢れ出てしまっていた。
『ビューティ!!』
他のみんなの声も直ぐに聞こえ、なんだか先走ってしまった様に感じて少しだけ恥ずかしくなる。
「八幡君!!」
何やら俺達の事を見て固まったジョーカーを放って、ビューティが飛び付いて来るのを受け止め――
「おごっ!?」
――切れずに押し倒された……
「八幡君……!」『八幡君……!」
そしてそのまま唇を奪われる。
「んっ…///ちゅっ♡れろ……れぇ……じゅぱ♡」
「んくっ///んくんく……♡」
両手を抑えられ、塞がれた口内に差し込まれた舌を通して延々と流し込まれる甘い唾液を飲み干し続ける。
「ちよっとビューティ?!」
慌てて近付いてきたマーチがビューティを引き剥がす。
「きゃっ?!」
危なかった……今マーチが止めてくれなかったら流されて最後まで受け入れてたかも知れない。
「ふわぁ///凄いね///」
「あれ絶対舌入ってたよね///」
「はっ?!嬉しすぎて正気を失ってたかもしれないです……」
『はちまニウムの欠乏症からの過剰摂取は危険ですね……」
「いや……ああはならんやろ……」
「くっ……咄嗟に止めちゃったけど最後まで見てるべきだったかな?勿体ないことしたなぁ!」
三者三様ならぬ五者五様で悶えるプリキュア達。そして俺達がこんなにも決定的な隙を晒しているのに
「なあビューティ、アイツになんかしたか?」
身悶えていたビューティに固まっているジョーカー達を指しながら聞けば……
『きっと現実が受け入れがたかったんですよ!気にしなくても大丈夫です!」
「あ、また丸くなりましたね……じゃなくて、きょうかの言うように散々私達を煽っておいてそれが不可能になったので結果が受け入れられないのでしょう。……まぁ、自業自得ですけどね」
『そうですよ!それに丁度動かない的があるのですかさっさと浄化して帰りましょう!」
「……えぇ、それでいいのかよ……」
「いいのです!皆さん!」
『……………』
「あのまま進んでたら……」
「うーん、ウチもいつかああいう……」
「よく漫画でもあんなシーンはあるけど……」
「ああ、今からもう一回やってもらう?でも自然体が……」
うわ……誰も聞いてねぇよ……全員トリップしてやがる
「皆さん!!」
『はい!?』
「それでは気を取り直して……いきますよ!皆さん!」
『う、うん!』
ビューティの呼び掛けに若干どもりながらも応え、プリキュア達がステッキを構える。
『ペガサスよ!わたし達に力を!』
その言葉と共にステッキから黄金の光が放たれ、プリキュア達を包み込む。
そして黄金の光が弾けると装いを変えたプリキュア達が現れた。
『プリキュア!プリンセスフォーム!!』
そしてプリンセスフォームに変身したプリキュア達の前にロイヤルクロックが現れる。
「開け!ロイヤルクロック!」
ハッピーがロイヤルクロックに何かするとロイヤルクロックから吹き上がった黄金の光が弾け、不死鳥の様な姿をかたちどる。
「届け!希望の光!」
『羽ばたけ!光り輝く未来へ!』
『プリキュア・ロイヤルレインボーバースト!!』
五人の持つ蝋燭に見立てたステッキから溢れ出た光が合わさり、不死鳥の姿を模すとその口元から、輝く虹色の光の奔流を解き放つ。
『…………なっ!?クソっ!』
ジョーカーが光の奔流に呑み込まれる寸前漸く意識を取り戻したのかジョーカーがハイパーアカンベェと分離し逃れる。
ジョーカーに分離され残されたハイパーアカンベェはそのまま光の奔流に呑み込まれ浄化される。
『アカーンベェ……』
「輝け!」
『ハッピースマイル!』
「比企谷八幡!!今日の事は忘れませんよ!覚えていなさい!」
ジョーカーは俺に向かってそう叫ぶと何処かへと消え去ってしまった……
「……ええ、なんも身に覚えがないんだが……」
怖っ……
「やっぱり、れいかちゃん留学の話断ったんだ!」
「ええ、八幡君と離れ離れになるなんて考えられませんから」
「やっぱなぁ、ウチも留学の話聞いた時はおっかしいなぁって思ったもん」
「れいかちゃんだもんね」
「うん、れいかだもんね」
おい、なんだその納得の仕方は……
「ええ、私ですから♪後で学校の皆さんには私が断った事を周知しなくてはいけませんね」
うん、やっぱれいかが良いんならまあいいや……
みんなからの配慮を受け、二人での帰宅途中の分かれ道に差し掛かった時。
『はっちまんくーん!!」
「うおっとと?!」
飛びついてくるきょうかを今度こそ受け止める。助走がついてなければ流石に受け止められはするのだ。
『変なのにさっきまで絡まれてた所為で心が荒んでるんですぅ!なでなでして癒してください!」
「お、おお、よしよし?」
癒しだし、これで良いのか?
『ばぶ〜♪」
「きょうか……八幡君抱きつくのは良いですけど、公共の場で特殊なプレイをするのはやめてください///」
『じゃあ公共の場じゃなければいいんですよね!」
「え?!いゃ、その、そうですけど……」
おや?なんだが雲行きが怪しく……
『八幡君!今お家にお母様達は居ますか!?」
「や、い、何時もみたいに小町だけだが……?」
きょうかがぐいっーと顔を近付け聞いてくる。
これが噂のガチ恋距離だな。まぁ俺は既にガチ恋なんだが……
『よし!それならもうこの後の予定は決まりですね!」
「きょうか……貴女まさか……」
「え?この後の予定って?」
帰るんじゃ無くて?
『八幡君のお家にしゅっぱーつ!!」
この後めっちゃバブられてバブった。
という訳で今章はジョーカーざまぁ回でしたね!
最後に特殊プレイが追加されたのはご愛嬌という事でひとつ……
次回はみゆきちゃんが主ですかね、まぁ改変はいつもの事なのでそれはそれとして……
それでは次回もお楽しみに!