特にあかねちゃん、よく喋る子だからするって会話に参加させられるよね。
膝枕……いっすねぇ
微睡みの中で、少しだけ意識が覚醒してきた事を自覚する。先程まで何か良い夢をみていた気がするがもう思い出せない。やはりこの童話の森での昼寝は最高だ……休日だからと家を追い出した小町のことも、今なら余裕で許せる。
それにしてもなんだか甘くて良い匂いがする。やはり、昨日布団を洗った後に此処で干したのが良かったのだろうか?いつも晴れてるし日干しに最適だな。
「すーっ」 「んんっ??!//////」
トットットットッ!
やっぱ良い匂いだ……寝起きで頭がボーッとしてるからか、心臓の鼓動も聞こえてくる………ちょっと、いやだいぶ速いが……不整脈かな……
「すんすんっ」 「んっ……は、八幡君//////」
ちょっとこの匂い、癖になるかも……それにしてもれいかの声まで聞こえる気がするとか……俺自身、相当意識してるんだな……
「んんー!くぁ〜っと、今頃れいかは何してるかな……」
起き上がり、伸びをして眠気をとばす。飲み物でも飲もうかと振り返ると…………
「/////////」
真っ赤な顔をしたれいかと目があった…………おん?夢?
「ふっ?!//////」
れいかの頬に触れてみるが、一瞬ビクッと反応したが、されるがままになっている。もっとれいかの顔をよく見るため
、顔を近づけようとした時……
「ちょっと比企谷?アンタれいかに何しようとしてるの?」
「……緑川か、夢にしては変なタイミングで出てくるな」
「はぁ、まだ寝ぼけてんの?起きたんだったらさっさと目を覚ましな。れいかが膝枕して上げてたんだから感謝しなよ?」
…………は?夢じゃねーの?つか膝枕って……
「な、なあ……れいか?俺、もしかして匂いとか……」
「っ!//////」コクッ
頷いたれいかの顔がより一層赤くなる。
「な……はぁぁぁ!!??」
そして童話の森中に俺の叫び声が響き渡った……
あの後、俺の叫び声を聞きつけた星空達が集まって来た。少し落ち着いてから話を聞くとキャンディの兄貴――ポップとか言うらしい――の案内で此処にプリキュアの絵本を取りに来たところ昼寝している俺を見つけたのだとか……
「こりゃアレだな、俺は悪くねーな。悪いとしたら此処に連れて来た奴だな」
「拙者でござるか?!」
「いや、まぁ今回は許してやるよ。別に故意ってわけでも無さそうだしな」
「かたじけのーござる……ん?」
「ああ、そうだ。その絵本は見つかったのか?あそこのキノコの上に置いたと思ったんだが」
「……誤魔化しよったで」「比企谷……」
「おお!比企谷殿が置いてくれていたのでござるか。探す手間が余り掛からなかったので助かったでざる」
「おう、気にするな。ところでプリキュアの絵本を探しに来たって聞いたが、なんでなんだ?あれには基本的な事しか書いてないだろ?」
「八幡君はもう読んだんですね。実は私達、その基本的な事さえまだ知らないんです」
おいおいマジかよ。何も知らねーであんな敵と戦ってたのか?お人好し過ぎるだろ……
「そういう事か……わかった。一度読んだが俺にもプリキュアの事教えて貰えないか?」
「比企谷殿にもでござるか?……しかし危険に巻き込まれるかもしれないでござるよ?」
「それくらい承知の上だ。もう巻き込まれてるしな……それにれいかが渦中に居るのにただ見てるだけってのは違うだろ」
………反応しろよ、気まずいだろ……
「比企谷!よく言ったよ!アンタ男らしいとこあるじゃないか!」
「比企谷君かっこいいね」 「うん!かっこいいね!」
「せやせや!いやぁーれいかが羨ましいな!」
「……八幡君///」
なんか勢いに任せてとんでもなく恥ずかしい事言っちまった気がするわ……こりゃ帰ったら布団の中で悶えるしかねーな……
「比企谷殿、それ程の覚悟が……わかったでござる」
「では、改めて。伝説の戦士プリキュアの始まりでござる!」
「力の源であるキュアデコルを奪われてしまいました。そして皇帝ピエーロはそれを呪いの赤い絵の具で覆い、手下達に渡してしまったのです」
途中までは俺も読んだ話だったが、星空がポップに質問を始めた。
「それがアカンベェを生み出す赤い玉なの?」
やっぱこうやって質疑応答出来るのは助かるよな。つか、あの怪物アカンベェって言うのか……そのまま過ぎだろ……
「そうクル」
「女王様は最後の力でピエーロを封印し戦いは引き分けに終わりました」
「拙者達は女王様を復活させたいのでござるが、それには赤い玉を浄化し、キュアデコルを取り戻す必要があるのでござる。そして取り戻したキュアデコルはこのデコルデコールに……」 「入れるクル」
おいそれ今何処から出したよ……
いつの間にかポップはジュエリーボックスの様なモノを取り出していた。
「少しだけ持ってるよね」 「入れて見よ!」
星空がキュアデコル――なんかコレ子供のおもちゃ見てーだな――をデコルデコールにセットするとデコルをセットした部分が淡く輝き出した。
『うわぁ……』 ……なかなか綺麗じゃねーか
「デコルデコールがキュアデコルでいっぱいになれば、女王様が復活するでござる」
「みんなで頑張れば直ぐだよ」 『うん!』
「ところで悪者達はその後どうなったのですか?」
「じゃあ続きを読むクル」
そこからは特に知ってる話だったが最後のページではやはり、キュアビューティまでのプリキュアのページが増えていた。
「で、では、次のページは?」
開かれた次のページはやはり予想通り白紙で、何も描かれていなかった。
『真っ白?』
こいつら息ぴったりだな……
「なんで?」
「この絵本の主人公は君達なのでござるよ。だからこの先の物語は、君達が作っていくのでござる」
「私たちが……」
あの星空が珍しく感慨深そうだな……まぁいいや、とりあえず整理すると……
「つまりはだ。あのワーウルフ達が世界をバットエンドにしようとしていて、れいか達プリキュアがそれを阻止する。そして並びにアカンベェを浄化していき、キュアデコルを集めて、そのロイヤルクイーンを復活させるって事だな?」
「つまりわたし達はスーパーヒーローって訳ね」
……おん?何言ってんのこの子……
「いやぁー堪忍な比企谷。偶にこの子おかしな事言い出すんや……」
「そうでござる」 「クゥル!」
「よっしゃ!それじゃあ、みんなで気合い入れよか!」
「あ、まって!まだ大事な事を決めてない」 「なんや?」
「決め台詞」 「は?なんやそれ……」
「決め台詞だよ!せっかくプリキュアが五人揃ったんだもん!変身した後に、みんなで言う決め台詞を決めようよ〜」
「……どうでもいい」「ガーン……」
「すこぶるどうでもいい……」「ガガーン……」
くっそ……星空と同じ思考をしていた自分が憎い……でも決め台詞は必要だろ……
「みゆきちゃん……私はすっごくいいと思うよ!」
「……やよいちゃーん!」 「みゆきちゃーん!」
「「あはははは!!」」
「「はぁ……」」
この温度差よ……
「確かに決め台詞は団結には重要かも知れません……」
「そうだな、取り敢えず決めればあの二人も納得するだろうし決めた方がいいだろ?」
よっし、れいかも賛同してるしこの方向で早く話をまとめちまおう。
「仕方ない……」 「やるならはよ決めよか……」
二人も折れてくれたみたいだな……
『おー!』
そして決め台詞を決めようって事にはなったんだが……
「閃きました」
「ごーにん揃って……」 『五プリキュア!』
……コレは酷い。何が酷いって?……全部
「どう?」 「五プリキュアはないわ……」
流石に日野もコレはないと思ったようだな。
あれから暫く意見を出し合っているがろくな案が出てきていない。
「もうちょっと腕上げてみる?」
「こうでしょうか?」
「うーん、なんかしっくり来ないね」
れいかもよく付き合ってるな……日野と緑川はもう目が死んでるな、俺みたいになってるわ……
「何処かがバットエンドにされたでござる!」
五人を見守っていると突然ポップが叫んだ。
『え?』
「そんな事も分かるんですか?」
「じゃあ行かなきゃ!」
「ここは本の扉を使うでござる」
「本の扉?」
アレは本の扉って言うのか……そのまんまだな。
「先ず、行きたい場所を心に思ってくだされ」
「皆さんの笑顔が奪われた場所へ……」
れいかが分かりやすくイメージを言葉にしてくれる。
「そしてその本を抜くでござる」 「はい」
「左の本を右へ」 「次に下の本を左へ」
「最後に上の本を左右に」
れいかが本を言われた通りに動かすと本が光を放ち始める。
「これで行きたい場所の近くの本棚に出るでござる」
「……行きましょう」「……おう」
光の中へ進んで行くれいかに続いて俺達も光の中へ足を進めた。
八幡は新しい性癖、匂いフェチを手に入れた!
この性癖を外しますか?デロデロデンこの性癖は呪われているため外せません。
という訳でれかちゃんクンクン回です。匂いフェチ、実は地味に伏線はってました
比企谷八幡の明日はどっちだ!