小町の掛け声でプレゼントボックスのラッピングを剥がし始めながら周りの様子を見て、ふと思う。
こういう所でも結構みんなの性格が出るんだなぁ。みゆきやあかね、やよいなんかはラッピングを破り、俺やれいか、なおはテープを剥がし、ラッピングを剥いて開ける。
「わぁ本だ!えっと、『ロボッター外伝!〜この右手は真っ赤に燃えているか〜』だって!」
あっ、やよいのだわ、もうすぐ分かった。
「あっ、みゆきちゃんそれわたしの!」
「やよいちゃんの?ありがとう!」
まぁ、当たるべくしてみゆきに当たったのだろう。俺が当たっても読む事はするだろうが、楽しめるかと言われたら首をひねってしまう。
「ウチのは……入浴剤やって!」
「はいはーい!それはわたしのだよ!」
みゆきが入浴剤……珍しいな、絶対絵本とかだと思ったのに……
「へぇ?なんでこれにしたん?」
「お店の人にプレゼント交換にどんなものがいいですかって聞いたの!」
ナイス店員じゃん……
「ほお、じゃあ今夜から使ってみるわ!ありがとう!」
「わたしのは……タオル?あ、洗顔用って書いてある」
「あ、それ俺のだわ。出来るだけ貰って困らないモノで探したんだ」
「あっ!それお兄ちゃんが家用にも買って帰って来ましたよ!小町も使ってますけど使い心地いいですよ!」
「ほんと!それじゃあわたしも使ってみよっと。八幡くんありがとね!」
「おう」
「アタシのは……アロマキャンドルだね」
「あ、それは私のですね」
「れいかからの!?やった!」
「喜ぶ理由が不純すぎるだろ……」
「いいんだよ〜」
まぁ、本人が良いならいいんだけどな……
「私のは……醤油?」
「ただの醤油やないで、牡蠣醤油や!香りよし!味もよし!で、料理にも使えるで!」
「まぁ!それはそれは……あかねさん、ありがとうございます」
「感想待っとるで〜」
「ええ、原稿用紙三枚程でよろしいですか?」
「え、ちょ!?こ、口頭で一言二言でええんやで?」
「ふふっ、冗談です」
れいかが言うと大抵冗談に聞こえないんだよなぁ……
「え〜皆さん、プレゼント交換も終わりましたところで、宴もたけなわですがここで締めの挨拶に移らせていただきます」
交換したプレゼントの事で話していると、魚肉ソーセージをマイク代わりにした小町が終了の時間を告げる。
「ええ?!もうそんな時間なの?」
「まぁ時間はそんなでもないんですけど、もう日が落ちるんですよねぇ。真っ暗な中を皆さんを帰らせる訳にもいかないですし……小町も暗い中を友達の家に行くのは流石に……」
「そっか〜」
「じゃあウチらで小町ちゃんを送りながら帰るとしますかぁ」
「賛成!みんなで帰れば怖くないもんね!」
「おほー!皆さんありがとうございます!じゃあ〆!終わり!」
「小町ちゃーん?最後に適当に終わらせんなよ」
「え〜、じゃあもうお兄ちゃんが締めの挨拶してよ」
「えぇ……しょうがねぇなぁ。じゃあメリークリスマス!」
『……メリークリスマス!!』
「おぉ……!まさかほんとに締めてくれるとは……」
投げっぱなしで期待してなかったのかよ……
「はぁぁ……」
「まぁまぁ八幡君、素敵な締めでしたよ?」
「そう言ってくれるのはれいかだけだよ……」
「まったねー!」
「ばいばいクルー!」
「楽しかったでー!」
「あ、あんまり盛り上がりすぎないようにね///」
「明日電話するからどんな事が会ったのか教えてね!」
「後半二人うっせぇぞー」
『私も楽しかったですよ!」
「また皆さんで集まりましょうね〜」
日の落ちない内に軽く片付けをして、荷物をまとめたみんなと小町を玄関から送り出す。
「お兄ちゃーん!」
「おぉう、どうした?」
一度はみんなと玄関から出た小町だったが何を思ったのか俺の胸に飛び込んできた。やはり小町も一泊とはいえお兄ちゃんと離れるのが寂しいのかな?なんて……
「お兄ちゃん、避妊はしなきゃダメだよ?ゴムはお母さんが買っといてくれてるから、場所は……」
「………なおー!」
「え?なにー?」
なおを呼び付け、小町の脇に手を入れ――
「あれ?え?お兄ちゃんっ?!」
「ふんっ!!」
――投げ飛ばす!
「ちょ!?」
「ぴゃー?!」
宙を舞う小町だが、あらため呼び付けていたなおが、すかさずキャッチする。
「なっ!なにをするだァー!?」
そっちこそ何を言うつもりだよ……
「もー!バカー!おたんこなす!八幡!皆さん、もう行きましょ!」
小町はぷんすこ怒りながらなおの手を取り、こちらを振り返りもせずに歩いていってしまう。
手を取られたなおは苦笑いを浮かべながらこちらに手を振って小町と歩き出し、他のみんなも数回こちらに振り返りながら手を振り小町となおの後を追って行った。
「小町さんと何を話していたんです?」
みんなを見送り、家に戻ろうとした時れいかに先程の事を聞かれが……
「……内緒だ」
まぁ、言えるわけねぇよなぁ……
「……まぁいいでしょう。無理に聞き出して八幡君に嫌われたくありませんし」
「助かるよ……まぁ、嫌うことは無いだろうけどな」
「ふふっ♪」
れいかと部屋に戻り、今度はせつな迎える為に残り物を片付けたり、先程別に取り分けておいた料理を温めたりと準備を始める。ケーキはもう残ってないが今度はせつなが予約しておいたケーキを受け取って来てくれる事になっているのだ。
「そろそろ時間か?」
準備も一段落し、約束の時間までれいかとソファに背を預けテレビを見ている。今日がクリスマスということもあり、テレビの話題もオススメのイルミネーションスポットや、クリスマス特集をしている番組ばかりだ。
「……そうですね」
一瞬、時計に目をやりれいかも頷き、続ける。
「せつなは時間ピッタリに始めますか?それとももうクリスマスパーティを始めてしまいましょうか?」
ん?せつな?
「……そうね、それならもう始めちゃおうかしら?」
「うおぁ?!」
突然耳元で聞こえた声に慌ててソファから立ち上がり、振り返る。
振り返った先にはソファの背もたれに肘をつき、イタズラが成功したのが嬉しいのか艶やかに微笑むせつなの姿があった。
「こんばんは、八幡………メリークリスマスの方が良かったかしら?」
「いや、こんばんはでいいぞ?」
何やら考え込んでいると思ったが予想以上にどうでもいい事だった……だが、それがまた可愛い!!
「そうだ、ところで何時から来てたんだ?」
流石にあの距離に居られたのなら、俺が気が付かない事はないと思うのだが……
「ついさっきよ?本当は二人とも驚かすつもりでこの部屋に移動してきたんだけど、来た瞬間にちょうどこっちを見ていたれいかと目が合っちゃったのよねぇ」
「ええ、急に現れるんですもの、びっくりしすぎて声も出なかったんですよ」
「私こそ移動した瞬間に目が合うんだもの、驚いて逆に声を出しちゃいそうだったわよ」
二人とも不満気に言い合ってはいるが……
「でも結局二人は俺を驚かす為に協力したんだろ?」
『ええ♪』
息ぴったりでいい笑顔だこと……
「あ、そうだ。はい、ケーキ。踏まないうちに渡しておくわね」
せつなが
「持ってないと思ってたら、そんな所に置いてたのか?」
「しょうがないじゃない……重かったんだもの」
「俺を驚かそうとしないで普通に渡せば良かったんじゃねぇの?」
やられっぱなしは癪なので少しイジワルをしてやれると……
「……だって、それじゃあつまらないもの……」
ぷくぅっと頬を膨らませながらも悪い事をした自覚はあるのかそっと顔を背けるせつな。
くぅぅぅっ!!可愛「きゃぁぁ!もうせつな可愛すぎです♡」
俺の内心の叫びがそのまま現実に現れたかのように、全く同じ感想を叫びながらせつなに抱きつくれいか。
「きゃっ!?」
ぎゅぅぅっ!!っと擬音が付きそうな程強く抱きつき離れる様子が無い。
せつなも最初はされるがままになっていたがだんだんイライラしてきたのか引き剥がしに掛かるが一向にれいかが剥がれない……これは多分きょうかも協力してるな……
「はぁぁ……八幡、さっきは私が悪かったかられいかを剥がすのを手伝ってちょうだい……」
なんかゲッソリしてきてない?れいかになんか吸われてる?
「ああ、流石にこれはれいかがやりすぎだしな……」
こうして俺は絶賛引っ付かれ中のせつなと協力してれいかを剥がしにかかるのだった。
あれ?おかしいなクリスマスパーティだったよなこれ?
キャラ崩壊が加速し始めているれかちゃんですが、正気を取り戻す事はできるのでしょうか?………それは作者にも分かりません。ノリと勢いで書いてますので……
おそらく次回で今章は完結すると思います。多分、おそらく、Maybe……
それでは次回もお楽しみに!