いやでもこの小説はれかちゃんと八幡の日常のお話(のはず)だから!
また虹色の空間を通り外に出た場所は近所の図書館だった。
「はっ……見て下さい!町の人達が……」
図書館を利用していたのだろう人達が、力なく下を向き項垂れている。
「あれ?みゆきちゃんは?」 「へ?」
そこにキャンディが遅れて本棚から飛び出して来た。
「みゆきは間違って南極行ったクル!?」
『南極?!』 「何やってんだか……」
「しょうがねぇ、見たところポップが迎えに行ってるみたいだし、取り敢えず星空が来るまで足止めしに行くぞ」
「そうですね。皆さん急ぎましょう!」
「イーヒッヒッ、いい感じだわさ!」
「お待ちなさい!」
「んん?」
「世界をバットエンドには変えさせません!」
「プリキュア、待ってただわさ!いでよ!アカンベェ!」
『アカンベェ!』
いきなりだなおい!今回は空き缶か?……前回は分身だったが、今回はどんな能力を使って来るんだ?
『アーカンカンカンッ!ベェ!』シュー!
おいおいミサイルかよ!空き缶関係ねーじゃねーか!
「きゃあ!」 「うおっ!」
ミサイルを避けながら逃げ回る。
「もう四人で戦いましょう!」 「でも決め台詞が……」
「今それどころちゃうやろ!」
「ヒャッヒャッヒャッ、変身もしないでブハッ……」
コチラを嘲笑っていたババアの顔面にどこからか雪玉が飛んでくる。
「みんな遅れてごめん!」
雪玉を投げたであろう星空は……全身雪まみれで震えていた……
「みんな聞いて!閃いたよ!決め台詞!」
星空は全身を犬のように震わせて雪を落とすと、みんなを集めて円陣を組みアイデアを伝え始めた。……今戦闘中だった筈なんだがな……
「何話してるだわさ!」 ほら、向こうさんもキレてる……
「じゃあ行くよ!」
星空の掛け声と共にみんな光に包まれ変身していく。
「しんしんと降り積もる、清き心!キュアビューティ!」
『五つの心が導く未来!輝け!スマイルプリキュア!』
いいじゃん……でも今戦闘中なんだって……決め台詞と決めポーズを決めている五人に向かってミサイルが直撃する。
「れいか!」 「みんなー!」
「うぐぐ……不意打ちなんてズルい」
「皆さん!早く立って!」
やばいな倒れているプリキュア達にアカンベェが近づいてきている。
「踏み潰してやるだわさ!」
『アカーンベェ!』
足を振り上げたアカンベェの前にポップが飛び出す。そして口に巻物を加えると……
「ドロンでござる!」
ポップを煙が包むとそこから現れた影がドンドン大きくなりアカンベェの前に立ち塞がる。
「そうはイカの、キンピラでござる!」
「なんだいありゃ?!」
「ポップ……なのか?」
状況的に考えればポップなのだろうが……だいぶ声が低くなってんな。
「変わり過ぎだろうよ……」
「どすごーい!」
ポップはアカンベェを張り倒してしまった……
「なんなの?」 「プレス機かしら……」
「お兄ちゃんの変化の術クル!」
変化の術にござる口調って、もう完全に忍者じゃねーかよ……
つか、空き缶にプレス機とは考えたな……
言っている間にもポップはアカンベェを自身にセットしていた。
「さぁ!反撃でござる!」
「さぁ行くよみんな!」 『いち、にの、さん!』
掛け声と共に全員で飛び上がる。
「プリキュア!ぺちゃんこアタック!」
……いやネーミングセンスよ……
空き缶型のアカンベェを挟み込んでいるポップに全員で飛び乗り押し潰す。理にかなってるんだが絵面がなぁ……
『ア、アカン、アカン』
「ハッピー、今クル!」
「気合いだ!気合いだ!気合いだ!気合いだぁ!」
「プリキュア!ハッピーシャワー!!」
潰されて満身創痍のアカンベェにハッピーの手から放たれたピンク色の光の奔流が直撃する。
『アカンベェ……』
「やったー!」
「お、覚えてろだわさ!」
今回は前と違って捨て台詞の小者臭がすごいな……
ハッピーの技によって浄化され、赤い玉がキュアデコルに戻る。
「星デコルでござるな。では、ここに入れるでござる」
「うん!」
これでまた一つキュアデコルが集まったな……
「それにしても助かったよポップ」
「化けられるなんてなぁ」 「格好良かったよ!」
「かっ、こいい……いやぁ、拙者は別に……ごはっ?!」
照れて自爆してらぁ……でも後頭部強打は普通に痛そう……
「それじゃ俺達も戻るか?」
「待って欲しいでござる」
アカンベェも浄化したし帰ろうとすると、ポップに引き留められた。
「あん?なんかあるのか?」
「大事な話があるでござる……この辺りで見晴らしの良い所はござらんか?」
「わかった!それじゃあ彼処の高台でしよ!」
星空の提案で高台に場所を移しポップからの言葉を待つ。
「……拙者はこれで一旦メルヘンランドに帰ろうと思うでござる」
「お兄ちゃん帰っちゃうクル?!」
「なんでクル?いやぁクル!」
「拙者はメルヘンランドの任務があるのでござるよ」
「クールー!?」
キャンディはポップの言葉を受け入れたくないようで泣き喚いている。
「寂しくなったら電話デコルを使えばデコルデコールから何時でも話せるでござる……」
「キャンディ?お兄ちゃんとの約束覚えているでござるか?バイバイする時は?」
「ズズっ……スマイルクル……」
ポップは兄貴としてしっかりキャンディを思ってるんだな……
「偉いでござる」
でもうちの場合は逆に小町が居なくなったら俺が泣き喚きそうだわ……
「では!」
ポップは懐から自分よりも大きな絵本を取り出すとその中に入っていった。……いやだからどっから出したよ……
「皆の衆!妹と宇宙平和をよろしくでござる!」
「さらばでござる!」
ポップの入った絵本は、浮き上がると鳥のように羽ばたいて飛んでいってしまった……えぇ、そう帰んの?
「行っちゃった……」
「ウッ、グスッ、グスッ」
キャンディも涙をボロボロ零しながらポップを見送っている。
「キャンディ、大丈夫だよ」「……クル?」
「ほら」 星空はキャンディを抱えてコチラを振り返る。
「キャンディには私達が着いています」
「みんな友達だよ」 「いつも傍におんで」
「だから泣かないで、ね?」
「まぁ、なんだ……俺にも妹が居るからな、気持ちは分からんでもない……」
「みんな、ありがとうクル……キャンディは、キャンディは…………」グキュー
「……お腹すいたクル」
「もうキャンディってば……」
『あはははは!』
「はー笑った!じゃあアタシ達も帰ろうか!そろそろお夕飯の用意しないと」
「そうだね!キャンディじゃないけど、わたしももうお腹ぺこぺこだよー」
「ひどいクル!」
『あはははは!』
「あ、比企谷はちゃんとれいかを送ってあげるんだよ?」
「……はいはい、言われんでも送ってくつもりだったよ」
「なぁれいか、比企谷、言われんでも送ってくつもりやってんて!」
くぁぁ!墓穴掘ったわ……
「……もう、あかねさん、揶揄わないでください。八幡君はその、ありがとう……ございます」
「お、おう……」
「いやー!ウチらは馬に蹴られんうちに行くわ!お二人さんはごゆっくりなー」
「れいかちゃん!あの……頑張ってね!」
他の奴らは日野に背中を押されて先に帰っていく……つか、日野だけならまだしも黄瀬、お前もか……
「……では、私達も行きましょうか///」
れいかは若干、頬を染めながらも手を差し出してくる。
「……おう」
差し出された手を握ると、れいかの手が動き恋人繋ぎに直される。
れいかは繋ぎ直した手を一度、軽く握ってから歩き出した。俺もつられるように歩き始める。
れいかの家までという決して長くはない距離だったが、繋がった手を通して気持ちが通じ合うようで……会話は特に無かったのにとても癒される時間だった……
恋人繋ぎっていっすねぇー
これ書きながらニヤニヤし過ぎてお気に入りの服によだれたれたんすよね……