いやー、話初めの取っ掛りが何時も悩むんですよねー
(1)
人生とは何が起こるか分からないものである。一度はドン底――まぁ、俺の主観だが――に落ちたと思えば、今では、いつの間にか隣にれいかがいる。いや……本当に結構な頻度でいる……
あの頃の事があったからこそ、れいかが俺に興味を持ったのだから本当に分からないものだ。そしてまた、人生とはだいぶスケールが小さくなるが妹、小町もまた何をしでかすかわかったものではない。
そう、それは朝食の席での事
「ねぇねぇお兄ちゃん、お
「ブホッ!ゲホッゴホッ……小町ぃ、てめぇ俺が口の中にモノ入れるタイミング見計らってたろう……」
「うん!」
元気のよろしい事で……妙にさっきからこっちをチラチラ見てきてると思ったら……
「つーか何時聞いたんだよ?まだれいかと連絡先交換してない筈だろ」
「んー?この前の読み聞かせ会の時に、こう……お
えぇ……映画の見すぎだろ……
「……ていうかお兄ちゃん。小町今、聞き逃せない事があったんだけど」
「おん?」
「今お
「ああ?そりゃれいか……あ」
「はい!名前呼びいただきましたぁ!あ、あー!?小町一生の不覚……そういえば昨日お
……もう小町のテンションに着いてけねーや、朝からテンションの乱高下がすごい……
「……で?何時から名前呼びになったの?」
急に真顔になるじゃん……
「……お前と一緒で読み聞かせ会の日だよ」
「えー、お兄ちゃんその日は帰ってから何かあったか聞いたのに何もないって言ってたじゃん!そういう事が聞きたかったのに〜!」
そういう反応されるから言わなかったんだよ……
「まぁ過ぎたことだしいいや、でもねお兄ちゃん!次に黙ってたらお
「……え、超怖いんだけど……」
色々ってなんだよ、色々って……
「あ、そうだ。後で他の人達も紹介してね。お兄ちゃんがお世話になってるのに小町まだ挨拶も出来てないから」
「……はいはい、わかったよ。あ、今日は帰るのが少し遅れるかもな」
「あ、お
「……まあな」
何かもう俺より連絡取り合ってるまであるな……
「あ、八幡君、おはようございます」……シーン
oh......さっき迄あんなに騒がしかったのに、れいかが俺を名前で呼んだ瞬間に一気に静まり返りやがった……
「……ああ、おはようさん」
あんなにも注目されるのが嫌だった筈なのに、れいかと一緒に居ると自然と俺にも注目が集まるから、慣れてきはじめている俺が居るのが怖い……
「………おはようございます。八幡君」
え?何?怖い怖い……笑顔なのに怖い……そんなに顔を近づけてこないで……
「お、おはよう、れいか?」ザワッ!
「はい!おはようございます」
名前を呼ぶことが正解だったようで、れいかは何時もの愛らしい笑顔に戻り席に着いた。……でも代償がでかいんだよなぁ、男子の何人かがこっちを睨んできてきいるのが分かる。……まぁどうにもならないんだが……
「おはよう比企谷!」
微妙な空気を割るように緑川が挨拶をしながら近づいてくる。
「……おう、おはよう」
挨拶を返すが緑川はそのまま俺の肩に腕を回し歩き出す。
「え……何事?」
「れいかー、ちょっと比企谷借りるよ!」
緑川はれいかに一声かけるとそのまま廊下に俺を連れ出す。
「……で?どういうことだ?」
「ちょっと乱暴だったかな?ごめんね。でも比企谷、アレはダメだよ」
なんかいきなりダメだしされたんだが……
「比企谷……れいかがアンタの事、もうほぼ好きになってるのに気付いてるよね?」
「な?!」
緑川のやつ……いきなりなんて事言いやがる?!
「気付いてるでしょ……あんなにもれいかが一人の男子に構ってるとこなんて、アタシは見たことないよ……」
「そりゃ……まぁ……」
流石に俺だって薄々そうじゃないかとは思っていた……だけど、それを認めたら俺とれいかとの関係が別のモノに変わってしまいそうで怖い。好転するのならまだいいが悪くなってしまったら俺は耐えられない……俺は今のれいかとの関係が好きだ。ぬるま湯に浸かっているような、居心地の良い関係が……
「アタシだって、直ぐにれいかと向き合えなんて言わないよ。でもれいかが求めている事には応えてあげて欲しいんだ」
「……それなら……いいが」
「ありがと比企谷、今れいかはアンタの事を名前で呼びたがってるし、アンタにも名前で呼んで欲しがってる。れいかは多分、これが初恋でまだ好きって気持ちもわかってないんだよ……」
「…………」
「……だからさ、さっきみたいに不器用な事もこれからまだ比企谷にしちゃうことがあるだろうけどさ……受け入れてやってほしいんだ。アタシもアンタにれいかのことを好きになれって言ってるわけじゃない。ただ拒絶だけはしないでやってほしい……」
「……わかった。ただ、これは別に緑川に頼まれたからって訳じゃない……俺もれいかには助けられてるし、れいかには傷付いて欲しくないからだ」
そう、頼まれてやるようでは、それはれいかの気持ちを蔑ろにしているようなもんだろ。俺は俺の意思でれいかの事を受け止めるし、まだ宙に浮いている様な、俺のれいかへの気持ちも決めていくつもりだ……
「……ありがと、その言葉が聞けて何よりだよ。代わりにクラスの事はアタシに任せておいて、さっきの事で比企谷は今話題の中心だろうしね」
……それがあったかー、緑川マジ女神
緑川と教室に戻ると凄い数の視線が集中してるのが分かる……がそれに気付かない振りをして席に着く。後で緑川が何とかしてくれる筈だ……何とかしてくれるよな?
「八幡君、先程はなおとどんな話をしていたんですか?」
席に着くとれいかが直ぐに声をかけてくる。
「いや、それほど大した話じゃないんだがな。緑川がれいかの事をこれからも何かと気にかけてやってくれってな」
まぁこの程度なら話しても大丈夫だろう、嘘をついてる訳ではないし、出来るだけれいかに嘘はつきたくないからな……まだれいかが童話の森の事を知らなかった時に吐いた嘘の事を思うとに暗い気持ちになる……後で謝らなきゃな
「もう、なおったら心配性なんですから……」
「そう言ってやるなよ、緑川もれいかの事を大切に思っているって証拠だろ」
「……そうですね、八幡君ありがとうございます」
キーン コーン カーン コーン
無事授業も終わり放課後になった。一部無事とは言えない教科――数学とか――もあったりしなかった訳では無いがそれはそれだ。
「八幡君、昨日連絡したように今日は夏のお花を植えようと思うのですが大丈夫ですか?」
「……おう、大丈夫だ。それに、れいかからも小町に連絡してくれたらしいな」
「ええ、ポケットに小町さんの連絡先が入っていた時は驚きましたが、小町さんは本当に八幡君の事が好きなんだなというのが話していて伝わって来ますよ」
「そうなのか……なんだかむず痒いな」
「ふふ、兄妹の仲が良いのはいいことじゃないですか」
「まぁそうだな。っし、じゃあ始めるかね」
「はい!では手順を説明しますね……」
今回は少しきりが悪かったかも
あとなんか話が思った以上にぶっ飛んだ気がする……
特にれかちゃんの恋心をなおちゃんが暴露はお手手が勝手に動いたの……これはマジ
これからなおちゃんにはサポーターとして活躍してもらうことになるっぽいかも