side:れいか
目が覚めると見慣れない天井が目に入りました。
「ふぁ……はう」
そういえば昨日は八幡君のお家に泊まらせて頂いたのでしたね。体は違うのに習慣というものは抜けないものです。何時も起きる時間に自然と目が覚めてしまいました。
「ん?あ、これは……」
左手に違和感があったので確認するとまだ八幡君と繋いでいるままでした。
「私が眠ってしまった後も、ずっと握ってくれていたようですね」
昨日は随分と八幡君に甘えてしまいました。
「八幡君は優しいですね……そんなに優しいと、もっと甘えたくなってしまいますよ」
口にしてから、はたと気づきます。
「……私、はしたなかったでしょうか?」
思い返して見れば、まだ交際もしていないのに男女でお風呂に入ったり、
「………私は八幡君の事が……好き……なのですか?」
「……んん……」
その時、私の声聞こえたからかは分かりませんが八幡君が寝返りを打ちました。こちらを向いたその寝顔は、見慣れた自分のものの筈なのに、どうしてか愛おしさが込み上げてきます……
「……八幡君は、私の事をどう思っているのですか?」
思えば最近は、何時も八幡君の姿を追っていた気もします。
始めは、ただ興味があるだけでした。それがいつの間にか私の中で大きくなって、今では八幡君の事を考えない日はないくらいです。
……これが好きという事なんでしょうか?まだ実感はありません。ただ、一つだけ分かるのは……もう私には八幡君のいない生活は考えられないという事です。
……もし元の体に戻れたら、この曖昧な気持ちを八幡君に伝えてみましょう。……八幡君はどういった反応をするでしょうか?
「……ふふっ、楽しみですね……」
さあ、何だか考えもスッキリしましたし、皆さんの為にも朝食の支度をしましょうか。
昨日の夕食後に、小町さんに教えていただいた棚から調理器具を取り出します。メニューは昨日買った鮭の切り身を焼いたものとお味噌汁にしましょうか。ご飯は昨晩、小町さんに予約して頂いたのでもう炊けているでしょう。
「おはよぉございますお
お味噌汁を作っていると小町さんが起き出してきました。
「小町さん、おはようございます。なおはまだ寝ていますか?」
「なおさんはまだ起きてないですね。小町の他に起きてきた人はいますか?」
「まだ小町さん以外は誰も起きて来ていないですね。小町さんもまだ寝ていてもいいですよ?」
「いえ、小町は大丈夫です!それより小町にも手伝えることってありますか?」
「そうですね……では目玉焼きを人数分作って頂けまますか?」
「了解です!何か気をつけることとかあります?」
「ええ、出来るだけ黄身が半熟の状態になるようにお願いします」
それを鮭の上に乗せたら美味しそうですしね。
「わっかりました!お任せ下さい!」
そう言うと小町さんは直ぐに目玉焼きを作り始めます。私もお味噌汁が完成したので鍋に蓋をし、火から外しておきます。
お次は鮭ですね。脂が乗っていて、とても美味しそうです。二切れずつ焼いていき、お皿に盛り付けたら直ぐに冷めないようにラップを掛けておきましょう。人数が多いので最初の方に作ったものが冷めてしまうなんて事になりかねません。
お皿にレタスを敷き、その上に焼き鮭、更にその鮭の上に目玉焼きを乗せ、彩にプチトマト。そして最後に昨日少し余ってしまったマッシュドポテトを添えて完成です。
「これで完成ですね」
「わあぁ……すっごい美味しそうです!」
「ふふっ、では早く食べられるように皆さんを起こしに行きましょうか」 「はい!」
部屋に入ると、八幡君はまだ布団に
「八幡君、起きて下さい」
「ん……んん……?」
身体を揺さぶり声をかけると目が覚めたようです。
「……あ、そうか、入れ替わってたんだよな……」
始めは私の事を見て怪訝そうな顔をしていましたが、直ぐに思い出したようです。
「おはようございます。起きたら目の前に自分の顔があれば驚きますよね……」
無理もありません。私も意識がはっきりした今でさえ、私の姿をした八幡君を目の前にすると違和感や愛おしさ等、色々な感情が湧き上がってきてしまいますから、寝起きなら尚更でしょう。
「……おはよう。確かにちょっと驚いてたわ」
「やっぱりそうですよね。あ、朝食の用意が出来ましたのでお呼びしに来たんです」
「……わかった、顔洗ったらすぐ行くわ」
「わかりました、お待ちしてますね」
「……あ、れいかおはよう。いやぁ、入れ替わってるってわかっててもやっぱりちょっと混乱しちゃうね」
「おはようございます。そうですよね、早く元に戻れればいいのですが……」
「……そうだね。アタシも早く二人を元に戻せるように頑張るよ!」
なおは何時も頼りになりますね。
「ありがとうございます。私も頑張りますね」
「うん、それじゃあ頑張るためにも、まずはご飯だね!」
「ふふっ、もうなおったら、用意は出来ていますので皆さんが揃ったら食べましょう」
『いただきます!』
「んー!小町ちゃんのハンバーグも美味しかったけど、れいかちゃんの朝ごはんも美味しい!」
「ホンマに美味いな!」 「幸せ〜」
「やっぱりれいかの作るご飯は美味しいね!」
「お
「……まぁ、そうだな」
「もう!照れてないで素直に感想くらい言えばいいのに!」
小町さんは嬉しい事を言ってくれますね。それに……八幡君も照れていて可愛いです。
「ふふっ、皆さんお上手なんですから。でも、嬉しいですね。ありがとうございます」
「……その、なんだ、俺も彼奴らもお世辞で言ってるわけじゃねーからな」
「あら……ふふっ、その言葉が一番嬉しかったかもしれません」
朝食を食べ終わり、食休みを挟んで皆さんの準備が整いました。
「……取り敢えずだが、今日も各自別れて手掛かりを探そうと思う。なにか分かったら直ぐに連絡して欲しい。……それと俺たちの為に……その、色々ありがとな」
「比企谷君、お礼を言うのはまだ早いよ!」
「せや!ウチらもまだなーんも、見つけられてへんしな」
「いえ、そんな事ないですよ。皆さんには私達二人、とても助けられています。だから私からもお礼を言わせてください。皆さんのお力を貸して頂きありがとうございます」
「……ええ、れいかちゃんまで」
「アタシらもお礼を言われるような事は出来てないんだけどね……」
「そしてもう一つ……お願いがあります」
八幡君の方を見ると、彼も私が何がしたいのか分かってくれたようで頷きを返してくれます。
「私と八幡君が元に戻れる様に、皆さんの力を『(俺たち)私たちに貸して(くれ)ください』
『………もちろん!』
皆さん、一瞬驚いた様な顔をしましたが、直ぐに力強く頷いてくれました。
「……私たち、良いお友達を持ちましたね?」
「……ああ、そうだな」
八幡君も照れ臭そうにしながらも否定はしませんでした。八幡君も遂にお友達と認めてくれたみたいですね!
あの後、皆さんと別れてから私は校舎の中を探しています。指輪は花壇の中にあったのでもしかしたら校舎の窓から外に落ちたのかも知れないと思ったからです。
「特別教室や空き教室も探してみるべきでしょうか?」
手掛かりが見つからずに、探索範囲を更に広げようかと思っているとみゆきさんから吉報が届きました。
『手掛かりが見つかったよ!詳しい話はみんなが集まってからするから直ぐに近くの○○公園に来て!』
「わたしね、何処を探せばいいか分からなかったからお巡りさんに、ペアリングを知らないかって聞いてみたの!」
それは……私には考えつかない、みゆきさんならではの発想ですね。
「そしたらマジョリーナって言うおばあちゃんが落として探してるって教えてくれたんだ!つまりそのおばあちゃんを探せばいいんだよ!」
「……なぁ、みゆき。もしかして気づいてへんの?」
「ん?なにが?」
「……おばあちゃんでマジョリーナっていったら」
私にも一人しか思い当たりません。
「三幹部のマジョリーナクル!」
キャンディが大きな声でその正体を告げました。その時です……
「誰だい!アタシの名前をそんな大きな声で呼ぶのは?」
近くに置いてあった。両側から座れるベンチの反対側からマジョリーナが顔を出しました。
『………………』
『ああああああ?!』 「それは?!」
私たちはお互いに指を指し合いながら大きな声をあげてしまいました。
「イレカワールだわさ!お前たちが持ってたのかだわさ!?」
イレカワールって……名前からしてこの指輪ですか?!八幡君と入れ替わってしまうだなんて、不思議な事だと思いましたが……マジョリーナが関わっていたのなら納得です。
「ちょっとアンタ!比企谷とれいかを元に戻しなさいよ!」
「せや!二人はあの指輪のせいで大変な思いをしてんねや……多少おもろい事もあったけど」
「……んん?元に戻せ?もしかしなくてもキュアビューティと小僧が入れ替わってるね?」
「……あ、もしかしてコレって言わない方が良かったかな?」
「いーひっひっひ!こりゃ愉快だね!という事はキュアビューティ!お前は変身できないだわさ!」
「くっ……!」
……どうしましょう今は八幡君の体ですし……変身出来なければ足を引っ張ってしまいかねません……!
「れいかの分もアタシたちが相手になるよ!」
なお達がスマイルパクトを手にすると共に光に包まれていきます。……外から見たのは初めてですがこんな風になっていたんですね。
「おい、れいか!ぼーっとしてないで少し距離をとれ!近くにいたら、かえって邪魔になりかねん」
「は、はい!」
そうでした。私のせいで皆さんを危険に晒す訳には行きません。
そうして光の中から四人が出てきました。
「キラキラ輝く、未来の光!キュアハッピー!」
「太陽サンサン、熱血パワー!キュアサニー!」
「ぴかぴかぴかりん♪じゃんけんぽん!キュアピース!」
「勇気凛々、直球勝負!キュアマーチ!」
「ふん、ビューティが居ない時はコテンパンにやられていた癖に生意気だわさ!」
「世界よ最悪の結末、バッドエンドに染まるだわさ!白紙の未来を黒く塗りつぶすだわさ!」
マジョリーナは絵本を開くと、握り潰した黒い絵の具を白紙のページに叩きつけます。……すると辺りはバッドエンド空間に包まれ、先程まで楽しそうに遊んでいた子供たちや親子連れが、無気力そうに俯き、その場に座り込んでしまいました。
「人間共の発したバッドエナジーが悪の皇帝ピエーロ様を蘇らせていくだわさ!」
「子供たちに……!許せません!」
「れいか!子供たちを!」
八幡君は近くに居た子供たちを抱えて出来るだけ遠ざけようとしていました。
悔しいですが今は皆さんを信じて、私に出来る事をしましょう。
子供たちを離れさせていると、あちらにも変化がありました。
「どぉれ……いでよ!アカンベェ!」
『アカーンべェ!!』
マジョリーナが赤い絵の具玉を掲げると、タイヤの遊具がタイヤ型のアカンベェに変わってしまいました。………少し何時もより小さい気もしますが……
「ちっちゃ……」
サニーも同じことを思っていたようですね。
「見た目で舐めると痛い目を見るだわさ!」
その言葉に続くように、アカンベェが高速で回転しながらサニーへ突撃していきます。当然サニーも迎え撃とうとしますが、その大きさ故に小回りが相当利くのか何度も不規則に切り返しサニーを轢いてしまいました。
『アカカカカッ!』
「うわっ!?」 「キャッ!?」
サニーを轢いてからもアカンベェは止まらずに、ハッピー、ピースと立て続けに撥ねていきます。
「いい加減……止まりなさい!」
マーチが何処からか角材を持ってきて、アカンベェの前に置き、乗ったと同時に跳ね上げました。
『アカン?!……ベッ!ベッ!』
跳ね上げられたアカンベェは、一瞬驚いた様でしたが直ぐ様空中で体勢を立て直し、サニーとマーチに向けてタイヤを吐き出します。
「ちょっ?!」 「なんやっ?!」
タイヤは二人に当たると分裂し、二人を拘束してしまいました。
『アッカンベェ!』
身動きのとれない二人を突き飛ばし転がすと、その勢いのままハッピーとピースにもタイヤを吐き出し、拘束してしまいました。
「いーっひっひっひっ!だから言っただわさ!これで……残ったのはお前達だけだわさ!」
戦える皆さんはタイヤに拘束され転がされてしまいました。そうして今、マジョリーナとアカンベェの矛先は私達に向けられてしまっています。
「お前達がその指輪を拾ってくれてラッキーだわさ」
「どうして……!」
「チッ!これさえ外せれば……!」
指輪を外そうとしますがやはり外れません……!
「そんな事したって絶対に外れないだわさ!これを使わない限りねっ!」
マジョリーナは私達に見せつけるように小瓶を取り出しました。
「それは?!」
「これは魔法の指輪、イレカワールを外せる唯一の薬。その名も………モトニモドール!!」
「……そのまんまやん」 「センスないわね……」
「うるさいだわさ!アカンベェ!」
『アカンベェ!』
そして、マジョリーナの指示でアカンベェが私達に向かって飛びかかって来た時でした……!
ザッ…… 『アカン?』
「……なんのつもりだわさ」
私をその背に庇うように八幡君が前に出たのです……
「俺が、目の前でれいかが傷付くのを許すと思ってるのか?」
「八幡君!無茶な事はしないでください!」
「……俺は出来た人間でもないし、友達も少ない、ロクな奴じゃないって自覚はあるんだよ。ただな、そんな俺が初めて大切だと感じたモノを……れいかを……絶対に守るってのは、前から決めてた事なんだよ!」
「……八幡君」
私の事を大切だと……そう思ってくれていたんですね。
私も……貴方のことが……
「ふんっ、変身も出来ないくせにいきがって……お前が何をしようと全部無駄だわさ!」
「お黙りなさい!!」
「……れいか」
「……確かに八幡君は変身する事は出来ません。……しかしそれが何だと言うのですか!八幡君は私たちのように変身して、力が、身体が、強くなる訳では無いのに、痛みに耐えて私達を守ってくれました!」
そうです。なおから伝え聞いた話ですが、初めて私がプリキュアになった時もボロボロになりながら私を守ってくれていました……
「そして今も!私を守ろうとしてくれている!そんな八幡君を……バカになんてさせません!」
パァァァァァァ!!
「な、なんだわさ?!」
突然、八幡君が腰から下げていたスマイルパクトから光が溢れ出してきました。
「れいか、これって……」
「ええ、やってみます」
八幡君からスマイルパクトを受け取ります。
「あの、さっきはありがとうございました。……とても、嬉しかったですよ」
「俺が勝手にしてる事だから、気にしないでくれ……///」
「それでも……ですよ」
『……(ははっ)ふふっ』
「……それでは、見ていて下さい」
キュアデコルをスマイルパクトにセットします。
Ready!
「プリキュア!スマイルチャージ!」
GO!――GO!GO!Let'sGO!!
パフに息を吹きかけ、舞い上がる粉雪を身に纏うと何時もの衣装とは違い、白地に青いラインの入ったスーツに変わります。
髪が青く染まり、頬にパフを付ければ、最後に白地に雪の結晶をあしらったマスカレードを着けます。
「刻々と陰りゆく、清き心!キュアダーティ!」
私は普段とは少し……いえ、だいぶ雰囲気が異なりますが変身する事が出来ました。
「……見てください!変身出来ましたよ!」
「……お、おう。見てたが……俺の姿でやられるとなんかむず痒いな……」
「そこは一緒に喜んで欲しかったのですが……」
「……ぐっ、すまん」
ふふっ、しょんぼりしてしまいました。ですが、そんなところもまた可愛らしいですね。
「キュアダーティ……!」 「かっこいい!!」
「二人ともすごいクル!」
「くぅ!変身出来たところでなんなのさ!他の四人みたいに動けなくして転がしてやるだわさ!アカンベェ!!」
『アカンベェ!』
タイヤ型のアカンベェが転がってきますが、次にどの様に動くのかが不思議と理解でき、簡単に躱すことが出来ます。
『アカンッ!』
「ふっ!」
『アッカン!』
「はっ!」
『アカンベェ!』
「はあっ!」
次々と攻撃を繰り返してくるアカンベェですが、全て回避すると同時にカウンターを当てることが出来ています。
「これは……八幡君のお陰ですね」
八幡君の体でプリキュアに変身する事により、八幡君の持つ観察力が大きく強化されて、今のようにアカンベェの攻撃を見切る事ができているのでしょう。
「なーにしてんだい!さっさと捕まえるだわさ!」
『アカーン……ベッ!ベッ!ベッ!………』
私に攻撃が当たらない事に業を煮やしたのか、アカンベェは手当たり次第に拘束する為のタイヤを吐き出し始めました。
それでも私には全く当たりませんが、そのタイヤの内の数個はマジョリーナの方へも飛んでいきました。
「うわっ?!バカ!危ないだわさ!」
マジョリーナはタイヤを避けるのに必死になり此方への注意が散漫になってしまっています。
「いまやぁぁぁぁ!!!」
そのマジョリーナを狙って、サニーがタイヤに拘束されたまま転がり、体当たりを仕掛けました。
「ふぎゃぁ!」
すると、サニーに体当たりをされたマジョリーナの手から薬の小瓶が放り出されたのです。薬の行方を目で追うと、そうなると予想していたのか、いつの間にか八幡君が待ち構えていました。
「おーらい、よし!」
「ナイスキャッチ!」 「……うちも…がんばったで〜……」
「おう、助かったぞサニー」
無事に薬をキャッチする事が出来たようですね!これで元に戻る事が出来ます!
「ぐぬぬぬ!アカンベェ」
『アカンベェ!』
またも、アカンベェは転がりながら突進して来ますが、その攻撃はもう見切っています!
「はああっ!」
マーチが何処からか持ってきた角材を手に取り、タイヤ型のアカンベェの中心の空洞部に通して地面に突き立てます。
『アカンベェ?!』
アカンベェは勢いを殺しきれずに角材を中心にフラフープの様に回ってしまっています。
「いまクル!」
キャンディに頷きスマイルパクトに力を集中させるようにイメージします。
「プリキュア・ビューティブリザード!!」
使う技は変わらないのか私は冷気の奔流をアカンベェに向かって解き放ちます。
『アカンベェ……』
浄化された絵の具からキュアデコル出てきました。
「さくらデコルクル!」
「ぬぬぬっ……覚えときな!」
捨て台詞を残し、マジョリーナは何処かへ消えてしまいました。これで一安心ですね。あ!そうですマジョリーナから手に入れた薬の効果を早く試してみましょう!
「……どうやって使うのですかね?」
「ん〜、やっぱりかけてみるとか?」
「飲んでみるんとちゃう?」
「……いや、流石に飲むのは無しだろ……」
やはり、かけるのでしょうか?
「ではかけてみますね……」
八幡君と私の指輪に小瓶から薬を少量かけてみます。
「……大丈夫なのか?」
パァァァ……「まぁ!」 「うぉ!」
指輪が光りを放ち消えてしまいました。これで元に……?!
前にも覚えのある、一際強く心臓が脈打つ様な感覚が襲ってくると同時に、一瞬、意識が明滅します。
「……!これって!?」
顔を上げると、そこにはいつもの様に……惹き込まれてしまいそうな瞳をした
「……八幡君!」
嬉しさの余り思わず抱きしめてしまいます。
「お?!……ああ、戻った……みたいだな」
「ええ……!昨日の夜、貴方の言った通りになりましたね……!」
貴方の言う事に……間違いはないんですね。貴方を信じていれば私に恐れるものはないんですね……!
貴方と……八幡君と一緒に居られれば、私は……!
「……二人とも……アタシたちのこと忘れてない?」
「ウチらも頑張ったんやけどなぁ……」
「……あかねちゃんも、なおちゃんも今は邪魔しない様にしてあげようよ……!」
「そうだよ!今二人はウルトラハッピーなんだから!」
「……クル?」
「……///ん、んん!……と、取り敢えず、家に戻るか?小町も心配してるだろうしな」
あら?照れてしまったみたいですね。ふふっ
「ええ、確かにそうですね、でぇーも……もう少し、こうさせていて下さいね?」
言って、八幡君の腕に手を絡ませます。
「っ///少し……だけだからな///」
「……はい!」
皆さんと共に八幡君の家に帰ります。色々と大変な事がありましたけど昨日と今日という日は私にとっての大きな分かれ道でしたね。
「……わー完全にベタ惚れだね」
「でも二人とも幸せそうだし、いいんじゃないの?」
「いやーでも比企谷は大変そうやなぁ……」
「……そうだね。なんだかアタシの知ってるれいかが、少し遠くに行っちゃった様な気分だよ」
今朝の段階では曖昧でしたが、確信しました。私は八幡君の事が好きです。
この気持ち……どの様に伝えれば良いのでしょうか……
その日の夜
「//////……!」
「わ、私は……なんて、はしたないことを///」
「幾ら心が体に引っ張られていたとはいえ///あ、あんなことまで///」
「……次に会う時にどんな顔をして会えば………」
……アレ?れかちゃん病んでね?
今章の目的はれかちゃんに八幡への好意を自覚させることでした。それだけだった筈なんですが……病んでね?まあ、若干病んでた方が作者の好みだしこれはこれで良いかな!
次章!れかちゃんがついに!
あ、変身シーンの口上の意味は、れかちゃんと一緒にいないと八幡の心の綺麗になってきた部分がまたどんどん陰っちゃうよーっていう暗喩です。