今年もこの世界線の麗華ちゃんと八幡君をよろしくお願いいたしますm(_ _)m
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ってわけでどうぞ!
(1)
四月一日、エイプリルフール。日本語に直訳すると四月馬鹿。一年に一度、嘘をついても良い日と言われている。しかし、そもそもそんな日に嘘をつく奴なんてのは、大抵普段から嘘をついているのではないだろうか?
「……そんな事を言ったらエイプリルフールにならば、詐欺を働いても罪には問われないんじゃないだろうか?エイプリルフールなんてあるから犯罪が助長され………」
「……お兄ちゃん、さっきからなーに一人でぶつぶつ言ってんの?風邪引いてるんだから大人しく寝てなよ」
「ううむ……」
そう、俺は今日結構酷い風邪を引いてしまったらしく床に
「学校とお
「……学校はわかるがなんでれいかにまで連絡してんだよ。……まあ、俺も連絡するつもりだったからいいんだが」
今日も花壇の世話をする日だったからな。
「あ、小町もしかして余計な事しちゃったかな。でもでも、今日は少し遅く帰ってくるから許してね!じゃっ、行ってきまーす!」
慌ただしく出かけて行った小町を見送ってからふと気づいた。
「……あれ、さっき早く帰ってきて軽食とか作ってくれるって言ってなかった……?」
確かに言っていた筈だが……というか、そうすると飯抜きか……昼は冷蔵庫に小町が作ってくれたお粥があるからそれをチンすれば良いけど……どうだ?今は食欲無いのは事実だが途中で物足りなくなる気もするしな……うっ……
対して頭を使った訳では無いが、気持ち悪くなってきた………寝よう。
目が覚めると時計の針は十一時を指していた。
「熱とか少しは下がったか?」
額に手を当ててみたが、自分の手も布団に入っていたからか熱くなっていて全然わからん……
「小腹も空いてきてるし、めんどいが動くか……」
まだ、だるさの残る体を押して居間に向かう。
冷蔵庫を開けると小町の言っていたお粥がラップをかけられ置いてあった。
「……コレをチンしてる間に熱でも測るか」
お粥をレンジに入れ、その間に体温計を脇に挟む。
チン!
「あ、全然体温計の方が時間かかるじゃん……」
そのまま数十秒……ピピピ
「お、鳴ったな何度だ……?三十七度四分……まだ高ぇな」
ピピピピピピ!
「おうおう、わかったから待ってくれ……」
体温を確認していると、今度は早く中の物を取り出せとレンジが呼び出してくる。
「あちちっ、あちっ」
かけていたラップが湯気で真っ白になってしまった。
「長くかけすぎたか?」
お粥をテーブルまで持ってきてレンゲとスポーツドリンクを用意する。流石に風邪を引いている時にまでマッ缶にこだわることは無い。
「……いただきます」
「熱っ!はぁ……ふぅ、ふぅ、……はむっ」
んー、ものたりん。風邪のせいで少し味覚が鈍っているせいか若干物足りない味になっている。
「……少しくらいならいいよな」
「……お、丁度いい」
お粥に塩をかけるとさっきまで感じていた物足りなさもなくなった。
「……ぷふー、ごっそさん」
片付けくらいはしようかね。流しに食器とレンゲを持って行きサッと洗ってしまう。
「……うぼぁ、少し動いたらまた気分悪くなってきた」
せっかく食べたお粥を吐き戻したくはないし、またさっさと寝てしまおう。
ふと、香った甘い匂いに意識がゆっくりと浮き上がってくる。目を開け周りを見渡している内に段々と意識がハッキリとしてきた。体を起こすと、頭から何かが落ちる。
「……なんだ?」
拾い上げてみると少し湿ったタオルだった。まだ温い位なのでさっきまで誰か居て看病してくれていたようだ。
「……小町か?あ、でもあいつなんか急に遅く帰るとか言い出してたよな」
じゃあ、母ちゃんか?小町が伝えてくれた……とか?
ガチャ 考えにふけっていると部屋の扉が開けられた。
「あ、八幡君起きられたんですね。体調の方は大丈夫ですか?」
扉を開けて入って来たのはれいかだった。
「……あぁ、体調はまだ少しダルい感じだけど、どうしてれいかが此処に?」
「あら?小町さんから聞いていませんか?学校が終わり次第お見舞いに向かうと、お伝えしたのですが……」
……遅く帰るってそういう事か、小町のニヤニヤ顔が目に浮かぶわ。
「いや、小町が遅く帰るって事しか聞いてないな……」
「そうですか、でも小町さんらしいですね……」
れいかも小町の考えがわかったのか苦笑いを浮かべている。
「あ、そういえばれいかはどうやって家に入ったんだ?家は予備の鍵を外に隠してたりしてないし……小町が掛け忘れたのか?」
家は防犯の関係で……とかではなくただ単に小町が面倒くさがって予備の鍵を作って無いだけだ。……俺?作ると思うか?
「ああ、鍵はこの前に皆さんでお泊まりした時、帰り際に小町さんに頂いたんです」
合鍵?!小町いつの間に渡してたんだよ……
「……聞いてないんだが」
「ええ、私も言わないように言われてたんです」
れいかも俺が目論見通りの反応をしたからか、楽しそうにしている。
「さいで……」
「あ、そうでした……八幡君とのお喋りが楽しくて、大事なことを忘れるところでした。ちょっと待ってて下さいね」
何かを思い出したようで、れいかはまた部屋から出て行った。
少し待つと今度は少し湯気の立つカップとガラスのカップ、二つカップの置かれたお盆を片手に、戻ってきた。
「台所をお借りして、八幡君が寝ている間に卵酒を作っておいたんです」
卵酒か……聞いた事はあるが実際に飲んだことは無いな。それに酒って……いいのか?
「今八幡君が何を考えているのか、なんとなくですがわかります。でも安心して下さい、アルコールは沸騰させて殆ど飛ばしているので問題ありませんよ」
「お、おう……そうか」
考えていた事をずばり、れいかに言い当てられてしまい自分でもキョドっているのがわかる……
「そんなに驚く事ないではありませんか……私が八幡君の考えている事がわかったのは、前になおにも卵酒を作った事があったんです」
「その時になおから、お酒なのに飲んでも大丈夫なのかを聞かれたんですよね。……でも本当に八幡君の心が読める様になれたらいいんですけどね」
緑川にも作った事があったのか……ならさっきのも納得だわ。
「……そういう事だったのか、じゃあいただくとするかな」
「ええ、どうぞ」
れいかからカップを受け取るとカップを通してじんわりと温かさが伝わってくる。
「おお、暖かいな」
温かさをもっと感じようと両手でカップ持ち、ふと、気になったので匂いを嗅いでみる。ほわっとした卵の香りと少しだけ生姜の香りがする。少しはアルコールの匂いもすると思ったが、れいかの言うようにしっかりと飛ばしているのだろう。
「いただきます」
小声で唱えて、ゆっくりと口をつける。
「……ほぅ」
意図せず吐息が漏れてしまった。なにか入れているのか想像していたよりも甘く、優しい口当たりで、ほんのりと効いた生姜が非常によく合う。
もう一口と、カップに口をつけようとしたところで、こちらを伺うように見つめる瞳と目が合った。
「……あの、どうですか?」
「率直に言って、凄く美味いぞ……」
伝えたい事はまだあったが、気恥しくて口にする事が出来なかった。
「……そうですか、お口に合ったようで良かったです」
「………くふっ」
そのあからさまに、ほっとしている様がなんだか可笑しくなって笑いが漏れてしまった。
「ん?なんです、何かおかしかったですか?」
「……いや、ほっとしたのが伝わって来てな」
「そうでしたか。少し作るのが久しぶりだったので、お口に合うか心配だったんです」
なんでも無いかのように話しているが、ほんのりと頬が染まっているのが愛らしい。さっきまで恥ずかしがっていたのは俺なのに、照れているれいかを見るとそんな気持ちは薄らいでくる。
「……本当に美味しいから安心してくれ、それにコレのおかげで、体が内側からあったまってきたみたいだ」
まだ半分程しか飲んでいないが、体の内側からポカポカとあたたかくなってきている。
「ふふっ、ありがとうございます!」
「はい、これが今日のノートの写しです。お役立てください」
「……おお、助かるわ」
れいかの書いたノートは綺麗に要点をまとめられていてめちゃくちゃ見やすい。
「他には何か連絡とかあったか?」
「そうですね……連絡ではないですけど、実は今日、学校で大変な事が色々あったんですよ」
「……へぇ、興味あるな。教えてくれるか?」
そうして卵酒片手に、れいかの話に耳を傾けた。
今回は看病回でしたね
ぶっちゃけ卵酒とか飲んだ事ないので想像です
あと、やよいちゃん回である、この元の話をバッサリいったのは此処に八幡出したら話が成り立たねーなって思ったからです。
次回に元の話をれかちゃんの口からサラッと話してもらう予定です。