青春恋愛とかなんか活かせないかなーなんて思いながら見てました。結果は乞うご期待。
調理をするという事で、取り敢えず全員がエプロンを付けカウンターの内側に入る。
「手伝うって言い始めたのはわたしだけど、わたしに出来ることってあるかな?料理にはあんまり自信なくて、えへへ」
「……実は、わたしも」
……まぁ、こうなる様な気はしていたので、事前に考えていた事を伝える。
「大丈夫だ、俺がお前達に仕事を用意してやる」
「え!ほんと?」 「……わたしも出来るかな?」
メシマズ系が居ると研究も進まなさそうだしな……
「お前達は試食係を務めてくれ、これも立派な役目だ」
こういう奴らは料理にはさっぱり期待出来ないが、偶に鋭く物事の核心を着くので侮れない。
「うん!頑張るよ!」 「それならわたしにも出来そう」
「取り敢えず試作品が出来るまでテーブルで待っていてくれ」
まあ、試作品が無いことには何も出来ないことには変わりないので、戦力g……試食係をカウンターの外に出し、れいか達に振り返る。
「よし、準備も整ったし始めるか」
「比企谷……容赦ないね……」
「ま、まぁ、何はともあれ、先ずはお好み焼きの材料を確認してみましょう」
「……せ、せやね、ちょいまち、今用意するわ」
日野がバットの中に材料を分かりやすく纏めて用意してくれた。
「いつもの材料はこんな感じや」
「豚肉にキャベツ、卵」 「山芋、水に小麦粉、揚げ玉」
「特に変わったモノを使ってるわけではないみたいだな」
見た限り、普通にお好み焼きを作る時の材料で特別なモノが入っている様子はない。
「隠し味って事は、何かを入れるんだよね?」
「スイカに塩かける要領でしょうか?」
緑川の問いかけに、れいかが答える。まぁ、隠し味なんて言うくらいだし、普通は何かを少量入れるよな。
「スイカに塩?」
「ええ、甘いものには辛いもの、辛いものには甘いものなどを程よく加えると、味が引き立つとお爺様が」
「うちじゃあカレーに、すりおろしたりんごを入れるよ」
「まぁ……後は代表的なのだと、塩キャラメルなんかもそうだわな」
「ほぇー、おもろいなぁ」
「では、色々な調味料を少量ずつ加えていって味の変化を見てみましょうか」
「そうだね、やっぱり実際に作ってみなきゃ始まらないよ!」
「……一々普通のサイズで作る必要はないからな?試食用に少し小さめに作れよ?俺そんなに食えないからな?」
「よぉーし!やったるでぇ!」
聞いてんのかよおい……
「れいか、それちょっとだけ足してみて?」
「わかりました」
「なお、掻き混ぜんのは優しくな?」
「おっけー!」
「……比企谷、なんや良い奥さんになりそうやなぁ?」
「当たり前だろ」 「んん?!」
料理は主婦の基本だ。何時もは小町に任せてるが、たまには俺がやることだってあるんだ。出来て当然である。
「では、私が旦那様ですか?」 「ちょ!!れいか?!」
「え?いや、しょれは……///」
れいかが旦那ってことは結婚するってことか?薄々は考えてたけど、そんな……いきなり……///
「……どうなんです?」
固まっていると、近づいてきたれいかに耳元で囁かれる。耳にかかる湿った吐息にゾクゾクッと、痺れにも似たものが体を駆け巡る。
「……あ、あ///」
「はい、ストッープ!」 「……れいか、やりすぎだよ」
「あら?あ、すいません。八幡君があまりにも可愛くて、つい……」
今完全に思考が停止してたわ……。日野が止めてくれて助かったな……でも若干名残惜しい気も……
「ほな、研究に戻るで、取り敢えずれいかは比企谷にちょっかいをかけすぎない事!ええな!」
「はい、わかりました」
「比企谷も復活したな?」 「……おう」
復活って言い方よ。いや、まあ合ってんだけどさ……
『出来たー!』
鉄板の上には様々な種類のお好み焼きが並んでいる……が……
「……おう星空、いつの間にか参加してたのは知ってたが、これはなんだ?」
お好み焼きと共に生クリームがトッピングされたものや、みかんが乗っている、お好み焼きらしきものまである。
「えへへ、れいかちゃんが辛いものには甘いものって言ってたから甘くしてみたの!」
「……わたしもみかんをトッピングしてみたんだ」
黄瀬もだったかぁ……
「……これ隠れてねーじゃん」
「ま、まぁ、一回みんなで味見してみよ!」
俺達が作ったものは、焼くのはほぼ日野がやってくれたお陰か、さっき食べたものとあまり遜色ない出来に仕上がっていた。しかし食べている際の、日野の表情があまり優れなかった事を見るに、納得のいくものは出来なかったのだろう。
「あ、比企谷それ……」
日野の事を考えながら箸をのばしていると口の中に急に甘みが広がった。
「ん?!」
頭を
「……意外と悪くないな」 『……え?』
食った俺自身驚いているが。意外な事に星空の作った生クリームお好み焼きは不味くはなかった。生クリームだけでなく生地自体も若干、甘みを含んでいる。
辺りを見回し、星空が作っていたテーブルの鉄板を見るとその答えが転がっていた。
「……これ、ホットケーキミックス使ってるわ」
「……あ、ほんまや!」
「ええ、生地自体も甘くて、少し蜂蜜も入っていますね」
蜂蜜まで入ってたのか……
「え?お好み焼きってホットケーキミックス使うんじゃないの?」
「……みゆきちゃん、お好み焼きは小麦粉を使うんだよ?」
星空の勘違いのお陰でデザートとして食べれば、まぁ、悪くは無いものに仕上がったのだからなんとも言えないな……
『ごちそうさまでした!』
試作品はデザート含めて全て食べ終えた。俺的にはどれも美味しかったのだが、日野はそうでは無いのだろう。
「で、だ。さっきの顔を見る限り、結果はよろしくなさそうだが……どうだ?」
「せやな……やっぱあかん。なんかちゃうわー……」
「そっかぁ、十分美味しいけどなぁ」
「やっぱり秘伝の隠し味ですから……」
「そう簡単には見つけられない……かぁ」
「ふぅ……」 「あかね?」
「やっぱり父ちゃんは凄いなぁ!」 『……え?』
「照れくさくって言うた事無いけど……ウチな、父ちゃんの事、尊敬しとんねん」
「父ちゃんのお好み焼きはめっちゃ凄いねん!父ちゃんのお好み焼きを食べたら、みーんな笑顔になんねん。暗〜い顔してた人達も、まるで魔法みたいに!」
「そんなお好み焼きを焼けんのは、世界中で父ちゃんだけやって思ってる。……そんなお好み焼きの隠し味。ちょっとやそっとで分かるわけ……ないもんな」
そう語る日野の表情は、決して何かを諦めた顔ではなく、寧ろ、何かを決心した……そんな顔に見えた。
「……あかねちゃん」
「よっしゃ、意地張っててもしゃーない。ちょっと父ちゃんに聞きに行ってくるわ!」
俺も頑張っている日野を引き止めたい訳では無いんだが、心苦しくも声をかける。
「……聞きにって、病院にか?」
「もちろんや」
「じゃあこれはどうする?」
お好み焼きの試作で少し、と言うには散らかり過ぎな調理台の方に視線を向ける。
「……あ、あー、また帰ってからも使うしぃ……」
日野はそっと惨状から視線を逸らした。
「あかね、大丈夫だよ。ここはアタシとれいかと比企谷で片付けておくから、行ってきな!アタシ達も片付き次第病院に行くから、みゆきちゃん、あかねの事頼んだよ」
「うん!」
え?俺、聞いてない……れいかに視線を向けるとゆっくりと頷かれた。あ、決定事項かな?
「なお……ありがとう!絶対隠し味の秘密聞き出してくるで!」
日野たちが出発したので後片付けを始める。
「悪いね、れいか達も巻き込んじゃって……流石に一人で片付けるのは厳しいからさ」
「大丈夫ですよ。なお一人に負担を押し付ける訳には行きませんから」
「……まぁ、俺はここに来る前に負担でも何でも分け合うって、れいかと決めたしな……」
流石に臭い台詞だと自分でも思うが、決めて直ぐに破るのもどうかと思うし……
「八幡君……///」 「うっわぁ……」
おい緑川!お前うっわぁ……ってなんだよ。声にまで出てんじゃねーか!?
「私、嬉しいです///八幡君も何かあったら、私に言ってくださいね」
「今なら口から砂糖が吐けそうだよ……」
「このくらいで良いでしょうか?」
「……そうだな、綺麗になったと思うぞ」
洗い物を終え、テーブルの油はね等を拭き取っていたがそれも今終わった。
「材料は……あかねが使うって言ってたしバットに纏めて置けば大丈夫かな?」
緑川も丁度よく終わったようだ。
「……意外と直ぐに片付いたな」
「ええ、そうですね」
「よし!じゃあアタシ達も直ぐに病院に向かおうか?」
振り返った緑川の問いかけに、俺達は頷くのだった。
八幡の不用意な発言に食いつく、れかちゃん好き
今回は止められましたが二人っきりなら……ねぇ?
また楽しく書けそうですわ