俺の青春にスマイルなどあるのだろうか?   作:紫睡

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スマプリの大筋から少しだけズレた事がかけるように章の頭に話数を入れることにしました。そうすれば .5っていう形式で閑話がかけますもんね

そう言えば昨日はプリキュアの日でしたね!
上北ふたご先生のオールスターのイラストは素晴らしかったです!
やっぱりビューティとマーチの相思相愛は共通認識なんですね!

この世界線では、れかちゃんと八幡ですけどね


関係ない話ですけどソフりんは不憫可愛い


(4)

 

「……はぁ、はぁ、はぁ」

 

「比企谷君、大丈夫ですか?」

 

 まさか、病院まで走って行くことになるなんて思わなかった……

 

 緑川は普段からサッカーで走ってるし、れいかはその緑川に普通に着いて行けちゃうしで、終始俺に合わせて走ってもらっていた。

 

「比企谷って意外と体力ないね?」

 

「……俺は……はぁ、インドア、派だ……」

 

 今出来る、精一杯の主張をする。普段から運動しない奴に、いきなり走れなんて言われてもこうなる事は目に見えている。俺にはこうなるって見えてたし……

 

「……確かに、でもそう考えたらよく着いてきた方かも」

 

「そうですね。さすが八幡君です!さぁ、息を整えたら病院に入りましょう」

 

「……ふぅ。じゃあ、行くか」

 

 

 

 

「おーい!ここだよー!」

 

 待合室に入ると中から俺達のことが見えていたのか、直ぐに星空が手を振って俺たちを呼ぶ。

 

「みゆきちゃん!ここ病院だよ!」

 

「わ!ごめんなさい!」

 

 へえ、黄瀬も言う時はちゃんと言うんだな……

 

「お待たせ。……あかねは病室?」

 

「あ、うん、わたし達はここであかねちゃんを待ってるんだ」

 

「そうですか……では、私達も一緒にあかねさんを待ちましょうか」

 

 そう口にするれいかの後方から、戻ってきた日野の姿が見えた。

 

「いや、その必要は無さそうだぞ。ほらっ」

 

 視線を向けた先には、バツが悪そうに頭を掻きながら近づいてくる日野。

 

「……ほんとだ。あかねー、どうだったの?」

 

「あー、やってもうた……」

 

 おん、もう失敗したオーラが滲み出てるもんな……

 

「え?ダメだったの?」

 

「……そんなん自分で見つけるって、啖呵切ってもうた……」

 

 ……おいおい

 

「でも食事会まであと三日しかないよ?」

 

「……あー、しゃーない。後には引かれへん。ここはビシッと……決めたるしかないわ」

 

 ……ほんとに大丈夫か?

 

 

 

 

「……でも、どうするの?」

 

「せやねん……なんかないかな?……比企谷ぁ」

 

「……俺かよ」

 

「八幡君……ここはあかねさんの為に、何か良いアイデアはありませんか?」

 

 まぁ、れいかがそこまで言うなら……それに日野のお好み焼き、美味かったしな……

 

「……そうだな。俺にも良いアイデアがあるって訳じゃ無いが、やっぱりもう少し隠し味の線で探ってみるか?」

 

 実際、隠し味ってのはあると思う。ほんの僅かにしか入れてないのに、入れたものによって味が驚く程変わるっていうのはよくある話だ。……テレビで見たし。

 

「隠し味かー……よし!他に案がある訳でもないし、探してみようやないか!」

 

「じゃあこの後、このままスーパーに寄って探してみようよ!」

 

「……そうだね。もしかしたら珍しい調味料とか使ってるかもしれないし」

 

「キャンディ甘いのがいいクル!」

 

 甘味なぁ……星空みたいにあんなガッツリとじゃなくて、ほんとに隠し味程度に入れるのなら良いのかもしれないな……

 

 

 

 

 と、言うわけでスーパーにやって来た。ここはこの辺じゃ一番品揃えが良いから何かしら見つかるだろう。

 

「じゃあ各自、これやっ!て思うものを持ってきてな」

 

『おー!』 「お、おー……」

 

 なんで俺まで……

 

 

 

 

 まったく、ああいう場面で毎回の様にやってる気がするがよくもまあ声が揃うものだ。……まあやってる俺も染まってきてる気はするが……

 

 今は調味料が集められている一角に来ている。少し離れた所では緑川も棚を見上げながら首を傾げている。

 

 解散そうそうお菓子コーナーに向かったやつがいた気もするが……知らん。

 

 

 

「八幡君は何か考えているものはあるんですか?」

 

 棚に積まれた瓶を見つめながら考えを巡らせていると、隣に居るれいかがふと、尋ねてくる。

 

「……そうだな。隠し味っていっても、俺はあんまり奇を衒う様なものじゃないと思うんだよな……」

 

 ある程度手に入りやすい物じゃないと、常用できるとも思えないしな……

 

「そうですね。馴染みのないものだと、却って味が際立って隠し味にならないかも知れませんね」

 

 れいかも細かい考えは違うが、概ね同意見のようだ。

 

「れいかは何か考えているのか?」

 

 俺もれいかに対して同じ質問を返してみる。

 

「ふふっ、秘密です♪皆さんでまた集まった時にお見せするので楽しみにしていてくださいね」

 

「……お、おう」

 

 れいかはウインクをすると隠し味になりえるものを探しに離れていった。その後ろ姿をつい、目で追ってしまうのは仕方の無い事だろう。

 

 

 

 

 

「……あ、これとか良さげじゃね?」

 

 それは調味料コーナーの端、あまり目立たない所にひっそりと陳列されていた。

 

 黒糖。沖縄を中心に作られていて、サトウキビの絞り汁を煮詰めて固めたものだ。精製された上白糖よりも雑味が多い。……ってテレビでやってた。

 

 この雑味がなんか味に影響して……とか普通にありそう。

 

 

 

 

 

「それじゃーみんなの持ってきたもん、見せてくれへん?」

 

 日野からそろそろ切り上げるからと、招集がかけられた。戻ると俺が最後だった様で皆、手に探してきたものを持ち待っていた。日野も探していたのかカゴの中には既に何種類もの調味料が入っているようだ。

 

「わたしはこれ!」

 

 星空の持ってきたものはピーナッツクリームだった。意外と隠し味として良さそうなモノが初っ端から出てきたな。

 

「ピーナッツクリームって料理とかにも使えるってこの間テレビでやってたんだ!」

 

 ……それ俺も見てたわ。

 

 

「……わたしはこれなんかいいと思うんだ」

 

『………え?』

 

 俺達のこの反応もしょうがないのだ……だって黄瀬が取り出したのは、隠れる気なんて一切無い……

 

「デスソース!」

 

「……やよいのは、……要検討で」

 

「そうかなぁ?」

 

 妥当だって……

 

「……あ、アタシはこれかな」

 

 デスソースの衝撃が抜けきっていない緑川が取り出したのは某ポーズで有名なキャラメルだった。

 

「おー!懐かしいな!」

 

 まず反応したのはやはり日野であった。大阪に看板があるし懐かしいのだろう。

 

「……ねー、最近このパッケージ見ないもん」

 

 確かに……ここ数年お菓子コーナーで見た記憶が無いわ。思ってたの俺だけじゃ無かったんだな。

 

「じゃあ次はれいか……は最後でええな。比企谷、頼むで」

 

 まぁ、れいかはな……

 

「俺は黒糖だ。理由はまぁ星空と似たようなもんだ」

 

 流石に甘味が揃うとは俺も思わなかったがな……れいかのスイカに塩の話が皆の頭に残ってたからだと思うが。

 

「では、最後は私ですね」

 

「……せやな」

 

「私はこの大根です」

 

 ……知ってた。だって一人だけ隠す気ないんだもんな……集まった時からずっと大根が主張してたわ……

 

「……なんだか思ってた反応と違います」

 

「いやだってれいかのそれ、どう反応していいかわかんないし……」

 

「そんな……」

 

 俺も秘密なんて言うから、どんなモノかと思ってたら大根持って来るんだもんな……

 

……おい、日野なんかツッコんでやってくれよ

 

なっ?!無茶言うなや!そんなに言うなら比企谷が何か言い!れいかの彼氏やろ!?

 

おまっ?!そこでそれはずるいだろ!

 

「ん?八幡君、あかねさん何かありましたか?」

 

「いや、なんか比企谷が言いたいことがあるみたいやで……早よなんか言い!

 

 おいマジか?!投げっぱなしかよ!

 

「……いや、びっくりしたけど大根にした理由とかはなんなのかなって……」

 

 取り敢えず無難にいこう。

 

「よく聞いてくれましたね!大根……と言うよりも大根おろしなのですが、大根おろしを入れる事で辛みもプラスされますし、水分量も増えるのでお好み焼きに起こる変化も大きいと思うんです」

 

「思っとったよりマジな理由やった……」

 

「……あかねさん、どんなことを思っていたんですか?」

 

「あ、いやぁ……皆が探してくれたもんもカゴに入れたし、ウチちょっとお会計通してくるわ!入口で待っとって!」

 

 そう言い残して日野は逃げやがった。

 

「もう……あかねさんったら」

 

 今のは日野が逃げたのもしょうがない気もするな……顔は笑ってるのに、雰囲気が笑ってないんだもん……

 

 

 

 

 

「いやー、みんなホンマに今日はありがとうな。れいかもさっきはごめんっ!」

 

 一人で会計をしていて落ち着いたのか、戻ってきた日野はれいかに謝っていた。

 

「いえ、大丈夫ですよ。それで、この後はどうします?」

 

「せやなぁ、流石にこれ以上遅くまでみんなに付き合ってもらうのも悪いし、今日はもう解散にしとこ」

 

「そっか、あかねはこの後も?」

 

「うん、父ちゃんの味を頑張って出してみせるで!」

 

 日野の難題を目の前にしてもぶつかっていくその姿勢には、素直に感心する。

 

「あと三日だけどわたし達も力になるから一緒に頑張ろうね!」

 

「うん!じゃまた明日な!」

 

 

 

 日野は買った袋を両手に持って、少し歩きづらそうに帰っていく。

 

「あ!わたしがあかねちゃんの家に一番近いから、荷物持つの手伝ってから帰るね!またねー!……あかねちゃーん!持つの手伝うよ!

 

 日野は星空に任せておけば大丈夫そうだな。

 

「じゃあやよいちゃん、アタシ達も帰ろっか」

 

「え?あ、うん!」

 

『またね!』

 

 緑川も黄瀬を連れて帰り、れいかと二人になった。

 

「……あかねさん、上手くいくといいんですが……」

 

 二人になった途端、ぽつりと零す。

 

「大丈夫だろ、あんなに美味いお好み焼きが焼けるんだから」

 

 日野の父親が作るお好み焼きは食べた事無いが、日野が焼いたお好み焼きは過去一で美味かった。

 

「……そうですね。心配のし過ぎだったのかもしれません」

 

「……ああ、日野になら出来るさ」

 

「けど、八幡君にそこまで言って貰えるなんて、それはそれで少しだけ妬いてしまいます……」

 

「いや、それとこれとはまた別というか、俺が好きなのはれいかだし……はぅ///」

 

 急にそんな事言うものだから弁明しようとして盛大に自爆したし……

 

「ふふっ、嬉しいです……私も八幡君の事、大好きですよ。……少し恥ずかしいですね///」

 

 こうも真っ直ぐに気持ちを伝えられると、嬉しいやら恥ずかしいやらで、れいかと目を合わせられなくなる……///

 

「……う、むう///」

 

 

 

 

「ふふっ、さぁ、帰りましょう」

 

 するりと手を握られ歩き出す。ここ最近は二人で歩く時は手を繋ぐ事が自然になってきた様に感じる。

 

「あ、そう言えば今日、お好み焼きを食べていて思い出したのですが、近々修学旅行がありますね」

 

「そうか、もうそんな時期なんだな」

 

 七色ヶ丘中の修学旅行は他の学校と比べてだいぶ早い、他のところは秋頃が多いだろうが七色ヶ丘(うち)ではもうすぐだ。

 

「楽しみですね」

 

「ああ」

 

 もう日は落ちていて辺りは薄暗くなってきている。

 

「……れいかの家まで送ってごうと思うんだが、大丈夫か?」

 

「ええ、是非ともお願いします」

 

 返事と共に返ってきたのは、キュッと、一瞬だけ手を握る力が強くなった感触。俺も返すように一瞬、少しだけ手に力を込めると……また、キュッと握られる手。

 

 れいかの方に視線を向けると目が合った。

 

「ふふっ」 「くふっ」

 

 なんだか可笑しくなり、自然と笑いが零れ出た。

 

 これ以降の会話は無かったが、お互いに握った手で交わす応酬は、れいかの家に着き、手が離れるまで続いていた。

 

 




結構難産でした

意外と話が進んでねーなこれ(5)で終わるか?

書きたいことが多いと全く話が進まないでリアルの時間ばっかり進んでぎますよね……
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