私は最近またあかぎれが酷くなってきました
皆さんもハンドクリーム等を塗ったり、手を濡らしたらしっかりと拭く等して対策を取りましょう。結構あかぎれは痛いです。
店から出て十数分、意外とお好み焼きも量を持つと重いというのを痛感し始めてきた頃、ようやく商店街に辿り着いた。イベントは盛況の様でその喧騒はここまで聞こえてくるほどだ。
「いやぁ、盛況みたいやなぁ。ウチの心もこんな感じでめっちゃ盛り上がってるで!」
日野がそう言った直後、晴れ渡っていた空には夜の
あれだけ聞こえていた喧騒も途絶え、皆座り込んでしまっている。
「……あれ?って……なっ?!」
「これは……!」
「この空間……ウルフルンの仕業の様ですね……」
あれほど和やかだった、俺達の空気も急に緊張を帯びる。それにこの空間は……俺も見た事がある。
初めて星空がプリキュアになった時も、今のように空に満月が上っていた。……という事は、あの時のワーウルフがウルフルンって事なのか……
「行くで!」
駆け出す日野に続いて商店街の奥へと進んでいく。
【あかね】の屋台が出ている方まで進むと、空からウルフルンが降りてくるところだった。
「バットエナジーとお好み焼き、両方いっただきまーす!」
屋台の中から慌てた様子で星空と黄瀬、キャンディが現れた。
「ウルフルンクル!みんな!変身クル!」
れいか達は直ぐに変身の光に包まれる。戦闘になると俺に出来ることはあまりない為、屋台の内側に隠れ、機を伺う。
そして……
「キラキラ輝く、未来の光!キュアハッピー!」
「太陽サンサン、熱血パワー!キュアサニー!」
「ぴかぴかぴかりん♪じゃんけんぽん!キュアピース!」
「勇気凛々、直球勝負!キュアマーチ!」
「しんしんと降り積もる、清き心!キュアビューティ!」
『五つの光が導く未来!輝け!スマイルプリキュア!』
「プリキュアァ、俺の食事の邪魔はさせねぇぜ!いでよ!アカンベェ!!」
お前飯食いに来たのかよ……
『アカンベェ!』
そうして現れたのは傘の形をしたアカンベェだった。今回は食事スペースで日除けの為に設置されていたパラソルが元になったようだ。
『アカーンベェ!』
『きゃあ!?』
現れるのと同時に、二つの畳んだ状態のパラソルを両手でランスの様に構えて突進しだした。ハッピー達は何とか避けたようだが、アカンベェはまた直ぐにパラソルを構えて、何時でも突進出来るように準備している。
「はあ!」 「やあ!」
その隙を突こうとしたのか、ビューティとマーチが避けた時の勢いそのままに左右から攻撃を仕掛ける。
「……なっ?!」
しかし、アカンベェはパラソルを開いて盾の様に使い二人の攻撃を防いでいた。
『アカンベェ!』
アカンベェはそれだけに留まらず、盾のようにパラソルを構えたまま、今度はハッピー達に向けて突っ込んでいく。
「……厄介だな」
見ている限りあのアカンベェは、基本的には二つのパラソルを盾のように使い、身を守りながらシールドチャージで攻撃してくるようだが、こちらの隙を見つけると、パラソルを畳んでランスチャージに攻撃を切り替えてくるようだ。
「ウルッフッフ、この隙に〜……お?これ全部お好み焼きじゃんかよ!いっただっきまーす!」
ウルフルンは俺達が持ってきていた補充用のお好み焼きを見つけた様で片っ端から食っている。
「ああ!?ウチの焼いたお好み焼き!」
あの野郎……ここまで持ってくんのがどれだけめんど……大変だったのかわかってんのか?ふざけやがって……
「ガツガツ!ガツガツ!」
『アカーンベェ!』
「……ねぇ、あのアカンベェ、なんか大きくなってきてない?」
「目測ですが……五割程大きくなっているように見えますね」
「ビューティ冷静すぎるんちゃう?!」
「きっとウルフルンがお好み焼きを食べたからクル!」
「んな馬鹿な……」
まぁ、食い始めてから大きくなったからそうなんだろうが……ちょっとおかしいだろ……
「くぅぅぅ!!三日ぶりの飯は最高だな!まだまだ食うぜぇ!」
ウルフルンは、補充用のお好み焼きを食い終わってもまだ足りないのか、辺りを見回し他の屋台に狙いを定めている。
「せっかく上手くいってたのに!これ以上みんなのイベントは壊させない!」
ハッピーはアカンベェを躱してウルフルンに攻撃を仕掛けにいく。
「うぉ?!邪魔すんじゃねぇ!アカンベェ早く俺を守れ!」
『アッカンベェ!』
「きゃー!」
しかし、追ってきていたアカンベェにシールドチャージをくらい派手に吹き飛ばされる。
「アカンベェ!そのまま俺の食事の邪魔はさせるなよ!」
ウルフルンはそう言うと、今度は焼きそばの屋台から焼きそばを食べ始めた。
そしてまた、アカンベェが少しずつ大きくなっていく。
「ああ!また大きくなっちゃう!」
「どうにかしてウルフルンが食べるのをやめさせないと……」
「ですが、ウルフルンはアカンベェに守られていますし……」
何かウルフルンを止める方法はねぇのか?!
必死で考えを巡らせていると以外な物が目に入った。
「あれは……」
蘇るのは数日前の記憶、『……わたしはこれなんかいいと思うんだ』 『デスソース!』
「日野……お前結局買ったのかよ……」
買ったはいいが、使い道が無かったのだろう屋台のセルフ調味料コーナーにマヨネーズや紅しょうがと一緒に未開封のまま置かれていた。
「……いや、でもこれなら」
ウルフルンを止められるかもしれない策が一つ、思いついた。屋台から様子を伺うと、ウルフルンは食べるのに夢中になっているし、アカンベェとの戦闘も、アカンベェが守りを固めている為膠着している。
「……よし、行くか」
げんき君が脱いだのか、椅子に掛けてあったフード付きのパーカーに袖を通し、フードを深く被る。……少し小さいな。デスソースを手に取り、封を開けポケットに突っ込む。
「後で返すからな」
一声かけて屋台から出ると、日野が変身の直前まで持っていた為、補充用ものとは離れた場所に置いてあった【あかねちゃんスペシャル】を回収する。
「日野……すまん」
【あかねちゃんスペシャル】にデスソースを回し掛けていく。かけすぎると気づかれるかもしれないので量は少し控えめだ。
ウルフルンの方を見ると、今度は焼き鳥を食べ始めていた。そこにあまり足音を立てないように近づいていき声をかける。
「もし?そこの貴方?」
声は少しだけ低く出すように心がける。
「うぉ?!あぁん、なんだテメェ?」
「いえ、こちらも食べていただこうかと」
「うほっ!これも美味そうなお好み焼き!いっただっきまーす!」
そうして大口を開け、デスソース入りお好み焼きを一口で頬張るウルフルン。……なんだこいつ、チョロいな。こっちは食ってくれるかヒヤヒヤしてたのに。あ、そうだ……
「ウマウマ………ん?………あ、ああ、あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」
「か……辛、喉が……み、みずぅ……」
「どうぞ」
ウルフルンが食っている間に、焼き鳥屋の中にあったポットから汲んだ白湯を渡すとひったくる様に奪われた。
ウルフルンは中身を確認もせずに白湯を一気に口に含む。
「あ゙っづ!ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!」
俺だってバレねぇうちにさっさと隠れよ。
『アカンベェ?!』
ウルフルンの叫び声に反応したのか、ビューティ達の攻撃を防ぐ事に専念していたアカンベェが慌てて振り向く。
「今です!」 「おっけー!」
もちろんそんな隙を見逃すビューティでは無い。マーチと二人、阿吽の呼吸で飛び出してきて片方づつ、アカンベェのパラソルを蹴り落とさせる。
「サニー!」
「おっしゃー!まかせときぃ!」
そこへサニーが、盾として使っていたパラソルを無くし無防備になっていたアカンベェへ、炎を纏った渾身のアッパーを叩き込み空中へカチ上げる。
技とかじゃなくても炎とか使えたんだ……
「これで逃げも防ぎも出来へんでぇ」
「ふんっ!プリキュア・サニーファイヤー!!」
一瞬、サニーが力を込めるように息むと球状の炎が現れる。そしてその炎をサニーは、バレーのスパイクを打つようにアカンベェに向かって叩き込んだ。
『アカンベェェ……』
「んー!よっしゃー!」
サニーによってアカンベェが浄化される。浄化されたアカンベェが消え、代わりにキュアデコルが降ってくる。降ってきたデコルをキャンディが慌てて受け止めた。
「かさデコルクル!デコルが十個集まったクル!」
「くほぉ……ふりひゅあめ……」
ウルフルンも口を抑えながら、聞き取れない捨て台詞を残し何処かへ消えていった。
「よし、作戦成功……んー、日野に謝んなきゃなぁ」
さっきまで俯いて、座り込んで居た人たちも戻り、不思議そうな顔をしながら食事を再開し始めているのを横目に【あかね】の屋台の場所へ向かう。
みんなの所に戻ると、俺に気づいたれいかが飛びついてきた。
「八幡君!」
「おっと……」
飛び込んで来たれいかを抱きとめる。ウルフルンへの騙し討ちで緊張していた体が、れいかの甘い香りで安らいでいくのを感じる。
「……さっきの事、八幡君のお陰だって事はわかってます。凄く助かりました。………でも余り危険な事はして欲しく無いです」
……そんな上目遣いで言われるとつい、聞きたくなっちゃうが流石にな……これくらいはかっこうをつけさせてもらいたい。
「……まぁ、出来るだけ前向きに検討するわ」
「……もう」
俺が聞く気が無いことを察したのか、れいかはまた、俺の胸元に顔を埋めてしまった。
あー、やっばい……可愛すぎだろ
「……あー比企谷、さっきは助かったよ」
拗ねれいかを堪能していると緑川が声をかけてくる。声色は普段通りだが、身振りで早くれいかを離せとアピールしてる。あと目が笑ってない……
試しにれいかの頭を撫でようとしたら、緑川からの圧が更に強まったので素直に従うことにする……
「……あ、ああ、気にすんな。ほら、れいかも、今は一旦離れてくれ。見られてるぞ」
「あ……ごめんなさい」
れいかも状況を察して少し頬を染めつつ体を話してくれる。
「もうええ?いやぁ、助かったわ!比企谷のお陰で倒せたようなもんやな!」
れいかが離れると次は日野だ。どうやら律儀に待っていてくれたようだ。
「……日野、その事なんだが一個謝らなきゃいけない事があるんだわ」
ウルフルンを騙すために日野のあかねちゃんスペシャルを使ってしまった事を説明する。
「なんやそんな事かいな、別に気にせんでええで。隠し味の事に気づかせてくれたのはみんなやし、あかねちゃんスペシャルならまた作ればええやん。それに、ウルフルンを騙すのに使える程、ウチのお好み焼きが美味しそうやったって事やろ?それなら寧ろ光栄やわ」
日野は気にした様子も無く、許してくれた。
「はえー、比企谷くんそんな事よく思いついたねぇ」
「すごい……わたしのデスソースも活躍したんだ!」
「……やよいちゃんってこんな子だったっけ?」
「あ!お母ちゃんが呼んでるわ。時間的にそろそろお開きやし撤収の用意やろな。みんな!帰ったら飛びっきりのお好み焼きを食べさせてあげるさかい、ファイトイッパツやで!」
俺たちは日野の号令で賑やかに撤収準備を始めた。
……準備中に日野にげんき君のパーカーを返したら、一回着させられて笑われた……解せぬ……
「おいっしい!美味しいよ!あかねちゃん!ね?!」
「うん!」 「クル!」
「あかね!最高だよ!」
「ええ、本当に美味しい」
「いくらでも食えそうだな……比喩だけど」
「えへへ……そんなに褒められると流石に照れるわ」
撤収してきて直ぐに、日野はお好み焼きを焼いて振舞ってくれた。
「このお好み焼きはな、みんなへのいっぱいの感謝の気持ちを込めて作ったんや、今日の為にみんな、本っ当にありがとうな!」
「えへへ、どういたしまして」
「……あかねちゃんのためだもん」
「これくらいわけないよ」
「私達もあかねさんには助けられていますから、お互い様です」
「日野……この後はいけそうか?」
あえて、俺はこの後の町内会長さんの食事会の事を聞いてみた。
「大丈夫や、もう今は自信しかないわ!お好み焼きはこのあかねちゃんに、任しとき!」
日野の顔には前の様な不安はもう無く、言葉通り自信に満ち溢れていた。この調子ならこの後の食事会も、きっと大成功させてくれるだろう。
はあ……ついにやってしまいましたよ……
アカンベェとの戦闘開始時の周りの人の描写を省いてしまいました。アニメでは急に戦闘時は人が居なくなるのなんなんですかね?
出来るだけこのお話ではそういうところもきっちりと描写していこうと考えているんですが、今回は直ぐに戦闘開始+逃げ場がない(屋台の方に逃がしてもウルフルンが飯食ってるし……)でどうしても考えつかなかったので省いてしまいました(>_<)
これも偏に私の文才が無いのが原因です。これからも出来るだけ違和感のないように努力していきますが、もしおかしな所など有りましたらご指摘、ご指導の程をよろしくお願いいたします。