俺の青春にスマイルなどあるのだろうか?   作:紫睡

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遅ればせながら八幡の設定です
名前 比企谷八幡
クラス 二年二組
過去 小学校低学年で虐められる。物を隠したり比企谷菌だー的な(暴力系のいじめではないです) 高学年になってからは直接的ないじめはありませんでしたが陰口や無視(なんか気味悪い子だから関わるのよそっ的な)等のいじめでした。中学になると同時に転校、現在の七色ヶ丘中学に入学しています
その結果、人間不信であり人と関わるのが苦手な中学生という感じです


第2話 思いのほか、比企谷八幡は信用されている
(1)


 ふと、目が覚める。枕元の携帯で時刻を確認すると午前五時二十三分随分と早く目が覚めてしまった様だ。二度寝でもしようかと思ったが、昨日は小町にかなり心配を掛けてしまった。

 洗面所で顔を洗い眠気を飛ばす。

「今日は俺が用意するか」ひとりごちて朝食の準備を始める。

 

「お兄ちゃんおはよぉ〜」

 トーストにマーガリンを塗って居ると小町が起きてきた。

 

「おはようさん、もう用意出来るから早く顔洗ってこい」

「わかった〜」

 小町は寝惚けまなこで返事をすると、欠伸をしながら洗面所に歩いていく。

「でも珍しいね、お兄ちゃんがこんな早くに起きてご飯の用意もしてくれるなんて」

 

 洗面所から戻って来た小町とトーストをかじって居ると小町が声をかけてきた。

 

「別にいいだろ、偶にはこんな時があっても、それに火も刃も使ってないから危険はないぞ安心しろ」

 

 事実トースト焼いて、ちぎったキャベツの上に載せただけだしな。

 

「いやいや、そんなことでドヤ顔されても……てゆかドヤ顔になってないよ、なんか気味悪いって言うか……」

 

 ……えっ、マジで?俺そんなにドヤ顔出来てなかったのか、それにキモイならまだしも気味悪いって、妙にリアルで凄い傷つく……

 

「ほぉら、冗談じゃ無いけどそんなに落ち込まないの!まだ傷は浅いよ、外でやらかす前に気付けただけマシって考えなきゃ!」

 

「そうだよな、お兄ちゃん外では絶対ドヤ顔しないようにするよ」

 

 まだ小町の前でよかったって考えなきゃだよな。これが教室だったら、ただでさえ居心地の良くない教室が更に悪くなるところだったわ……

「そう!その意気だよお兄ちゃん、顔は目を見なければ悪くないんだから、もっと自信もって!」

 

「おう、何だか自信出てきたわ。そうだよな、顔は悪くないし国語も学年二位だし、寧ろ俺ってかなりイケてるんじゃないか?」

 

「だーから、そういうのがダメなんだよお兄ちゃんは。お兄ちゃんクラスに友達居るの?」

 

「バッカ、小町、友達居るに決まってんだろ!もう毎日会話してるまであるし」

 

 毎日?会話してるし?青木とか、れいかとか?

 

「ふーん、じゃあ何人?」

 

「小町、友達ってのはな数で比べるものじゃないんだよ。まず友達とは「で?何人?」

「一人です」

 

 怖いわー、目が据ってたよ

 

「うそ?!お兄ちゃん友達居るの!?誰々、名前はなんて言うの!」

 

 急に目をキラッキラ輝かせて顔を近づけて来た小町。その静から動の動き、素晴らしいね世界が狙えるよ!

 

「ほら、お前も知ってるやつだよ。青木れいかって、居るだろ生徒会副会長の」

 

「おー!あの人ね、今度読み聞かせ会してくれるみたいで、小町お兄ちゃんの学校に行くんだよ!それにすっごい綺麗な人だよね!今度(うち)に呼んでよ、小町挨拶したい!」

 

「流石に迷惑だろ、それに俺が家に友達なんて呼んだことが今までに一回でもあったか?無いだろ、つまりそういうことだよ」

 

「まぁお兄ちゃんだしね……でも話せる人が居るって知れてよかった、それだけで安心出来るよ。欲張って言うなら、小町、青木さんみたいなお義姉ちゃんが欲しいなー……チラッ」

 

「それは欲張り過ぎだな。バカ言ってないで、食べ終わったなら片付けるぞ」

 

 また小町の病気が出てきたので話を無理やり切り上げる。

先に食い終わっててよかったわ。

 

「あ、小町が洗って置くから流しに置いておくだけでいいよー、準備はしてもらったし!」

 

「おぉ、助かる」

 

 

 

 

「今日は先に出るから戸締りは頼むぞ」

 

 朝の支度が終わったので今日は早めに出ることにする。

 

「わかったー、お兄ちゃん行ってらっしゃーい」

 

 朝の小町との会話で幾分か昨日よりも気分が落ち着いている。

 

 

 学校に着き校舎に向かっていると青木が花壇の花に水をやっていた。向こうもこちらに気付き挨拶をしてくる。

 

「あら、比企谷君おはようございます」

 

「おう、おはようさん、青木はまた水やりか?」

 

「はい、あげすぎるのは良くないので今の時期は定期的にですが」

 

「わざわざこんなに早くからあげる必要があるのか?」

 偶にしか早く登校しないが、そういう時には大抵青木が花壇の花に水やりをしていた気がする。

 

「水やりは朝の方が良いんですよ、植物が水を必要とするのは日が差す日中ですから、その前には土を湿らせて置くんです」

 

「詳しいな、でも大変じゃないのか?毎日じゃないにしても意外と水やりする所も多いだろ」

 

「ええ、そうですねホームルームギリギリになってしまう事もありますね。ですけど私、お花が大好きなんです。なので苦にはならないですね!」

 

 そう言う青木は本当に花が好きなんだろう。俺でも見惚れてしまうような、そんな笑顔で答えてくれた。

 

「そうか、なら俺も少し手伝わせてもらってもいいか?」

 

「はい、構いませんが、本当に手伝ってもらってもよろしいのでしょうか?」

 

「気にしないでくれ、それにいつも世話になってるからな」

 

「そんな!世話になっているだなんて……いえ、ご好意、受け取らせていただきますね」

 

「そうしてくれ、で俺は何をすればいい?」

 

「そうですね、ではちょっと着いてきてください」

 

 青木に案内されたのは校舎の脇に建っている小屋だった。青木は鍵を取り出し開けると小屋について説明しながら中に入って行く。

 

「ここは物置小屋なんです。花壇の手入れをする為の農具や肥料等が入っているのですが、私が使い始めるまでは余り使われていなかった様でして、今は私が鍵の管理などをしているんです」

 

「それって押し付けられてないか?」

 

「ふふっ、そうですね。そうともとれるかもしれません。ですが私から進んで買って出ているので。それに新しいお花を植える時には、私の方で種類を指定していい事になっているんですよ」

 

 見返りとして、好きな花を植えられるのなら、青木としては嬉しいのだろう。

 

 

「それならまぁ、いいのかもな」

 

「はい。それでは水やりの続きを致しましょうか」

 

 青木に連れられ水道でジョウロに水を汲むと、さっきの場所とは離れた花壇に連れてこられた。

 

「では、見本を見せながら説明を致しますね」

 

「あぁ、よろしく頼む」

「ジョウロ等でお花に水をあげる時は、余り上の方から全体にかけるのはよろしくありません」

 

「一本一本根元に、丁寧に水をあげてください」

 

 青木は、俺にもわかるように説明しながら水やりをしていく。

「このような感じでしょうか、何か質問などはありますか?」

 

「いや、大丈夫だ。大分分かりやすかった」

 

「そうですか。では、私は先程の続きをするので比企谷君は、ここから私の方に向かって水やりをしていってくださいね。」

 

 そう言って、青木は戻って行き水やりの続きを始めた。

 

「……俺も始めますかね」

 

 一言呟いて、俺も水やりを始める。

 

 

 

 

 

「比企谷君、ありがとうございます」

 

 あれから花に水をやっていると後ろから声をかけられた。青木の方も、此方に向かって来るように水やりをしていたようだ。

 

「すまんな、気づかなかった」

 声をかけられるまで気づかなかったので一応謝っておく。

 

「そんな、謝らないで下さい。寧ろ此方からお礼を言うべきですのに、私に気が付かれないほど、それほど真剣になさってくれていたのですから」

 

「さっきも言ったが、気にしないでくれ。こんな俺にも色々世話を焼いてもらっているしな」

 

「それを言うならこちらこそ気になさらなくてもよろしいのに……」

キーン コーン カーン コーン

 

「あら、もうこんな時間、急ぎましょ比企谷君」

 

ギュッ

 

「へあ?!」

 

 青木は俺の手を握ると物置小屋に向けて走り出す。

急な事で動揺してしまい、青木の成すがままに引っ張られ一緒に走っていく。

 

 

 

「ジョウロに残った水はそこにある側溝に流してください。流したら……きゃっ!ごっ、ごめんなさい……私ったら……」

 

 青木もやっと手を握っていた事に気付いた様だ。手を抑えて顔を赤くしている。

 

「いや、こちらこそなんかすまんな。てか、青木もこういう事は気を付けろよ」

 

「えっと、どういうことでしょう?」

 

「異性の手を握ったりって事だ。今の俺だから平気だったが、二年前の俺だったら直ぐに惚れてるとこだぞ」

 

 実際かなりドキドキしたしな。もう手荒れなんて無くて凄いスベスベで……この考えはいかんなマジもんのHENTAIになってしまう。

 

「ほ、……惚れる、ですか……」

 

「あぁ、男なんてみんなチョロいんだよ。ちょっと手を握られたり、優しくされたくらいでそいつの事を好きになっちまうんだよ。ソースは二年前の俺」

 

 クソっ、三嶋のやつ俺の書いたラブレター、クラスで回し読みしやがってあの時の恨みまだ忘れてないからな……

 

 そんな事を思い出しながら青木の方を見ると、青木も顔を真っ赤にして………ッ

 

「まて、いや待って下さい。違うから!」

 

「あ……そ、そうですよね……すいません、早とちりしてしまうところでした。ご忠告、胸に留めておきます」

 

 ……危なかった。危うく告ってもいないのに振られるところだったぞ。

 

「では、時間もない事ですし手早く片付けて戻りましょうか」

 

「そうだな、少し急ぐか」

 そう言って、二人で手分けをして片付けて教室に向かった。その時に、髪からチラッと覗いた耳が赤くなっていたのは見なかったことにした。




れかちゃんをもっとてれてれさせたい……
自爆告白の下り、ちと安直過ぎたかな?
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