まぁ閑話と言ってもプリキュアの本筋から言ったらの閑話なのでバリバリにストーリーと地続きですので飛ばすのは非推奨です。では、どうぞ!
(1)
結局、チイサクナールが見つかるまでの間、俺はれいかの家にお世話になる事になった。皆で帰ろうとした時、荷物がないことに気づく。チイサクナールで小さくなってしまった時に、荷物はその場に置き去りになってしまったらしい。
取りに行くとれいか達の荷物は、親切な誰かが通り掛かったのかまとめられ通路の脇に置いてあった。
「よし、何も取られず全部あるみたいやな。いやぁ、見つけたのが親切な人で良かったわぁ」
確かに……結構放置してたみたいだし何か取られてる可能性もあったんだよな……
「これで後は八幡君の荷物だけですね」
れいかの言葉に頷き、俺の荷物を取りに、教室へ連れて行ってもらう。……実はこの移動中、ずっとれいかの手のひらの上に乗せてもらっている。
教室に着き、俺の机の上を見るとあの時のままで鞄と上着が机の上に出ていた。今着ている制服は、体と一緒に小さくなったが、身に付けていなかった上着は、そのままの大きさをしていて元に戻るまで着れそうにない。
「あ……れいか、コレ持てそう?両手塞がっちゃうし……」
緑川が言うように俺の荷物だとしても持つのはれいかだ。そんな事に今更のように気づいた。
流石にそこまで迷惑は掛けたくないのでれいかの手の上を軽く叩く。
「そうですね……あ、ちょっと待ってください。八幡君、どうかしましたか?」
そうするとれいかは、俺を乗せた手を顔の前まで動かしてくれる。こうでもしないと小さくなった俺の声がれいかに届かないのだ。
「れいか、やっぱり持ってもらうのは悪いし、俺の荷物はやっぱり置いて帰らないか?」
「いえ、八幡君の鞄はそんなに重くないですし、帰る途中に八幡君の家に置いていくくらい平気ですよ」
「……そうか?じゃあ今回はその言葉に甘えるとするわ」
なんとなくれいかから圧を感じたので即座に任せてしまった。……俺弱ぇ。
「あ、でもどうしましょう。なおの言う通り両手が塞がってしまうので八幡君を運べなくなってしまいます……」
「……わざわざ比企谷くんを手で運ぶ必要ってあるの?……あ、変な意味じゃなくて!?昔のロボットアニメみたいに、れいかちゃんの肩とかに比企谷くんが乗るような感じで……」
……確かに、それにばわざわざ顔の前に手を持っていって貰わなくても俺の声はれいかに届きそうだな。
「それはいい考えですね!やよいさん、ありがとうございます。……どうですか?八幡君乗れそうですか?」
れいかが肩に手を近づけてくれたので恐る恐る乗り移る。手の上と違い平らな訳では無いので少しだけ怖いな……
「うお?!」
そんな事を考えていたせいか、少し足を滑らせてしまった。咄嗟に何かを掴み体勢を建て直したが、掴んだモノを確認すると、それはれいかの青い髪だった………
「っ!スマンっ!れいか、大丈夫か?」
「ええ、少しだけびっくりしましたが特に痛みも無かったので大丈夫ですよ?それにもう少し近づいて下さい。髪は常に持っていてもらって構いません。咄嗟に掴むよりも常に持っていてくれた方が私も安心できます」
「そ、そうか?それならそうさせてもらうが……」
言われた通りにれいかの首のすぐ横まで移動して髪を掴ませてもらう。
近づくと、れいかの甘い香りに包まれている様に感じて変な気分になってくる。……ぶっちゃけちょっと興奮する。
女子ってみんな、こんなにも甘い香りがするもんなのだろうか?他のは嗅いだことないから分からないが、れいかは柔らかく甘い香りがする。
「八幡君?」
「……ん?どうかしたか?」
危ねぇ、れいかの香りに包まれたせいか、一瞬変態的な思考にトリップしてたわ……
「はい、今から八幡君の上着を羽織るので少し気を付けて下さいね」
……え?聞き返す間もなく、れいかは俺の制服の上着に袖を通した。
「ふふっ、なんだか八幡君に包まれている様な気になってしまいますね///」
俺の位置からはれいかの表情は上手く見えないが、その少しだけ染まった頬に、俺自身も自覚できるほどに顔が熱くなってしまった。
「じゃあここまでだけど、ここから二人で大丈夫?」
「ええ、心配してくれてありがとうございます」
「それじゃあ、バイバーイ!明日はチイサクナール見つけようね!」
「はい、皆さんもお気を付けて!」
緑川達と別れて二人きりになると急に緊張してきた。そんな気配を察してくれたのかれいかが話を振ってくる。
「八幡くんは何か心配な事はありますか?」
「そうだな……元に戻れないみたいな心配は全くないな。強いて言うなら、れいかの世話になる時にあんまり迷惑かけないようにしたいぐらいか?」
「……八幡君は優しいですね。でも、私はもっと迷惑を掛けて欲しいと思ってるんですよ?」
「……れいか」
「……もっと私に頼って下さい。もっと私に甘えて下さい。もっと私に………尽くさせて下さい」
「………」
「八幡君が私に負担を掛けたくないというのはわかっているんです。でも、前にも言いましたよね。お互いに負担を掛け合って、助け合っていきましょうと」
そうだ……つい、れいかの負担になりたくなくて、あんな事を言ってしまったが、それはれいかの気持ちを裏切るのも同然なのではないか……
「ですから八幡君が小さい間は、私に貴方を支えさせて下さい」
俺はまた間違ってしまっていたようだ。れいかにここまで言わせてしまうなんて……
「……今更こんな事を言うのもアレなんだが、あー、なんだ、俺の事……よろしく頼むわ」
「………はい!任せて下さい」
途中で俺の家に寄り荷物と上着を置いてきて、遂にれいかの家に辿り着いてしまった。
「お母様、只今帰りました」
れいかが玄関を開け挨拶をすると廊下の奥の方から足音が近づいてくる。
「お帰りなさい、れいか。今日は少しだけ遅かったですね。何かありましたか?」
「はい、学校で急な用事があったので、片付けていたら少しだけ遅くなってしまいました」
「そうですか、ならよいのです。ですが、あまり根を詰め過ぎないようにして下さいね」
「ええ、ありがとうございます」
「もう少ししたらお夕飯の用意が出来ますので、呼んだら来てくださいね」
れいかの母ちゃんは夕飯の準備中だったのかそれだけ言うとまた廊下の奥に戻って行った。
「それでは私の部屋へ参りましょう」
前にれいかの家に来た時は客間にしか入らなかったが、今日はれいかの部屋に入ることんなるんだよな……
廊下を進み障子を開け、部屋に入る。
「ここが私の部屋です。特に何かあるわけではありませんが自分の部屋だと思って
そう言って俺を肩から優しく座卓の上に下ろしてくれた。
れいかの部屋はすっきりとしていて、あまり女の子女の子している部屋ではなかった。あるのはタンスと本棚、座卓に座椅子、後は隅に敷布団が畳んであるくらいだ。
「なんだか恥ずかしいですね///あまり可愛い物がない部屋ですいません」
「いや、そんなに卑下しないでくれ。いいと思うぞ。すっきりしてて」
まぁ、思ったよりも部屋の物が少なかったのは事実だが、それくらいだ。何か変な物がある訳でもないし、俺は寧ろこのくらいの方が使い勝手がいいと思う。
「あ、そうです。先程思ったのですが、八幡君はお夕飯はどうします?その体だとどれくらい食べられるのでしょうか?」
「……確かに、言われてみれば、どうなんだろうな?俺もこの体になってから何か食べた訳では無いしな……」
「それでは私がお夕飯の時に小皿に少しずつお料理を取って持ってきますね。申し訳ないですが八幡君には私が家族と食事をとっている間はこの部屋に居てもらうことになってしまいますが……」
俺もこのままの姿でれいかと夕食の席に行く気は無かったので寧ろ助かるくらいだ。
「もしも持ってきた量で足りないようなら言ってくださいね?私が作って来ますので」
実際、俺自身も自分がどれだけ食べられるかわかっていないので、こればかりはれいかに食事を持ってきてもらうのを待つしかない。
「れいか、夕食の用意が出来ましたよ。あまり遅れずに来てくださいね」
そこへ丁度良く、れいかの母ちゃんから声が掛かった。
「はい!今行きます……では行ってきますので少しだけ待っていてくださいね」
「ああ、行ってらっしゃい。急がないでちゃんとよく噛めよ」
「ふふっ、わかりました」
れいかは座卓の上の俺に、手を小さく振って部屋から出ていった。
「れいかが戻って来るまでどうしてようかね……」
やっぱ何か本だけでも出してもらうべきだったわ……
ん?ちょっと病んだか?
まぁ誤差だよ誤差。
れかちゃんの部屋はアニメでも出ましたけど、マジで殆どなんもねーんですよね