俺の青春にスマイルなどあるのだろうか?   作:紫睡

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祝!お気に入り登録700件達成記念更新です!

そしてお祝いはさて置いて、ほんっとに申し訳ないです!出先でふと、見たら700件超えてて慌てて投稿致しました!

本当は20時に投稿するのが常なんですがまだ超えねーだろとか油断してました……


(2)

 れいかが夕食を食べに行ってから暫く経った。先程まで夕食の事を考えていたからか、少しお腹が減ってきた気がする。

 

「ほんとにどれくらい食べられるだろうな?」

 

 小さくなったから食べる量も相応に少ないのか、それともただ縮んだだけなので、それ程普段と変わらないのか……

 

「まぁ、れいかが来て実際に食べてみればわかるか……」

 

 

 

 

 

 

 座卓の端に腰掛け、れいかの部屋をぼーっと見渡していた時だ。

 

 ふと、廊下からの奥から足音が聞こえてきた。それは先程聞いた、れいかのものとも、れいかを呼びに来たれいかの母ちゃんのものとも違う。足音は人によって結構違うので、一度聞けば案外誰の足音なのかは判別出来る。

 

 誰だろ?そういえばれいかの母ちゃん以外誰も知らなかったわ。

 

 足音は部屋の前を通り過ぎて行き、少し先で障子を閉じる音がした。

 

 

 

 足音が去ってから少しして、れいかの足音が聞こえてきた。

 

「八幡君、お待たせしました。お腹は空いてますか?」

 

 障子を開け、おぼんを手にしたれいかが入って来る。

 

 俺のいる座卓におぼんをを下ろすと、乗っていたお皿の中が見えるようになった。

 

「今日のお夕飯は肉じゃがだったんですよ。副菜はフキのおひたしで、デザートはイチゴです」

 

 

 れいかは、一つ一つ説明しながら小皿を俺の前に並べてくれる。肉じゃがにフキのおひたし、ご飯にイチゴ。全て小皿に取り分けられていている。

 

「わざわざ取り分けてくれたのか、ありがとうな」

 

「いえ、お料理は味だけではなく見た目も大事ですからね。八幡君には美味しく食べていただきたいですから」

 

 そうして俺の前に料理が並べられた訳だが……

 

「どうしましょう……持ってきたお箸だと大きすぎましたね」

 

 目の前には俺の身長よりも大きな箸が横たわっていた。

 

「何かお箸の代わりになる物なんてあったかしら……」

 

「いや、大丈夫だ元から手掴みで食べるつもりだったしな」

 

 この大きさで、普段通りの食べ方が出来るとは元より思っていなかったので、そう言って肉じゃがの欠片を手に取ろうとすると……

 

「あ!八幡君いけません!」

 

 急に大声で静止され、驚きに手が止まる。

 

「……あ、急に大きな声を出してしまってすみません。……ですがいけませんよ、帰ってきてからまだ手を洗っていないのに手掴みだなんて……。手拭きを持ってきていますので、それでしっかりと手を拭いてから召し上がって下さいね」

 

 ……確かに、手なんて洗おうものなら、俺ごと流されかねないから洗ってなかったが、そのまま手掴みは流石に不衛生か……

 

 お湯で濯いだのか、少し湯気の出ている手拭きで手をしっかりと(ぬぐ)い、改めて肉じゃがの欠片を手に取る。

 

「それじゃあ、いただきます」

 

「ええ、召し上がれ」

 

 一口齧ると、煮汁がしっかりと染み込んだじゃがいもは口の中でほろほろと崩れ、上手く煮崩れしない程度に煮込んでいるのがわかる。味も、濃過ぎず薄過ぎないで俺の好みの味付けだ。一口、また一口と手が伸びていく。

 

「ふふっ、そんなに焦らなくても大丈夫ですよ。どうです?お口に合いましたか?」

 

 俺が夢中になって食べ進めていると、れいかが感想を聞いてきたので食べる手を止めて答える。

 

「……いや、すげぇ美味いぞ。今まで食べた肉じゃがの中でも一番好きかもしれん」

 

 まじでこの肉じゃがは美味い、合間にご飯を食べると相性抜群で、ご飯も肉じゃが食べる手がさらにすすむ。

 

「まあ!本当ですか!?嬉しいです。お母様のお味が八幡君の好みなら将来は八幡君の好きな物を沢山作って上げることが出来そうですね!」

 

「んぐんぐ……ん?なんて?」

 

 食べるのに必死でつい、れいかの言葉を聞き逃してしまった様だ。

 

「ふふふっ♪いえ、お口に合ったのなら何よりです。あ、そうです、このお浸しも召し上がって見て下さい。お母様のお浸しは絶品ですよ」

 

「お、そうなのか。じゃあこっちも」

 

 フキを両手で掴みあげ齧りつけば、豊かなフキの香りが口に広がる。次いでフキの(ほの)かな苦味と染み出てきた出汁が上手く調和していて最高に美味い。

 

「うん、このお浸しも最高だな。それにこの体でも結構食べられるみたいだし、こんな美味しいものをいっぱい食べられるなんて小さくなっても悪い事ばっかじゃないな」

 

「あらあら、それでは私もお母様にはまだ及びませんが、お浸しは作れるので今度作って差し上げますね」

 

「本当か?なら宜しく頼む」

 

「ええ♪」

 

 

 

 

 

 

 始めは勢いよく食べてはいたのだが、流石に限界はあったようで肉じゃがとフキのお浸しを四分の一程残してしまった。主菜と副菜を残したのにデザートを食べたのは責めないでもらいたい。……誰だって自分と同じくらい大きなイチゴが目の前にあったら食べてみたいだろ?つまりはそういう事だ。

 

「すまんな……少し残しちまって」

 

「大丈夫ですよ。それに、その体でこんなに食べていただけた事の方が驚きですもの」

 

 そう言うとれいかは(おもむろ)に、俺の使わなかった箸を手にすると俺の残してしまった肉じゃがとフキのお浸しに箸を伸ばし、食べ始めた。

 

「ちょっ?!れいか何して……」

 

 俺が驚いているとれいかは食事の手を止め、口の中のものを飲み込むと……

 

「いえ、ご飯は粗末に出来ませんし、八幡君が残してしまったら元から食べるつもりでしたから」

 

 そう言い、口元を片手で隠し、上品にまた食事を再開する。

 

 

 

 

 食べ終わった。れいかの口元と綺麗になった皿とで俺の視線が行ったり来たりと彷徨ってしまう。コレってあれだよな……間接

 

「あ、八幡君。コレって間接キス……ですね♪」

 

 その言葉とれいかの妖艶な笑みに俺は顔が急に熱を帯びてしまうのを感じていた……

 

 

 

 

 

 

 食べてすぐ寝ると牛になるなんてのをよく耳にする。地域によっては豚だったりもするらしいが……

 

「ごろごろ最高だわぁ」

 

 今はれいかが食器を洗いに行っているのでまた部屋に一人という状況だ。れいかに洗い物をさせているのにお前はごろごろしているのかと叱られそうだがしょうがないのだ。

 

「食べすぎたんだよなぁ……」

 

 そう……お腹が苦しいのだ。幾ら美味いからってやっぱり、この体であの量は無理があったらしい。落ち着いてきたら急に苦しくなってきた。そんな時につい、横になったらだいぶ楽に感じてつい、ごろごろしてしまっている。

 

「あら?八幡君、苦しいそうですが……やはり食べすぎだったのでしょうか?」

 

 後ろから声が掛けられ振り向くとれいか籠を手にしてこちらを見ていた。どうやられいかの足音にも気づかなかったらしい。

 

「それでは少しだけ食休みに致しましょうか。食事のすぐ後に()()()に入るのは良くないと聞きますし」

 

 

 ……ん?なんて?

 

 れいかは籠を置くと俺の前に座った。

 

「食休み……何を致しましょうか?八幡君、何か私に聞きたいことなんてありませんか?」

 

「……ん、んん!よし切り替えようそうだな……れいかの家ってれいかの母ちゃん以外に誰が居るんだ?」

 

 気になる単語が聞こえた気がしたが、聞けそうな雰囲気ではないので食事の前に疑問に思っていたことを聞くことにする。

 

「そうですねお母様以外にはおじい様にお父様、あとお兄様がいますね。八幡君はまだお母様にしかお会いしていないと思いますが、いつかご紹介させてくださいね」

 

「お、おう、いつかな。でもれいかに兄ちゃんなんていたんだな……」

 

「ええ、毎朝一緒にジョギングをしているんです」

 

 家族の事を話すれいかは、俺のまだ見た事のない笑顔を浮かべ、楽しそうに話している。家族の事が大好きなのだと俺にも感じられるような笑顔だった。

 

「私は話したので次は私が八幡君に質問をしますね」

 

「え?聞いてない……」

 

 

 

 

 そうやって互いに質問をし合ったりして時間を過ごしていると、れいかがふと、何処かに視線を向けた。

 

「……ん?どうかしたか?」

 

「いえ、もうそろそろ食休みも良い時間だなと思いまして」

 

 時計に目をやると話し始めてから三十分程が経っていた。

 

「では、そろそろお風呂にしましょうか。八幡君、行きましょう」

 

 …………んんんん?!!

 

 

 

 

 

 

 




まぁ次回はお察しですよね

リベンジオブふぅぅろぉぉ!ですよ!
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