俺の青春にスマイルなどあるのだろうか?   作:紫睡

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最近は朝と日中、夜の寒暖差が激しいので皆様も体調にはお気を付け下さいませ。


ぶっちゃけ風邪引きました。


(4)

 光が収まり、変身を終えた五人の姿が現れる。

 

 

「キラキラ輝く、未来の光!キュアハッピー!」

 

 

 

 

 

 

 

「太陽サンサン、熱血パワー!キュアサニー!」

 

 

 

 

 

 

 

「ぴかぴかぴかりん♪じゃんけんぽん!キュアピース!」

 

 

 

 

 

 

 

「勇気凛々、直球勝負!キュアマーチ!」

 

 

 

 

 

 

 

「しんしんと降り積もる、清き心!キュアビューティ!」

 

 

 

 

 

 

 

『五つの光が導く未来!輝け!スマイルプリキュア!』

 

 

 

 

 

「はっ、今日のオレ様はいつもとひと味違うぜ?いけぇ!アカンベェ!!」

 

『アーカンベェ!』

 

 青い鼻のアカンベェがウルフルンの指示でプリキュア達に向かって突っ込んでいく。

 

「みんな!」 『うん!』

 

『はぁぁぁぁぁあああ!!』

 

 星空の合図でプリキュア達も、一斉にアカンベェを迎え撃つ形で突っ込んでいく。

 

『ンべェ!?』

 

 拳を振り上げるアカンベェ。しかしその懐に潜り込むようにして放たれた五人の強烈なカウンターに、アカンベェは短い悲鳴を上げ、近くの空き地へ吹き飛ばされた。

 

「おお!人が居ない方に吹き飛ばしてくれるなんて、狙ったかは分からねーが助かるぞ」

 

 子供達も駄菓子屋の中に放り込んで置いたから大丈夫だろう。

 

 しっかし……

 

「あんな簡単に吹き飛ばされてるのになんでウルフルンは自信満々だったんだ……?」

 

 

 

 

「気合いだ!気合いだ!気合いだ!気合いだぁ!

 

 プリキュアを追って空き地へ向かうと、丁度ハッピーが【ハッピーシャワー】を放つところだった。

 

「プリキュア・ハッピーシャワー!!」

 

 起き上がったアカンベェに、ハッピーの手から放たれたピンク色の光の奔流が直撃する。

 

「やったー!」 「……よしっ」

 

 存外呆気なかったが、まぁ楽な分には良いだろう。

 

 ……しかし、(きびす)を返そうと一歩足を引いた時、倒された筈のアカンベェの方を見ながら腕を組み、笑みを浮かべるウルフルンの姿が目に留まった。

 

 ……!?まさかっ?!

 

 

 

「そんなぁ?!」

 

 ハッピーの声につられ、視線を戦いの場に戻すと攻撃で起こった砂埃が晴れた後には攻撃を食らった筈なのに、まだピンピンとしている青い鼻のアカンベェがいた。

 

『アーカンベェ!』

 

「ええぇぇぇ!?どうしてぇ?!」

 

 こいつ……浄化出来ねーのか?

 

 

 

「こうなったら一気にいくで!」 『うん!』

 

「なっ?!皆さん、冷静に!」

 

 異常を感じたビューティは様子を観ようとしていた様だが、他三人はビューティが静止するも間に合わず、消耗の大きい技を使ってしまう。

 

「プリキュア・サニーファイヤー!!」

 

「プリキュア・ピースサンダー!!」

 

「プリキュア・マーチシュート!!」

 

 

 三人から放たれた炎の玉、電撃、風の玉は絡み合う様に進み、アカンベェへ直撃する。

 

「……どうだっ?!」

 

 祈る様な気持ちで巻き起こった砂埃を注視するが……

 

『アーカンベェ!』

 

 砂埃の中から現れたのは先程と変わらず、ピンピンとしているアカンベェだった。

 

『ええっ?!』

 

「全然聞いてないの?!」

 

「私達の技が効かないっ……」

 

「そのとおり!」

 

『………っ?!』

 

 ウルフルンは技が効かなかったのが余程嬉しかったのか、態々説明を始めてくれる。

 

「お前達の技はキュアデコルを浄化するんだろ?だがこの青っ鼻はキュアデコルで作ったもんじゃねぇ。だからお前達の技は効かねぇーんだよ!」

 

「えー?!そんなのどうしたらいいの!?」

 

「ウルッフッフッ!そのままオレ様に負ければいいんだよ!いけぇ!アカンベェ!」

 

『アーカン、ベッ!ベッ!ベッ!』

 

 アカンベェは口からガチャガチャのカプセルの様なものを連続で吐き出していく。

 

 ビューティ達は飛び上がって避けるが、カプセルはビューティ達の跡を追うように跳ね上がる。

 

『キャーッ!!』

 

「皆さん?!」

 

 先程の技による消耗が祟ったのか、カプセルを避けられたのはビューティだけで四人はカプセルに閉じ込められてしまった……

 

「うぇーん!出られないよぅ!」

 

「なんなん?!このカプセル!?」

 

「どうしましょう……?!」

 

 ……マズイぞ。今動けるのがビューティだけになっちまった……

 

「どんどんいけぇ!アカンベェ」

 

『ベッ!ベッ!ベッ!』

 

「はっ!ふっ!くっ!たぁっ!」

 

 今は何とかカプセルを弾き返せているが何時までも続けていられるとは思わない……

 

『ベッ!ベッ!ベッ!ベッ!』

 

「ふっ!くっ?!はっ!………はぁ、はぁ」

 

 ビューティの息が上がって来てるな……何かねーのか?!

 

「クルゥ……」

 

「キャンディ!」 「クルっ?!……八幡クルかびっくりしたクル」

 

「キャンディ……あの青い鼻のアカンベェ、どうにかする方法はねーのか?」

 

 頼む……

 

「………あ……ごめんクル……知らないクル……」

 

「そう……か」

 

 ……どうする?キャンディにも分からないこの状況で俺に何が出来る?

 

 

 

「プリキュア・ビューティブリザード!!」

 

 なっ?!ビューティ?!なんでだ!?

 

 振り返った先ではビューティーの放ったビューティーブリザードによりアカンベェの足元が凍りついていた。

 

「なるほど!」 「アカンベェを凍らせちゃった!」

 

 いや、それでも楽観視は出来ねーぞ……?

 

「……はぁ、はぁ、くっ?!」

 

『ビューティー?!』

 

 ビューティーは膝から崩れ落ちてしまった。あんだけ一人で攻撃を捌いていた後に、体力を一気に持ってかれる技を使ったんだ無理もねぇ……

 

「ウルッフッフッ!いいざまだなぁ!プリキュア、これでトドメだぜ」

 

 ウルフルンは勝ちを確信しているのか爪を光らせながら、ゆっくりと肩で息をするビューティーへ近づいていく。

 

 

「……クソが!」 「八幡?!」

 

 手直にあった石ころをウルフルンに向けて投げつける。

 

「うぉ?!……なんだぁテメェいきなり石なんて投げやがって……んん?お前、なんでバットエンドになってねぇんだよ?そういや前にも見た事あったか?」

 

 ビューティーからウルフルンの気を逸らせることは出来たようだ。

 

「八幡君?!どうして出てきて……」

 

 ビューティーの声には答えずに、ゆっくりと戦いの場へ近づいていく。

 

「なんだ?テメェ……プリキュアの仲間だったのか?」

 

「……お前さぁ」

 

「あぁん?」

 

「……れいかに……ビューティーに何するつもりだった?」

 

「チッ!無視かよ。まあいい、決まってんだろ?たっぷりと痛めつけてバットエンドにしてやるんだよ!きっと良いバットエナジーが取れるはずだぜ?」

 

 ビューティーを痛めつけつけるだと……っ……!

 

「フンっ、まぁテメェなんざどーでもいいんだよ。どうせなんも出来ねーんだからそこで大人しくプリキュアがやられる所でも見てな」

 

 ウルフルンは俺の事など全く脅威として認識していない様で未だに動けないでいるビューティーに近づいて行く。

 

「ウルッフッフッ」

 

 ……俺には何も出来ねーのか?……何か気を引けるものは?!

 

「あっ……」

 

 あった……ウルフルンがビューティーへの攻撃よりも、俺の事を狙う様になる筈の事件が。

 

「……おい」

 

「あー?うっせぇなぁ。オレ様はお前の相手をしてる暇はねぇんだよ」

 

「……あの時のお好み焼きは美味かったか?」

 

「あぁん?………ああああぁぁぁ!!あの時アレはテメェだったのか?!!」

 

「随分と腹が減ってたみたいだな?俺もまさか一口で食べるとは思わなかっtがぁっ?!」

 

「八幡君?!」 「八幡?!」

 

 ウルフルンは目にも止まらぬスピードで俺に近づいて来たかと思うと首を掴まれ持ち上げられる。

 

「……おい、あんまり調子に乗るなよ?お前みてぇなガキなんざな……」

 

「ぐぅ、クソ……がっ」

 

 首を掴まれている為か上手く呼吸が出来ない。掴んでいる指を解こうにも俺の力ではほんの少しすら動かせない。

 

「どうとでもなるんだ……よ!」

 

「うぐぅ?!………がっ!」

 

 腹を殴られ、ビューティーの近くへ放り投げられた。

 

「八幡君!大丈夫ですか?!しっかりしてください!?八幡君?!」

 

「げほっ!……ごほっごほっ!ぐ、くぅ……」

 

 くっそぉ……マジで痛てぇ

 

「はんっ、コイツも馬鹿な奴だよな。なんの力も無いくせにでしゃばりやがってよ。オレ様がちょっと捻ってやればそのざまだ」

 

「あなた……!」

 

「何か違うかよ?弱ぇ奴は引っ込んでりゃ良いんだよ。それをかっこつけて出て来るからこうなるんだよ!ウルッフッフッ!まったく、わざわざやられに出てくるなんて何がしたんかったんだか。ウルッフッフッフッ!」

 

 言われ放題だな……否定が出来ねぇのが辛いとこだが。

 

「八幡を……」

 

「あん?」

 

「八幡を馬鹿にしないでクルゥ!!」

 

 キャンディ……?

 

「なんだ?役立たずの妖精ちゃんも出てきたのか?」

 

『キャンディ?』

 

「……キャンディは確かにみんなの役に立ってないクル。でも、八幡はみんなの事をいっぱい助けてるクル!八幡言ってたクル!れいかや……みんなの困ってる顔が見たくないって!だから行動するんだって、自分の為にやってる事なんだって……そりを……そりを馬鹿にしないでクル!」

 

「八幡君が……そんな事を」

 

「キャンディも……キャンディも……八幡やみんなの、困った顔は見たくないクル!笑ってて欲しいクルゥゥゥ!!!」

 

 キャンディが叫ぶのと同時にキャンディの体が輝きだし、額から何かが解き放たれる。

 

「うぉおお?!」

 

『アーカンベェ?!』

 

『きゃぁ!』 パリンっ!

 

 その時、放たれた衝撃波凄まじく、ウルフルンやアカンベェを吹き飛ばし。ハッピー達が捕らえられていたカプセルをも破壊してみせた。

 

 

 

 解き放たれた()()はゆっくりとビューティー達のところへと降りてくると各々の手の中へ収まった。

 

「なんやコレ」 「新しいキュアデコルかな?!」

 

「……キャンディの気持ちが新しい力を生み出したのかも知れませんね」

 

「チッ!なんだか分からんが叩き潰せ!アカンベェ!!」

 

『アーカンベェ!!』

 

 

「八幡君……少しだけ待っていて下さいね」

 

 

 

 ビューティー達は新しいキュアデコルをスマイルパクトへセットする。すると、スマイルパクトから光が溢れ出し、五人の髪に着けていた髪飾りが黄金のティアラへ、羽の形のイヤリングがリボンを象った黄金のイヤリングへと形を変える。

 

『プリキュア・レインボーヒーリング!!』

 

 五人を中心に白い光が溢れ出しアカンベェを飲み込んでいく。光に飲み込まれたアカンベェはその青い鼻を端から剥がされていくように浄化されていった。

 

『アーカンベェェ……』

 

「ジョーカーめ!話が違うじゃねーか!」

 

 間一髪、光から逃れたウルフルンも何やら意味深な台詞を残し消えてしまった。

 

 

 

 

「八幡君!」

 

 アカンベェを倒したと言うのに変身も解かずにビューティーが駆け寄ってくる。

 

「……おう」

 

「もう起き上がっても大丈夫なのですか!?」

 

 そんな重病人じゃねーんだから、大袈裟だなぁ

 

「大丈夫だよ。ほれ、もう変身も解いた方が良いだろ?ビューティーだけだぞ、まだ変身してるの」

 

「あ、え?あ、わかり……ました」

 

 れいかは変身を解くと俺の事をじっと見つめた後、ゆっくりと俺の頭を抱き抱える。

 

「あ……おい///」

 

「今は少しだけ、こうさせて下さい……」

 

「……おう」

 

 今回は大分心配させちまったみてぇだな……

 

 

 

 

 

 

 

「落ち着いたか?」

 

「……はい、ありがとうございます」

 

「お?お二人は終わったかな?」

 

「比企谷くん、大丈夫だった?」

 

 俺とれいかのタイミングを(うかが)っていたのか丁度よくみんなもやってくる。

 

「キャンディ、ありがとなお前のお陰で俺もみんなも助かったぞ」

 

「そんな事ないクル!キャンディは……八幡が出て行くまで勇気が出なかったクル……」

 

「まぁまぁ、今回は二人のお陰って事でいいんじゃないかな?」

 

「……そうだよ!比企谷くんもキャンディもかっこよかったよ!」

 

「いやぁ!まさかウチも比企谷があんな風に思ってくれてたなんておもわんかったなぁ!」

 

「なっ?!」

 

「ねー、アタシもびっくりしちゃったよ!」

 

 くっそぉ、キャンディめ盛大にバラシやがってぇ……

 

「………キャンディは知らないクル……」

 

「ぷっ、あはは、うそうそ冗談だよ。でも今日はほんとにありがとうね、アタシ達は殆ど良いとこ無しだったから」

 

「……気にすんな、俺は俺に出来ることをしただけだからな」

 

 緑川と話していると、れいかがじっと俺の事を見ている事に気付いた。

 

「ん?どうかしたか?」

 

「……八幡君は……今日の様なことを、またしますか?」

 

「……ああ、必要になったらな」

 

『…………………』

 

 一瞬、誰も言葉を発しない無言の静寂があったが、れいかは表情を崩し、

 

「……それでは私は、貴方にそんな事をさせないようにもっと頑張らなくてはなりませんね!」

 

「……守られるばかりってのも格好のつかないもんなんだがなぁ」

 

『あははははっ!』

 

 そんなみんなして笑うこともねぇだろうに……

 

 くきゅ〜〜

 

「えへへ、安心したらお腹空いちゃった!お菓子選びの続きしない?」

 

「せやな!ウルフルンのせいでまだお菓子選べてなかったんや」

 

「お菓子クルゥ!」

 

「よーし行くよ!キャンディ!」 「クル!」

 

「あ、待ってよ!みゆきちゃーん!」

 

 星空につられてみんな駄菓子屋へ向けて駆け出して行く。隣に視線を向ければ、そんな星空達を微笑ましそうに見送るれいか。

 

「……れいかは一緒に行かなくていいのか?」

 

「そのような野暮な事は聞かないで下さい」

 

「……う、すまん」

 

「ふふっ、私は貴方と……こうして並んで歩いて行く事が幸せなのですよ?」

 

 

 

 

 

 

 夕日に照らし出される二つの影の間にはいつの間にか、影と影とを繋ぐ橋が架かけられていた。

 




今回はのお話はなかなか難産でした。

特にキャンディにどうやって新しいキュアデコルを出させるか悩みに悩みました。



私は大切な人を守る為の自己犠牲は尊いものだと思います。
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