俺の青春にスマイルなどあるのだろうか?   作:紫睡

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留まるところを知らないれかちゃんの愛!
果たしてれかちゃんは猛り狂う愛情をコントロールできるのか?!それとも愛のままに突き進んでしまうのか?!


話は変わりますけど、モンハンサンブレイクの情報が盛りだくさんでとっても楽しみになってきましたねぇ


(8)

 食堂に入ると、途端に騒がしく感じる。多くのグループは俺達よりも早く来ていたようだ。グループ毎に席は決まっているのだが、もう殆どの席が埋まって居たために直ぐに席を見つける事が出来た。

 

「うわぁー!美味しそう!ねぇねぇ!もうたべていいのかなぁ?」

 

「いや、まだだろ……周りを見てみろよ」

 

 各テーブルの上には御盆に乗せられた料理がもう既に配膳されているが、未だに誰も手を付けずに周りのやつと話に花を咲かせている。……あ、宗本の奴摘み食いしてやがる。

 

「どうやら皆さんが揃ってから食べ始める様ですね」

 

「えー……早くしないと冷めちゃうよ。はっぷっぷー」

 

 

 

 

 

 五分程経つと最後のグループもやってきた。食堂に入ってきた時はお喋りしていたものの、お預けをくらっている奴らの視線が一気に集まった事に気付いたのかそそくさと席に着いていた。

 

 最後のグループが来たことを確認したのか、学年主任が立ち上がる。

 

「えー、修学旅行ももうすぐ一日目が終わります。私は皆さんにこの修学旅行に楽しかったという思い出だけでなく、この古都京都での学びについても………」

 

 

 ……話が長ぇ。

 

 最後のグループが来て、漸く食べられると思っていた他の生徒たちも目付きが剣呑になってきた気さえする。

 

 その様子を察したのか、周りの様子も気にせずに話し続ける学年主任の元へ佐々木先生が近付き耳打ちする。すると漸く生徒達の様子に気付いたのか学年主任は慌てて話を切り上げると席に着く。佐々木先生は苦笑いを浮かべながら前に出てきた。

 

「皆さん、もうお腹が空いてるわよね?お待たせ、それじゃあ手を合わせて、いただきます」

 

『いただきます!』

 

 大きな声が響き渡ると、みんな一斉に食事に手をつけていく。メニューはすき焼きに天ぷら、お浸しに冷奴(ひややっこ)、それにご飯とお吸い物だ。修学旅行生向けの料理なので余り期待はしていなかったが割と豪勢なんじゃないだろうか?

 

「おいひー!」

 

「うまうま」

 

 うちの元気組は勢いよくかっこんでいる。

 

「……あんまり急いで食って喉に詰まらせるなよ?」

 

「んふふー、大丈ぶふっ?!んー?!んー?!」

 

 って言ってる側から?!

 

「みゆきっ?!」

 

「わーっ?!みゆきちゃん?!ほら水飲んで!」

 

 星空は緑川から水を奪うように受け取ると勢いよく口に流し込んだ。

 

「けほっ!けほっ!……うー、ありがとなおちゃん」

 

「……もーみゆきちゃん、比企谷くんが注意してくれたんだから気をつけないと」

 

「……ひゃい。ごめんね比企谷くん」

 

「……いや、いいけど気を付けろよ?マジで」

 

 ……本当にコントみたいな詰まらせ方だったわ……

 

 

 

 

 

 

 

「いやー、よぉ食ったわぁ」

 

「うん、美味しかったねぇ」

 

 日野と緑川は夕食を食べ終わり、部屋に戻って来てから直ぐに二人して、布団の上でごろごろしていた。

 

「二人とも、食べて直ぐに寝ると牛になってしまいますよ」

 

「せやったらみゆきはどうなーん?」

 

「みゆきさんは………」

 

 口を詰まらせるれいかは二人と、少し離れた位置で横になっている星空を見比べる。

 

「……うぅ、苦しい。けぷっ」

 

「………そっとしておいてあげましょう」

 

 言いながられいかは星空からスッと目を逸らした。

 

 

 

 

 

 「……なぁなぁ、枕投げせぇへん?」

 

 暫くごろごろして落ち着いたのか日野が唐突に言い出した。

 

「枕投げ!?やりたいやりたーい!」

 

 その言葉にいの一番に反応したのは食いすぎで休んでいた筈の星空だった。……お前さっきまで(うめ)いてたじゃねーかよ。

 

「よっしゃ!ならいくでぇー!あ……」

 

「はおぉっ?!」

 

「うっわ……」

 

 日野は足元でごろごろしたままガチ寝してた緑川の背中を思っきし踏みつけていた……

 

「……あははは、………ごめんなお」

 

 緑川は近くの枕を掴んでゆらりと立ち上がった。

 

「……あ〜か〜ね〜?」

 

「あわわわ?!みゆき助けて!」

 

「こら!逃げるなあかね!」

 

「ひゃー!なんでわたしもー?!」

 

 枕を投げつけながら日野と星空を追いかける緑川……この部屋あんまり広くないんだから走り回ると怪我するぞ……

 

「……隅に避難しとこ」

 

 

「まてー!」

 

『わあぁー!』

 

 ちょっと目を離してる間に黄瀬も一緒に逃げてるな……何があったんだよ……

 

 だんだん声が大きくなってきたな……これじゃ佐々木先生が、また来ちまうんじゃねーか?

 

 俺と逆側の隅に避難していたれいかも流石にまずいと思ったのか止めに入る。

 

「皆さん!声が大きくなって来ましたよ!もう少しだけ声を抑えtんぷっ?!」

 

「あっ……」

 

 緑川が投げた枕が、れいかからの注意を遮るように顔面にヒットした。

 

 投げた本人は気付かずにまだ追い回してるし……

 

 枕を顔から外したれいかは目は瞑っているのだが何か圧を感じる様だ……ぶっちゃけ怖い……

 

 そしてカッと目を開くと……

 

「なおぉー!!」

 

『きゃー?!』

 

 一度叫ぶと緑川に向けて枕を投げつけ、追いかけだした。

 

「なになになに?!れいかちゃんどうしたの?!」

 

「ちょっとなお?なんでウチらと一緒に逃げてるんや!」

 

「もー!なんでわたしは追いかけられてるの?!」

 

「アタシにもわかんないよ!」

 

 れいかは落ちている枕を手当たり次第に投げつけながら四人を追い回す。

 

「待ちなさーい!」

 

 

 

 

「………いつの間にか枕投げになってた件」

 

 れいかに追いかけ回されてた四人も途中から枕を投げ合い始めて、暫く追いかけて怒りも治まったのか、今ではれいかも楽しそうに枕投げに参加している。

 

「いきますよ!」 「きゃー!」 「そりゃー!」

 

「……ほいパシャッとな」

 

 おー、綺麗に撮れてる。もう何枚か撮っとこ……

 

 

 

 楽しそうなれいか達を写真に収めていると急に扉が開けられた。

 

「こら!またあなた達?!外にまで声が聞こえてるわよ!」

 

「ふんっ!……あっ先生?!」

 

「え?きゃっ?!」

 

「……やば」

 

 れいかが佐々木先生の声につい反射的に枕を投げてしまっていた。佐々木先生は咄嗟に避けていたが怒りのためか震えている……

 

私は冷静、私は冷静、私は冷静……ふぅ……」

 

 なんかブツブツ言ってるし……

 

「……怖っ」

 

「ふんっ!」

 

「いったぁ?!……え?なんで俺?」

 

 拾った枕を急に投げつけて来たから避けられずに顔面で受けちまった……

 

「……連帯責任です。あなた達ももう寝なさい。もう直ぐに消灯時間ですから少し早いけどそれが罰です。わかったわね!」

 

『……はい』

 

 

 

 

 

 佐々木先生が扉をターン!と音がする程の力で閉めて出ていくと、星空達ものそのそと電気を消して布団に入る。

 

「怖かったなぁ……さっきの佐々木先生」

 

「うん」

 

「あはは、比企谷もすごいとばっちりだったよね」

 

「……すみません。先程は私のせいで……」

 

 先程佐々木先生に枕を投げてしまったれいかが、気落ちした声で謝る。

 

「んふー、じゃあ罰として告白ターイム。……れいかくん、比企谷との近況を答えよ」

 

 それ俺にもダメージがくるじゃねーか……

 

「え?は、八幡君との近況ですか///」

 

「あ、聞きたい!聞きたい!」

 

「わ、わたしも///」

 

「お前ら興味津々過ぎだろ……」

 

「やってー、今もいつの間にかお揃いのネックレスしとるしぃ、どれくらい進んでるのか気になるやーん」

 

「わっほんとだ!わたし気づかなかった」

 

「……で?実際のとこ、どうなん?」

 

 ニヤニヤしながられいかに顔を近づけてくる日野。いつもなられいかも反撃するのだが、今は先程の負い目がある為かあしらいきれないでいる。

 

「……その、頬に///」

 

「ほっぺたに?」

 

 日野がニヤニヤした顔でこっちを向いてきたので布団を頭まで被る。

 

「あ、隠れた!」

 

「れいかちゃん、それでほっぺたに?」

 

 黄瀬までノリノリかよ……

 

「き、キスを///」

 

「やーん!チッスやってチッス!」

 

「え?れいかちゃんと比企谷くん、まだチューしてないの?」

 

「いやみゆき、いましたって言ったやん?」

 

「んーん、そうじゃなくて前見た時の雰囲気からして、もう口同士もしてると思ってたから///」

 

「くちっ?!ゴホッゲホっ!」

 

 星空の奴なんて事いいやがる?!

 

「にひー、比企谷ぁ……出てきぃや!」

 

「うおっ?!」

 

 いきなり布団に手を突っ込まれたかと思ったら腕を掴まれて布団から顔を引きづり出される。目に入るのは珍しく狼狽(うろた)えているれいかの顔と日野のニヤニヤ顔。

 

「……なぁ、今しちゃわへん?ファーストチッス」

 

「なっ///」

 

「あかねさん?!」

 

「あわわわ///」「ドキドキ///」

 

 日野のとんでもないことばに、ついれいかの唇に目がいってしまう。……そして、そのぷるぷると艷めく唇が段々と近づいて来ているのに気付く。

 

「れいか?」

 

「八幡、くん///」

 

 れいかは場の雰囲気に乗せられているのか、熱に浮かされた様な顔を少しづつ寄せてくる。

 

「あ、へ?マジで……」

 

 横目にチラリと見えた日野の顔は焦った様に狼狽(ろうばい)していた。

 

「ゴクッ///」「あわわわ///」

 

「ハァハァ///れいかと比企谷がキス///」

 

 俺が顔を少し引くと、逃げられると思ったのか両手で俺の頬を抑えて自らの方へ引き寄せてくる。

 

「はぁ///……んっ///」

 

 れいかの事は好きだが、だからこそ()()()()()は二人だけの時にしたい。何かないかと視線を彷徨わせていると緑川の様子がおかしい事に気付く。

 

 

「キス///れいかと比企谷のキス///キスキススキスキスキスキ///?…………ブハッ!」

 

「……えっ?」

 

「きゃー?!なおちゃーん?!」

 

「れいか!緑川が!」

 

「はぁ///………え?……なお?!」

 

「ティッシュ!ティッシュ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 緑川が鼻血を吹き出した事で無事?事態は落ち着いた。緑川は鼻血が止まると直ぐに寝息をつき、日野達も鼻血の片付けが終わると気疲れしたのか「おやすみ」と言って布団に潜っていった。日野だけは反省しているのか申し訳なさそうに謝ってきたので一発、チョップをしてやると、嬉しそうに布団に戻っていった。

 

 

 

 

「……八幡君、すみません。先程は雰囲気に流されてしまいました」

 

「……いや、俺もなんだかんだで止めようと思えば止められたのに出来なかったし……そんなに申し訳なさそうにしないでくれ」

 

 周りは俺たち以外寝静まった頃俺もれいかもまだ眠れなかったので二人だけで反省会をする。

 

「俺も嫌だったわけじゃない。ただ、()()()()()は二人だけの時にしたい……あ、違う二人だけの時がいい」

 

 なんかがっついて俺がしたいみたいな言い方になっちまった。……いやしたいことにはしたいんだが///

 

「……よかった。私の独りよがりじゃなかったんですね。貴方も……八幡君もそう思っていてくれるのがわかっただけでも安心しました」

 

 その言葉を聞いてハッとした。俺はれいかを不安にさせちまってたんだな……

 

「……れいか。俺は……そのなんつーか///れいかの事が好きだ。だからその///安心?してほしい」

 

「……八幡くん///」

 

 上手く言葉に出来なかったが、れいかの顔を見れば伝えたい事は伝わったのだと思う。

 

「……ありがとうございます。とっても……嬉しいです」

 

「……そうか……よかった。じゃあ俺達も寝ようか」

 

「ええ、おやすみなさい」

 

「ああ、おやすみ」

 

 その言葉と共に布団の中に何かが潜り込んできて俺の手を絡めとる。少しだけ驚いたが俺の方からも軽く握り返して、瞼を下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はぁ///……ちゅぷ……んっ……んぱっ///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドスッ「……んぐ?!……ん?」

 

 脇腹への突然の衝撃に目が覚める。

 

「……くぁっ……緑川かよ……寝相悪いな」

 

 起き上がって見てみると緑川が脚をこちらに投げ出していた。間にある筈のれいかの布団は既に畳まれているのでれいかはもう既に起きているようだ。

 

 

 

「あら、八幡君、おはようございます。よく眠れましたか?」

 

 緑川の脚を布団に戻していると扉を開けてれいかが入ってくる。既に制服に着替えて身嗜みも整えている。

 

「……ああ、おはよう。れいかは早いな」

 

「ふふっ、私はいつも同じ時間に目が覚めてしまうんです。これも慣れ?と言っていいのかわからないですが……」

 

 だいぶキッチリとした体内時計なんだな。俺も寝坊には気をつけなくちゃな。

 

「ちょっと着替えるから後ろ向いててもいいぞ」

 

「いえ、ではしっかり拝見させていただきますね?」

 

「いや、そんなじっとは見ないでくれ……」

 

「ふふっ、わかりました」

 

 そう言って目を閉じるれいかを確認してちゃちゃっと着替えを済ませる。ジャージを脱いで制服を着るだけだからものの数分で終わる。

 

「もういいぞ?」

 

「そうですか。うん、今日も格好良いですよ」

 

「……ん、そうか」

 

「ええ、ふふっ♪」

 

 

 

 

 星空達も起きて来たので一旦部屋から出る。部屋の中では今着替えの真っ最中だろう。手洗いに行って軽く寝癖を治す。戻って来てノックしてから数分後、部屋の中に入ることが出来た。

 

「比企谷おはよー!」

 

「おう、おはようさん」

 

「あ、比企谷、れいかにもさっき謝ってんけど、昨日はほんとごめんな」

 

「もうそれについては昨日片付いただろ?あんまし引きずるな」

 

「せやったな……うん、ありがとう!あ、おはよう」

 

「……おせぇ」

 

 

「比企谷、おはよー」

 

「おはよう、比企谷くん」

 

「おう、二人ともおはようさん。緑川はもう大丈夫か?」

 

 昨日は鼻血が止まって直ぐに寝ちまってたからな。

 

「あはは、カッコ悪い所見せちゃったね。でも大丈夫、この後の朝ごはんを食べれば元気百倍だよ」

 

「おー、飯な。昨日みたいに他の奴を待たせるのも悪いしもう行くか?」

 

「あ、そうだねみんな呼んでくるよ!」

 

 ……呼ぶって言ってもみんなこの部屋に居るけどな。

 

 

 緑川の呼び掛けで食堂に向かうために部屋を出る。……今日は一日班行動だったな……最初は清水寺だったか?まぁ、このメンバーなら何処に行っても楽しめるだろう。

 

 

 

「……あれ?比企谷くん、首の所赤くなってるよ?」

 

「ん?そうか?特に痒みなんかは無いんだけどな」

 

「夜中に刺されたんとちゃう?」

 

「……かもな」

 

「そうなのですか?薬もありますが……」

 

「んー?いや、特に痒みもないし大丈夫だろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……うふっ♪」

 

 

 

 

 




ヤンヤン?ヤンヤン?

前話でやっと次の日に突入出来そうと言ったな……ほんとに突入しただけじゃねぇーか?!
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