俺の青春にスマイルなどあるのだろうか?   作:紫睡

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スマプリ見直してたらバッドエンドビューティに惚れ直したのでそう遠くない内に出します


(2)

 れいかとのデートを翌日に控えた今日、土曜日だからと家でゴロゴロしていたら小町に掃除の邪魔だと追い出された。

 

 まぁ邪魔になっている自覚もあったので潔く不思議図書館の秘密基地に撤退……してきた訳だが――

 

「あれ?比企谷も来たんだ。これで全員揃っちゃったね」

 

 秘密基地の中へ入ると五人が思い思いの方法で(くつろ)いでいたり、何かの作業に精を出していた。

 

「おはようございます。八幡君もこちらで一緒に休みませんか?」

 

 そう言うれいかは、ロフトの下に持ち寄った置き畳を並べ、簡易的な和室のようにして小さなちゃぶ台を置きそこでお茶を飲んでいた。

 

「ああ、上がらせてもらう」

 

 俺もお茶を用意すると畳に上がり、れいかの隣に腰を下ろす。

 

 しかし、ここもだいぶ充実してきたように感じる。れいかの持ってきた置き畳に始まり、各自が色々持ち寄った物によってある意味シェアハウスの様な状態になっている。寝る場所こそ無いが、もう普通に生活する分には問題ないんじゃないだろうか。

 

 因みに俺が持ち込んだホワイトボードはみんなにかなり好評だった。今は写真を飾るだけでなく隅の方を今も何か書いてあるが《茶菓子品切れ》等のように全員への連絡にも使用している。……昨日見た時はまだあった筈なんだがだが……誰か大量に食ったな?

 

 お茶を啜りながらぼーっとしていると、絵本を読んでいた星空が不意に顔を上げ、目が合うと驚いたような顔をされた……

 

 ……何驚いてんだよ。

 

 その後に周りを見回して更に驚いている。

 

 ……こいつ、絵本に集中して全員集まった事に気付いて無かったな?

 

 ひとしきり驚いて落ち着いたのか、何か考えるような仕草をしてカッと目を見開くと立ち上がった。

 

「……そうだ!ねぇねぇ、みんな揃ってるんだし聞きたいんだけど、みんなは明日の母の日にお母さんにどんなプレゼントするの?」

 

 星空の問いかけに一瞬、しん……となるが直ぐに日野が答え始める。

 

「せやなぁ、ウチはお母ちゃんに店でも使えるオリジナルエプロンを縫って見たんやけど……なかなか難しいもんやなぁ」

 

 そう言って振った手には真新しい絆創膏が数枚巻かれていた。

 

「えっ?!大丈夫!?」

 

「あははは……平気平気、授業中に比企谷とれいかに習ったことを思い出しながらやったんやけど……もう忘れてるとこも多いからこれから教えてくれへん?」

 

 日野には入れ替わり騒動後も家庭科の授業でグループ学習の時はれいかと二人で教えているので渋るほどの事でもない。

 

「へいよ」

 

「私達で良ければ喜んで」

 

「ほんまっ?!助かるわぁ」

 

 

 

「あかねちゃんはエプロンかぁ……なおちゃんは何を作るの?」

 

「アタシはもう作ってあるんだ。えーと……これ、ティッシュカバー」

 

 緑川が取り出したのはハートとカーネーションの刺繍が施されたティッシュカバーだった。

 

「可愛い刺繍!」

 

「なおは手芸が得意ですものね」

 

「すごいなぁ……れいかちゃんは?」

 

「私は明日、八幡君と一緒に母の日の贈り物を探そうと思っているんです。……サプライズもありますけどね?」

 

「母の日のプレゼント選びだったのか……俺はてっきり……っ」

 

 ハッとなって口を(つぐ)むも既にれいかには気づかれていたようで――

 

「てっきり……なんです?」

 

 頬を上気させたれいかに顔を寄せられ、為す術もなく白状させられる。

 

「っ!……でっ///デートかと……思ってたんだ///」

 

「くふっ♪八幡君、デートですから安心していいですよ?その中で八幡君と一緒に選びたいと思っていただけですから」

 

 そう囁いてれいかは愛おしそうに俺の頬を撫でて――

 

「はーい、れいかは落ちついてねぇ」

 

「きゃっ?!……もうなおったら、今いいところでしたのに」

 

「いやアタシも見てたいけどさ、今はこっちを優先してね。それに比企谷も、最近のれいかは直ぐに暴走するんだから何かガス抜きみたいな事、考えて置いてね?」

 

 ……ガス抜きって言われても……え?もっと過激な事でもしろと?

 

「あ、相変わらずれいかちゃんはすごいね///」

 

「う、うん///大人って感じ」

 

「はー、これに見慣れてるウチらもウチらやけどなー」

 

「ふふっ、申し訳ありません。では次はやよいさんですね、どの様なモノを贈るのでしょうか?」

 

「あ、わたしはちょっと恥ずかしいんだけど、ママの似顔絵を描こうと思ってるの」

 

「そっか!やよいちゃんは絵が上手だもんね」

 

「ウチらにはない選択肢やなぁ」

 

 絵が上手い黄瀬ならではのプレゼントだな。

 

「もう次!次は比企谷くんだよね!」

 

「お、おう。俺もれいかと一緒で明日買おうかと思ってた口でな。うちは母ちゃんが基本的に家に居ないから買っといて後で渡す感じなんだよな」

 

「そっかー、みんな色々教えてくれてありがとう!みんなの意見を聞きながら考えたんだけど、今年はお母さんに何か買ってあげることにするね!お小遣いもまだあったはすだし!」

 

 星空は俺たちと同じで買って渡すことにしたらしい。……なんとなく視線が日野の絆創膏にいっている気がするが……気付かないふりをしておいてやろう。

 

「サプライズで渡すので無ければ何が欲しいか直接聞いてしまうのもてかもしれませんよ?」

 

「直接?」

 

「ええ、基本的には何を贈っても喜んで貰えると思いますが、実際に欲しい物を贈られた方が喜んでくれるのは間違いないですから。それか一緒に買い物に行っても良いかもしれませんね。私は偶にお母様とお買い物に行ったりもしますが会話が普段よりも弾む様な気がしますので」

 

 

「お母さんの欲しいもの……お母さんと買い物……」

 

 そういやぁ母ちゃんと一緒に買い物なんて小学生の時以来行ってないんじゃねーか?……今度誘ってみるか?

 

「うん!とっても楽しそう!ありがとうれいかちゃん!わたし、お母さんと一緒にお買い物に行ってそこでお母さんの欲しいものを買うことにするね!」

 

 

 

 

 星空の相談も終わり、また各自で思い思いに過ごす時間が戻ってくる。俺とれいかは日野にエプロンの作り方や緑川ほどでは無いが刺繍の仕方などを教えていく。

 

 数十分ほど教えると日野もだいぶ慣れてきたようで、俺とれいかはまた畳の上に戻ってお茶を啜る。

 

「八幡君、明日の事なのですが」

 

「ん?」

 

「時間と待ち合わせ場所をお話ししておこうと思いまして」

 

 そうか、メールで知らされるって思ってたが、今日会えたんだから今教えてもらう方が良いしこっちからも直ぐに分からないところがあったら聞けはもんな。

 

「そうだな、よろしく頼む」

 

「はい、場所は七色ヶ丘から数駅の〇〇駅の駅前広場、時間は九時半頃でどうでしょうか?」

 

「おう、いいと思うぞ」

 

「良かったです。では明日、楽しみにしていますね」

 

 

 

 

 

 昼頃になったので部屋に戻る。れいか達には午後は用事があるから秘密基地には今日は戻らないと言って出てきた。

 

 まぁ用事というのも、明日に向けての小町先生による衣装合わせなのだが……

 

「小町ー?」

 

 そろそろ飯だろうと思い、小町を呼びながら居間へ入っていくと――

 

「お兄ちゃんお帰りー」

 

「あ、お帰りー部屋に行っても居なかったから何処行ってたのかと思ったよ」

 

「げっ……母ちゃん」

 

 居間に居たのは昼食を作っている小町だけでなく、ソファに寝転んだまま手だけ上げて応じる、我が母上様であった……

 

「げじゃねーだろ?」

 

「いや、急に……」

 

「あ、そんな事より聞いたよ?明日れいかちゃんとデート何だって?いやぁ、その報告が母の日のプレゼントみたいなもんだわぁ」

 

 ……話聞けよ。

 

「あ、明日はあたしも出かけるから一緒に家出よーねぇ」

 

「ん?母ちゃんもどっか行くのか?」

 

「そーなの、知り合いに呼ばれちゃってねぇ。だから今日帰ってきたんだわぁ」

 

 ここら辺に母ちゃんと仲のいい人なんか居たっけか?

 

「まっ、了解だわ」

 

「何の話ー?二人ともご飯出来たよー」

 

 作り終わったのか、皿をテーブルに並べながら小町が聞いてくる。

 

「んー?明日八幡のデートに着いてくーって話ー」

 

「いや、違ぇだろ……」

 

「えー?小町にももっと教えて?」

 

「じゃあご飯食べて八幡の服見ながらねぇ」

 

「うん!」

 

「………え゛っ?」

 

 

 

 

 

 この後めっちゃ着せ替えられた……

 

 

 




母の日当日の秘密基地での出来事は前日へ!

この世界線のみゆきちゃんは無駄遣いも余りしないしちゃんと母の日も覚えています!

キャンディー出しづれぇ……今話ではみゆきちゃんの家で寝てるって事で……ほら寝る子は育つって言うし(目逸らし)
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