俺の青春にスマイルなどあるのだろうか?   作:紫睡

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はい!今章ラストのバトル回となります!

若干難産でしたが、まぁ……大目に見てください!(土下座)


(5)

 れいかの後ろ姿を追うようにして走っていく。れいかがバットエンド空間の起点、つまり広がり始める所を丁度見ていたようでおおよその見当はついている。

 

 にしても……れいかがどんどん離れて行ってる気がする……やっぱ離されてるわ……うん。

 

 前に一緒に走った時はれいかと緑川の二人とも俺に合わせて走っててくれたからなぁ。それが今は完全に自分のペースで走ってるっぽい。……走り出す直前の雰囲気的にちょっとれいかはキレてる気がする。俺の勘違いなら恥ずかしいが、もし俺との時間を邪魔されて怒ってくれているのならかなり嬉しいな。

 

 

 まぁ、離されてると言っても、その背中はまだまだ全力を出せば追いつける範囲内だ。まぁ全力なんて出したら数十秒でダウンだけどな……

 

 

 

 数分程走っただろうか?正確な時間は分からないが、前の方を走っていたれいかが止まった。近付くと段々と状況が分かってくる。アカオーニは既に問題集?の姿をしたアカンベェを呼び出していてハッピー達は……なんだコレ?四人とも赤いバツ印の中に体を埋め込まれる様にして身動きが取れなくなっている。

 

 れいかが変身の光に包まれるのを横目にアカオーニ達にバレないようにそっと、マーチのバツ印の陰に隠れ説明を求める。

 

「……おい、マーチ。それどうなってんだ?」

 

「え、比企谷?あー……コレはそのぉ」

 

 ……おい、なんで目ぇ逸らした。

 

「比企谷くんこれはね、あの変なアカンベェに問題を出されて間違っちゃうとこのバツに閉じ込められちゃうの」

 

「……つまり全員間違えたと」

 

『あはははは……』

 

 笑って誤魔化すんじゃねぇ……まぁ、れいかなら問題ないだろうが――

 

 

 

「しんしんと降り積もる、清き心!キュアビューティ!」

 

 ――とっ、ビューティへの変身が終わったみたいだな……

 

『ビューティ……!』

 

「さぁ!私がその性根、叩き直して差し上げます!」

 

「やっぱりなんか怒ってるオニ?!」

 

「怒っていません!」

 

 ……え?何このやり取り?

 

「……なぁ、もしかしてなんやけど、比企谷なんかれいかを怒らせること……した?」

 

「いや……するわけねーだろ?」

 

「それほんま?せやかてビューティ……なんや来た時からごっつ怒ってる雰囲気やったんやもん」

 

「……あー、なんか恥ずかしいんだが、それって多分……俺とれいか……結構良い雰囲気で一緒に帰ろうとした時に……」

 

 

「絶対怒ってるオニ!!アカンベェ!あいつもコテンパンにしてやるオニ!」

 

『問題!英語で「私の名前はキュアビューティです」はなんと言う?』

 

「ひぃ?!また英語や!?」

 

「……聞けよ」

 

 

「My name is Cure Beauty!」

 

 まぁ、ビューティにとっちゃ簡単だわな。

 

 ビューティが正解すると、アカンベェの前に赤い丸が浮かび上がりアカンベェに向かって勢いよくぶつかる。

 

『ア、アカンベェ?!』

 

「え?何あれ?!」

 

「正解したらアカンベェがやられちゃうんだ」

 

「えぇ?!そうなのオニ!?」

 

 お前も知らなかったのかよ……

 

『アカ……アカン……次の問題!』

 

 あ……そういやぁアカンベェがアカンベェ以外の言葉話すの初めて聞いたわ……

 

『1+2+3+4=?』

 

「10!」

 

 即答じゃん……

 

『アカーンベェ?!』

 

「計算速いオニ!?」

 

『徳川幕府、三代目の将軍は誰?』

 

「徳川家光!」

 

『アカンベェ……』

 

 もう丸に殴られる為に問題出してるようにすら見えてきたわ……

 

「な、なんで全部分かるオニ?!」

 

「勉強をしてきたからです!」

 

「オニィ?!」

 

「私にだってまだまだ分からないことは沢山あります。ですが、私には今まで積み上げて来た知識があります!……たとえ自分の意思で始めた事では無かったとしても、私が得てきた知識は裏切りません!」

 

 悩みが晴れて、もう完全に自信に繋がったみたいだな……

 

「勉強、勉強ってジョーカーもお前もうるさいオニ!アカンベェもう直接攻撃オニ!」

 

『アッカンベェ!!』

 

 問題集の姿してる意味を捨てやがったよ……

 

「私に大切な事を教えてくれた人の為にも……!」

 

『アーッカカカカッ!』

 

「私が折れるわけにはいかないのです!」

 

 すっげぇ……アカンベェの攻撃を全部いなしたり、弾いたりして防いでるし……

 

「えぇーーい!たかが一人にどれだけ手間どってるオニ!?アカンベェ!アイツにものすごぉぉく、難しい問題出してやるオニ!」

 

 

 

『問題!』

 

 どうなる……

 

『詩人 高村幸太郎の詩【道程】のはじまりを述べよ!』

 

 ……全く知らねぇぞ?

 

「何その問題?!難しすぎるよ!」

 

 れいかも黙り込んでしまっている。

 

「ん?んー?うっはっはっはっ!どーだ?分からないオニ!俺様もサーッパリ分からないオニ!」

 

 アカオーニも勝利を確信したのか嬉しそうに高笑いをあげた時だった。

 

「………僕の前に道はない」

 

「えぇっ?!」

 

「僕の後ろに道は出来る!」

 

『アカンベェ?!』

 

「正解しちゃったオニ?!」

 

「たとえ始まりこそ人からの誘いであったとしても、そこから学んだ事は私自身を形作る欠片です!私はこれからも色々な事を学び続けます!それが……それこそが私の道です!!」

 

「んがぁぁ!難しくってよく分からんが生意気オニ!いけぇ!アカンベェ!」

 

『アカーンベェ!!』

 

「ふっ!プリキュア・ビューティブリザード!!」

 

 突撃しようとするアカンベェを迎え撃つようにビューティは一瞬、いきむと右手から冷気の奔流を解き放つ。

 

 

『アカンベェェ……』

 

 冷気の奔流に飲み込まれたアカンベェは為す術なく浄化されていった。

 

「ぷぎゅっ!」

 

 素っ頓狂な声に振り返ると変な体勢で倒れているハッピー……どうやらアカンベェが浄化されたお陰でバツ印から解放されたようだ。

 

 

「進んで勉強するなんて信じられないオニ!」

 

 アカオーニは捨て台詞を残して去っていった。……まぁ、その台詞には若干同意はしたいけどな……

 

「バナナデコルクル。いっぱい集まってきたクル!」

 

「っ?!」

 

 キャンディ……居たのか?気づかなかったから急に足元から声がしてマジビビったわ……

 

 

 

 

 

「れいかちゃんありがとう!」

 

「あんな難しい問題にバンバン答えて流石やわぁ」

 

 ……最後以外言うほど難しかったか?

 

「ふふっ、どういたしてまし。そして私も……ご迷惑をおかけしてしまってごめんなさい」

 

「そんな!?謝らないでよれいか。あ、でも来てくれたって事は……」

 

「ええ、プリキュアに復帰させていただきます。会長や他の皆さんにも明日、復帰の報告と共にお詫びをするつもりです」

 

「やっぱり私達にはれいかちゃんがいないとね!……あっ!比企谷くんもだよ!?忘れてないからね?!」

 

 ぜってぇ忘れてたろ。……あっ!って言ってたじゃねーか。

 

「ふふっ、拗ねないでください。それでは皆さん、私は八幡君とお散歩の続きに参りますので失礼しますね」

 

「あっ……いや別に拗ねた訳じゃなくてだな……」

 

 するりと握られた手を引かれゆっくりと歩き出す。

 

「うん!またねぇ!」

 

 星空に手を振られながら俺達は帰路に着くのだった。

 

 

 

 

……なぁなぁ、さっき比企谷が言いかけたれいかが怒ってた理由って……

 

うっわぁ///比企谷との時間を邪魔されたから怒るなんて、れいか可っ愛いぃ///

 

「……なおちゃんがまたトリップしてる……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side:???

 

「プリキュア一の智者であり司令塔、キュアビューティ……青木れいか」

 

 実際、彼女が来るまではアカオーニさんが優勢でしたし、勝てそうだったんですけどねぇ。

 

 彼女が来ただけであっという間にひっくり返されてしまいましたよ。

 

「しかーし!どんな人間だろうと弱点を着いたら脆いものですよねぇ?」

 

 指で作った眼鏡を覗くとそこに映るのは、青木れいかと手を繋ぎ楽しそうに笑う、目が特徴的な青年。

 

「比企谷八幡……なんて言いましたっけ?彼……盗っちゃいましょうか!」

 

 もしも彼を引き離されたらキュアビューティはどうなっちゃうんですかねぇ?

 

「とっても楽しみですねぇ!」

 




高村〇太郎の名前は敢えての誤字です。やっぱり実在の人物名を出すのはどうかなぁと思いまして……

そして遂に奴を出すことが出来ましたね!いやぁ長かった!次章ではガッツリ暴れてくれますよ!

あ、因みに次章は原作アニメ版ではお笑いコンビFUJIWARAがゲスト出演の回なのでまるっとオリジナル回に差し替えます。お楽しみに!
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