俺の青春にスマイルなどあるのだろうか?   作:紫睡

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新年明けましておめでとうございます!←遅い

いえ、本当は前回新年の挨拶をするべきだったんですが……まぁ忘れていまして……はい。

申し訳ございませんでした。


第18話 ただ、緑川直はみんなと走りたい
(1)


 先日、れいかとひとつになりもう一人の人格として生まれ変わった鏡華(きょうか)……関係ないけどひとつになるってなんかえっちくない?

 

 ……まぁそれはさておき、段々と俺たちの中では馴染み始めているのは確かなのだが……きょうかは実はかなり人見知りが激しかった。

 

 きょうかいわく、俺への愛情?とれいかとその周辺を俯瞰的(ふかんてき)に見た記憶、そしてれいかから奪われたバッドエナジーである暗い気持ちしか初めは持ち合わせていなかったらしい。そのためかあまり俺とれいか以外との仲が進展しないのだ。

 

 まだ数日しか経っていないが、これからも一緒にいる事が増えるのだからもう少し距離を詰めて欲しいのが本音だ。

 

 

 

 

「位置について、よーい、どん!」

 

 体育の授業中、現在は来週の体育祭に向けて各々の競技選びの参考にする為に100m走のタイムを計っている。五人ずつで走っているのだが、なんの偶然かプリキュアメンバー五人が丁度同じタイミングで走るようだ。

 

「みんな頑張ってー!」 「あかねー!」

 

「緑川さーん!」

 

 あの五人は人当たりも良いので結構クラス人気もある。

 

 ふと、視線を感じたのでそちらを見れば数人の女子が俺を睨みつけた後に走者の方へ顎をしゃくった。…………それ女子のする仕草じゃねーだろ……ヤクザか何かかな?

 

 まぁ大体の意味は察せるのでちょっとだけ引いた仕草をしてから頷いておく。

 

「がっ、頑張れ!」

 

 ちょっと吃ったのご愛敬ってやつだ……普段人前でこんな声張ることなんて無いからしょうがないね……え?普通ないよな?

 

『はい!頑張りますのでしっかり見ててくださいね♡」

 

 れいか……いや、きょうかだな。すっごい嬉しそうにこっちに手を振っている。

 

「そんな大袈裟に反応しないでください///私にもイメージというものが///」

 

「青木さーん、位置についてー」

 

「あっ、申し訳ございません///」

 

 フラッグ係に苦笑いで注意されて慌てている……可愛い。

 

「それでは位置について、よーい、どん!」

 

 上げられたフラッグを合図に五人が一斉に駆け出していく。先ず抜け出したのは緑川だ。続いて日野、そこから星空とれいかがほぼ並んで最後に黄瀬という順番だ。……星空って意外と走れるのな、もっと遅いと思ってたぜ……

 

 そうして見ていると肩を軽く叩かれる。

 

 振り向くと二年二組一のふくよかさをもつ宗本だった。

 

「どうした?」

 

「比企谷君……いや、比企谷さん。最近青木さんとの仲が一層深まってるみたいだけどさ……どうやったらあんな美人な子と仲良く出来るの?」

 

「お、おう……」

 

 いきなり言われても反応に困るんだが……

 

「その秘訣とかあったら僕にも教えてください。お願いします!」

 

『お願いします!』

 

 いつの間にか男子大集合じゃねーかよ……

 

「あー、あれだ……」

 

 なんて言やぁいいんだ?一緒に悪の組織と戦っていますなんて言えねぇしな……

 

「一緒に何かを何度もやる……とか?」

 

「例えば?」

 

 例えばっ?!あー……

 

「例えばぁ…………部活とか委員会だな……うん。俺はれいかと花壇の手入れを一緒にやってるけどそれが切っ掛けで一緒に買い物に行くこともあったな」

 

『おおおおお!!』

 

 騒ぐな騒ぐな……つかお前はそのメモどっから出した?

 

「あと大切な事をひとつ……」

 

『……ゴクリ』

 

「……周りの空気を読め。ほら周り見てみろ」

 

『………え?』

 

 お前らが集まってるからタイム測定が進まなくなってるぞ……

 

「ちょっと男子!早く来てよ!タイム計れないでしょ!」

 

「すまん!今行く!つー事だよ……はい解散」

 

 そう言って俺は男子の包囲から逃げる為に率先してスタート地点に向かった。

 

 

 

 ………結果は勿論下から数えた方がはやかった。……非運動部に結果を求めないで欲しい……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それではこれより、来週の体育祭に向けて各競技に出場するメンバーを決めたいと思います」

 

 教室にれいかの声が響く。

 

「今日計ったタイムや自分の得意な種目を鑑みて立候補して下さい」

 

 今日はこの種目決めのために特別な時間割だ。六時限目の数学の代わりに各クラスで種目毎の出場選手をこの時間に決めて、今日中に先生方が選手表を作成するらしい……数学が無くなるのは嬉しいが、もうちょっと余裕を持ってそういうのは作ろうぜ?

 

 

 

 

 順調に選手が決まっていき最後に女子リレーの選手決めだ。

 

「次は女子リレーです。誰か立候補はありませんか?」

 

 ザワザワ……

 

 体育祭の花形だけあって結構みんな話し合ってるな……

 

「一組と四組は全員陸上部の子らしいよ?」

 

「マジかよ……最強じゃん」 「ムリムリ」

 

「うちのクラスじゃどうせ勝てないわよ……」

 

「きっつ……」

 

 誰かはわからんが最初の一言で一気にクラスの雰囲気が悪くなったな……

 

 どうすっか……あ……

 

「おーい男子ーそういうとこだぞ……」 

 

 ふと、思い付きでボソッと呟けば男子が急に静かになった。そして――

 

「やる前から諦めるなんて良くねーよな!」

 

「俺達には応援しか出来ねーけどその代わり超応援するぜ!」

 

 おおう……すげぇ、手のひらクルンクルンじゃん……

 

「あ、そ、そうよね!」 「みんなで頑張りましよ!」

 

 男子達に影響を受けてか女子達にも良い雰囲気が広がっていく。

 

「じゃあわたしが出るわ!」

 

「わたしも!」

 

 そして遂に立候補者が現れる。

 

「まぁ、それではお二人は『ちょっと待って!』……え?」

 

 れいかが黒板に名前を書こうとすると立候補した二人に止められる。そしてその二人と数名の女子が緑川の事をじっと見つめ出した……?

 

「………えっと……じゃあアタシも」 

 

『どうぞどうぞ!』

 

「えっ?!えっ?えぇ……」

 

 コントかよ……つかさっきの二人、緑川に立候補させたかっただけか……

 

「それでは緑川さんにお願いしますね。他に立候補はいませんか?」

 

 れいかもれいかで反論される前に速攻で名前書いてるな……

 

「はいはい!なおちゃんが出るならわたしも出る!」

 

「ウチもや!」

 

 え?もしかしてお前らもグルだったの?反応早くね?

 

「星空さん、日野さん、ありがとうございます。ではあと二人、誰かいますか?」

 

「あぁもう……じゃあ残り二人は黄瀬さん、青木さんでお願いします」

 

「……え?!」 「なお?!」

 

 おぉ、緑川が反撃したな……多分黄瀬は完全に巻き込まれだろうけど……

 

「おお!仲良しグループだな!」

 

「緑川さん達、頑張ってね!」

 

 こうしてなし崩し的に女子のリレーの選手が決まったのだった……

 

「ふふん♪よろしく………みんなと走れるなら結果的には良かったかな

 

 

 




今回少し少なめでした……まぁ序章って事で許してください。

やっぱりクラスは和やかな雰囲気の方が良いですよね。

それではまた次回!よろしくお願いします!
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